JPS6030619Y2 - 回転式熱交換器のシ−ル用カセツト - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は空気調和、熱回収、除湿（乾燥）等に利用する
熱交換器（顕熱、潜熱、全熱）のシール用カセットに関
するものである。

従来の回転式熱交換器のシール構造は、ケーシングに固
定されたシール材の先端部が回転体との摺接によりシー
ルを行っているが、回転体がシール材との摺接により摩
耗、損傷を生じ易（、それに伴う粉塵を発生し易く、更
に前記摩耗等を考慮する必要があるため、シール材のシ
ール圧力の増強やシール材の材料の選択に制約を受けて
シール効果を増大することが困難であり、また回転体の
シール材と摺接する部分が回転体に於ける流路を狭めて
回転体が本来の熱交換機能を十分に発揮し得す、またシ
ール材の取付は施工が困難である等の欠点があった。

そこで本考案は、使用時にケーシング側のガイド板等に
摺接することができるようにして回転体の摩耗、損傷及
びこれに伴う粉塵発生を防止でき、またシール圧力の増
強やシール材料の選択ができてシール効果を容易に高め
られ、回転体に於ける流路を狭めず、しかも回転体への
取付は施工の容易な回転式熱交換器のシール用カセット
を提供しようとするものである。

以下、本考案の第１図乃至第４図に示す一実施例につい
て説明すると、１は回転式熱交換器であって、ケーシン
グ２と回転体３を備え、回転体３は回転体本体４の中心
部を軸５中夫のボス６に取付け、軸５の両端をケーシン
グ２の前後に設けた軸受７に支承し、図示を省略したが
適宜の駆動機構により回転可能となっている。

８はゴム等のシール材料で一体的に形成されたシール用
カセットであって、それは先端を稍々内向きに彎曲した
大径円筒状シール材９と先端を稍々外向きに彎曲した小
径円筒状シール材１０とを同芯状に配置し、これらシー
ル材９．１０間を周方向等間隔に配した放射状シール材
１１〜１１で接続して車輪状シール体１２を形成し、シ
ール体１２のシール材９．１０の基端には夫々回転体本
体４の外周部、内周部に嵌合する取付端部１３．１４を
形成している。

そして本例は、シール用カセット８の取付端部１３．１
４を夫々回転体本体４の外周部、内周部に嵌合固定する
と共にシール材１１基端を回転体本体４の端面に衝合し
てシール用カセット８を回転体本体４の前後両端に夫々
取付状態となし。

回転体本体４の端面に適当間隔を置いてケーシング２内
の外縁部及び中央部に夫々ガイド板１５．１６を設け、
これらガイド板１５．１６に夫々シール材９．１０の先
端部を摺接させ、一方、複数（図では左右）の流路１７
．１８の境界に於いてガイド板１５．１６に連設した扇
形状ガイド板１９．１９にシール材１１〜１１の先端部
を摺接可能となし、回転体３が回転した際シール材１１
〜１１の何れかが摺接状態となる大きさに扇形状ガイド
板１９を形成している、なお、図に於いて、２０は軸受
７の支持材である。

このようにした本例に於いては、回転体３を回転させる
と、回転体３に取付けたシール用カセットの筒状のシー
ル材９．１０が夫々ガイド板１５．１６に摺接しつつ回
動するので、ケーシング２の内部２１と各流路１７．１
８間のシールが行われ、一方、シール用カセットの放射
状のシール材１１〜１１が流路１７．１８間の扇形状ガ
イド板１９．１９にそのシール材１１〜１１の何れかを
順次摺接しつつ回動するので、流路１７．１８間のシー
ルが行われる。

こおため回転体本体４はなんらシール材９．１０．１１
を摺接しないこととなって摩耗、損傷を生じないもので
あり、また回転体本体４の端面にはシール材との摺接面
を要しないので回転体本体４の端面を流路１７．１８と
して有効に利用できる。

なお、シール用カセットは、上側ではゴム等のシール材
料で一体的に形成したが、第５図に示すように、前記回
転体本体４の外周部、内周部に夫々嵌合する円筒状取付
部２２．２３を周方向等間隔に配した放射状リブ２４で
連結した金属、プラスチック製等の基板２５の片側に前
例同様の内外シール材２６．２７及び周方向等間隔に配
した放射状のシール材２８を取付けて全体を車輪状とし
たシール用カセット２９を用いても良い。

上記のように本考案は、同芯状に配した大小の円筒状シ
ール材間を周方向等間隔に配した放射状シール材で接続
して車輪状シール体を形成し、シール体の基端には回転
式熱交換器の回転体本体の内周部及び外周部に嵌合する
取付端部を形成したことを特徴としており、使用時にケ
ーシングに設けたガイド板等に摺接することになり、従
って回転体の摩耗、損傷及びこれに伴う粉塵発生を防止
でき、またシール圧力の増強やシール用材料の選択がで
きてシール効果を高められ、従来のシール材との摺接か
らする回転体に於ける流路の挟まりも解消でき、しかも
回転体への取付は施工が容易で取換えも容易である。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示すもので、第１図は取付は施
工状態に於ける側断面図、第２図はその正面図、第３図
はシール用カセットの正面図、第４図はその側断面図、
第５図は別例のシール用カセットの側断面図である。 １・・・・・・回転式熱交換器、２・・・・・・ケーシ
ング、３・・・・・・回転体、４・・・・・・回転体本
体、５・・・・・・軸、６・・・・・・ボス、７・・・
・・・軸受、８・・・・・・シール用カセット、９．１
０，１１・・・・・・シール材、１２・・・・・・シー
ル体、３，１４・・・・・・取付端部、１５，１６・・
・・・・ガイド板、１７．１８・・・・・・流路、１９
・・・・・・ガイド板、２０・・・・・・軸受支持材、
２１・・・・・・内部、２２．２３・・・・・・取付部
、２４・・・・・・リブ、２５・・・・・・基板、２６
．２７．２８・・・・・・シール材、２９・・・・・・
シール用カセット。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 同芯状に配した大小の円筒状シール材間を局方同等間隔
   に配した放射状シール材で接続して車輪状シール体を形
   成し、シール体の基端には回転式熱交換器の回転体本体
   の外周部及び内周部に嵌合する取付端部を形成したそと
   を特徴とする回転式熱交換器のシール用カセット。