JPS6028590Y2 - パツク状断熱材 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は防湿性、断熱性及び吸音性に優れたパック状の
断熱材に関するものである。

従来、建材用のパック状断熱材は、岩綿、ガラス繊維等
の断熱素材を長方形で厚みのあるフェルト状（マット状
のものも含む。

以下同じ）の断熱材に成形し、その片面をクラフト紙で
被覆し、かつ接着剤で断熱材を接着させて、これを固定
し、他の片面及び長手方向の両側面をアルミニウム蒸着
フィルムで被覆腰その両側端の耳部を前記クラフト紙の
耳部と接着させて上記断熱材をパックしたものである。

しかし、上記断熱材の被覆、接着固定に使用されている
クラフト紙は防湿性に劣るので、使用時に室内の水蒸気
が紙を透過し断熱材内で結露し易く、これが上記パック
状断熱材の断熱性を経時的に低下さす原因の一つとなっ
ていた。

又、クラフト紙に防水処理を施すことも試みられている
が、製造コストが高くなり、しかも断熱性能の向上も期
待できない為十分とはいえない。

本考案は、かかる問題点を解消することを目的とするも
のであり、本考案においては従来のクラフト紙に代えて
合成樹脂フィルム又は金属蒸着フィルムを使用し、これ
により水蒸気の透過を阻止するものである。

この場合、合成樹脂フィルムは可撓性に冨み柔軟である
が、変形し易いため使用時における取扱いや施工性に劣
り、又断熱材の固定力も弱いのでその耳部に紙又は布又
は合成樹脂のシートを接着又は融着させてその部分の剛
性を高めると共に固定力を補強するものである。

岩綿又はガラス繊維等の無機質断熱素材を長方形で厚み
のあるフェルト状の断熱材に成形し、その片面を合成樹
脂のフィルム又は金属蒸着フィルムで被覆し、かつ接着
剤で上記断熱材と接着させてこれを固定し、他の片面及
び長手方向の両側面を金属蒸着フィルムで被覆し、その
両側端の耳部と前記被覆、固定フィルムの耳部との接合
部に紙又は布又は合成樹脂から戒るシートを重ね合せ又
は挿入し、これらを接着又は融着したパック状断熱材で
ある。

本考案に使用する断熱性の無機繊維質素材としては岩綿
、石綿、ガラス繊維等であるが、これらの繊維は適当な
結合剤例えば合成樹脂の接着剤により所定の寸法、厚さ
のフェルト状の断熱材に成形される。

又本考案に使用する断熱材の被覆、固定に使用するフィ
ルムは１０〜５０μ肌厚のポリエチレン、ポリ塩化ビニ
リデン又はその金属蒸着フィルムである。

後者の場合特に断熱性に優れた断熱材を得ることができ
る。

金属蒸着フィルムは熱反射を主目的として用いるもので
あるが金属としては銀色又は銀白色を呈するもの例えば
アルミニウムが好ましい。

基材としては１０〜５０μ汎のポリエチレン、ポリ塩化
ビニリデン等の合成樹脂のフィルムが好適である。

以下本考案を図によって説明すると、１は岩綿、石綿、
ガラス繊維等の無機繊維素材に結合材を配合し、所定の
寸法、厚さに成形した長方形のフェルト状の断熱材であ
る。

２は上記断熱材１の片面を被覆し、かつ接着剤４により
断熱材１に線接着し、これを固定する合成樹脂フィルム
又は金属蒸着フィルムである。

３は金属蒸着フィルムで上記断熱材１の他の片面と長手
方向の両側面とを被覆し、その両側端の耳部５は上記フ
ェルト被覆固定フィルムの耳部と接着し、紙又は布又は
合成樹脂の補強シート６とも接着している。

これらの接着は面状、線状の他破線状や適宜箇所を点状
で行っても良い。

破線状や点状の場合は製造時にシワやズレの発生が少な
く、又断熱材も変形することがなくきれいに仕上がる。

本考案によるパック状断熱材を施工時使用するにはその
耳部を柱や間柱に当て、これを釘打や接着によって壁面
に固定する。

耳部の幅は２０〜５０ｍ程度であるが作業性を高めるた
め耳部に張りを持たせる方が好ましい。

補強シート６としては紙、布、合成樹脂シート等が用い
られ、被覆、固定フィルム２、或いは被覆フィルム３の
表面に接着するか、又はそれらの中間に挿入するか、又
は被覆固定フィルム３に巻き込んで取付けてもよい。

