JPS6028971B2 - ケ−シングの打込および引抜工法とその工法を実施する装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はケーシング（中空鋼管）の打込および引抜工法
とその工法を実施する懐置に関する。

駐車場、高架橋下部構造その他の建設工事において基礎
杭工法として採用されているケーシングリバース杭はケ
ーシングによって地表の地山の崩壊を防止できるので、
軟弱地盤に対して好適である。すなわちケーシングリバ
ース杭工法の実施に際して、まずケーシングより若干大
きい直径の孔を浅く堀り、ケーシングを戦層し、次いで
例えばケーシングに振動機を取付けてケーシングを沈下
させ、その後ケーシングの内部を通して穴をケーシング
底部より下方に深く掘り、その深く掘った穴内に鉄筋か
ごを挿入し、コンクリートを打設して地下杭を構築して
いた。このような従来技術では、コンクリートの打設後
にコンクリートが固化するまで、かなり長期間に亘つて
ケーシングを放置しておかねばならないので、ケーシン
グと地盤とが土庄により密着し、地中杭が固化した後に
ケーシングを引抜くためにはかなりの力を要する。した
がってケーシングを引抜くときの振動がかなり大きく時
間もかかることである。ことに沿道に建築物が近接して
いる区域で施工する場合には引抜時において周辺地盤へ
の振動をできるだけ少なくかつ短時間で引抜くことが望
まれていた。本発明は、ケーシングの打込み時ばかりで
なくケーシングの引抜き時においても振動をできるだけ
減少させると共に、打込み時間および引抜き時間を可及
的短縮することができるケーシングの打込および引抜工
法、およびその工法を実施する装置を提供することを目
的としてなされたものである。本発明によれば、ケーシ
ングを地中に打込むに先立ち予め所定径の孔を所定深さ
まで穿孔する。

そしてその孔を中心としてケーシングを地中に打込むに
際して、減摩材をケーシングの下端付近でその外周に設
けたフリクションカツターの上端においてケーシングの
円周方向に噴射注入してケーシングの外周に所定厚さの
減摩材層を形成しつつケーシングを所定深さまで打込む
。またケーシングの引抜きの際にも再度減摩材を円周方
向に噴射注入しながらケ−シングを引抜く。これにより
従来工法に比べケーシングの打込みおよび引抜き時の振
動を大幅に低減させ、かつ打込みおよび引抜き時間を短
縮することができる。

以下図面を参照して本発明の一実施例を説明する。第１
図において１はケーシングを示す。鋼材をケーシング１
の外周面に適合するように曲げ加工し、ケーシング１の
下端付近でその外周面に溶接取付けしてフリクションカ
ツター２とする。ケーシング１の外周面上においてその
鞠線方向に平行に減摩材注入パイプ３を熔接取付けし、
その先端部付近に轡曲部４および５を形成してフリクシ
ョンカッタ−２の上側に添わせ、轡曲部４および５の先
端にそれぞれノズル６および７を設ける。そしてノズル
６および，７はケーシング１の円周方向に関口させる。
注入パイプ３と平行に圧縮空気供給パイプ８を設け、そ
の先端部付近に轡曲部９および１０を形成し、轡曲部９
および１０の先端の噴出口１１および１２を注入パイプ
３のノズル６および７に臨ませて設ける。ケーシング１
の鞠線に関する対称位置にも同様にして減摩材注入パイ
プ１３を設けてその先端にノズル１４および１５を閉口
させ、圧縮空気供ｖ給パイプ１６の先端には噴出口１７
および１８を設ける。そして減摩材注入パイプ３および
圧縮空気供給パイプ８は地上に設けた減摩材供給源およ
び圧縮空気供給源にパルプを介してそれぞれ接続する。
本発明工法を実施するには、ケーシング１を挿入するこ
とができる径のあなを掘削してケーシング１の下端付近
を約１肌位地中に入れ、減摩材をケーシング１の外周と
土砂１９との間に注入する。

引続き減摩材を注入しながらケーシング１を例えばパイ
プロハンマ−で所定の深さまで打設する。減摩材注入パ
イプ３のノズル６および７はケーシング１の円周方向に
閉口しているので液状の減摩材は切線方向に噴出する。
圧縮空気供給パイプ８の噴出口１１および１２がノズル
６および７に臨ませてあるので、噴出口１１および１２
から噴出した圧縮空気流は減摩材とはげしく混合すると
共にエアーリフト効果も発揮する。減摩材の配合の一例
を示すと次のとおりである。重量比 水 １． ペントナイト ６％ マツドオイル ０．２％ ハイケル ０．１％ セツコウ ０．１％ ケーシング１を打込みながら減摩材を噴出していくとケ
ーシング１の外周と土砂１９との間に所定厚さの減摩材
層２０が作られる。

