JPS603451B2 - 小麦グルテンおよび小麦澱粉の分離方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、好ましくは小麦粉から、小麦グルテンと４・
麦澱粉を分離する方法に関するものである。

小麦粉を水でもつてドウになし、得られたドウから洗浄
により澱粉を抽出する通常のマーチン法以外に、小麦粉
と水の自由流動性混合物から澱粉とグルテンを分離する
種々の方法が開発されている。

ジェイ ダブリュ ナィトにより「小麦澱粉ならびにグ
ルテンおよびその加工生成物のイＣ学」第２７〜３０頁
に記載された所謂連続バッター法では小麦粉と水から連
続ミキサー中で自由流動性のバッターを作る工程を含む
。

ミキサー中に一定時間滞留させたあとバッターをポンプ
に送りまた同時に洗浄水をこのポンプに供Ｖ給して澱粉
がグルテンから洗い出される。グルテンは選別で分離せ
られる。「ジャーナルオブ フッドサィェンス」第３鏡
蓋（１９７１年）第６４９〜６５２頁に記載されている
フェスカ法の一改変法においては、４・麦粉と水の均質
混合物が遠心分離法により澱粉分と液状蛋白質濃厚液に
分離せられる。

蛋白質濃厚液からグルテンは単離されず蛋白質濃厚液は
そのまま乾燥せしめられる。この方法に手を加え、英国
特許第１３９７３７０号に記載されている如く蛋白質濃
厚液を激しく燈拝しながら適当な温度ならびに保持時間
で凝集させ、凝集グルテンを分離することによりグルテ
ンを蛋白質濃厚液から分離することもできる。上記方法
は何れもそれぞれ別の装置内で実施せられるいくつかの
異なった工程（すなわち凝集、洗浄、分離）を包含する
。

本発明に従えば小麦蛋白質と小麦澱粉ならびに水を含む
混合物をハイドロサィクロン装置中に通過せしめる１工
程で小麦から澱粉とグルテン凝集物を分離する方法が提
供せられる。

この方法により小麦グルテンの回収が非常に容易になる
。

またハイドロサィクロン装置を利用すると水の消費量が
非常に節約され、このことは廃水問題を解決する上で、
またエネルギー節約の上で極めて重要である。本発明に
従えば、小麦蛋白質、小麦澱粉および水を含む混合物が
ハイドロサィクロン装置に導入され、この装置内でａ
グルテンはハイドロサィクロン中で凝集し、凝集した形
でオーバーフロー部分中に移行せしめれｂ タップ位置
で澱粉バルクを部分が分離せられることを特徴とする小
麦グルテンと小麦澱粉の分離方法が提供せられる。

バッターを作るのに小麦粉を用いるのが好ましい。

硬質ならびに欧質小麦粉が本発明方法での原料物質とし
て使用しうる。本発明の新規方法では従釆の工業的小麦
澱粉製造法では使用不可能な各種グレードの小麦粉を利
用することができ、この点で経済的に大いに有利である
。

また小麦粉の代わりに小麦の全ひきわりあるいは他の加
工した形の小麦例えばフレーク状にした小麦を用いるこ
とができる。

以下の記載において例示のため小麦粉を用いる場合につ
いて本発明方法を説明する。

本発明方法により小麦粉からグルテンと澱粉を製造する
場合、先ず小麦粉を充分量の水と混合して小麦粉を完全
に水和しポンプ送り可能なバッターを作る。

水の量は小麦粉１トン当り約１．５トンである。混合は
任意の好適な装置内で行うことができバッター調製には
長時間を必要としない。例えばグルテンの水和を改善す
るためバッターの自然解を調節したり薬品を添加する必
要はないが、状況に応じてはかかる手段をこうじること
もできる。ポンプ送り可能なバッターはそれ以上手を加
えることなく、ハイドロサィクロン装置に導入され、そ
の中でグルテンから糸状物および固形物への自然的凝集
が行われる。ハイドロサィクロン中でグルテンが凝集す
る現象は予想外の驚くべきことである。また数センチの
長さにもなるグルテン凝集物がハイドロサィクロンの機
能に何ら影響をおよぽさぬことも驚くべきことである。
ハイドロサィクロンのブロックあるいは閉塞は全く起ら
ない。また形成せられるグルテン凝集物はふるいわけに
よりハイドロサイクロンのオーバーフローから容易に分
離することができる。

