JPS6027561Y2 - 多様式半連続鋳造装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、金属の多連式半連続鋳造装置の改善、特に、
上型取付板と下型取付板との水平位置の調整機構に関す
るものである。

一般に、アルミニウム、銅及びそれらの基合金等の非鉄
金属の加工用鋳塊は、半連続鋳造法によって円柱状また
は角柱状に鋳造される。

鋳造に際しては、昇降動自在な下型で、下方を封じられ
た両端開放の水冷ジャケット付筒状鋳型に、その上方か
ら溶湯に連続的に注入腰溶湯が鋳型内で熱を奪われ凝固
するに従って、下型を下降させることにより、ビレット
又はスラブ等の柱状鋳塊を製造している。

一般的には、生産性を上げるために、多数の鋳型に同時
に溶湯を注入して、多数の鋳塊を同時に鋳造する多連式
鋳造装置が採用されている。

従って、多数の筒状鋳型を、上型取付板に列設しこの上
型取付板を、上型取付板固定フレームに固定している。

上型取付板と上型取付板固定フレームとは、両者の水平
位置を適宜調整しうるように、例えば長円型のボルト穴
とボルトとにより係合し締結させて固定される。

下型を列設した下型取付板は、水平位置の調整可能な機
構で、昇降動自由な下型取付板固定フレームに固定され
ている。

鋳造すべき鋳塊のサイズが変わって、鋳型の変更が必要
な場合における鋳型の交換は、筒状鋳型及び下型は、そ
れぞれ上型取付板及び下型取付板に予め列設固定されて
いるので、上型取付板及び下型取付板の交換によって為
される。

交換の手順の一例を以下に示す。

（１）使用済上型取付板及び下型取付板をそれぞれ上型
取付板固定フレーム及び下型取付板固定フレームから取
外す。

（２）使用予定の下型取付板と上型取付板を、それぞれ
下型取付板固定フレームと上型取付板固定フレーム上に
置く。

（３）上型取付板を上型取付板固定フレームに、固定ボ
ルトで固定する。

（４）下型の各々の中心が対応する筒状鋳型の各々の中
心に一致するように下型取付板の水平位置を調整する。

（５）下型取付板を固定ボルトで下型取付板固定フレー
ムに固定する。

筒状鋳型と下型との水平位置のクリアランスは、鋳塊の
サイズ、要求される品質等により決まるが一般的には、
１ｍｍ以下におさえることが望ましい。

従って（１）〜（５）の作業において、（４）の作業が
最も時間と労力を要し、鋳型交換作業の大半は、上型取
付板と下型取付板の水平位置の調整にあると云っても過
言ではない。

同一鋳造装置で異なるサイズの製品を鋳造する場合には
、サイズ変更毎に鋳型交換作業が行なわれ、そのたびご
とに大きな労力を必要とし、さらに大きな生産減を来し
ている。

本考案は、このような事情に鑑みて為されたもので、鋳
型交換作業の円滑化迅速化のための多連式半連続鋳造装
置の改善に関するものである。

この改善によれば、前記（１）〜（５）の作業のうち最
も労力と時間とを要する（４）の下型取付板の水平位置
調整を下型取付板の上面に少なくとも２本の案内柱と、
上型取付板の底面の該案内柱先端の当接する位置に、該
案内柱先端係止機素を配設し、各案内柱先端を対応する
各係止機素に嵌合させることにより自動的に行なうこと
が出来る。

ここでいう係止機素は、該案内柱の先端を固定し、上型
取付板と下型取付板との相互の水平位置を正確に確定さ
せる機能をもち、具体的には受皿、貫通した穴などがあ
るが、特にこの例に拘わるものではない。

上型取付板に案内柱を、下型取付板に係止機素を配設し
ても同様の効果を上げることが出来る。

以下に、本考案の実施例を図面にもとづいて説明する。

第１図は、半連続鋳造装置の模式断面図であり、第２図
は、本考案に係る位置調整用ガイドとしての案内柱及び
係止機素の具体的実施例としての受皿を配設した多連式
半連続鋳造装置の筒状鋳型と下型との関係を示す斜視図
であり、第３図はその断面図である。

