JPS6031497B2 - 抜け落ち性の小さい吸収製品 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は吸収性粒子物のパッドからなる吸収性製品（例
、化粧用ふきとり用品、生理用ナプキン、おむつおよび
月経用タンポン等）に関する。

タンポンの場合には、パッドは所望の概ね円筒形の形状
に圧縮される。今日普通に使用されている上記の吸収性
製品は、吸収性粒子物からできており、この粒子性吸収
材は最も普通にはセルロース繊維（例、線）、再生セル
ロース（すなわち、レーヨン）および最近は吸収性を高
めるように化学的な変性処理を施した或る種のセルロー
ス材料（例、湿式架橋セルロース材料またはセルロース
グラフト共重合体）である。

通常、これらの繊維は疎性の（１０伍ｅ）一般に矩形の
パッドの形態に造られる。タンポンの場合には取り出し
ひもをパッドにとりつけた後、パッドを巻くか、折りた
たんで半完成品の形態にしこの半完成品を型の中で圧縮
して最終的なタンポンの形状にする。場合によっては、
半完成品または圧縮されたタンポンは、プランジャを備
えたタンポン適用器の中に押し込まれる。この適用器は
タンポンを圧縮された形態に保持すると同時にタンポン
を使用者の陣内に装着するための器具として働く。大体
において、このようなタンポンは広く受け入れられ、充
分に機能を果しているが、斯界は“抜け落ち（ｓｌｏ増
ｈｉｎｇ）”として知られる問題に困っていた。

タンポンに関する抜け落ち現象は、粒子物（特に繊維）
がタンポンの表面から離脱して睦の中に付着することで
ある。この離脱・付着は主として乾いたタンポンの挿入
時に起り、この時はタンポンと瞳壁との摩擦力が最高に
なり、繊維状粒子物の脱落を引き起し易い。この抜け落
ちの問題を緩和するためにいくつかの方法が提案されて
いる。

最も普通には圧縮したタンポンにシート材料の外側カバ
ーを設けることである。このシート材料は体液を透過さ
せうるものであって、しかもそのシート様一体性を維持
し、タンポン本体と障壁との界面として作用するのに充
分な湿潤強度を有するものである。この方法は概ね満足
できるものであるが、通常、不織布、ガーゼ等のシート
材料からなるこのようなカバーの混入は、タンポンの高
速製造を著しく妨げ、また最終使用者にとってはタンポ
ンのコストに相当にはね返る。その上、使用中に加わる
応力によってカバー材料が破損することも稀ではなく、
そうなるとカバーが抜け落ちに対する遮へい物となるこ
とができなくなるばかりか、その断片が睦の中に付着す
ることによって現実に新たな問題も付け加わる。上記の
問題に鑑みて、米国特許第２３３０２５７号には、タン
ポンの長藤両サイドを、使用中にはずれることが確実に
ないような充分な強度の閉塞性不透過性カバーを設ける
ことが提案されている。

このようなカバーはカバーの破損に関する問題をよくす
るのも事実であろうが、タンポン表面のこのようにおお
われた部分は月経分泌物をタンポン本体に移行させるこ
とができないという欠点が付随する。したがって、タン
ポンの挿入先端（ｌｅａｄｉｎｇｅｎｄ）によって吸収
されなかった液体は吸収されないまま残ってしまう。

これらの欠点を考慮すると、抜け落ちの問題に対しては
完全に満足できる解決法は今だに得られていないことは
明らかである。

本発明によって、従来の解決策に見られたような製造ま
たは製品コストを増大させたり吸収性を低下させるとい
う欠点が付随せずに、抜け落ちの問題をうまく解決する
吸収性製品が提供される。

具体的には、本発明は、吸収性材料の繊維質パッドを重
ねあわせて（たとえば折りたたむか、丸めこむことによ
って）大体円筒形の形状にした後、でき上りのタンポン
の形に圧縮してなるタンポンのような製品における抜け
落ち（けば落ち）の問題を解決することに関する。すな
わち、パッドの少なくとも片方の表面（パッドを円筒形
になるように重ね合せた後少なくとも部分的に露出する
方の表面が選ばれる）に接着性結合剤を非閉塞的（ｎｏ
ｎ−ｏｃｃｌｕｓｉｖｅ）模様に適用することによって
抜け落ちの問題が著しく軽減されることがここに判明し
た。タンポンの両サイドに閉塞的被覆を生じやすい従釆
からある被覆法とは異なって、本発明では接着性結合剤
はたとえば印ナツのような方法を使用して制御された模
様に塗布され、したがって充分な開放された（すなわち
、被覆されていない）区域が残っている。このようにし
て抜け落ちの問題が抑制されると共に、タンポンの吸収
館には著しい低下が起らない。パッドの表面には各種の
模様を塗布することができるが、被覆された面積は、接
着剤を塗布する表面の全面積に基いて少なくとも５％で
、好ましくは７５％以下とするのがよい。より好ましく
は被覆された面積はｉｏ−６０％であるのがよい。本発
明の特定の態様においては、タンポンの側面と共にタン
ポンの挿入先端からも抜け落ちを実質的になくすための
手段が提供される。

