JPS6139071Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、内燃機関より排出される排気ガス中
に含まれる窒素酸化物（NOx）及び可燃性炭素
化合物である一酸化炭素（CO）、炭化水素
（HC）の有害成分を浄化する触媒コンバータ、特
にその触媒としてモノリス触媒を用いる触媒コン
バータに関するものである。

従来、自動車より排出される排ガス中の有害成
分を浄化する装置として、アクシヤルフロータイ
プ、ラジアルフロータイプ、セパレートフロータ
イプあるいはダウンフロータイプの各容器内にペ
レツト触媒又はモノリス触媒を充填して構成した
所謂触媒コンバータが種々考案されている。この
ような触媒コンバータを用いた排ガス浄化装置に
おいては、コンバータに流入する排気ガスがコン
バータ内で偏流し、さらにモノリス触媒コンバー
タにおいてはモノリス触媒の最外周と触媒収容シ
エルとの間に排気ガスが流入し、いずれも触媒の
浄化効率が低下する。また近年においては燃費の
向上を図るに伴ない触媒コンバータに流入する排
気ガス温度は低下の傾向を示し、一層触媒の浄化
効率を低下させるという問題がある。

そのため、近年は触媒の容量を増したり、ガス
シール材を採用したりすることが行なわれ、また
排気ガス温度の低下に対しては排気系の上流部に
配置すること（具体例としてはスタート・アツプ
キヤタリス・マニホルドコンバータがある）等が
考案されている。しかし排気系の上流側に触媒を
配置した場合にはシールの耐久性、触媒自体の耐
久性に問題がある。

このように従来のいずれの触媒コンバータを用
いた排気ガス浄化装置も完全に上記の問題点を解
決する域には達していないのが現状である。

本考案は上記のような触媒コンバータの問題点
を解決しようとして考案されたものであつて、触
媒コンバータの排気ガス流入口において触媒容量
を有効に活用し、かつ排気ガス温度の低下による
浄化効率の低下を防止する高能率の触媒コンバー
タを得ることを目的とするものである。

そして本考案は、触媒コンバータの外殻内にお
いてモノリス触媒の上方に特殊な構成よりなるバ
ツフルシリンダを設置することにより、その目的
を達することができたものである。

本考案を明らかにするため、その実施例につい
て図面を参照して説明する。

第１図において、１は触媒コンバータであつ
て、上方のインレツトコーン２、中央部の触媒収
容シエル３、及び下方のアウトレツトコーン４に
よつてその外殻が形成されている。５，６，７，
８はフランジであつて、フランジ５によつてイン
レツトコーン４をエキゾーストマニホルド１６に
接合し、フランジ６，７によつてインレツトコー
ン２と触媒収容シエル３とを接合し、フランジ８
によつてアウトレツトコーン４を図示しないフロ
ントパイプに接合することにより触媒コンバータ
１をエンジン中に設置する。

９はインレツトコーン４内に配設されるバツフ
ルシリンダであつて、第２図に示すように上方の
排気ガス流入円筒部９１、その下方の首部９２、
さらにその下方に続く外方に拡大する円錐部９３
及びその周辺に設けたフランジ９４よりなるもの
で、首部９２にはその中央部を水平方向に貫通す
る１本の柱状体よりなるデフレクタ１０を設け、
また円錐部９３及び首部９２と排気ガス流入円筒
部９１との間の逆円錐部９５には排気ガス流入用
の小孔９６を多数設けている。さらに排気ガス流
入円筒部９１の外径は、インレツトコーン２のエ
キゾーストマニホルド１６への連結部内壁との間
に環状の間隙１７が形成されるような大きさのも
のとし、フランジ９４の前記フランジ６，７間に
挾着することによりバツフルシリンダ９を固定
し、インレツトコーン２内に取りつける。またこ
のバツフルシリンダ９は少なくとも拡大円錐部９
３をそれ自体触媒作用を有する材料にて構成する
もので、例えば、その材料として、ステンレス又
は軟鋼の内表面に金属アルミニウムを、更にその
内表面に白金又はパラジウムを坦持させた酸化ア
ルミニウムの被覆層を形成して一体構造とした材
料（実公昭54−26432号公報参照）を用いる。

