JPS6029800Y2 - 静電偏向形陰極線管 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は静電偏向形陰電子銃を有する陰極線管に関し、
特に先端部にすだれ状電極を具備した電子銃を有する陰
極線管に関する。

静電偏向形陰極線管は電子銃先端部の偏向電極内に不要
電界が侵入して偏向が乱されるのを防ぐために、先端部
の偏向電極に同軸的に筒状のシールド電極を設け、前方
開口端にメツシュ電極を取付けている。

これを第１図及び第２図から説明すると、１はバルブネ
ック部、２はネック部１内に収容された静電偏向形電子
銃で、先端部に一対の偏向電極板３ａｔ３ｂを対向した
Ｘ偏向電極３を配置し、Ｘ偏向電極の後方に同軸的に配
置され、Ｘ偏向電極と直交して一対の偏向電極板４ａ、
４ｂを対向したＹ偏向電極４を配置し、Ｘ偏向電極３と
Ｙ偏向電極４の間に軸と直交して平板状のＸ、 Ｙシー
ルド電極５を配置し、各電極３，４゜５をそれぞれ支持
片６ａ、６ｂ、６ｃを介して絶縁棒７，７一体に支持し
ている。

また８は有底筒状部電極で、筒状部８ａでＸ偏向電極３
を囲繞すると共に開口端８ｂを接続片９によってＸ、
Ｙシールド電極５に固着している。

そして底部８ｃには矩形の窓８ｄが穿設されている。

１０は矩形状のフレーム１１に金属細線１２を所定のピ
ッチで巻回し固着することによって形成したすだれ状電
極で、有底筒状電極８の窓８ｄの周縁に固着されている
。

また１３はネック部１前方内面に塗布した導電膜を示す
。

尚、図示していないが電子銃後方には、陰極や第１陽極
や、収束電極等複数の電極が一直線上に所定の間隔で配
置されている。

また電子銃２先端部には外方に弾性的に突出しネック部
１内面を押圧して電子銃２を支持するバネ材が固着され
る。

さらに導電膜１３はバルブ外から高電圧が印加される。

ここで、この陰極線管は導電膜１３によってバルブ内に
電界を生じ、この電界によって第１陽極により加速され
Ｙ偏向電極４及びＸ偏向電極３によって偏向を受けた電
子はさらに加速される。

この際、Ｘ偏向電極３は有底筒状電極８及びすだれ状電
極１０によって静電シールドされているため、導電膜１
３による電界がＸ偏向電極３の内部に浸透して偏向歪を
生じるという問題を除いている。

ここですだれ状電極１０の矩形状窓の軸方向及び対角線
方向（第２図、Ｂ−Ｂ面、Ｃ−Ｃ面）の有底筒状電極８
の底部８ｃ近傍での電界と、この電界によって偏向され
た電子の受ける力を第３図ａ、 ｂに示す。

長軸又は短軸方向に最大偏向され速度Ｖ□の電子ｅ１は
第３図ａに示すように、その向きと等電位面によって受
ける力ｆ１の向きとのなす角度が小さいので、電界によ
る偏向量は小さいため、外方にわずかに偏向されて速度
Ｖ□に加速される。

しかしながら、対角線方向に最大偏向され速度Ｖ２の電
子ｅ２は第３図すに示すように、等電位面に対して斜め
に進入しその進行方向と外向きの力ｆ２のなす角度が大
きい為電界による偏向量は大きくなり速度がｖ２に加速
されると共に外方に大きく偏向される。

そのため、偏向された電子はすだれ状電極１０を通過す
る位置によって再度偏向される量が異なり、これによっ
てスクリーン（図示せず）のコーナ部とコーナ部から離
れた部分での輝線巾が異なり波形が見づらいという問題
があった。

本考案は上記問題点に鑑み提案されたもので、輝線の均
一性を改善した静電偏向形陰極線管を提供する。

以下本考案を第４図及び第５図より説明する。

図において第１図及び第２図と同一符号は同一物を示し
、相異するのは有底筒状電極のみである。

即ち、有底筒状電極１４はＸ偏向電極３を囲繞する筒状
部１４ａと底部１４ｂとを有する。

ここで底部１４ｂは中央部に矩形状の平担部１４ｃを形
成し、平担部１４ｃと隣接してテーパ部１４ｄを形成し
ている。

そして平担部１４ｃに矩形状の。窓１４ｅを穿設し、平
担部１４ｃにすだれ状電極１０を固着している。

テーパ一部１４ｄは平担部１４ｃの窓１４ｅの内周面と
隣接する部分から四方に延び筒状部１４ａに接続してい
る。

ここですだれ状電極１０近傍の電界を第６図に示す。

（第６図は第５図Ｅ−Ｅ断面を示し、第５図Ｆ−Ｆ断面
は第３図すと同じであるため図面を省略する。

）第６図から明らかなようにすだれ状電極１０の外周部
からテーパ部１４ｄが形成されているため、ネック部１
の内面の導電膜１３と有底筒状電極１４との間に形成さ
れる電界は最大偏向された電子ｅ３の進行方向に対して
傾斜する。

そのため電子ｅ３の進行方向と外向きの力ｆ３のなす角
は大きくなるため、電界による偏向量は第３図ａのそれ
よりも大きくなる。

これは第５図Ｆ−Ｆ断面（第３図ｂ）とほぼ同じ状態と
なるから、スクリーンのコーナ部及びコーナ部から離れ
た部分の輝線巾が同じとなり、見やすい波形を表示する
ことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は静電偏向形陰極線管の従来例を示す要部側断面
図、第２図は第１図Ａ−Ａ断面図、第３図ａは第２図Ｂ
−Ｂ断面図、第３図すは第２図Ｃ−Ｃ断面図、第４図は
本考案の実施例を示す要部側断面図、第５図は第４図Ｄ
−Ｄ断面図、第６図は第５図Ｅ−Ｅ断面図である。 １・・・・・・バルブネック部、２・・・・・・静電偏
向形電子銃、３・・・・・・偏向電極板、３ａ、３ｂ・
・開型極板、１０・・・・・・すだれ状電極、１４・・
・・・・有底筒状電極、１４ｂ・・・・・・底部、１４
ｃ・・曲平担部、１４ｄ・・曲テーパ部、１４ｅ・・・
・・・窓。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 先端部に一対の電極板を対向して配置した偏向電極と、
   偏向電極を囲繞する筒状部及び筒状部に接続され偏向電
   極の前方に矩形状の窓を形成した平担状の底部を有する
   有底筒状電極と、有底筒状電極の窓に固着されたすだれ
   状電極とを有する静電偏向形電子銃をバルブネック部に
   収容したものにおいて、上記有底筒状電極の底部平担部
   に形成した窓の内周面と隣接する部分から筒状部の間に
   テーパ一部を形成したことを特徴とする静電偏向形陰極
   線管。