この手段によると、タンポンの所望のでき上り長さ寸法
より幅が広い矩形の繊維質パッドであって、その平面表
面の片方に一定模様の接着性結合剤が適用されているパ
ッドを用意される。このパッドを接着剤塗布表面を外側
にしてタテに折りかごね、折り曲げられた長手方向の縁
と口の開いた長手方向の緑の両方を有する折り重ねパッ
ドを形成する。次いで折り重ねたパッドを長手方向に巻
き上げ、圧縮してでき上りのタンポンにする。このよう
にすると、折り曲げられた長手方向の縁は非閉塞性の模
様の接着剤で被覆されていて、でき上ったタンポンの挿
入先端となる。本発明の別の態様においては、本発明の
教示のように非閉塞性模様の接着剤を塗布したパッドが
円筒形に巻き上げられたときにほどけないで、しかも非
閉塞性模様の接着剤で完全に被覆された外側表面をなお
与えるのを確実にする手段が提供される。

特に、巻き上げられたロールの外側のパッドの巻き込み
後端（ｔｒａｍｎｇｅｎｄ）がロールの本体に接着した
まま離れず、したがってロールが確実にほどけないよう
にする手段が提供される。この手段は、パッドのこの端
部をななめ（バイアス）に裁断して、パッドの下側、す
なわちロール本体と接触する側に束縛されていない繊維
が露出するようにすることからなる。このロールをその
後圧縮すると、この束縛されない繊維がロールの本体と
相互にからみあって、巻き込み後端が本体に密着したタ
ンポンができ上る。抜け落ちの減少に加えて、本発明の
タンポンは他の機能的特性も予期しえない向上を示すこ
とが判明した。

具体的には、テレスコーピング（Ｐｉｅｓｃｏｐｉｎｇ
）に対する傾向が著しく減少することが判明した。

ここで用いたテレスコーピングとは、タンポンが挿入や
取り出しの際にかかる力を受けたときにほどける傾向の
ことである。本発明の教示をいれると、このような傾向
は著しく減少する。さらに、本発明の教示にしたがって
作製したタンポンは破砕力、すなわちタンポンを曲げる
ようにタンポンの長軸方向にかかる力、に耐える能力も
著しく増大することが判明した。

この曲げに対する耐性は、このような力がかかりがちで
あるタンポンを指で挿入するときに特に重要である。添
付図面を参照して本発明をさらに具体的に説明する。第
１図を参照すると、たとえばセルロース繊維、再生セル
ロース、変性セルロースまたはこれらの混合物のような
吸収性材料１２のパッド１０が図示されている。

