JPS6029166Y2 - 薄形電池 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は薄形電池の端子部の改良に関するものである。

従来の薄形電池は第２図に示すごとく、陰極集電体およ
び陽極集電体を被包した合成樹脂の外装体の中心部に両
極の集電体の金属箔を露出させ、陽極端子部ａと陰極端
子部すとを形成してなっていた。

しかしながら、電池の中心部に両極端子部ａ。

ｂを設けていたため、使用機器に備えられた電池収納体
の接触端子を中心部に設けなければならず、電池を挿入
する時に接触端子により、電池外装体の一部分が強く押
圧されながら擦られるだめ、外装体が破れ不要部分に金
属箔が露出し電池収納体の内面と接触し短絡事故を起し
たり、陽極体および陰極体と両極集電体とが剥離して接
触が破れ電池の内部抵抗が増加し放電性能が大巾に劣化
したり、また、セパレータが押圧されるため電解液が押
し流され電解液の粗な部分が形成され、内部抵抗が増加
したり、さらに、押圧された電解液が周端部の封口の弱
い部分から圧力により漏液する等の欠点を有していた。

本考案はこれら従来の欠点を改良したもので、発電要素
を陰陽極集電体で挾持するとともに集電体の封口部に接
した内側の一部を露出して端子部となるよう合成樹脂の
外装体で被包することにより、電池の装填が簡単で確実
になり、放電性能の劣化、漏液等を防止するものである
。

本発明の実施例の薄形電池を第１図をもって説明する。

図において１は陰極集電体で２は陽極集電体である。

この両極集電体１，２は例えばアルミニウ＝ム、ニッケ
ル、スチール、ステンレス等の耐腐食性の金属箔からな
り、内面には炭素質にエポキシ樹脂などの結着材を添加
し塗布、吹付は等により炭素膜３が被着されている。

４は例えば亜鉛箔、亜鉛粉など陰極活物質からなる薄層
状の陰極体で陰極集電体１の炭素膜３に密着している。

５は例えば活物質である二酸化マンガン粉を主体とし、
これに電導材であるアセチレンブラック、結着材である
ポリビニルアルコールまたポリアクリル酸を添加混合し
た陽極体で、陽極集電体２の炭素膜３に例えばスクリー
ン印刷やローラ塗着などにより薄層状に密着している。

この陰極体４と陽極体５との間にはアセタール化したポ
リビニールアルコール繊維の不織布からなるセパレータ
６が挟着されている。

セパレータ６には例えば塩化亜鉛水溶液または塩化亜鉛
と塩化アンモニウムの混合水溶液からなる電解液を含有
している。

またセパレータ６の周縁には例えばポリアミド樹脂を主
体とした熱融着性樹脂７が含浸され、電解液がセパレー
タ６の周縁より漏出しないようにしている。

８は合成樹脂からなるフィルム状の外装体で、両極集電
体１，２および陰、陽極体４，５ならびにセパレータ６
等の電池発電要素を積層した全体を陰極端子部９と陽極
端子部１０を除き重ねて外装するとともに、封口部１１
を加熱してセパレータ６に含浸されている熱融着性樹脂
７で発電要素を熱圧着し密封固定し封口して電池を完成
している。

陰極端子部９と陽極端子部１０は電池の封口部１１に接
して内側であれば、電池収納時に、使用機器１２の電池
収納体１３の接触端子１４で、電池への押圧を少なくで
き、セパレータ６中の電解液の移動を防げる。

両極端子部９，１０を封口部１１に設けると、電池製造
中または保存中に電池の端部が金属に触れて電池が短絡
する恐れがあり、危険であるばかりでなく、薄形電池は
電気容量が少ないため、わずかな短絡でも容量不足が著
るしくなる。

このため封口部１１には外装体で被覆して両極端子部９
，１０を設けていないことが好ましい。

本考案は陰極端子部９と陽極端子部１０とを、第３図の
ごとく、封口部１１に接した内側に設けることにより、
使用機器１２に備えられた電池収納体１３の接触端子１
４で外装体８が封口部１１から中心の端子部９，１０ま
での間、外側から押圧されながら擦られることがないか
ら、接触端子１４により外装体８が破れ集電体１，２の
金属箔が露出し短絡事故を起すことがない。

また、陰極体４および陽極体５と両極集電体１，２との
接触が破れて起る電池の内部抵抗の増加もない。

′このため、放電性能の劣化がなくなる。

また、電池の封口部１１を横断して両極端子９，１０を
接触端子１４に挾めばよいため、電池の装填が確実で簡
単になる。

さらに、電池の両極端子９，１０を第１図イのように左
右対称になる中心線Ａ１上下対称となる中心線Ｂ上を除
いて設けることにより、電池の裏表を逆に装填した場合
外装体８により接触端子１４が絶縁され電流が流れない
ようにでき、逆装填による使用機器１２の破壊、電池の
短絡等の事故を防ぐことができる。

また、接触端子１４による押圧を受けないからセパレー
タ６中の電解液が移動することがなく、均一に分散して
いるため放電反応面積が広く維持でき高負荷放電に耐え
られ、活物質の利用率も向上るため放電容量が向上し、
さらに、電解液の移動による封口部１１からの漏液も惹
起しない。

次に本考案品と従来品とを比較するため、封口部に沿っ
て内側に端子部を設けた７ｏ１Ｍｔ×４−の大きさで厚
さ０．７ｍの本考案の薄形電池〔Ａ〕と、従来の第２図
のごとく電池の中心に端子部を設けた従来品ＣＢ）とを
、使用機器１２に使用する電池収納体１３に装填し、各
Ｗ個を５０００の連続高負荷放電した結果と、装填を繰
返し行ない、電池がきずついたり凹状に変形したり電解
液が漏液したり等して不良品となった装填回数を表１に
まとめた。

上表のごとく、本考案品は高負荷放電において容量が向
上し、また、電池を川口装填を繰返し行ないテストした
が、キズ、漏液、へこみ等の不良化は起らなかった。

以上のごとく、電池発電要素を陰陽極体で挾持するとと
もに集電体の封口部に沿った内側の一部を露出して端子
部となるよう合成樹脂の外装体で被包した薄形電池は、
電池収納体への装填が簡単で確実になり、放電性能の劣
化、漏液等を防止するもので、その工業的価値は大なる
ものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例薄形電池でイが正面図、口がＣ
−Ｃ’断面の拡大図であり、第２図は従来電池の端子部
を示す説明図で、第３図は使用機器への装填状態を表わ
す説明図である。 訃・・・・・外装体、９，１０・・・・・・端子部、１
１・・・・・・封口部、１３・・・・・・電池収納体、
１４・・・・・・接触端子。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 熱融着性樹脂７を周縁に含浸してなるセパレータ６を介
   して、陰極体４と陽極体５とが配置された電池発電要素
   を、陰極集電体１と陽極集電体２とで挾持するとともに
   、両極集電体１，２の周縁を前記熱融着性樹脂７で熱圧
   着した封口部１１を有し、電池の左右中心線Ａおよび上
   下中心線Ｂを除いた封口部１１に接した内側に、両極集
   電体１．２を露出して陰極端子部９と陽極端子部１０と
   なるように全体を合成樹脂の外装体８で被覆されてなる
   ことを特徴とする薄形電池。