このように構成のバツフルシリンダ９をインレ
ツトコーン２の内側に配置することによりインレ
ツトコーン２内壁とバツフルシリンダ９の外周と
の間に環状の熱反応室１１が形成される。

触媒収容シエル３内にはモノリス触媒１３が充
填され、その外周には振動吸収用のワイヤネツト
１４が、またその下端にはクツシヨン１５がそれ
ぞれ設けられている。

なお１２は前記フランジ６，７の間に設けられ
たガスケツトである。

上記のような構成よりなる触媒コンバータ１の
作用について説明する。

多気筒エンジンの排気ガスはエキゾーストマニ
ホルド１６により集合され、これに接合したイン
レツトコーン２内へと導びかれる。

インレツトコーン２内に導入された排気ガスは
その入口において２分割され、その一方に排気ガ
ス流入円筒部９１内を通過し、他方は環状間隙１
７を通過してインレツトコーン２内壁とバツフル
シリンダ９外周との間に熱反応室１１内に導びか
れる。この熱反応室１１内に導びかれた排気ガス
はインレツトコーン２内壁及びバツフルシリンダ
９に衝突して垂直面内の渦流を生じこの間にそれ
自体が触媒作用を有するバツフルシリンダ９の作
用により熱反応が行なわれ排気ガス中の有害成分
が処理される。そしてこの発熱反応により熱反応
室１１内のガス圧が上昇するのでそのガスの一部
は逆流し、他のガスは円錐部９３及び逆円錐部９
５の小孔９６を通つてバツフルシリンダ９の内側
へ導入される。

一方流入円筒部９１内を通過した排気ガスは首
部９２で縮流されるとともに柱状体のデフレクタ
１０によつて縦方向に２分されて乱流が発生す
る。この乱流はデフレクタ１０の直下にバリヤー
（障壁）が存在することに基づいて垂直面に沿う
渦流として現出されるものでこれがさらにバツフ
ルシリンダ９の内壁に沿つて周辺へと拡散されて
行く。このようにして排気ガスの流速分布は、デ
フレクタ１０による渦流の発生とバツフルシリン
ダ９による縮流、拡散とが相俟つて、その中心部
も外周部もほぼ均一となり、排気ガスはモノリス
触媒１３各部に均等に供給されることになる。

このようにして、触媒コンバータ１内に導入さ
れた排気ガスはその一部が周辺部の熱反応室１１
内で処理されてモノリス触媒の負担を軽減し、ま
たモノリス触媒１３に導びかれる排気ガスはその
中心部・周辺部を問わず均等に配分されるのでモ
ノリス触媒を有効に作用させその効率を向上する
ことができる。

以上説明したように、本考案はモノリス触媒の
上方に特殊構成のバツフルシリンダを設置するこ
とにより排気ガス処理のためのモノリス触媒の負
担を軽減するとともに、モノリス触媒は各部均等
に機能するものとなりその触媒効率を向上させる
ことができ、近年の自動車の排気ガス温度の低下
傾向にも十分に対応し得る触媒コレバータを提供
することが可能となるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の触媒コンバータの一実施例の
部分切断正面図、第２図は同上実施例におけるバ
ツフルシリンダの斜視図である。 １……触媒コンバータ、２……インレツトコー
ン、３……触媒収容シエル、９……バツフルシリ
ンダ、１０……デフレクタ、１３……モノリス触
媒、９１……排気ガス流入円筒部、９２……首部
（渦発生部）、９３……拡大円錐部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. インレツトコーン２のマンホルドへの連結部の
   内側にこれと間隔を置いて配置された排出ガス流
   入円筒部９１と、その下方のデフレクタ１０を有
   する渦発生部９２と、さらにその下方の外方に拡
   大する孔あき円錐部９３とよりなり、かつそれ自
   体が触媒作用を有するバツフルシリンダ９を、モ
   ノリス触媒１３の上方に位置するようインレツト
   コーン２内に取りつけたことを特徴とする触媒コ
   ンバータ。