筒状鋳型１の各々が下型２の各々に対応している。

複数の筒状鋳型１が上型取付板５に予め列設固定されて
おり、上型取付板５は、上型取付板固定フレーム６に固
定ボルトで固定されている。

固定ボルトは、図中には示されていない。

両者の水平位置の調整は、ボルト穴９の径を固定ボルト
の径より大きくするか、ボルト穴を長円形にすることな
どにより行なう。

複数の下型２が下型取付板７に予め列設固定され、下型
取付板７は、下型取付板固定フレーム８に固定ボルトで
固定されている。

両者の水平位置も、上型取付板と上型取付板固定フレー
ムの場合と同様の機構で調整される。

筒状鋳型１と上型取付板５及び下型２と下型取付板７と
は、それぞれ予め固定されているので上型取付板５と下
型取付板７との相互間の水平位置が自動的に調整される
機構を設置すれば所期の目的は遠戚される。

その機構として、最少限２本でも、本目的は遠戚される
が調整が円滑になされるように本実施例では下型取付板
７の上面四隅に各一本の案内柱１１を配設した。

この案内柱１１の先端は円錐形など後述する嵌合を円滑
にする形状であることが望ましい。

一方、上型取付板５の底面の四隅には、第２図には示さ
れていないが、該案内柱１１の先端が当接する位置に、
各−箇の受皿１２を配設する。

これら対応する案内柱１１と受皿１２との嵌合によって
、筒状鋳型１と下型２との中心が一致するように、両者
の水平位置は自動的に調整される。

本実施例における調整機構を有する多連式半連続鋳造装
置について鋳型交換の手順を以下に説明する。

（１）使用済みの上型取付板及び下型取付板をそれぞれ
上型取付板固定フレーム及び下型取付板固定フレームか
ら取り外す。

（２）次に使用する下型取付板７を、下型取付板固定フ
レーム８上に置き、固定ボルトで固定する。

下型取付板７上面に固定した案内柱１１の先端が上型取
付板固定フレーム６の上面より、少なくとも受皿１２の
深さ相当の長さ以上に突出するように、下型取付板固定
フレーム８の高さを調整しておく。

（３） 上型取付板５を、上型取付板の受皿１２と下
型取付板の案内柱１１とが嵌合する状態で乗せる。

これによって下型取付板７と上型取付板５との水平位置
は自動的に調整される。

（４）下型取付板固定フレーム８を下降させ、上型取付
板５を、上型取付板固定フレーム６上に乗せ、その位置
で、上型取付板５を、上型取付板固定フレーム６に、固
定ボルトで固定させる。

（５）４本の案内柱１１を取り外す。

尚、本実施例とは異なるが係止機素として、上型取付板
５に、貫通した穴を穿ち、案内柱１１がこの穴状の係止
機素を貫通できる構造として、案内柱が鋳造作業の障害
にならないように配設して、案内柱の着脱作業を省略す
ることも可能である。

また、上型取付板の底面に案内柱を配設腰下型取付板の
上面に受皿を配設した場合でも、上記作業とはＳ゛同じ
手順で、鋳型交換作業が出来る。

以上のように本考案によれば上型取付板５と下型取付板
７との水平位置調整を自動的に行うことが出来る。

従って、これまで多大の労力と時間をかけて実施してい
た鋳型交換作業を、わずかな労力で迅速円滑に実施する
ことが可能になり、省力化と生産性の向上に貢献すると
ころが非常に大きい。

【図面の簡単な説明】

第１図は、半連続鋳造装置の模式断面図、第２図及び第
３図は、本考案の実施例の水平位置調整機構の案内柱及
び係止機素の一実施例としての受皿を具備した半連続鋳
造装置の斜視図及び断面図である。 １・・・・・・筒状鋳型、２・・・・・・下型、３・・
・・・・溶湯、４・・・・・・鋳塊、５・・・・・・上
型取付板、６・曲・上型取付板固定フレーム、７・・・
・・・下型取付板、８・・・・・・下型取付板固定フレ
ーム、１１・・・・・・案内柱、１２・・・・・・係止
機素の一実施例としての受皿。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 複数の水冷ジャケット付筒状鋳型を列設した上型取付板
   が、上型取付板固定フレーム上に固定され、該筒状鋳型
   の内側底部を閉塞する下型を列設した下型取付板が、下
   型取付板固定フレーム上に固定されている金属の半連続
   鋳造装置において、下型取付板上面または、上型取付板
   底面に少なくとも２本の案内柱を配設固定し、それぞれ
   上型取付板の底面又は下型取付板の上面の該案内柱先端
   の当接する位置に、該案内柱先端係止機素を配設しであ
   ることを特徴とする多連式半連続鋳造装置。