JPS6026992Y2 - 合成樹脂系容器のカシメ甲蓋材 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、一軸延伸高密度ポリエチレンのフィルムを基
材とし、その片面に薄肉アルミニウム箔また他の片面に
熱接着性樹脂を積層してなるカシメ用に適した合成樹脂
系容器のカシメ用蓋材に関する。

従来、デザート食品であるゼリー、プリン、ヨーグルト
等の食品の包装方法としてはプロピレン樹脂、スチロー
ル樹脂等の射出成形容器及びエチレン樹脂ラミネート紙
の容器に充填した後、アルミニウム箔又はアルミニウム
箔に低密度ポリエチレンをコーティングした複合アルミ
ニウム箔に接着剤として、エチレン−酢酸ビニル共重合
樹脂を主成分とした、ホットメルト接着剤を塗布した蓋
材を所定の大きさに打抜いてこれを容器にヒートシール
するか、又は所定の大きさに打抜いて予備成形したのち
容器にヒートシールした後、蓋材の周辺部をカシメる方
法が行われている。

しかしながら従来のアルミニウム箔を基材とした、蓋材
を用いて予備成形、シール、カシメを行う場合には、ア
ルミニウム箔の肉厚を少くとも４０μ以上としないと、
蓋材の折曲げ強度が弱く、包装機にかけた時予備成形し
た蓋材の周縁部が変形しやすく、又カシメる際に容器エ
ツジ部でアルミニウム箔の破損が起り、生産性の低下を
招き、かつ商品価値を著しく損なう原因となっている。

そのため、少なくともアルミニウム箔の肉厚を４０μ以
上が必要であり、蓋材のコストが非常に高くなり不経済
であるばかりでなく蓋材製造時の印刷適性の面で幅の制
限、シワの防止といった問題点がある。

本考案は、かかる欠点を解決したものであり、少なくと
も延伸倍率３以上の一軸延伸高密度ポリエチレンのフィ
ルムを基材とし、その片面に接着剤を介して薄肉アルミ
ニウム箔を貼合せ、他面に熱接着性樹脂を接着剤を介す
るか介しないで積層することにより、予備成形したフタ
材の周縁部の変形がなく、印刷適性が良好でその生産性
にすぐれた合成樹脂系容器のカシメ用蓋材を提供しよう
とするものである。

以下本考案の実施例を図面により詳細に説明する。

図面は本考案の断面図であり、記号１は、アルミニウム
箔、２は、接着層、３は、一軸延伸高密度ポリエチレン
フィルム、４は、熱接着性樹脂を表わす。

本考案は、一軸延伸高密度ポリエチレンフイルム３を基
材に、その片面に接着層２を介してアルミニウム箔１を
貼合せ、他面に熱接着性樹脂４を接着剤を介するか介し
ないで積層してなるものであり、アルミニウム箔１の肉
厚は基材の一軸延伸高密度ポリエチレンフイルム３の肉
厚にもよるが、通常は７〜４０μ好ましくは１５〜２５
μ程度のものを用いることができ経済的である。

また一軸延伸高密度ポリエチレン３は、延伸倍率が少く
とも３以上のものが必要であり、３未満では腰が弱くか
つフィルム強度が不十分で予備成形時変形しやすい。

又延伸方向としては横、縦のいづれのものでも腰の強度
があり、特に限定されるものではない。

肉厚としては、１５〜６０μ好ましくは２０〜４０μさ
らに好ましくは２０〜３０μである。

密度は０．９４９／ｃｃ以上のものが好ましい。

本考案において、熱接着性樹脂としては、ホットメルト
型接着剤、ラッカー型接着剤、及びその他の熱接着用樹
脂フィルム、例えば特開昭５４−１２９０７５号に記載
されたスチレン−ブタジェンブロック共重合体と非品性
オレフィン樹脂との混合物からなるフィルムなどが好ま
しく用いられる。

熱接着性樹脂はホットメルト型やラッカー型の接着剤を
用いる場合は、そのまままたは溶解して基材フィルムに
塗布してもよく、熱接着性樹脂フィルムを基材に積層す
るには適当な接着剤を介するかまたは基材フィルムと共
押出して押圧により積層することができる。

以上説明した通り、本考案は、一軸延伸高密度ポリエチ
レンを基材した積層蓋材であり、アルミニウム箔の肉厚
が薄くすることが可能となり経済的である。

また蓋材製造時のシワがなく、広幅で押出ラミネートが
出来、印刷適性にすぐれ、折曲げ保持強度が良好であり
、カシメ用に用いた場合に予備成形したフタ材周縁部の
変形がなく、包装機適性にすぐれたものである。

以下実施例をあげてさらに本考案を具体的に説明する。

実施例 １〜２ ３倍以上に延伸した一軸延伸高密度ポリエチレン（東洋
化学（＋＠商品名１カラリャンヨ）を基材にその片面に
接着剤を介してアルミニウム箔を、他の一面に接着剤を
介してスチレン−ブタジェンブロック共重合体と非品性
オレフィン樹脂との混合物熱接着性樹脂層を積層し、カ
シメ用蓋材とし、第２図に示す折曲保持強度測定機にて
引張り保持力試験を測定した。

結果を表に示す。実施例 ３〜４ 実施例１〜２の熱接着性樹脂層をスチレン−ブタジェン
ブロック共重合体と非品性オレフィン樹脂との混合物か
らエチレン−酢酸ビニル共重合体ホットメルト型接着剤
に変えた以外は実施例１〜２と同様の測定を行った。

結果を表に示す。比較例 １ 市販のポリエチレンを基材としたアルミニウム箔、エチ
レン−酢酸ビニル共重合体ホットメルト型接着剤付蓋材
を用い、実施例１〜２と同様の測定した。

結果を表に示す。比較例 ２ 市販のアルミニウム箔／エチレン−酢酸ビニル共重合体
ホットメルト型接着剤付蓋材を用い実施例１〜２と同様
の測定を行った。

結果を表に示す。

比較例 ３ 比較例１のアルミニウム箔の肉厚を変えた以外は比較例
１と同様の構成である蓋材を実施例１〜２と同様の測定
を行い結果を表に示す。

積層体欄の数字は肉厚でμを表わす。

（注１） 折曲保持強度 フタ材を５ｃｒｎ×５ｃｒｒＬ角に切断し、半分に折曲
げ荷重１ｋｇをかけて折目をつける。

これを第２図に示す方法で引張りそのときの折曲保持強
度を測定。

（注２）機成適性 四国化工機型「ＦＬ−５６型」を用いた。

（注３） Ｓ ： スチレン−ブタジェンブロック共重合体と非品
性オレフィン樹脂との混合物熱接着樹脂。

（注４） ＨＭ： エチレン−酢酸ビニル共重合体ホットメルト型
接海済り。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の蓋材の断面図、第２図は折曲保持強
度測定方法を示す。 符号 １・・・・・・アルミニウム箔、２・・・・・・
接着層、°３・・・・・・一軸延伸高密度ポリエチレン
フイルム、４・・・・・・熱接着性樹脂、５・・・・・
・治具、６・・・・・・試料、７・・・・・・治具。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 延伸倍率３以上の一軸延伸高密度ポリエチレンのフィル
   ムを基材とし、その一方の面には接着剤を介してアルミ
   ニウム箔、他の一方の面には熱接着性樹脂層を接着剤を
   介するか、または介せずして積層してなる合成樹脂系容
   器のカシメ用蓋材。