このパッドはこのような材料のゆるく圧縮されたウェブ
であってもよいが、繊維が１方向に配向しているカード
処理した繊維からなるのが好ましい。パッドの片方の表
面１４に印ナッされているのは非閉塞性接着剤の線１６
である。接着剤で塞がれているのが表面１４の全表面積
の約７５％以下、好ましくは約６０％以下となるように
線は間隔をあげた模様になっている。第１図に示すよう
に、接着剤の模様は互いにほぼ９００の角度で交差して
いる２組の平行線の形態をとっている。ただし、明らか
なように本発明はこの模様または他の任意の特定の模様
に何ら限定されるものではなく、非常に多くのバリエー
ションが当業者には可能であり、これらも本発明の教示
の範囲内である。たとえば、波形、非平行線も使用でき
、さらには接着剤は不連続の水玉模様でもよい。重要な
ことは接着剤が非閉塞性となるように適用すること、す
なわちその間に接着剤の塗布されていない空間を残して
、得らたタンポンの吸収性を実質的に損なうことを阻止
する一方、吸収性粒子または繊維をパッドの表面上にな
おいまりつけて抜け落ちが著しく低下するようにするこ
とである。ウェブに第１図に示した格子様模様に接着剤
を塗布または印ナッする技術は既によく知られており、
本発明にこれらを使用することができる。たとえば、米
国特許第３３７７０８号には、月経用ナプキン及び包帯
のおおし、として使用するための薄いウェブに印ナッ模
様を形成する方法が記載されている。簡単に述べると、
この方法は、所望の模様をェンボシングまたはエッチン
グにより彫り込んだオウ版印ナッロールを利用するもの
である。さらに別の有用な印ナッ法にはフレクソブラフ
ィツク（ｎｅｘｏ餅ａｐｈｊｃ）印ナッ法（接着剤をロ
ールの盛り上った部分につけ、次にゥェブに移す方法）
：反転ロール印ナッ法（接着剤を盛り上り部分を有する
第１のロールにつけ、次に第２のロ−ルに移し、その後
この模様をウェブに移す方法）等がある。本発明で使用
する接着剤は一般に非アレルギー性で、湿潤状態でも乾
いた状態でも柔軟で可榛性があり、タンポンの使用中に
非粘着性でなければならない。

さらに、接着剤は使用する印ナッ方式に適合するもので
なければならない。すなわち、接着剤は、印ナッロール
により充分な量の接着剤がパッド‘こ付着しうるように
充分高濃度で適当な分散煤（例、−水）に分散されうる
ものであって、しかも得られたェマルジョンの粘度は印
ナッ処理の実施を妨げないよう充分低くなければならな
い。好ましくは、このようなヱマルジョンは少なくとも
１０％の固体分を含有し、しかも室温でＢ式（ブルツフ
フイールド）粘度計により測定した粘度が１００比ｐ未
満であるべきである。適当な付着量は、接着剤を塗布す
べき表面１平方仇当り接着剤固体分約０．００５０９以
下である。好ましい量は１平方ｃの当り接着剤固体分約
０．０００５夕である。好適な接着剤にはオレフィン系
、ビニル系またはアクリル系の重合体、共重合体または
三元共重合体、たとえばポリアクリレート（例、アクリ
ル酸エチル重合体：ブロック共重合体（例、カルボキシ
ル化スチレンーブタジェン共重合体）：いわゆるプラス
チゾル、すなわち或る種の合成樹脂を適当な有機ェステ
ル可塑剤に分散させたコロイド状分散液）（例、塩化ビ
ニルのような樹脂を他のビニル樹脂と共に有機フタル酸
、セバシン酸、アジピン酸またはリン酸で可塑化したも
の）がある。別の好適な接着剤はポリアミド（例、ポリ
グリシン、ポリァミノ酪酸、ポリアミノカプリン酸）：
ポリオキシド（例、ポリプロピレンオキシド、ポリエチ
レンオキシド）、これらはカルボキシル、ホスフェート
、スルホネート部位のような官能基を含有するように変
性してもよい：イオン性ポリウレタン：セルロース誘導
体（例、アセチルセルロース、硫酸エチルセルロース、
ヒドロキシエチルセルロース、力ルボキシメチルセルロ
ース）等である。接着剤の種類やその塗布法に関係なく
、第１図のパッド１０は第２図に示すように折り曲げら
れ、長手方向の折り曲げられた緑２０と口の開いた緑２
２とを有する折りたたまれたパッド１８となる。

折り曲げられた緑２０は、後述するように、完成したタ
ンポンの先端になる。第２図に示すように、折り目は折
り曲げられたパッドの幅、Ｗが完成タンポンの所望の長
さにほぼ一致するように選ばれる。完成したタンポンが
その軸万向に沿って本質的に均一な密度となるようにす
るには、第１図の広げた状態のパッド１０の幅を完成タ
ンポンの所望の長さのほぼ２倍とし、このパッドを長手
方向中心線を折り目にして二つ折りにするのが好ましい
。折り曲げられたパッドを第２図に示した形状に維持す
るために、適当な接着剤の線２４を内側表面の片方また
は両方に塗布して、その後の加工処理中にパッドが不意
に広がるのを阻止してもよい。本発明の１態様によると
、第３図に示した折り曲げたパッド１８の断面図に最も
よく現れているように、折り曲げられた半完成品の少な
くとも一方の端部２５を斜めに裁断して、折り曲げられ
たパッドの片側２８の印ナツ表面が反対側２６の印ナッ
表面の先までせり出し、パッドのこの端部２５の部分の
繊維状吸収性材料３０がこの端部から突き出て短かし、
方の印ナッ表面２６より先に伸びているようにする。

