JPS6029164Y2 - 陰極線管 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は陰極線管に関し、特に輝度を向上させると共に
偏向感度を向上させた後段加速形の陰極線管に関する。

観測用オシロスコープ等に用いられる陰極線管は輝度を
向上させるために、第１図に示すように後段加速が採用
されている。

即ち内面に蛍光膜１を形成したフェース部２を有するバ
ルブ３に、例えば加速放出された電子ビームをＹ偏向電
極４及びＸ偏向電極５で偏向して蛍光膜１に照射する電
子銃６を収容すると共に電子銃６の先端部からフェース
部２近傍のバルブ３内面に導電膜７を形成して、この導
電膜７に高電圧を印加するようにしている。

また８は電子銃６の前方に配置されたドーム状メツシュ
電極で、第２図に示すようにメツシュリング９ａ、９ｂ
に平面状メツシュ部材１０を挾持し、フェース部２側に
ドーム状に突出させたものである。

これは、導電膜７に高電圧を印加することによって、電
子銃６と導電膜７との間に加速電界を生じ、電子銃によ
って加速され偏向された電子ビームをさらに上記加速電
界によって加速して輝度の向上を図るもので、この際メ
ツシュ電極８はドーム状に形成されているため、電子ビ
ームをさらに外方に偏向するように等電位面を形成する
ことによって偏向感度を向上することができる。

ここで、上記メツシュ電極８はメツシュリング９ａ、９
ｂに平面状のメツシュ部材１０を挾持して点溶接等によ
り固定した後メツシュ部材１０の中央部を熱プレスによ
りドームに形成したものであるが、熱プレス時に第３図
に示すようにメツシュ部材１０のドーム状周縁部分プレ
ス型が当ってメツシュ部材１０が角度をもって成形され
しわが寄ったり、破れやすく、しわ１１が寄ったり破れ
たメツシュ電極を用いた陰極線管では加速電界の乱れや
メツシュ部材１０による電子ビームの透過量が不均一と
なり、波形歪や輝度むらを生じるという問題があった。

本考案は上記問題点に鑑み提案されたもので、加工性が
良好でメツシュ部材にしわや破れの生じないメツシュ電
極を有する陰極線管を提供する。

以下第４図より本考案の一実施例を示す。

第４図はメツシュ電極を示すもので、１２はメツシュリ
ングで、有底筒状の第１のメツシュリング１３と、第１
のメツシュリング１３内に嵌合する有底筒状の第２のメ
ツシュリング１４から戒り、第１のメツシュリング１３
の底部１３ａの中央部に円形の透孔１３ｂを穿設し透孔
１３ｂの周縁に同心的に突部１３ｃを筒状部１３ｄ内に
突設している。

また第２のメツシュリング１４は底部１４ａに円形の透
孔１４ｂを穿設している。

１５はドーム状のメツシュ部材で、平面状のメツシュ部
材の周縁部を第１のメツシュリング１３の突部１３ｃと
第２のメツシュリング１４の底部１４ａとで押圧挾持し
て第１・第２のメツシュリング１３，１４の筒状部１３
ｄ、１４ｃを溶接固定したり、あるいは突部１３ｃと底
部１４ａを溶接固定することによって支持し、熱プレス
によって突部１３ｃの突出方向と反対方向にメツシュ部
材１５を突出させメツシュ電極１６を形成している。

ここで平面状メツシュ部材をメツシュリング１２に支持
する際、突部１３ｃによって第１、第２のメツシュリン
グ１３，１４の透孔周縁部間に間隙１７が形成されるた
め、少なくとも一方のメツシュリングの透孔周縁部とメ
ツシュ部材１５との間にも間隙が形成され、メツシュ部
材の透孔周縁部から溶接による熱が直ちに放電され、局
部的な熱変形によるしわを生じにくい。

また、突部１３Ｃをわん曲面とすることによって、熱プ
レス成形時のメッシュ部材１５周縁部分の変形が曲面状
となりまた第５図のように周縁部迄十分に熱加工できる
ためしわが生じにくく、破れに＜＜成形性が良好である
。