ハイドロサイクロン装置内で重質部分がバッターから分
離せられる。

大量の澱粉（主グレード澱粉あるいはＡ−澱粉）および
大量の繊維を含むこの重質部分はタップ点でハイドロサ
ィクロン装置から取り出される。主グレード澱粉および
繊維のこの水性混合物は次に繊維から澱粉を分離するた
めふるいわけ工程に付される。さらに純粋な品質の澱粉
を得るためハイドロサィクロン菱直にハイドロサィクロ
ン洗浄城をもうけることができる。この洗浄域の最後の
洗浄段階に新しい水を供給する。他の精製法例えば分離
装置あるいは遠心分離装置での水洗も好適である。こう
して得られる純粋な澱粉懸濁液はさらに濃縮、脱水およ
び乾燥せしめられる。ハイドロサィクロン装置内で分離
せられる竪質部分は凝集グルテン以外に小麦粉の残りの
各種成分例えば澱粉（第２グレードの澱粉あるいは８−
澱粉）、繊維の残部および非溶解物質を含む。

オーバーフローとしてハイドロサイクロンから放出され
るこの竪質部分から凝集グルテンが分離されその後乾燥
せしめられる。この分離はふるいわけにより行われる。
０．３肋〜２．仇舷の閉口を有するこの目的に使用せら
れるスクリーンあるいはふるいは凝集グルテンが容易に
ふるいわけ可能であるので特殊なものでなくてよい。

このふるいわけは通常の回転式グルテン洗浄機中で有効
に行われ、この中でグルテンはコンシステンシーの大な
る衆知の塊にさらに凝集が進行する。ふるいを通過する
液は第２グレードの澱粉と可溶性物質を含む。

第２グレード澱粉はこれから例えば遠心分離あるいは鏡
斜法により回収せられる。ハイド。サイクロン装置のオ
ーバーフローにはまたある程度主グレード澱粉も含むこ
とがある。この主グレード澱粉は凝集グルテンをふるい
わけしたあと絹下流を多数のハイドロサィクロン群を通
過せしめることにより回収せられる。主グレード澱粉を
含むこういったサイクロン群のアンダーフローはハイド
ロサィクロン装置の洗浄城に循環せられる。このオーバ
ーフローは第２グレード澱粉と可溶怪物質を含む。本発
明方法の実際的操作で澱粉と蛋白質を充分分離するため
にはハイドロサィクロン装置からのグルテンを含まぬオ
ーバーフローの一部をバッター調製のため循環させるこ
とが好ましい。

向流洗浄のため適当な数のハイドロサィクロンステージ
をもうけることと循環とで水の消費量を小麦粉１トン当
り約３の未満に減らすことが可能である。分離効率はハ
イドロサイクロン内の温度を３ぴ０以上、好ましくは３
０〜５０℃に上昇させることによりさらによくなる。オ
ーバーフローを循環させると温度は上昇する。温度を上
昇させる別の方法は予め加熱された新しい水あるいは水
流をハイドロサイクロン装置に導入することである。本
発明方法で小麦粉からグルテンと澱粉を分離することは
例えばとうもろこし澱粉工業で用いられているように多
段ハイドロサィクロン袋贋で行うことができる。

こういった装置に特殊な条件は不Ｙ必要で、オーバーフ
ローを清澄化するための三つのハイドロサイクロンステ
ージ群と新しい水で向流的に洗浄するための約九つのス
テージ群の多段区域からなる多段ハイドロサィクロン装
置が好適である。こういったハイドロサイクロンステー
ジ群はオランダ特許第７５０２０９７号に記載されてい
るような一つあるいは多数の多段ハイドロサイクロンか
ら構成せられる。ハイドロサイクロンステージ群シリー
ズの連結はいるいるな方法例えばディ ステルケ１５巻
（１９筋年）第３７１〜３７３頁に記載の方法で行われ
る。

本発明方法の実施に有用なハイドロサィクロン装置の１
例は米国特許第３８９０８８８号に記載されている。こ
ういったハイドロサィクロンは装置全体にわたり直径１
０〜１５凧の円筒部をもつことが好ましい。

ハイドロサィクロンでの圧力低下は約３〜６バールであ
る。以下添付図を参照し実施例により本発明を説明する
が「 これ以外の具体化も勿論可能である。

実施例サイロＡからの小麦粉をミキサーＢ中で、ハイド
ロサイクロン装置Ｄからのふるいわけしたオーバーフロ
ーおよび／またはメークアップの水と混合しポンプ送り
可能なバッターを作る。

小麦粉対ふるいわけオーバーフローの重量比は約１：１
．５である。このバッターはポンプＣによりハイドロサ
イクロン装置Ｄに導入せられる。ハイドロサイクロン装
置Ｄは１２ハイドロサィクロンステージ群からなり、そ
の内の三つの上のステージ群は清澄化ステージＤ，とし
て作用し、残りの九つのステージ群は洗浄ステージＤ２
として作用する。ハイドロサィクロン区域のアンダーフ
ローおよび洗浄ハイドロサィクロン区域のオーバーフロ
ーと混合されたバッターはポンプＥによりハイドロサイ
クロンの第１洗浄ステージに斑給せられる。このステー
ジでバッターは竪質成分を含むオーバーフロー部分と童
質成分を含むアンダーフロー部分に分けられる。この分
離は次の各洗浄ハイドロサィクロンステージでも繰返さ
れる。４ぴ○の新しい洗浄水がＶで最後の洗浄ハイド。