実際には、長手方向に長く伸びた折り曲げパッドから、
多数のパッドを裁断していくことが考えられるので、折
り曲げたパッド３２の反対側の端部１８にも対応する斜
め裁断が描かれている。第３図に図示されている斜め裁
断は表面２６および２８から斜めの角度をつけた直線の
縁を与えるが、このような直線裁断を使用することは必
須ではなく、曲線その他の形状でも同様に満足しうろこ
とは理解されよう。

折り曲げたパッド１８は次いで、上記短かい方の表面（
すなわち、端部２５に関して短かい方）２６を内側にし
て、端部３２から長手方向に巻きこむ。

途中まで巻いた折り曲げパッドを第４図に完全に巻き込
んだパッドを第５図に示す。これらの図面からわかるよ
うに、折り曲げられた縁２０が得られた巻き込みパッド
３４の一端３６（これは完成したタンポンの先端となる
）になるために、この端部３６はその露出側の表面が印
ナッ模様で完全におおわれている。同様に巻き込まれた
パッドの残りの外表面全体も、折り曲げたパッドの口の
開いた端部２２に相当する末端３８を除いて、印ナッ模
様でおおわれている。この後者の末端３８は、もちろん
最終的にはタンポンの取り出し端部となる。第４図と第
５図に示すように、斜め裁断の端部２５は、折り曲げパ
ッドを完全に巻き上げたときに一番外側にくる折り曲げ
パッド巻き込み後端となる。

この斜め裁断のために、後端２５の内表面側に繊維３０
が露出し、これがロールの外表面と接触してからみあい
、後端２５がロール表面上にぴったり付着する。第５図
からわかるように、斜め裁断のために、この後端２５で
は外表面２８の方が内表面２６より長くなっており、後
端の切断面をロールに押しつけると、からみあう繊維３
０は巻いたパッドの外部表面に露出せず、巻いたパツド
‘ま一様におおわれた表面を与える。所望により、後端
２５の付着性をさらに確実にするために、ここにカルボ
キシメチルセルロースのような適当な接着剤を少量塗布
してもよい。第５図の巻き上げたパッドを次に長手方向
もしくは半径方向またはその両方に圧縮して挿入先端４
０と取り出し端部３８とを有する第６図に図示した最終
的なタンポンに仕上げる。

取り出し端部３８からは取り出しひも４２がタンポン用
に通常の方法で出ている。この取り出し用のひもはタン
ポンに縫いつけてもよいし、また当業界で既知のどの方
法によって取りつけてもよい。たとえば、取り出し用の
ひもは巻き上げと圧縮を行なう前の折り曲げたパツド‘
こ論状にとめるか、結んでとめてもよい。でき上ったタ
ンポンは、睦の内壁と摩擦接触する全表面が印ナッ模様
の接着剤でおおわれている。この模様でおおわれていな
い唯一の場所である取り出し端部３８はもちろん障壁と
最小限にしか接触せず、したがってこの端部がおおわれ
てし、なくても不利とはならない。第７図に示すのは、
本発明のタンポンをつくる製造経路の一部を示す図式図
である。

第８図は第７図に示す各作業工程を通過するたびごとの
加工ピースの状態を図式的に示す。カード加工された吸
収性繊維の長いウェブ４３は、供孫溝ロール４５から印
ナツステーションＡへ送られる。このステーションＡは
印ナツロール４４、バックアップ・ロール４６、接着剤
組成物貯槽４８およびドクターブレード５０からなる。
接着剤組成物貯槽には供給された接着剤組成物５２、好
ましくは水性ェマルジョン状のものが入っている。印ナ
ッロールの表面には所望の印ナツ模様のみぞがエッチン
グにより設けられている。ロールは回転するにつれ、ま
ず貯槽に入っている組成物の中に浸り、ロール表面が組
成物で被覆され、次にドクターブレード５０を通過して
、プレード‘こよりロール表面の過剰の接着剤組成物が
けずりとられて、接着剤は本質的にエッチングのみぞだ
けに残るようにされる。印ナツロールはさらに回転して
通過するウヱブに達し、その片面５４に接着剤模様を押
圧する。第８図のＡはカード加工ウェブが印ナツステー
ションを出たときの印ナツ表面を示す。印ナツされたウ
ェブは次に接着剤塗布ステ−ションＢに送られ、ここで
第８図Ｂに示されるように、印ナツされた面５４と反対
側の面５６に接着剤塗布機５８によって２本の線の接着
剤６０が塗布される。