従ってこのメツシュ電極１６を第１図に示した陰極線管
のメツシュ電極８の代りに用いれば、輝度むらや偏向歪
のない陰極線管を容易に得ることができる。

また第６図は本考案の他の実施例を示すもので第４図と
同一符号は同一物を示し説明を省略する。

相異するのは第１のメツシュリング１８で、有底筒状体
の底部１８ａの中央部に透孔１８ｂを穿設し、透孔１８
ｂの周りにバーリング加工により突部１８ｃを筒状部１
８ｄの外方に形成している。

メツシュ部材１５は底部１８ａ、１４ａで押圧挾持して
筒状部１８ｄ、１４ｃを溶接固定してもよいし、底部１
８ａ、１４ａを溶接固定してもよい。

このメツシュ電極１９も第１のメツシュリング１８のバ
ーリング加工による突部１８ｃによってメッシュ部材１
５周縁部の第１・第２のメツシュリング１８．１４の底
部１８ａ、１４ａ間に間隙１７が形成されるため、溶接
時に局部的熱変形によるしわを生じに＜＜、破れにくい
。

また突部１８ｃはわん曲しているため、熱プレス時にメ
ッシュ部材１５周縁部分の変形が曲面状となり、成形性
が良好である。

従ってこのメツシュ電極１９を第１図陰極線管のメツシ
ュ電極８の代りに用いれば、輝度むらや偏向歪のない陰
極線管を容易に得ることができる。

尚、本考案は上記実施例にのみ限定されることなく、例
えば静電偏向形の陰極線管だけでなく電磁偏向形の陰極
線管にも適用できる。

また後段加速形陰極線管であれば導電膜７はバルブ３の
軸方向に複数に分割してそれぞれ異なる電圧を印加する
ようにしてもよく、バルブの内周面にヘリカル状に形成
してもよい。

さらにメツシュ電極１６゜１９は筒状部１３ｄ＊ １
４ｃｍ １８ｄを省いてもよいし、第１のメツシュリ
ング１３，１８に突部１３ｃ、１８ｃを形成するだけで
なく、例えば第７図に示すように第２のメツシュリング
１４に透孔１４ｂの周りにバーリング加工により、突部
１４ｄを筒状部１４ｃ内に突設し、筒状部１４ｃ内にメ
ツシュ部材１５を突出させてもよく、この場合筒状部１
８ｄ、１４ｃはバルブ内の電界を補正する補正リングと
して用いることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の前提となる陰極線管の側断面図、第２
図は第１図陰極線管に用いられたメツシュ電極の側断面
図、第３図は第２図メツシュ電極の成形方法を説明する
要部側断面図、第４図は本考案による陰極線管に用いる
メツシュ電極の側断面図、第５図は第４図メツシュ電極
の成形方法を説明する要部側断面図、第６図及び第７図
はメツシュ電極の他の実施例を示す側断面図である。 １・・・・・・蛍光膜、２・・・・・・フェース部、３
・・・・・・バルブ、６・・・・・・電子銃、７・・・
・・・導電膜、１３，１４゜１８．１４・・・・・・一
対のメツシュリング、１３ｂ。 １４ｂ、１８ｂ・・・・・・透孔、１５・・・・・・メ
ツシュ部材、 １７・・・・・・間隙、 １６゜ １９゜ ２０・・・・・・メツシ 二電極。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 内面に蛍光膜を形成したフェース部を有するバルブと、
   バルブ内に収容されかつ電子ビームを蛍光面に照射する
   電子銃と、電子銃の前方に配置されたドーム状のメツシ
   ュ電極と、電子銃先端部近傍からフェース部近傍のバル
   ブ内面に被着された導電膜とを有する陰極線管において
   、上記メツシュ電極は、中央部に円形の透孔を有する一
   対のメツシュリングと、一対のメツシュリングによって
   挟持され中央部をメツシュリングの透孔からドーム状に
   突出形成したメツシュ部材とからなり、一対のメツシュ
   リングの透孔周縁部間に間隙を形成したことを特徴とす
   る陰極線管。