JPS6031064Y2 - 高炉炉壁の保護壁れんが積み構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は黒鉛質れんがで構築した高炉炉壁の、保護壁れ
んが積み構造の改良に関する。

近年、高炉の大型化につれ炉内圧の高圧化、送風温度の
高温化など操業が苛酷化して、高炉の冷却方式も水冷箱
方式から均一に冷却でき冷却効果の良いステーブクーラ
一方式に改善された。

これにより、高熱伝導性を有しているので、冷却効果を
上げて使用すれば、高温においても高強度で耐食性にす
ぐれている黒鉛質れんがが高炉炉壁の炉底から湯溜り、
朝顔、炉腹部にまで多く使用される傾向にある。

従来は第１図に示すように、炉壁１および炉底２を構成
する黒鉛質れんがを稼動初期の配化雰囲気および熱衝撃
から保護するため黒鉛質れんがの炉内側に、粘土質れん
がで保護壁３を設けていた。

しかし、この保護壁３は並形れんが（長さ２３−１幅１
１４ｒＩｒ！ＩＬ１厚さ６５鴫）により構築されていて
、れんが個々にセリは無く、相互に保持し合う一体構造
とはなっていない。

そのため、保護壁３は炉内の円周方向の温度不均一下で
の熱膨張作動によりバックリング（ｂｕｃｋｌｉｎｇ）
を起こし、また、炉壁１の上下方向の厚み（高さ）の相
違による熱膨張寸法差によって、保護壁３の上下方向は
並形れんがが波を打ったように乱れる。

したがって、保護壁３は構築時の円筒形が歪み構造体と
しての安定性を失い、稼動初期に崩壊して、炉壁１およ
び炉底２を構成する黒鉛質れんがは配化および熱衝撃を
受けて、特に炉壁１と炉底２のコーナ一部が異常な残存
ライニング曲線４を示していた。

本考案はこのような問題を解決するために、黒鉛質れん
が構築された高炉炉壁の、保護壁の耐火れんがを相互に
嵌合し、れんが積みを２段にした強固な保護壁れんが積
み構造を提供することを目的とする。

次に、本考案を図面にもとづいて詳細に説明する。

第２図から第３図に示すごとく、黒鉛質れんがで構築し
た炉壁１において、段付き部１１を設けて、両端に凸部
を有し炉内方向に収縮するセリを与えた断面きね状耐火
れんが１２を相互に嵌合して段付部１１をさかいに２段
に築造した高炉炉壁の保護れんが積み構造である。

このようなれんが積み構造とすることにより、保護壁１
３の円周方向の炉内温度不均一下での熱膨張作動による
バックリングは、炉内方向に収縮するセリを与えている
きね状耐火れんが１２が相互にセリ合い両端の凸部で相
互に嵌合して強固に円筒形状を維持してバックリングが
起こらない。

そして、黒鉛質れんがで構築した炉壁１および炉底２の
上下方向の熱膨張作動の差は炉底２かられんが積みした
１段目の保護壁１３の側面と炉壁１の段付き部１１から
れんが積みした２段目の保護壁１３の側面の当接したス
ライド部１５で受は流すことができる。

したがって、保護壁１３は稼働初期の酸化雰囲気および
熱衝撃から黒鉛質れんがで構築した炉壁１を保護してい
る。

操業をつづけ保護壁１３が損耗して失なわれた段階では
、黒鉛質れんがで構築した炉壁１は第１図に示すような
異常な残存ライニング曲線４を呈することはなく、第２
図に示すように正常な残存ライニング曲線１４を呈しつ
つ損耗していく。

保護壁１３は炭化けい素質および高アルミナ質れんがを
使用する。

保護壁１３れんがはライニング厚を厚くして、さらに安
定性を増し、保護壁１３表面にセラミックボード１６を
貼り付けてさらに熱衝撃を緩和することもできる。

本考案は以上説明したように、強固な保護壁により、炉
壁を稼働初期の酸化および熱衝撃から守り、高炉の炉壁
と炉底のコーナ一部が異常に損耗するということが無く
なり、正常な均衡のとれた残存ライニング曲線を呈しつ
つ損耗して、炉寿命を延命することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の高炉炉壁の保護壁れんが積み構造を示す
部分縦断面図、第２図は本考案による高炉炉壁の保護壁
れんが積み構造を示す部分縦断面図、第３図は本考案に
よる高炉炉壁の保護壁を構成する断面きね状耐火れんが
のれんが積み構造を示す斜視図。 １・・・・・・黒鉛質れんがで構築した炉壁、１１・・
・・・・段付き部、１２・・・・・・断面きね状耐火れ
んが、１３・・・・・・保護壁、１４・・・・・・正常
な残存ライニング曲線、１５−−−−−−スライド部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 黒鉛質れんがで構築した炉壁１において段付き部１１を
   設け、両端に凸部を有し炉内方向に収縮するセリを与え
   た断面きね状耐火れんが１２を相互に嵌合して役付部１
   １をさかいに２段に築造した高炉炉壁の保護壁れんが積
   み構造。