サイクロンステージの供給導管中に導入され、最後の洗
浄ステージではタップ点で繊維を含む水性澱粉懸濁液が
放出される。この繊維はふるいわけ装置Ｆでフィブレ−
ションのあとｍで除かれる。Ｗの点で装置から放出され
る純粋な繊維を含まぬ澱粉懸濁液は濃縮され、澱粉が真
空フィルターおよび空気乾燥により常法で回収せられる
。この澱粉の蛋白質含量は乾燥基準で０．３％である。
水、グルテン、４・ごな澱粉粒および溶解成分からなる
洗浄区域Ｄ２からのオーバーフローはポンプＧにより３
段区域Ｄ，に導かれる。この区域のオーバーフローに凝
集グルテンは移送され、メッシュサイズ０．５脇の回転
式グルテン洗浄装置日により凝集グルテンがオーバーフ
ローからふるいわけられる。１で装置から放出されるグ
ルテンは空気乾燥により、乾燥ベースで約８０％の蛋白
質を含むグルテン生成物（ファクター５７）となされる
。

ふるいわけ装置の回転式グルテン洗浄機日を通過する部
分は２分せられる。

１部は小麦粉のバツターを作るのに用いられまた残りの
１部は０の点で装置から放出され第２グレード澱粉回収
後に蒸発乾燥せしめられる。

このハイドロサィクロン装置は下記条件下に作動せられ
る。

すなわちハイドロサィクロンの全ての多段ハイドロサィ
クロンステージでの円筒部の直径は１物舷である。ハイ
ドロサィクロンでの圧力低下は３．５バールである。精
製ステージに供給せられる新しい水の量は小麦粉１トン
当り約２．５〆である。

【図面の簡単な説明】

添付図は本発明方法を実施するために用いられる好まし
い装置の構成ならびに処理原料の流れを示す図であり、
図中Ａはサイロ、Ｂはミキサー、Ｃはポンプ、Ｄは多段
ハイドロサィクロン、Ｄ，は清澄化ステージ、Ｄ２は洗
浄ステージ、Ｅはポンプ、Ｆ‘まふるいわけ袋直、Ｇは
ポンプ、日はグルテン洗浄装置、１はグルテン取り出し
口、０‘ま第２グレード澱粉含有液取り出し口、ｍは繊
維取り出し口、Ｗは澱粉液取り出し口、Ｖは新しい水の
供給口。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 小麦蛋白質、小麦澱粉および水を含む混合物をハイ
   ドロサイクロン装置内に導入しハイドロサイクロン中で
   グルテンを凝集させ凝集物の形でオーバーフロー部分中
   に移行せしめて、澱粉バルクを含む部分をタツプ点で分
   離することを特徴とする小麦グルテンと小麦澱粉の分離
   方法。 ２ 新しい水が向流的に導入せられる水洗部を有するハ
   イドロサイクロン装置に混合物が導入せられる特許請求
   の範囲第１項記載の方法。 ３ オーバーフローの一部をグルテンを除去したあと原
   料混合物の調製に使用する特許請求の範囲第１項あるい
   は第２項記載の方法。 ４ 循環前にオーバーフローから澱粉を部分的にあるい
   は完全に除去する特許請求の範囲第１〜３項の何れかに
   記載の方法。 ５ ハイドロサイクロン装置内の温度を３０℃以上に上
   昇せしめる特許請求の範囲第１〜４項の何れかに記載の
   方法。 ６ 予め加熱せる新しい水を導入することにより温度を
   ３０〜５０℃に上昇せしめる特許請求の範囲第１〜５項
   の何れかに記載の方法。 ７ 小麦粉が澱粉とグルテンに分離せられる特許請求の
   範囲第１〜６項の何れかに記載の方法。 ８ 小麦全ひきわりが澱粉とグルテンに分離せられる特
   許請求の範囲第１〜６項の何れかに記載の方法。 ９ ハイドロサイクロンに１０〜１５ｍｍの円筒部が設
   けられている特許請求の範囲第１〜８項の何れかに記載
   の方法。 １０ サイクロンでの圧力低下が約３〜６バールである
   特許請求の範囲第１〜９項の何れかに記載の方法。 １１ 小麦粉１トン当に３ｍ＾３未満の新しい水が用い
   られる特許請求の範囲第１〜１０項の何れかに記載の方
   法。