JPS6030412Y2 - 触媒コンバ−タ− - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案はラスメタル触媒を有する排気ガス浄化用触媒コ
ンバーターに関するものである。

〔従来の技術〕

近時、車輌特に自動車の内燃機関より排出される排気ガ
ス中の有害物質が重要視され問題となってきている。

この排気ガス中の有害成分は主として、未燃焼炭化水素
（ＨＣ）、一酸化炭素（ＣＯ）および窒素酸化物（ＮＯ
ｘ）であることから、これらを完全燃焼させて無害なＮ
２０とＣＯ２に変えるとか、還元してＮ２に変える方法
が種々考えられている。

その方法の一つとして、触媒による接触反応を利用する
方法があり、これに触媒コンバーターが使用されている
ことは既に知られている。

この触媒コンバーターに使用される触媒には種々あるが
、その一つとしてラス状金属（以下ラスメタルという）
を担体とし、これに必要ならば更にアルミナ等の無機質
担体用物質をコートし、触媒成分を担持させたラスメタ
ル触媒が使用されている。

このラスメタル触媒は、耐振動性、耐熱性を有し、また
排気ガスの通過性も良いことから車輌の触媒コンバータ
ー用に適するが、従来は必ずしも適切な方法で使用され
ていないため、その効果も充分に発揮されていなかった
。

このラスメタル触媒は、従来は第１図に示すように、円
筒形のアウターケース６とその前後のコーン４，５より
形成されるコンバーター１′内にラスメタル触媒７をケ
ース６の内壁に沿って所定の厚さに配設し、適宜ピン８
，８′・・・によってケース６に固定されていた。

しかしながら、このようにラスメタル触媒７を内装した
従来の触媒コンバーター１′では、排気ガスがコンバー
ター１′内を通過する際ラスメタル触媒７の表面部分で
接するだけなので、触媒との接触面積が少なく、浄化性
能が低いという欠点があった。

なお、図中の２および３は前後のエキゾーストパイプを
示す。

上記欠点を解決するために、粒状触媒を用いた触媒コン
バーターで従来知られているように、排気ガスの通路に
メクラ板等を設けて触媒層を排気ガスが何回も横切るよ
うにすること（実開昭５ｌ−３３６ＯＲ公報参照）も考
えられるが、ラスメタル触媒では熱によって線膨張する
率が大きいため、従来全く行われていなかった。

〔考案が解決しようとする問題点１ 本考案は上記の問題を解決し、触媒と排気ガスとの接触
面積を増大させ、更に触媒コンバーター内の排気ガス流
路の改善ならびにラスメタル触媒の熱変形の防止等をは
かった触媒コンバーターを提供するものである。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案は、ラスメタル触媒をアウターケースより小径の
円筒体となし、該円筒体を円筒体のアウターケース内に
保持するにあたり、該円筒体の外周とアウターケースの
内壁との間を塞ぐリング状の排気ガス外側遮蔽板を複数
個該円筒体の外周に取付け、そして外側遮蔽板の１つま
たは該円筒体の一端をアウターケースに固定し他の外側
遮蔽板はアウターケースに滑動可能に接触させ、かつ前
記遮蔽板と前後するように該円筒体の内部に適当数の遮
蔽板を取付けることにより、排気ガスが触媒円筒体の体
壁を複数回通過するようにしたことを特徴とする。

本考案は、上記の如くラスメタル触媒の円筒体をアウタ
ーケースより小径とし、該円筒体の内外に内部遮蔽板と
外側遮蔽板をそれぞれ交互する位置に設けたため、排気
ガスが円筒体を何回も横切ることとなり浄化率が向上す
る。

また、外側遮蔽板の１つ以外はアウターケースに固定し
ないため、円筒体が熱によって伸びてもその円筒体が変
形することがなく排気ガスの通過効率が低下することが
ない。

〔実施例〕 以下、本考案の各実施例を図面にしたがって説明する。

第２図は本考案の基本的な構造を示すもので、円筒状の
アウターケース６内に、該アウターケース６の内径より
も小径のラスメタル触媒よりなる円筒体９を、支持具を
かねたリング状の外側遮蔽板１０．１０’によって同心
円状に保持し、該円筒体９の内部に円板状の内部遮蔽板
１１を設けた例を示す。