既述したように、この接着剤の線は、ウェブを折り曲げ
た後のその取り扱いを容易にする。ウヱブは次に折り曲
げステーションＣに進み、ここでウェプの長手方向と平
行のほぼ中心線に沿って折り曲げられ、第８図Ｃに示す
ように、折り曲げられた緑６２と開いた縁６４を有し、
印ナツされていない表面５６を内側にして折られた折り
曲げウェプを形成する。折り曲げられたウェブは次にノ
ッチング（切り目入れ）ステーションＤに進み、ここで
第８図Ｄに示すように、折り曲げられたウェブの横方向
に切り目６６，６８が上面と下面の両面に刻まれる。両
面の切り目はタテ方向に少しだけ互いにずらして刻まれ
、両方の切り目線を含む平面が、折り曲げられたパッド
の面に対してパッドの巻き込み後端を斜め切断するとき
の所望の角度を形成するようにする。両面の切り目は少
なくとも印ナッされた接着剤の線を通りこすのに充分な
深さまで刻まれるが、あまり深くする必要はない。ノッ
チングは、それぞれナイフ７２，７４を有する２個のノ
ッチングロール７０，７１の間にウエブを通すことによ
り行われる。２個のナイフは時間的に離されて作用し、
必要な切り目のずれを生ずるようになっている。

この時間のずれのため、各ナイフは反対側のノッチング
ロールをノツチング加工中の金敷として利用しうる。切
り目の刻まれたウェブはその後ゥェブ引き離しステーシ
ョンＥに送られ、ここでウヱブを引き離された端部６７
が必要な斜め角度ｂになっている個々のパッドに引き離
す。引き離しは、ウェブを開いた位置にある回転クラン
プ７６とクランプ台７８（これらは一対の偏心ニツプ８
０の前方にある）の間を通すことによって行なう。ウェ
ブが進んで切れ目がクランプ台７８と尼ップ８０の中間
の地点まできたときに、回転クランプ７６は回転してウ
ヱブがクランプ台７８にしっかりしめっけられるような
位置にくる。この時点において、偏心ニップ８０は歯８
２がウェプをつかむ位置に回転している。ニツプ８０が
そのまま回転を続けると、ウェブはクランブとニップの
間の引っぱり作用によって切れ目で引き裂かれて個々の
パツド‘こなる。こうして、パッドの斜め裁ち織部の部
分の束縛されていない繊維は引きちぎられるのであるが
、この束縛されていない繊維は、本発明により上述した
ように、パッドを巻き上げてタンポンの半完成品形にし
たとき、パッドの巻き込み後端の束縛されていない繊維
がロールの外表面とからみあって、そのためロールをタ
ンポンの完成品の形態に圧縮した後で繊維がその場所に
しっかりと固定されることになるので、望ましいもので
ある。次に第９図を参照すると、８Ｕのパッド９０が示
されており、このパッドは上記の吸収性材料からなるも
のでもよい。

これには上記と同じ接着性材料が非閉塞性模様で印ナッ
されているが、この場合の接着剤の模様はパッドの長辺
と本質的に垂直方向の平行線模様９２である。このパッ
ドは第１０図に示す折りたたまれた半完成品９４を形成
するように折り返されるのであるが、それにはまず長辺
ａが折り目ｃのところにくるように線ｂに沿って折り返
す。この折り返し操作を同じ方向に（長辺ｄに向って）
もう１回行なって線ｃに沿って折り返すと、吸収性材料
が３層になった長手方向に伸びる折りたたまれたパッド
が形成される。このパッドを次に第１１図に示すような
Ｕ形半完成品９４になるように折り曲げる。この半完成
品９４を適当な型に入れるか、タンポン装着器に押し込
むか、またはこれらを併用することにより圧縮すると、
その完成した形態は第１２図に示す最終タンポン１００
の形状をとろう。取り出し用のひも９８が通常の方法で
これにとりつけられているが、この具体例では最終的な
タンポンを形成する前のＵ形半完成品の折れ目のところ
にひもを論にしてくくりつけるか結びつけることによっ
てとりつけるのがよい。上には２つの具体例を述べたが
、折り曲げおよび／または巻き込みの種々の組み合せに
より上記以外にも多様なパッドの折りたたみ方法が当業
者には考えられ、それらも本発明の範囲内に包含される
ことは明らかであろう。

