JPS6029668Y2 - 燃料噴射装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は燃料噴射装置に関するものである。

ディーゼルエンジンの燃焼室内に燃料を噴射する装置と
しては、ノズルホルダ内にノズルを設け、このノズルを
バネで噴出孔を閉じる位置に保持し、ノズルの円錐部に
圧送される燃料が規定圧力に達するとノズルをバネに抗
して押し上げ噴出孔より燃料を噴射するようにしたもの
が知られている。

しかし、この構造であると噴射率パターンはノズル円錐
部に圧送される燃料圧力、噴出孔総面積および噴出量で
一義的に決定されてしまう。

つまり、燃料噴射時期はノズル円錐部に圧送される燃料
圧力が規定値となった時期となり、エンジンにより回転
される燃料噴射ポンプの燃料圧送時期により決定されて
しまう。

本考案は上記の事情に鑑みてなされたものであり、その
目的はノズル円錐部に圧送される燃料圧力に関係なく任
意に燃料噴射時期を規制できるようにした燃料噴射装置
を提供することである。

以下図面を参照して本考案の実施例を説明する。

ノズル本体１の先端部にはノズル体２が袋ナツト３を介
して締付固定されてノズルホルダ４を形威し、ノズル体
２の縦孔５内には噴出孔６を開閉するノズル７が摺動自
在に嵌操され、その円錐部７ａの周囲には環状室８が形
威しである。

このノズル７はノズル本体１の縦孔９内に嵌挿したブツ
シュロッド１０を介してスプール弁１１と相対向し、ブ
ツシュロッド１０及びスプール弁１１のバネ座１０ａ、
１１ａ間に設けたバネ１２により下方に押動されてノズ
ル７は噴出孔６を閉塞する下方位置に保持しである。

前記縦孔９の上部は大径孔９ａとなりかつ鍔部１３を備
えた杆体１４が嵌挿されて環状の蓄圧室１５を形威し、
この杆体１４の軸心にパイロット連通孔１６を穿孔し、
その下側大径孔１６ａ内にスプール弁１１の尖端部１１
ｂを前記バネ１２の反力で押し込んで弁座１７に当接し
閉塞していると共に、杆体下端面１４ａとスプール弁１
１の段部１１ｃとにより圧力室１８を形威し、この圧力
室１８は絞り１９を備えた油孔２０で前記蓄圧室１５に
連通しである。

また前記パイロット連通孔１６の上端開口部１６ｂには
バルブ２１が設けられ、このバルブ２１は押板２２を介
してバネ２３で下方に押しつけられて閉塞位置となって
いる。

２４はノズル本体１の上部に螺合したキャップであり、
このキャップ２４内にはソレノイド２５が押板２２と対
向して設けである。

２６は蓄圧室１５に開口した入口ポートであり、入口ポ
ート２６には逆止弁２７を介して図示しない燃料噴射ポ
ンプに接続した燃料供給管−２８がそれぞれ接続してあ
り、蓄圧室１５は油孔２９を経て前記環状室８に開口連
通している。

３０はスピルポートであり、油孔３１を通って鍔部上面
１３ａに開口していると共に、油孔３２を通って前記バ
ネ室１２ａに開口している。

次に作動を説明する。

図示しない燃料噴射ポンプにより加圧された燃料は燃料
供給管２８を経て逆止弁２７を押し開いて入口ポート２
６より蓄圧室１５内に流入蓄えられると共に、油孔２０
を経て圧力室１８内にも貯えられる。

これによりスプール弁１１は押し下げられ尖端部１１ｂ
が弁座１７より離隔するがバルブ２１により開口部１６
ｂが閉じているから圧力室１８内の燃料が流出しない。

そして圧送が停止すると逆止弁２７が閉じて逆流が防止
される。

蓄圧室１５内に蓄えられた燃料は油孔２９を経て環状室
８に流入しノズル円錐部７ａに作用してノズル７を押し
上げようとするが、ノズル７はバネ１２及び圧力室１８
内の燃料圧力により押し上げられるからノズル７は噴出
孔６を開じた位置に保持される。

そして、図示しないコントローラにより燃料噴射設定時
期になるとソレノイド２５が励磁され押板２２をバネ２
３に抗して引き上げバルブ２１を開口部１６ｂより離す
。

これにより、圧力室１８内の圧力燃料はパイロット連通
孔１６、油孔３１、スピルポート３０を経て急激にリー
クするのでノズル７の押下げ力が低下しノズル７はノズ
ル円錐部７ａに作用する燃料圧力で押し上げられ噴出孔
６を開放し燃料は噴出される。

この時、圧力室１８内の燃料圧力がある程度低下すると
スプール弁１１はバネ１２で押し上げられて尖端部１１
ｂで弁座１７を閉じ燃料のリークを停止するからリーク
する燃料の量が少なくなる。

そして、燃料噴射終了するとソレノイド２５が消磁し押
板２２はバネ２３で押し下げられバルブ２１で開口部１
６ｂを閉塞して次の噴射に備える。

このように、ソレノイド２５を励磁することにより燃料
を噴射するので、ノズル円錐部７ａに作用する燃料圧力
が規定圧力（開弁圧）になる時期に関係なく燃料噴射時
期をエンジン回転速度、負荷等に応じて任意に設定制御
できる。

また、部品点数が少なく構造簡単であると共に、ノズル
７は０．３〜０．５閣程度上昇させれば良いから作動が
確実である。

また、パイロット連通孔１６の下部はスプール弁１１で
開閉されるので、リークする燃量の量を低減できる。

本考案は以上の様になり、ソレノイド２５のＯＮ、 Ｏ
ＦＦにより燃料噴射時期が決定し、ノズル円錐部７ａに
作用する燃料圧力が規定円力になる時期に関係なく燃料
噴射時期を任意に制御できる。

また、圧力室１８内の燃料圧力で開閉するスプール弁１
１を備えているからリークする燃料量を減少できる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示す断面図である。 ４にノズルホルダ、６は噴出孔、７はノズル、７ａは円
錐部、１１はスプール弁、１２はバネ、１５は蓄圧室、
１８は圧力室、２５はソレノイド、３０はスピルポート
。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ノズルホルダ４内に円錐部７ａを備えたノズル７を嵌挿
   し、このノズル７を噴出孔６を閉じる位置にバネ１２で
   保持し、ノズル円錐部７ａに作用する燃料圧力でノズル
   ７を押し上げて噴出孔６を開口して噴出孔６より燃料を
   噴出する燃料噴射装置において、前記ノズルホルダ４に
   おけるノズル７の円錐部７ａの周囲にはノズル７によっ
   て噴出孔６に断連される環状室８を形成すると共に、こ
   の環状室８に連通する蓄圧室１５と、この蓄圧室１５に
   絞り１９を備えた油孔２０で連通してノズル７に噴出孔
   ６を閉じる方向の力を付与する圧力室１８とをそれぞれ
   形威し、この圧力室１８をパイロット連通孔１６を経て
   スピルポート３０に開口連通ずると共に、圧力室１８と
   パイロット連通孔１６の入口側とを、圧力室１８内の圧
   力によって開閉するスプール弁１１を設け、スピルポー
   ト３０とパイロット連通孔１６の出口側とをバネ２３と
   ソレノイド２５と押板２２とで開閉するバルブ２１を設
   けたことを特徴とする燃料噴射装置。