JPS6030272Y2 - ワイヤ供給装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は細径ワイヤを繰り出すワイヤ供給装置に関し、
特に、記録用針状電極導体などの、極く細径の裸ワイヤ
あるいは絶縁被覆ワイヤを繰り出すワイヤ供給装置に関
する。

ワイヤ、たとえば針状電極導体として用いられるワイヤ
は、ワイヤに所定のテンションを与えるワイヤ供給装置
より、記録ヘッドの樹脂体を成型する型を刻り込み、か
つ螺旋状にワイヤ巻回溝を形成した型棒に、該螺旋に沿
ってワイヤを巻回する巻線機に送られる。

従来の１つのワイヤ供給装置の構成を第１図に示す。

このワイヤ供給装置は、固定軸１に枢着されたアーム２
にプーリ３を枢着し、かつアーム２にブレーキシュー４
を枢着して、アーム２の回動によりブレーキドラム５に
加える制動力を加減するようにしたものである。

アーム２には引張スプリング６で常時反時計方向に回動
力が加えられており、また、ブレーキシュー４には引張
スプリング７で常時反時計方向に回動力が加えられてい
る。

ワイヤスプールより繰り出されるワイヤ８は、ブレーキ
ドラム５に１体に固着したプーリに巻回され、アーム２
の先端に張架され、プーリ９．１０に張架され、動滑車
１１に張架され、またプーリ１２に張架されており、こ
れらを経て巻線機に至る。

動滑車１１には錘１３が吊り下げられており、この錘１
３によりワイヤにテンションが加わっている。

これにおいては、錘１３が上昇し、巻線機の引張力がプ
ーリ３に加わるようになるとアーム２が時計方向に回動
し、シュー４の押え力が小さくなってブレーキドラム５
が回転しワイヤ５が繰り出される。

アーム２の時計方向の回動によりスプリング７はそれに
比例した押付は力をシュー４に与えるが、シュー４とブ
レーキドラム間の制動力はそれに比例せず、ブレーキド
ラム５の回転が間断し、アーム２が大きく振れる。

それはブレーキドラム５とシュー４間の静止摩擦力が動
摩擦力よりも大であるからである。

このようなアーム２の振れは繰り出されるワイヤに大き
なテンション変動を生ずる。

これによりワイヤが切断したり、型棒に対する巻付力や
ワイヤ伸びの変動による巻回ワイヤの寸法精度の変動を
生ずる。

記録電極においてはきわめて高い寸法精度が必要である
ので、このようなテンション変動は極力低減する必要が
ある。

またワイヤが切断すると巻線機においては、ワイヤの除
去と巻直しというめんどうな作業が必要となり、またワ
イヤ供給装置においては、ゆるんで動滑車から外れたワ
イヤの再セットに手間がかかる。

本考案の第１の目的は、テンション変動が小さいワイヤ
供給装置を提供することであり、第２の目的はワイヤの
切断時においてワイヤの再セットに手間がかからないワ
イヤ供給装置を提供することである。

第２図に本考案の一実施例を示す。

これにおいて、ワイヤスプール１４はパルスモータ１５
によって駆動され、これによりワイヤスプール１４から
ワイヤ８が繰り出される。

繰り出されたワイヤ８はプーリ１０、動滑車１１に張架
され、摩擦面を有するローラ１６と一方向クラッチ付き
のプーリ１７の間で挾まれ、やはり摩擦面を有するロー
ラ１９の間で挾まれて巻線機に至る。

ローラ１９の回転軸には円形のスリット板２０が固着さ
れており、このスリット板２０のスリットを介して、投
光器２１とフォトセンサ２２が対向設置されている。

フォトセンサ２２のスリット検知信号は増幅器２３で波
形整形および増幅されてモータ駆動回路２４に与えられ
る。

錘１３が基準位置にあるときこれを検出する、フォトセ
ンサ、マイクロスイッチなどのセンサ２５の、錘検出信
号は増幅器２６で波型整形および増幅されてモータ駆動
回路２４に与えられる。

