JPS6032754Y2 - 貫通形コンデンサ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、貫通形コンデンサに関し、更に詳しくは、貫
通導体の取付構造に係るものである。

従来の貫通形コンデンサは、段付円筒状の外部金具の底
部内面上に、磁器コンデンサの電極の一方を接続固定す
ると共に、該磁器コンデンサの中心部に設けた貫通孔内
を貫通させた直杆状の貫通導体を、磁器コンデンサの電
極の他方に半田付は等の手段で接続固定した構造となっ
ていた。

しかし、直杆状の貫通導体であると、磁器コンデンサの
電極に対して半田付けする際に、貫通導体が位置ズレを
起し、貫通導体の取付位置の変動や半田付は強度の低下
を招き、最悪の場合には電極と貫通導体との間の電気的
導通が不完全となって、コンデンサとしての機能が損わ
れることもあった。

このような欠点を除去するものとして、第１図Ａ、 Ｂ
に示す構造の貫通形コンデンサが提案されている。

この貫通形コンデンサは、段付円筒状の外部金具１の底
部内面上に、円板上に形威された磁器コンデンサ２の電
極２ａを半田付け３すると共に、該磁器コンデンサ２の
中心部に設けた貫通孔４内の貫通導体５を、磁器コンデ
ンサ２の他の電極２ｂに半田付け６し、更に外部金具１
内における磁器コンデンサ２のまわりに絶縁樹脂７，７
を充填し、磁器コンデンサ２の絶縁耐電圧、耐湿性を確
保する構造となっている。

前記貫通導体５は、金属板材によって構成し、磁器コン
デンサ２の電極２ｂと接続する部分に、折曲突片５ａ、
５ｂを設け、該折曲突片５ａ、５ｂを電極２ｂの面上に
対接させ、かつ半田付は固定しである。

この折曲突片５ａ、５ｂの形成にあたっては、第２図Ａ
の展開図に示すように、比較的幅広く形威したタブ端子
５ｃの下方に、これより狭幅の貫通端子部５ｄを連設す
ると共に、タブ端子部５ｃと貫通端子部５ｄとの連接部
分の両側に、切溝８，９を設けて舌片５ａ、５ｂを形威
し、この舌片５ａ、５ｂを切溝８，９の基底部分で点線
４９口に沿って互に反対方向に折曲げる。

これにより、第２図Ｂ、Ｃに示すように、タブ端子５ｃ
と貫通溝端子部５ｄとの連接部分の両側に、互に反対方
向に折曲る折曲突片５ａ、５ｂが形成される。

以上の工程はプレス加工等により−”工程で行なうこと
ができる。

上述の貫通形コンデンサは、貫通導体５の折曲突片５ａ
、５ｂがコンデンサ２の電極２ｂに対接して位置決めさ
れるので、位置決め作業が非常に容易になること、機械
的な接着強度が大きくなりヒートサイクル試験時の応力
による隙間、剥離などの発生が防止され、絶縁耐電圧特
性、耐湿性等が向上すること、量産的で安価であること
等々の効果が得られる。

しかしながら、折曲突片５ａ、５ｂにエツジ部分が存在
するため、このエツジ部分に高電界力線が集中して沿面
破壊を起すことが多いこと、折曲突片５ａ＊５ｂが互に
反対方向に折曲げられているため、電極２ｂに対する折
曲突片５ａｔ５ｂの座りが悪く、折曲突片５ａまたは５
ｂが電極２ｂから浮いて半田付けされたり、あるいは貫
通導体５の全体が傾斜する等の難点があり、外部接続子
の脱着に弱いという欠点があった。

本考案は上述する欠点を除去し、電界の集中部分をなく
して沿面破壊を防止し、絶縁耐電圧特性を向上させ、小
形化を図ると共に、コンデンサの電極に対する貫通導体
の座りを良くし機械的強度を増大させた貫通形コンデン
サを提供することを目的とする。

この目的を遠戚するため、本考案は、貫通孔を開口させ
た両面に電極を設けたコンデンサの前記電極の一方に、
前記貫通孔内を貫通する貫通導体を導通させた貫通形コ
ンデンサにおいて、前記貫通導体は、前記電極の一方に
対接する円形状のつば部を有し該つば部上の略中心部に
突起を突設した導体部分と、該導体部分の前記突起に巻
回固定された端子部分とを備えて構成され、前記端子部
分は、前記突起に巻回固定された部分の上部を前記突起
の軸心方向に折曲げると共に、前記突起の軸心上で軸心
方向に沿うように立上がらせてタブ端子部を形成したこ
とを特徴とする。

以下実施例たる添付図面を参照し、本考案の内容を具体
的に説明する。

第３図Ａは本考案に係る貫通形コンデンサの正面断面図
、第３図Ｂは同じくその平面図である。

図において、第１図と同一の参照符号は機能的に同一性
ある構成部分を示している。

この実施例では、貫通導体５は、磁器コンデンサ２の貫
通孔４内を貫通させた導体部分１０の上端部に、磁器コ
ンデンサ２の電極２ｂに対接して半田付は固定される円
形状のつば部１１を一体に連設すると共に、該つば部１
１の上方に突出させた突起１２にファストン形状の端子
部分１３の下端部に設けた耳片１４，１５を、両側から
囲むようにして、圧着または半田付は等の手段によって
巻回固定しである。