補強シートは耳部に張りを持たせることができるもので
あればよく、厚さや形状に特に限定されない。

従ってシート状、フィルム状のいずれを用いてもよい。

又取付は断熱体の端部に若干型なる位置で用いるとより
好ましい。

又第３図に示すように、補強シートの表面に接着剤４を
塗布し、この面に剥離し易い加工紙８を覆ったものを用
いると施工時加工紙８を剥し、柱、間柱等にそのまま接
着し取付けることができるので便利である。

本考案によるパック状断熱材の効果を示すため次の条件
で熱抵抗値を測定した。

測定に使用した本号実高の作成条件は次の通りである。

（イ）断熱材 ガラス繊維をフェノール樹脂で結合して次のフェルトを
作った。

密度：４ｋｇ／−〜１０ｋｇ／ボ 厚さ： ７５ｍｍ幅： ４３０ｍ 長さ：１２２ω腑 （ロ）被覆、固定フィルム 厚さ：１０μ肌 ポリエチレン、アルミニウム蒸着ポリエチレン（ハ）被
覆フィルム 厚さ＝１０μ風 アルミニウム蒸着ポリエチレン に）耳部 幅： ３０７７１７１１ （ホ）補強シート 幅： ４５ｍｍ クラフト紙を第５図のように両フィ
ルム間に接合。

尚比較品として次のものを作成した。

即ち（イ）フェルトは上記と同じもの、（ロ）は坪量５
０ｆ／−のクラフト紙を使用又は使用しない。

（ハ）は厚さ１０μ九のアルミニウム蒸着ポリエチレン
フィルム使用又は使用しない。

に）耳部幅３ｏｒｒｒ！ＩＫとした。第１表に本号実高
と比較品の測定結果を示す。

第１表から判るように、被覆、固定フィルムとして合成
樹脂フィルム又はアルミニウム蒸着フィルムを用いたも
のは、クラフト紙を用いた従来品にくらべて断熱性にお
いて明らかに良好である。

これは本考案の場合、断熱素材内の空気層の対流を防止
する効果が大であることによるものである。

又製造コスト面から見ると、断熱材が同密度の場合クラ
フト紙を用いたものと同値以下で得られる。

従って性能を加味すれば大巾な原価低減が可能であるこ
とが判った。

又合成樹脂フィルム又はアルミニウム蒸着フィルムを使
用したものはクラフト紙にくらべて防湿性に優れている
ため施工後１ケ年以上を経過しても断熱素材層に結露現
像は全く見られず、従って断熱性の低下もなかった。

又吸音性の低下も見られなかった。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のパック状断熱材の斜視図である。 第２図及び第３図は本考案によるパック状断熱材の斜視
図で、第３図のものは柱、間柱への貼着用のものである
。 第４図及び第５図は本考案によるものを断面で示したも
ので、補強シートの挿入の態様を示す説明図である。 １・・・・・・断熱材、２・・・・・・被覆、固定フィ
ルム、３・・・・・・被覆フィルム、４・・・・・・接
着剤、５・・・・・・耳部、６・・・・・・補強シート
、７・・・・・・折返し耳部、８・・・・・・剥離シー
ト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 無機繊維質の断熱素材から戒り長方形で厚みのあるフェ
   ルト状に成形された断熱材の片面を合成樹脂フィルム又
   は金属蒸着フィルムで被覆し、かつ接着剤で該断熱材と
   接着させてこれを固定し、他の片面及び長手方向の両側
   面を金属蒸着フィルムで被覆し、その両側端の耳部と、
   前記フィルムの耳部との接合部に紙又は布又は合成樹脂
   のシートを重ね合せ又はそれらの間に挿入して、それら
   を接着又は融着したことを特徴とするパック状断熱材。