実施例 １上述した本発明の方法を使用して一連のタン
ポンを調製する。

どの場合にもタンポンは長さ８．５インチ（２１．＆次
）、韓１．９インチ（４．８肌）の第３図に示した一般
形状の矩形パッドから形成する。このパッドは平均ステ
ープル長さが１１／８インチ（２．８６仇）の３デニー
ルレーヨン繊維をカード加工したものからなり、上述し
た方法を使用して接着剤模様が印ナツされている。使用
した接着剤は重量％でスチレン６５％とブタジェン３５
％からなるカルボキシ化スチレンーブタジェン接着剤で
あり、そのガラス転移温度は−６℃である。この接着剤
のパッドへの塗布は、固体分５０％の水性ェマルジョン
から第７図と第８図に関して述べた方法によって行なう
。固体分０．０００５夕／地の量を、幅約１７ミル（０
．４３欄）の線による模様で印ナッ表面に塗布する。模
様の変更により印ナッ表面積に対する被覆率が後出の第
１表に掲出するように約０−４９％とさまざまの値をと
る試料を形成する。すなわち、被覆率４９％の試料の印
ナツ模様は１インチ（２．５４弧）当り５本の間隔の２
組の平行線からなり、各組の平行線はそれぞれパッドの
長辺と３０ｏの角度をなして互いに反対方向に懐斜し、
この交差によりダイアモンド形の模様を形成している。
被覆率３７％の試料は上記と同じ模様であるが、ただし
平行線の間隔は１インチ当り４本である。被覆率２５％
の試料は１インチ当り５本の幅１７ミルの１組の平行線
の模様であり、この平行線はパッドの最辺と９０ｏの方
向をむく。被覆率１７．５％の試料は２５％の試料と同
じ模様であるが、線の間隔は１インチ当り４本である。
両端が斜め裁ちになっている本発明の教示によるパッド
を、上記のように長手方向の中心線に沿って二つ折りに
した後、長辺と平行の方向に巻き上げ、圧縮して、直径
約０．５８ィンチ（１．５肌）、長さ約１．８８インチ
（４．７８弧）の本質的に円筒形の形状のタンポンにす
る。この寸法は本出願人が（ＣＡＲＥＦＲＥＥの商標名
で現在市販しているいわゆる“スーパー”サイズのタン
ポンに相当する。このス−パーＣＡＲＥＦＲＥＥタンポ
ンに対応するデータも対照例として第１表に含め、被覆
率０％と表示する。

模様を印ナッしたパッドからつくったタンポンは、取り
出し織部を除いてどの外表面も接着剤模様でおおわれ、
斜め裁ちの端部により連続的でなめらかな表面外観を与
える。被覆率３０％の上記試料とまったく同一の方法で
別のタンポンを調製する。

ただし、この場合はやや小さなパッドを使用し、したが
ってでき上ったタンポンの寸法は直径約０．５１インチ
（１．３肌）長さ約１．８５インチ（４．７０伽）で、
この寸法はやはり本出願人が市販する“レギュラー”サ
イズのＣＡＲＥＦＲＥＥタンポンに相当する。比較のた
めにレギュラーＣＡＲＥＦＲＥＥタンポンに対応するデ
ー夕も第１表に対照例として含め、被覆率０％と表示す
る。上記のタンポンをタンポンの使用中の抜け落ち性を
測定するために考えられた抜け落ち試験に付す。

各試料をまず７２０Ｆ（２が０）で相対湿度６５％に調
節された環境に４即時間放置してコンディショニングす
る。被試験試料を次にポリウレタンフオーム（米国ニュ
ージャージー州の蛇ｎｅｒａＩＦｏａｍＩｎｃ・からコ
ード番号４４００で市販されるもの）からなる１１×１
．７５インチ（２８×４．４５伽）の寸法の可捺性摩擦
材料層２枚の間にはさむ。試料の長軸を層の長軸と平行
にし、タンポンの挿入先端部が層の短辺のどちらかに本
質的に並ぶようにして試料を２層の間に置く。取り出し
ひもは層の反対側の短辺の方へ伸ばす。ガラスシリンダ
ーの中にポリエチレンの可榛性筒状スリーブを入れてな
る試験機の中にこのように２枚の摩擦層の間にはさんだ
試料を置く。ガラスシリンダーとスリーブの間の環状空
間に空気圧を加えて保持する手段を設ける。空気圧は試
料に８インチ２０．３肌）ゲージの水圧に相当する圧力
が生ずるように加えられる。各試料から出ている取り出
しひもをその後モーター駆動装置にとりつけ、１．２イ
ンチ／秒（３．０５肌／秒）の速度で摩擦層を通ってタ
ンポンを引き抜く。試験前後のタンポンの重量を記録し
、試験後のタンポンの状態をテレスコーピング（開きも
どり）に関して注意する。テレスコーピングとは巻き上
げられたらせん形のパッドが抜け落ち試験中に本質的に
完全にほどけて広がってしまうことを意味する。抜け落
ち試験の結果を第１表に示す。第１表 抜け落ち試験上
のデータから明らかなように、テレスコーピングは被覆
率０％のタンポン試料でしか起らず、本発明によりつく
ったタンポンは本質的にこの問題から完全にまぬがれて
いる。