ケーシング１の打込み速度はケーシングの外周に所定厚
さの減摩材届を形成するのに適当な速度であることが必
要である。フリクションカッタ−２はケーシング１が打
込まれるときに注入パイプ３や圧縮空気供給パイプ８を
保護する役をする。またケーシングの外周面に減摩材層
２０が均一に形成されるように注入パイプ３のノズル６
および７はケーシングーの軸線に関する対称位置にも設
けるのが望ましい。所定の作業が終了した後、ケーシン
グーを打込くに先立ち、周辺のケーシングの打抜き作業
による偏土庄のための減摩材層が滅失している可能性が
あるので、再度減摩材の注入を行い、クローフークレー
ン、引抜槽、パイプロハンマーでケーシング１を引抜き
、ブルドーザまたはショベルで埋め戻す。

本発明の実施に際して減摩材をケーシングの円周方向に
噴出することは極めて重要である。

例えば上方又は斜め上方に噴射すると、ケーシングのま
わりに減摩材が均一に分配されないので、どうしても打
込き力が大きくなる。しかるに本発明によればケーシン
グを所定の深さまで打設する工程において、減摩材をケ
ーシングの円周方向に噴出してケーシングの外周と土砂
との間に所定厚さの減摩材層を形成し、ケーシングを引
抜くときに再度減摩材を噴出するので、ケーシングの打
込み時のみならずケーシングの引抜き時における摩擦抵
抗を著しく減少させて振動を低減させ、かつケーシング
の打込みおよび引抜きに要する時間を大幅に短縮するこ
とができる。特に本発明では減摩材をケーシングの円周
方向に噴出するようにしているので、ケーシングの鱗線
方向あるいは半径方向に噴出するものに比べ一層効果的
に減摩材層をケーシング外周に形成することができ、ケ
ーシングの打込みおよび引抜き時の振動低減、施工時間
の短縮を図ることができる。また減摩材注入パイプのノ
ズルに圧縮空気供給パイプの噴出口を臨ませて設けると
共に減摩材注入パイプおよび圧縮空気供給パイプの下端
にはフリクションカッターを設けたので施工を一層円滑
に行うことができる。本発明は実施例に限定されるもの
ではなく、本発明の精神を逸脱しない範囲において適宜
改変可能であることはもちろんである。たとえば本実施
例においては減摩材注入パイプおよび圧縮空気供給パイ
プをそれぞれ２本有するものを示したが適宜増減しうろ
ことは明らかである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例の引上げ時を示す側面図、第
２図は第１図におけるローロ線の方向に見た断面図であ
る。 １……ケーシング、２……フリクシヨンカツター、３，
１３・・・・・・減摩材注入パイプ、６，７，１４，１
５・・・・・・ノズル、８，１６・・・・・・圧縮空気
供給パイプ、１１，１２，１７，１８……噴出口、２０
・・・・・・減摩材層。 紫７図 粥２図

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ ケーシングを地中に打込むに際して、減摩材と圧縮
   空気とをケーシングの下端付近でその外周に設けたフリ
   クシヨンカツターの上側においてその円周方向の噴射注
   入してケーシングの外周の所定厚さの減摩材層を形成し
   つつケーシングを所定深さまで打込み、またケーシング
   の引抜きの際にも再度減摩材を円周方向に噴射注入しな
   がらケーシングを引抜くことを特徴とするケーシングの
   打込および引抜工法。 ２ ケーシングの下端付近においてその外周にフリクシ
   ヨンカツターを設け、そのフリクシヨンカツターに近接
   させてその上側にケーシングの円周方向に開口する減摩
   材噴射ノズルを設けると共に、その減摩材噴射ノズルに
   圧縮空気噴出口を臨ませ、減摩材噴射ノズルおよび圧縮
   空気噴出口をケーシングに添わせてその軸線方向に設け
   た減摩材注入パイプおよび圧縮空気供給パイプにそれぞ
   れ接続し、それらパイプを地上に設けた減摩材供給源お
   よび圧縮空気供給源に接続すると共に、地上にケーシン
   グの打込施設および引抜施設を設けたことを特徴とする
   ケーシングの打込および引抜装置。