JPS6034259Y2 - 女性用尿捕集器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 技術分野 本考案は、高年令者や身体不自由者などの人で、車椅子
上または寝たきりで暮している女性のための尿捕集器に
関する。

従来技術 従来、体力を消耗して起き上ることが不自由であるとか
身体的障害があって、お手洗まで歩行するのが困難な人
達に対し、床中または車椅子上で排尿を捕集するように
した器具は知られていた。

しかしながら、この種の女性用の器具は完全な尿の捕集
が困難であったり、使用方法が不便であつたりして、効
果が上らないことが多く、結局、もとから使用されてい
る“おしめ″方式の採用に落付く場合が一般であった。

その為、装置および後始末のため多く人手を要するとか
、臭いがこもるとか、衛生上好ましくないとか、気持良
くない思いをする等々の不便を忍ぶことが少くない。

また、たとえ捕集に成功しても、その後処理のために、
わずられしい思いをするとか、看護人の手助けを借りる
ことが多かった。

目的 本考案は、特に女性用を目的とした尿捕集用の装着具で
あって、上述、従来器具が有する欠陥を改善するために
提案され、すなわち、体に装着した捕集器の筒状開口部
に排尿吸収材を詰めた防水性フィルムよりなる張圧袋を
直接、水密に、かつ、ワンタッチで着脱できるよう取付
け、用を足す毎に排尿のすべてを吸収材に吸収させ、本
人自身が操作して、新たな張圧袋を床上または車椅子上
で簡単に取換え、取付けることができるようにし、しか
も後処理が容易で装着感が良好な安全な器具を提供して
、椅子に乗って生活をしている人達が自分自身で容易に
日常の排泄物の始末をすることができるよう仕向け、ま
た、寝たきりの人達とその家族または看護人の日常経験
する被看護人に対する、いわゆる“°しもの世話パに関
する手当の労苦を軽減させることを目的とするものであ
る。

構成 今、本考案女性用尿捕集器の実施例を図面に沿って説明
すると下記のとおりである。

第１図は、本考案捕集器の外側要部斜視図であって、図
中、１は軟質のシリコン樹脂などの合成樹脂材により成
形された逆台形状の平板からなる本体で、その下辺近く
に円筒状部材２を、その外側開口部が斜め下方を向くよ
う一体的に立設し、その円筒前端開口縁に張圧装着脱機
構５を設けてなる捕集器に、張圧材（紙）７を詰めた防
水袋６を着脱自在に装着するところを示すものである。

なお、８および９は、それぞれ逆台形本体の肩部および
下部両側に連設された捕集型装着用のバンドの一部を示
す。

第２図および第４ａ図を参照して、同図は捕集器本体の
内側を示す斜視図および側断面図であり、３は、前記円
筒部材２の基部内側を朝顔形に内方に拡げ、大略漏斗状
をなし、その外周縁の形は正面からみたとき縦長の長楕
円形（はぼ７５Ｘ３５ＴＩＶＩＬ）で側面からみて弧状
になるよう本体と一体的に形成した軟質の薄膜部材から
なる接触シール部で、その外周縁の肉厚は約３咽程度で
あり丸味を帯びて形成されている。

４は、縦長の長楕円形縁３を囲み、その側に設けられた
同縁よりも大形の長楕円形縁で、本体に対し皿状にかつ
一体的に形成されており、縁３と４との間には、下側を
除いた大部分のところに凹溝が存在し、そのうちの上部
には溝の底部を貫いて複数の空気抜き孔を穿設する。

縁４は、５ｍｍ程度の肉厚を有し、内縁３よりもやや変
形し難く形成しである。

外縁４も、側面からみたときには、その縁が円弧状にな
るよう、ただし、内縁３の方が約１０ｍｍ程突出して形
成される。

熱可塑性合成樹脂によって一体的に形成された本体１の
左右両肩には、それぞれ捕集型装着用のバンド８の取付
孔を、また、前記円筒部材２の基部左右側にも同様なバ
ンド取付孔をそれぞれ穿設して、各バンド８，９を連設
する一方、本体１の正面にも湿気を逃がすための複数個
の空気抜き孔が設けられる。

装着用バンド８は、第３ａ図に示すように、腰部締付バ
ンド１０に連設して、器具を局部に装着したとき下方に
ずれ落ち体から離れないように保持し、その他端は係止
部材を介して本体１下部左右の取付孔に連結したバンド
９を太股の内側を通し、尻に沿って斜め上方に導いた〔
第３ｂ図参照〕その端部と連結して、器具内側の漏斗状
長楕円形縁３の面が局部に密着、シールするようバンド
９により圧着作用を生じさせてい。