その理由ははっきりしないが、本発明のタンポンの巻き
上げられたパッドの隣接らせん層の間に存在する被覆表
面の向い合せの関係がこの隣接らせん層の間の連結を或
る程度引き起し、巻き上げられた形状により大きな礎造
上の一体性を付与するものと考えられる。抜け落ちに関
しては、上に示した最小の被覆面積率でも抜け落ち試験
中に受ける重量減少を実質的に低下させることが見られ
る。

被覆率を中程度（２５．０％）に増大させただけで、抜
け落ちを１／６に減少させるという予想外に急激な効果
を生ずる。さらに被覆率を高めると、或る程度の抜け落
ちの減少を生ずる。実施例 ２ 実施例１にしたがって一連のスーパー・サイズのタンポ
ンを調製し、その円柱耐性（ｃｏｌｍｍ順ｒｒｅｓｊｓ
ｔａｎｃｅ）すなわち押しつぶし耐性を測定するために
試験する。

各被試験タンポンをィンストロン（ｌｎｓｔｒｏｎ）万
能試験機の下部ジョ−（あご部材）の上に保持された平
板の上にタテに立てて置く。次に上部ジョーを２インチ
／分（５．１肌／分）の速度で下げてタンポンを圧迫し
、タンポンが変形したときにタンポンに加えられた最大
の力を後出の第２表の押しつぶし強度として記録する。
比較のために被覆率０％のスーパーＣＡＲＥＦＲＥＥタ
ンポンの値も第２表に示す。

第２表 押しつぶし試験第２表がはっきり示すように、
本発明の教示によって調製したタンポンの押しつふくい
こ対する耐性は、市販の対照用タンポンに比べて、被覆
率３７％で２倍以上であり、被覆率４９％で３倍以上で
ある。

実施例 ３ 一連のスーパー・サイズのタンポンを実施例１のように
して調製し、その吸収性を測定するための試験をする。

これらのタンポンが擬似使用条件下で１重量％食塩水（
月経液の塩含有量に近い濃度）を吸収する能力を測定す
るために、水圧によってふくらませたポリエチレンスリ
ーブでタンポンをくるむことによって保持した８インチ
比○（２０．３狐日２０）の区画下にタンポンの側面を
保持しながらこのタンポン試料の一端を上記溶液に２０
分間浸す。過剰の液体分をタンポンから落とし、圧力を
ゆるめ、タンポンが吸収した溶液の重量を測定し、下記
の第３表に平均タンポン吸収能とタンポン重量に対する
平均吸収能の比の両方で記録する。吸収能のほかに、タ
ンポンの吸収速度もアメリカ材料試験協会の不織布吸収
時間試験（ＡＳＴＭＤ−１１１７）を使用して行なうご
大まかに言うと、この試験は試料をかごの中に隠れる
ように入れ、次にこのかごを液体の入ったビーカーに入
れて、かごが液体表面上を自由に浮遊するようにする。

かごが沈むまでの時間を吸収速度の尺度として採用する
。本実施では、どの場合も、種々の印ナッパッドの５夕
の試料を印ナッ模様が外面となるように巻き、かごの中
に隠れるように入れる。被覆率０％と表示した印ナッし
ていないパッドを対照例として使用する。結果を第３表
に示す。第３表吸収試験この表が示すように、印ナッさ
れた接着剤がたとえかなりの程度の被覆率で存在してい
てもそれがタンポンの液体吸収能に及ぼす影響はわずか
である。