この貫通導体５を組立てるには、第４図Ａに示すように
、つば部１１、突起１２を有する導体部分１０と、下端
部の両側に耳片１４，１５を有するファストン形状の端
子°部分１３とを用意し、導体部分１０の突起１２に、
端子部分１３の耳片１４．１５を矢印への如く巻回し固
定する。

前記端子部分１３は、突起１２に巻回固定された耳片１
４，１５の上部を、突起１２の軸心方向に折曲げると共
に、突起１２の軸心上で軸心方向に沿うように立上がら
せて、外部接続導体との接続部分となるタブ端子部を形
成しである。

これにより、第４図Ｂ、Ｃに示すような構造の貫通導体
５が得られる。

上述のように、本考案においては、磁器コンデンサ２の
電極２ｂに対接して接続固定されるつば部１１を円形状
に形成しであるから、電極２ｂに対するつば部１１の座
りが安定し、つば部１１が電極２ｂに対して強固に半田
付は固定され、その機械的強度がきわめて大きくなる。

この結果、端子部分１３に外部接続子を脱着させた場合
でも、貫通導体５とコンデンサ２の電極２ｂとの間の電
気的、機械的接続が安定に保たれ、信頼性が向上するこ
ととなる。

また、つば部１１がエツジのない円形状であるため、電
界集中による沿面破壊を生じることがなく、絶縁耐電圧
特性が向上し、小形設計が可能になる。

端子部分１３は、耳片１４，１５を突起１２に巻回固定
しであるので、この巻回固定部分の機械的強度が非常に
大きくなる。

このため、端子部１３の端部に形成されているタブ端子
部に外部端子を装着する際の装着力が、巻回固定部分よ
りは上方の首部に集中するようになる。

そこで、本考案においては、巻回部分１４．１５の上部
の首部を、突起１２の軸心方向に折曲げ、更に突起１２
の軸心上で細心方向に沿うように立上がらせである。

このような折曲げ部分があると、外力の集中する首部分
の機械的強度が、折曲げ塑性加工により増大するので、
外部端子接続時の外力により首部が曲がるのを防止でき
るようになる。

しかも、突起１２の軸心上で軸心方向に沿うように立上
がらせて、外部端子との接続部分となるタブ端子部を形
成しであるので、外部端子を軸心上で装着でき、外部端
子を接続する場合の外力が軸心上に位置するようになり
、貫通導体５の左右方向への曲がりが防止できるように
なる。

なお、図示はしていないが、二個の直列コンデンサを有
する二重絶縁保護構造の貫通形コンデンサ等、他のタイ
プの貫通形コンデンサに対しても本考案は適用が可能で
ある。

以上述べたように、本考案は、貫通孔を開口させた両面
に電極を設けたコンデンサの前記電極の一方に、前記貫
通孔内を貫通する貫通導体を導通させた貫通形コンデン
サにおいて、前記貫通導体は、前記電極の一方に対接す
る円形状のつば部を有し該つば部上の略中心部に突起を
突設した導体部分と、該導体部分の前記突起に巻回固定
された端子部分とを備えて構成され、前記端子部分は、
前記突起に巻回固定された部分の上部を前記突起の細心
方向に折曲げると共に、前記突起の軸心上で、軸心方向
に沿うように立上がらせてタブ端子部を形成したことを
特徴とするから、電界の集中部分をなくして沿面破壊を
防止し、絶縁耐電圧特性を向上させ、小形化を図ると共
に、コンデンサの電極に対する貫通導体の座りを良くし
て両者の接続強度を増大させ、外部接続子の脱着に対し
て充分に耐え得る高信頼性の貫通形コンデンサを提供す
ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図Ａは従来の貫通形コンデンサの正面断面図、第１
図Ｂは同じくその側面断面図、第２図Ａは同じくその貫
通導体の展開図、第２図Ｂは同じくその正面図、第２図
Ｃは同じくその側面図、第３図Ａは本考案に係る貫通形
コンデンサの正面断面図、第３図Ｂは同じく絶縁樹脂を
取除した状態での平面図、第４図Ａは同じく貫通導体の
展開図、第４図Ｂは同じくその正面図、第４図Ｃは同じ
くその側面図である。 １・・・・・・外部金具、２・・・・・・コンデンサ、
２ａ、２ｂ・・・・・・電極、４・・・・・・貫通孔、
５・・・・・・貫通導体、１０・・・・・・導体部分、
１１・・・・・・円形状のつば部、１２・・・・・・突
起、１３・・・・・・端子部分。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 貫通孔を開口させた両面に電極を設けたコンデンサの前
   記電極の一方に、前記貫通孔内を貫通する貫通導体を導
   通させた貫通形コンデンサにおいて、前記貫通導体は、
   前記電極の一方に対接する円形状のつば部を有し該つば
   部上の略中心部に突起を突設した導体部分と、該導体部
   分の前記突起に巻回固定された端子部分とを備えて構成
   され、前記端子部分は、前記突起に巻回固定された部分
   の上部を前記突起の軸心方向に折曲げると共に、前記突
   起の細心上で軸心方向に沿うように立上がらせてタブ端
   子部を形威したことを特徴とする貫通形コンデンサ。