モータ駆動回路２４は、増幅器２３の出力パルスに応答
して、１パルス当り所定ステップパルスモータ１５を回
動付勢し、センサ２５の錘検知信号に応答して、仮にパ
ルス入力があってもモータ１５を停止するものである。

なお、スリット板２０のスリットピッチに対するワイヤ
８の送り量よりも、パルスモータ１５の前記所定ステッ
プ分のワイヤ送り出し量の方が大となるように設定され
ている。

この実施例においては、錘１３が基準位置にある間はモ
ータ１５は停止しており。

錘１３が上方に移動すると、スリット板２０の回転に同
期してモータ１５がステップ駆動されて錘１３が少しづ
つ次第に降下する。

そして錘１３が基準位置に戻るとスリット板１９が回転
していてもモータ１５は停止とされる。

以下同様な動作を繰返す。

モータ１５の、フォトセンサ２２の各出力パルスに応答
したステップ駆動における駆動角は、その分のワイヤ８
の送り出し量がスリット板１９の１スリットピッチ分の
ワイヤ移動量よりも大きい限り、小さい程望ましい。

したがってステップ角が大きいパルスモータを用いると
きには、第３図に示すようにプーリ２７、ベルト２８お
よびプーリ２９を介してスプール１４を駆動するか、あ
るいは第４図に示すように、減速用の歯車３０および３
１を介してスプール１４を駆動するようにする。

第５図に示す実施例は、発振器３２よりモータ駆動回路
２４に駆動付勢パルスを与えるようにしたものである。

第２図および第５図のいずれの実施例においても、錘１
３のわずかな移動に応じてスプール１４よりワイヤ８が
少しづつ繰り出されるので、テンション変動はきわめて
小さい。

また、巻線機側で断線となってローラ１６，１７の下流
においてワイヤにテンションがかからなくなっても、ロ
ーラ１７が逆方向には回転せず、しかもローラ１６゜１
７の摩擦面でワイヤが押え付けられいるので、これらの
ローラ１６，１７でワイヤがロックされる。

したがって錘１３は落下せず、ワイヤは動滑車から外れ
ない。

またワイヤが送り出されないときにもパルスモータ１５
が停止しているので、またローラ１６，１７がワイヤの
戻りを阻止するので、ワイヤ供給装置においてワイヤの
たるみやはずれを生じない。

したがってワイヤの再セット作業をたびたびくり返す必
要がなくなる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のワイヤ供給装置を示す概略側面図、第２
図、第３図、第４図および第５図は、それぞれ本考案の
一実施例を示す概略側面図である。 ８：ワイヤ、１０，１７，２７，２９：プーリ、１１：
動滑車、１３：錘、１４：ワイヤスプール、１５：パル
スモータ、１６，１８，１９：ローラ、２０ニスリツト
板、２１：投光器、２２：フォトセンサ、２３，２６：
増幅器、２５：錘センサ、２８：ベルト、３０，３１：
歯車。

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. （１）ワイヤスプールをワイヤ繰り出し駆動するモータ
   ； 該スプールより繰り出されたワイヤが張架された動滑車
   ； 該動滑車に吊り下げられた錘； 上記スプールより繰り出され上記動滑車に張架されたワ
   イヤを挟み、上記スプールよりのワイヤ繰り出し方向の
   ワイヤ移動を許し逆方向の移動は拘止する少なくとも１
   対のローラ；上記錘の所定位置到達を検出する検出手段
   ；および、 該検出手段の検出信号に応答して錘が所定位置より上方
   に移動すると上記モータを繰り出し駆動付勢し錘が所定
   位置に達すると上記モータの付勢を停止するモータ駆動
   回路； を備えるワイヤ供給装置。
2. （２）１対のローラの少なくとも一方はワイヤに当接す
   る摩擦面を有しかつ少なくとも一方はワイヤ繰り出し方
   向のみに回転しうる一方向回転ローラである前記実用新
   案登録請求の範囲第（１）項記載のワイヤ供給装置。
3. （３）モータはパルスモータである前記実用新案登録請
   求の範囲第（１）項又は第（２）項記載のワイヤ供給装
   置。