また吸収時間で測定した吸収速度にも大部分はほとんど
影響がないが、被覆率が４９％に達すると吸収時間に若
干の増大が見られる。ただし、この状態でも吸収速度は
許容範囲内である。以上に本発明を月経用タンポンに関
して説明したが、本発明は繊維、粉末等のような粒子状
物のパッドからなる吸収性製品であって、抜け落ちが問
題となるものに広範に適用できる。たとえば、明らかな
ように、本発明はイ凶盗用ふきとり布にも適用でき、吸
収性繊維のような吸収性粒状物のパッドの少なくとも片
面に非閉塞性模様の接着性結合剤を印ナッすることによ
り、この製品に付随した抜け落ちの問題を著しく減少さ
せることができる。同様に本発明は手当材料、月経用ナ
プキンおよびオムッのような他の吸収性製品にも適用で
き、吸収性繊維のパッドの上に非閉塞性模様の接着性結
合剤を印ナッしたものはこの種の製品の抜け落ちの問題
を同様に著しく軽減させよう。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明にしたがって非閉塞性の接着性結合剤
が印ナッされているパッドの隅の１つを持ち上げた状態
の一部拡大斜面図である。 第２図は本発明の教示によるタンポンに巻き上げる前の
折り曲げただけのパッドの斜面図である。第３図は第２
図の折り曲げたパッドの３一３線に沿った断面図である
。第４図は第２図と第３図に示した折り曲げたパッドを
不完全に巻き上げた状態を示す一部切除斜面図である。
第５図は完全に巻き上げられたパッドの斜面図であり、
パッドの巻き込み後端部のすみが裏返されている。第６
図は本発明による完成タンポンの正面図である。第７図
は本発明による巻き上げた半完成品の製造工程を図式的
に示す。第８図は第７図の工程を経ることのパッドの加
工状態を図式的に示す。第９図は別の印ナッ模様を有す
るパッドの一部拡大斜面図である。第１０図は第９図の
パッドを折り曲げてつくった不完全折り曲げ半完成品の
斜面図である。第１１図は折り曲げの完了した半完成品
の斜面図である。第１２図は第１１図の半完成品からつ
くった完成タンポンの正面図である。１０，９０…バツ
ド、１６，２４，６０，９２・・・接着剤の線、４２，
９８…取り出しひも。 第１図第２図 第３図 第４図 第５図 第６図 第９図 第１０図 第１１図 第１２図 図 ト 滋 図 〇 漆

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 吸収性材料のパツドを折り返しないし巻き込んでな
   るタンポン用の吸収製品であつて、少なくとも部分的に
   外部に露出する側のパツド片面に非閉塞性模様の接着性
   結合剤が印ナツされて抜け落ちが減少させられているこ
   とを特徴とする吸収製品。 ２ 特許請求の範囲第１項の吸収製品であつて、接着性
   結合剤が印ナツされる全表面の約５−７５％を被覆する
   ように印ナツ模様が適用されているもの。 ３ 特許請求の範囲第２項の吸収製品であつて、接着剤
   が印ナツ表面の約１０−６０％を被覆しているもの。 ４ 特許請求の範囲第２項の吸収製品であつて、接着剤
   がスチレン−ブタジエン接着剤であるもの。 ５ 特許請求の範囲第２項の吸収製品であつて、接着剤
   がカルボキシメチルセルロース接着剤であるもの。 ６ 特許請求の範囲第１項の吸収製品であつて、印ナツ
   模様のある表面を外側にしてパツドを長手方向に折り返
   して、長手方向の口の開いた縁と折り曲げられた縁とを
   有し、印ナツ模様が外側主表面に露出している折り返さ
   れたパツドを形成し、次にこのパツドを長手方向に巻き
   上げて半完成品とすることから挿入先端からの抜け落ち
   を減少させる手段が施こされているタンポンの形状のも
   の。 ７ 特許請求の範囲第６項の吸収製品であつて、折り返
   され、巻き上げられたパツドの巻き込み後端部が半完成
   品の外表面とからみあう束縛されていない繊維を含有す
   ることからなる該後端部を該外表面に付着させる手段が
   施こされているもの。 ８ 特許請求の範囲第６項の吸収製品であつて、折り返
   され、巻き上げられたパツドの巻き込み後端部を斜めに
   裁断して束縛されない繊維が本質的に該後端部の下側の
   みに露出するようにすることからなる半完成品の外表面
   が該非閉塞性模様で本質的に完全におおわれているのを
   確実にする手段が施こされているもの。