このように、装着バンド８，９および１０を体に巻付け
、固着することによって、器具本体を局部周辺をシール
した状態で、その位置の移動が生じないように、体の所
定位置に装着させることができ、これによって、一定期
間は同一捕集器本体を体に装着したまま過すことが可能
になる。

なお、外側長楕円形縁４は、内側長楕円形縁３のシール
作用の安定または保護のため肌に接触する役割を担うも
のである。

一方、上記円筒部材２の開口周縁部に設けた張圧装着脱
機構５には々の型式がある。

（イ）第４ａ図に示すとおり、円筒体２の外側開口縁外
周に、周方向に沿って一条ないし二条の比較的に低いリ
ング状のリブを設け、他方、これに嵌着できる内径を有
する環状体の内壁に、前記のリブを受入れる溝を削設し
、円筒部材２に張圧袋フィルムをかぶせた上から部材２
の当該部分に嵌着、保合可能に設けた嵌着リング１１を
用意して、張圧袋取付時には前記リング１１の内径を通
してから張圧袋の開口部のフィルムを円筒部材２の開口
縁にかぶせ、その後、袋素材の上から嵌着リング１１を
円筒部材２に嵌合し、張圧袋を水密的に挾持する。

この際、円筒部材２は軟質合成樹脂材より形成されてい
るので、嵌着リング１１を硬質材で成形しても、強い外
力により容易に変形し嵌着ができる。

また、無理に引出せば外すことも容易である。

もつとも嵌着リング１１の材質は軟かくでも、張圧袋を
水密に固定することができ、かつ、ワンタッチで着脱可
能であれば差支えない。

むしろ、着脱するのに余り堅いと使用者が不便を感じる
ことがある。

嵌着リング１１は、その前後を同形にして、どちらの側
からも円筒部材２に嵌合することができるようにするこ
とが好ましい。

前記リング１１はあまり薄手につくると、かえって指を
掛は難いものとなる。

（ロ）第４ｂ図にその要部を示すように、円筒部材２の
開口周縁に、はぼ同径のゴム磁石、フェライト磁石等か
らなる磁気リング１２を埋込み、ここに張圧袋開口縁フ
ィルムをかぶせた後、外側から前記磁気リング１２と同
径で、かつ異極の磁気を帯びた磁気リング１２′を袋素
材を挾んで吸着させ、両磁気リングの吸引力によって袋
６の開口縁を水密に係止したものである。

したがって、係止磁気リング１２′の面にはリング１２
異極であることを示す色とか形を現わす識別記号を設け
ることが望ましい。

磁気リングの吸引力は強力であって意識的にリングを外
す行為をしない限り、円筒部材２から張圧袋が自然に外
れるといった事故は起らない。

逆にあまりに磁力を強くすると着脱操作がかえって不便
になるおそれがある。

（ハ）円筒部開口縁外周にバヨネットタイプの着脱機構
１３を設けておき、これと係合するリング１４を別に準
備しておいて、円筒部材２の開口部に張圧袋開口縁を充
分深くかぶせてその袋体外から、袋素材を挾んで前記係
合リング１４を円筒部材に係合させ、張圧袋と円筒部材
とを水密的に結合するようにした。

等々の構造を実施することができる。

一方、張圧袋は、１図、第４ａ図等に示すように、ポリ
エチレンその他軟質熱可塑性合威樹脂のインフレーショ
ン成形法によって得たフィルムを縦に溶着、切断して成
形した完全防水袋６を用い、内部に紙繊維の強力な吸水
紙７をまるめて詰込み、その上端付近の袋素材を重合し
て水密を破ることなく点状に溶着１５し、吸水紙７が袋
６から取出すことができないように、しかし張圧袋の開
口から受容した排尿は点溶着部１５の間の隙間を流れて
抵抗なく袋６内に流入して、吸水紙７に吸収されるよう
に形成する。