このように構成することにより、フロントエキゾースト
パイプ２からコンバータ１内に入ってきた排気ガスは触
媒円筒体９内の遮蔽板１１に当り円筒体９の外側に抜け
るが、次いで円筒体９の外側のリング状遮蔽板１０′に
より再び円筒体９内に入り、リヤエキゾーストパイプ３
へと排出される。

なお上記において、円筒体９の保持は両端を外側遮蔽板
１０．１０’にビス１２にて固定する。

この際、前記遮蔽板１０はアウターケース６の内壁に固
定するが、もう一方の遮蔽板１０′はアウターケース６
の内壁に滑動可能に接触させるだけとする。

このように保持することにより、円筒体９の軸方向の熱
膨張は吸収され、熱変形は生じない 第３図は本考案の他の実施例を示す図で、円筒体９の外
側のリング状遮蔽板１０．１０’、１０″および内部遮
蔽板１１．１１’を更に多数設けた例である。

第４図も第３図と同様に外側及び内部遮蔽板を多数設け
た例であるが、上記二つの実施例ではいずれも排気ガス
が最初に触媒円筒体内に入ったのちその外側に出、最終
的に再び円筒体内に入った触媒コンバーター外に出る形
式のものであるのに対し、第４図は円筒体９の前後を内
部遮蔽板１１．１１’で閉止することにより排気ガスが
円筒体９の外側より入り外側に抜は出るようにした例で
ある。

上記実施例はいずれもリング状の外側遮蔽板１ｏ、ｉｏ
’・・・によってラスメタル触媒の円筒体９を保持して
いるが、第５図に示すように円筒体９の端部に固定リン
グ１３．１３’を固着し、該固定リング１３を介してエ
キゾーストパイプ２に固定することによって保持しく第
５図Ａ）、円筒体９の他端は固定リング１３′をエキゾ
ーストパイプ３に摺動可能に係止する構造（第５図Ｂ）
としてもよい。

この場合、円筒体９の外側のリング状遮蔽板１０．１０
’・・・は摺動自在に設け、排気ガスの流路を調整し得
るようにするとよい。

〔考案の効果〕

本考案は上記の如く構成されるため、ラスメタル触媒よ
りなる円筒体の内外に設ける遮蔽板の数、その位置、形
状および間隔などを要求性能に応じて適当に選択するこ
とにより、排気ガスと触媒との接触を充分とし、有害成
分を充分に除去することができ、またその流量を調整す
ることができるため排圧上昇によるエンジン出力の低下
をも防ぐことができる。

ラスメタル触媒は高温にさらされると熱膨張するが、外
側遮蔽板または固定リングで円筒体の一点のみを固定し
、他部分は軸方向に摺動可能に保持しているため、軸方
向への無理な力は生ぜず、また円筒体の半径方向に対し
ては内外に設けた遮蔽板により拘束されているため、熱
膨張および振動による該方向へのダレ、タワミが防止で
きるなど多くの利点を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の触媒コンバーターの断面図、第２図は本
考案の一実施例を示す断面図、第３図及び第４図は本考
案の他の実施例を示す断面図、第５図Ａ、 Ｂは触媒円
筒体の保持構造例を示す要部断面図である。 図中、１，１′・・・・・・触媒コンバーター ２，３
・・・・・・エキソ−ストパイプ、４，５・・・・・・
コーン、６・・・・・・アウターケース、７・・・・・
・ラスメタル触媒、９・・・・・・ラスメタル触媒の円
筒体、１０．１０’、１０“・・・・・・リング状遮蔽
板、１１．１１’、１１”・・・内部遮蔽板。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. アウターケースより、も小径に形成したラスメタル触媒
   よりなる円筒体を、該円筒体の外周に取付けた複数個の
   支持具をかねたリング状の外側遮蔽板によってアウター
   ケース内に保持し、その際外側遮蔽板のうちの１つまた
   は該円筒体の一端をアウターケースに固定し、他の外側
   遮蔽板はアウターケースに滑動可能に接触させ、かつ該
   円筒体内に排気ガスが円筒体の軸方向に通り抜けるのを
   阻止する内部遮蔽板を前記外側遮蔽板と交互するように
   適当数取付けたことを特徴とする排気ガス浄化用触媒コ
   ンバーター。