JPS6031021Y2 - 狭開先溶接装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、螺旋状の塑性変形を付与した溶接心線を、
溶接ノズル、チップに送給し、溶接心線の先端を、■方
向に連続回転運動させるようにした狭開先溶接装置にお
いて、溶接心線の送給を円滑にするとともに、溶接チッ
プの摩耗を防止するようにしたものである。

まず、この考案の適用される狭開先溶接装置を示した第
１図について説明する。

同図において、１は開先に並行に移行する溶接機に保持
されモータを内装した駆動装置であり、ワイヤリールか
らの溶接心線２が、ワイヤ矯正装置によりワイヤリール
における巻き取りぐせを端正されたのち、駆動装置１に
挿通される。

３は駆動装置１により１方向に回転される心線曲げ変形
付加装置、４，５は付加装置３の基板６に上下に回転自
在に並設された固定ローラ、７は両固定ローラ４，５の
間にくい込む形で設けられた可変ローラであり、この可
変ローラ７は、基体６に枢支された支杆８に回転自在に
設けられ、支杆８の端部に枢支された調節杆９により、
可変ローラ７の位置が調節される。

すなわち、調節杆９が基体６に植設された固定片１０に
挿通され、ナツト１１の位置により調節杆９が移動し、
可変ローラ７の固定ローラ４，５に対する位置が調節さ
れる。

そして、駆動装置１に挿通されてのち、心線曲げ変形付
加装置３内に導入された心線２が、上部の固定ローラ４
、可変ローラ７、下部の固定ローラ５間に挿通され、心
線２に所定の曲率の螺旋状の塑性変形を付与される。

１２は溶接機に保持されたワイヤ送給装置、１３は送給
装置１２の基板、１４は基板１３に設けられ駆動モータ
により回転される送給ローラ、１５は送給ローラ１４に
対向して設けられた加圧ローラ、１６は上端が基板１３
に枢支れ加圧ローラ１５を保持した支持片、１７は基板
１３に設けられた調節棒、１８は調節棒１７に螺合した
つまみ、１９はつまみ１８と支持片１６の下端との間に
設けられたばねであり、つまみ１８の位置により支持片
１６の位置が調節され、送給ローラ１４に対する加圧ロ
ーラ１５の位置が調節される。

そして、心線曲げ変形付加装置３から導出された心線２
が、送給ローラ１４と加圧ローラ１５の間に導入される
。

２０はワイヤ送給装置１２の下部に固定された溶接ノズ
ル、２１は溶接ノズル２０の下部に固定さた溶接チップ
、２２は溶接チップ２１に溶接流を供給する給電ケーブ
ルであり、ワイヤ送給装置１２からの心線２が、溶接ノ
ズル２０および溶接チップ２１の誘導孔２Ｇ’、２１’
を経て導出される。

したがって、ワイヤリールからの心線２は、ワイヤ矯正
装置により端正されたのち、駆動装置１内を通り、駆動
装置１により１方向へ連続回転される心線曲げ変形付加
装置３により、一定周期で所定の曲率の螺旋状の塑性変
形が与えられ、ワイヤ送給装置１２により所定の速度で
溶接ノズル２０に送給されるとともに、溶接チップ２１
より導出され、導出された心線２は、付与された塑性変
形に復元し、アーク溶接中の心線２の先端の位置が、溶
接チップ２１の誘導孔に対し１方向の連続回転円運動と
なり、ウィービング溶接を行なうことになる。

ところで、塑性変形された心線２は、溶接ノズル２０お
よび溶接チップ２１の誘導孔２０’、２１′の周壁によ
り拘束され、とくに、溶接チップ２１の誘導孔２１′の
内径が小さいため、心線２と溶接チップ２１の誘導孔２
１′の周壁との摩擦力が大きくなる。

したがって、ワイヤ送給装置１２から導出された心線２
の送給が円滑に行なわれがたく、溶接結果に悪影響を及
ぼすことがある。

また、心線２と溶接チップ２１との摩擦により、溶接チ
ップ２１に摩耗が生じ、溶接が安定しない。

この考案は、前記の点に留意してなされたものであり、
つぎにこの考案を、その実施例を示した第２図以下の図
面とともに、詳細に説明する。

まず、１実施例を示した第２図および第３図について説
明する。

２３は第１図の装置における溶接ノズル２０の下端に装
着された絶縁性のベアリング、２４は溶接ノズル２０に
ベアリング２３を介して回転自在に装着され誘導孔２４
′を有する導電性の補助治具、２５は補助治具２４に上
端が固定された溶接チップ、２６は溶接ノズル２ｏに支
杆２７により保持された給電治具、２８は給電治具２６
の給電体、２９は給電体２８を補助治具２４に当接させ
るばね、３０は給電体２８に接続された給電ケーブルで
あり、給電ケーブル３０から給電体２８、補助治具２４
を介して溶接チップ２５に給電される。

したがって、溶接ノズル２０の誘導孔２０’の内径に比
し、小さい内径の溶接チップ２５の誘導孔２５′に、心
線２が接触しても、溶接チップ２５が自在に回転するた
め、心線２が回転方向に摩擦することがなく、心線２の
送給が円滑に行なわれ、溶接中のラブルが減少し、かつ
、溶接チップ２５の摩耗が防止される。

なお、補助治具２４への給電手段は、給電体２８を直接
補助治具２４に摺接させるほか、第４図に示すように、
給電体２８′を給電治具２６に固定し、給電体２８′か
ら弾性体３１を介して補助治具２４に当接するようにし
てもよい。

以上のように、この考案の狭開先溶接装置によると、駆
動装置により１方向に回転される心線曲げ変形付加装置
の基板の上下にローラを並設し、前記両ローラの間に他
のローラをくい込ませ、前記３個のローラの間に溶接心
線を挿通し、溶接心線自体に螺旋状の塑性変形を付与し
、溶接心線を溶接ノズルおよび溶接チップに送給し、溶
接チップから導出された溶接心線の先端を、１方向に連
続回転させるようにした狭開先溶接装置において、溶接
ノズルに溶接チップをベアリングを介して回転自在に取
付けたことにより、溶接心線の送給が円滑に行なわれる
とともに、溶接チップの摩耗を防止することができるも
のである。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の適用される狭開先溶接装置の正面図
、第２図はこの考案の要部の切断正面図、第３図は第２
図の切断平面図、第４図は第３図の他の例の切断平面図
である。 １・・・・・・駆動装置、２・・・・・・溶接心線、３
・・・・・・心線曲げ変形付加装置、１２・・・・・・
ワイヤ送給装置、２０・・・・・・溶接ノズル、２３・
・・・・・ベアリング、２５・・・・・・溶接チップ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 駆動装置により１方向に回転される心線曲げ変形付加装
   置の基板の上下にローラを並設し、前記両ローラの間に
   他のローラをくい込ませ、前記３個のローラの間に溶接
   心線を挿通し、溶接心線自体に螺旋状の塑性変形を付与
   し、溶接心線を溶接ノズルおよび溶接チップに送給し、
   溶接チップから導出された溶接心線の先端を、■方向に
   連続回転させるようにした狭開先溶接装置において、溶
   接ノズルに溶接チップをベアリングを介して回転自在に
   取付けた狭開先溶接装置。