このようにすれば、張圧袋の後処理の際、−寸位袋開口
部を下に向けても収容した排尿が漏れ出ることがないか
ら、取扱いが極めて容易になる。

上記袋体６の開口径またはその周長は、少くとも本体１
に突設した円筒部材２の外径または外周よりもやや大き
めであることを要する。

前記張圧材７は、ソフトな吸水紙（商品名シルキ吸水紙
）４枚構成のものを円筒状に丸めたものであって、実験
結果によれば次のような資料を得た。

以上のとおりであるから、上記張圧袋は一度の排尿量は
充分に吸収することができ、故意に袋体を外部から絞ら
ない限り、張圧材７に含まれた尿が外部に漏れることは
ない。

また、張圧袋の開口部と張圧材７端との間で袋体素材が
点溶接１５されているので、張圧袋の取換え、交換の際
にも尿を含んだ張圧材７が袋体開口側に移動することが
なく、不用意に取扱っても張圧袋から外部に尿が漏れな
い。

次に、その使用方法に・ついて述べる。

まず、器具本体を前述の方法により局部に装着する。

その降、捕集器内側に開いた縦長の内炎楕円漏斗状縁３
はやや薄肉で変形し易く局部の形に合わせて外側から皮
膚に密着シールし、また、外長楕円形縁４はやや肉厚で
周囲に均等に圧接し、内長楕円縁３の位置を安定させる
と共に、局部を保護する機能を奏する。

捕集器本体１はシリコン樹脂などで成形されているので
、長期間肌に装着しても無害であるが、あまり長く着用
すると衛生上も好ましくないので約３か方位で取換える
ようにした方がよい。

前記構造よりなる張圧袋の開口部を本体１の円筒部材２
にかぶせる前に、予め、開口部側から嵌着リング１１を
嵌めておいて、袋体６の開口部に充分深く円筒部材２端
を挿入した後、張圧袋側に嵌めておいた嵌着リング１１
を袋素材の上から円筒体２に設けたリブの部分に嵌合す
るよう押込みワンタッチで円筒部材２に張圧袋の開口を
水密状態に連結することができる。

円筒部材２が軟質合成樹脂により形成された比較的肉薄
構造であることおよび開口端であることなどの理由から
、強い外力に対し割合容易に弾性変形をして嵌着リング
１１との間で嵌合関係をつくり、また、これを外すこと
も容易である。

したがって、身体障害を持つ人達でも老人、病人などで
あっても楽に嵌着リングのセットおよび取外しが可能と
なる。

磁気リングによるワンタッチ方式の場合も、上記と同様
で、張圧袋間口側から磁気リング１２′を嵌め、袋体６
の開口縁で円筒部材２をカバーした後に、円筒体外周に
埋込んだ磁気リング１２に袋素材を介して対向吸着させ
、フィルムを挾んで水密に張圧袋を連結することができ
る。

〔第４ｂ図参照〕 また、磁気リング１２′を摘んで無理に引離す力を加え
ると、同リング１２′を磁気リング１２側から離すこと
ができるので、新たな張圧袋の交換、後処理が容易であ
る。

磁気リング着脱機構以外のものによる張圧袋の着脱、交
換も、上記操作と殆んど変らず、ワンタッチで使用可能
であり〔第４Ｃ図参照〕、かつ、袋内の排尿は全量を張
圧材に吸収され、後処理中に袋開口から漏出することが
ないから、看護者は勿論のこと、本人自身も床上または
床中あるいは車椅子上において張圧袋の取換え、取付け
および後処理が容易にできる。

このため、身体に障害があって日常車椅子を利用して過
している女性の場合、手洗所が整備されていない所にも
安心して外出可能という効用も生じる。

第５図に示すものは、従来使用されている“おしめ゛を
縦方向に中央部まで切込みを施したもの１６で、これを
本考案捕集器と併用するときには第６図示のとおり、お
しめ１６を腰部に当て、その切込みを入れた部分を背側
から股をくぐらせて腹部に当てる場合に、捕集器本体の
円筒部分２を左右から包むようにして張圧袋が、おしめ
の外側に出るようセットしなければならない。

おしめの圧力によって張圧袋の内容積が極端に縮小して
いると袋内に張圧材を詰込んであっても、排尿が溢れる
おそれがある。

この点は、一般着装の場合にも注意を要することであり
、さらに、張圧袋の点接着部分１５をできるだけ円筒開
口部に近付け、袋体がよじれることがないよう留意する
とか望ましい。

おしめカバーを併用する場合も、カバーの腹部にあたる
部分に縦に適宜な長さの切込みを施して、カバー装着時
も、円筒部分ひいては張圧袋をカバー外に出すようにし
ておくことを要する。

効果 本考案女性用尿捕集器は、以上のとおり、自宅、病院、
療養所、老人ホームまたは福祉施設等で、車椅子上でま
たは寝たきりあるいは病人で現に“おしめ”など使用中
の女性の排尿をワンタッチで、しかも大部分の場合看護
者の助けを借りることなく処理をするとかでき、 （イ）張圧袋の取付け、交換が短時間のうちに容易に、
ワンタッチでできるから、看護者は勿論のこと、本人自
身で排尿の処理が楽にできるようになる。

（ロ） 張圧袋には、充分な張圧機能のある張圧材を詰
めである上に、袋の口部を点溶接しているので、取換え
の際に張圧材および排尿が袋外に漏れることがなく、取
外した後処理も容易で臭いも少ない。

（ハ）張圧袋には充分な量の張圧材を詰めであるから、
下着、シーツ、布団などを濡らすおそれがない。

に） “おしめ゛に比べて取換え、後処理が手軽である
。

（ホ）二枚使用の紙おむつよりも経済的である等々、本
人、家族または看護者が日常直面する身体的または精神
的な負担を大巾に軽減することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案女性用尿捕集器の外側要部斜視図、第
２図は、その内側を示す斜視図、第３ａ図は、本考案捕
集器本体を装着したときの前側、第３ｂ図は、その後側
からみたところ、第４ａ図は、溝形の嵌着リングを用い
たワンタッチ式張圧袋取付機構、第４ｂ図は、磁気リン
グを用いた同機構で第４ｃ図は、バヨネットタイプのワ
ンタッチ着脱機構の各要部断面図、第５図は、本考案捕
集器と併用するための“°おむつ゛の平面図、第６図は
、本考案捕集器と“おむつ゛とを併用装着した前側を示
すものである。 １・・・・・・尿捕集器本体、２・・・・・・円筒部材
、３・・・・・・内側縦長楕円形漏斗状縁、４・・・・
・・外側長楕円形縁、５・・・・・・ワンタッチ着脱機
構、６・・・・・・張圧袋、７・・・・・・張圧材（紙
）、８，９および１０・・・・・・装着バンド、１１・
・・・・・嵌着リング、１５・・・・・・点溶着、１６
・・・・・・おむつ。

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. （１）軟質合成樹脂によって形成された逆台形本体下部
   に、円筒部材を連設して、その軸線方向を斜め下方に向
   け、円筒基部内側方開口縁を斜め上方に向けて末広がり
   に拡げ、局部に合致するよう縦長の長楕円形薄肉縁を形
   成して開口せしめ、さらに前記長楕円形開口部を取巻い
   て、前記本体内側面に、連続した長楕円形縁を一体的に
   立設すると共に、前記円筒外側端開口縁に吸尿袋の口縁
   をかぶせて、ワンタッチ係脱機構により両者間を水密に
   、かつ着脱自在に取付け、前記吸尿袋は、軟質合成樹脂
   製フィルム内に所要量の吸尿材を詰め、その端部と袋体
   開口部との間で袋素材を重合わせて点溶接し、液体は通
   過できても吸尿材は移動しないように封じて形成された
   防水袋よりなり、前記逆台形本体の所要個所に装着用バ
   ンドを取付けたことを特徴とする女性用尿捕集器。
2. （２）ワンタッチ着脱機構は、円筒部材外側開口縁外周
   に、リング状の凹凸溝を施し、吸尿袋開口縁フィルムを
   かぶせた上から、別に設けた内壁に前記凹凸溝に係合す
   る凸凹溝を備えたリングを嵌着するとによって前記吸尿
   袋のフィルムを挾持するようにしたことよりなる、実用
   新案登録請求の範囲第１項記載の女性用尿捕集器。
3. （３）ワンタッチ係脱機構は、円筒部材外側開口縁部に
   磁気リングを埋込み、別に設けたこれとは異極の磁気リ
   ングを吸着させて、その間で吸尿袋開口部のフィルムを
   水密に挾持するようにしたものよりなる、実用新案登録
   請求の範囲第１項記載の女性用尿捕集器。
4. （４）ワンタッチ係脱機構は、円筒部材外側開口縁外周
   にバヨネットタイプの係脱構造を施し、吸尿袋の開口部
   フィルムをかぶせた外側からバヨネットの保合リングを
   係止することにより、吸尿袋を円筒開口縁に連結するよ
   うにしたことよりなる、実用新案登録請求の範囲第１項
   記載の女性用尿捕集器。