JPS6026971Y2 - ポリツシングロ−ルの駆動装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、熱可塑性樹脂シート又はフィルム（以下単
にシートという）の押出成形に際しシートの表面の艶出
し、歪とり、成形を行なうためのポリッシングロール又
は模様付けを行うエンボスロールの駆動装置の改良に関
するものである。

熱可塑性樹脂シートの押出成形において押出機のグイよ
り押出されたシートは、通常同一直径の３本又は４本の
ロールから構成されるポリッシングロール又はエンボス
ロール（以下単にロールという）を通過する間に歪とり
され平面性と平滑性と厚みとを整えられ又は模様付が行
われながら漸次冷却固化されて製品となることは周知で
ある。

一般に使用されるシートの押出成形におけるこれらの同
一直径のロールの回転駆動条件としては例えば特公昭４
７−３５４１号に記載され、又本考案の第１図にも示す
如くモータ７から変速機６、減速機５を経て駆動される
主伝導軸１８に固着した３個のウオーム４と、それぞれ
のロール軸端に固着されたウオームホイール１５との噛
み合いによって三本のロール１，２．３を駆動する方法
をとっており非常に簡単な機構となっている。

これらのロール相互の周速度差は０１即ち３本のロール
とも同周速度のものである。

然しなから使用する熱可塑性樹脂の種類やロールの温度
設定条件によって未だ軟化状態にあるシートは巻付けら
れるべき相手のロールへ幾何学的な接触面を保つように
Ｉｔ。

渡り移らずそのロールへ巻付きを起こすことがある。

この場合にはロール間の周速度を変えることで巻付きを
防止することが出来るものである。

なお、シートの表面に模様をつけたり、表面粗度を変え
るため、いわゆるエンボスロールを使用したエンボス加
工を施す場合にはエンボスロールの直径が必ずしも同一
のものでなく、種々の直径のものを使用しなければなら
ないことが多い。

この場合にはロール径に対応して噛み合いウオームホイ
ールの減速比を変更したとしてもなおこのロールと他の
二本のロールとの周速度差が生ずる場合が多い。

以上のようなことから、各ロール間の周速度は独立して
任意に必要量変られることが望ましく、これらの成形ロ
ールが同一直径の３本のロールをその軸心が一直線状に
なるよう並設して構成される場合を例にとれば、中間に
配置される中ロールの周速度を基準としてその上下又は
前後に配置された他の２本のロールの回転差、即周速度
差は一１０％から＋１０％位の間に入っている必要があ
り、このように周速度差を以って駆動する駆動装置の例
として第２図および第３図に示す従来の成形ロール１，
２，３．の駆動装置は、モータ７の回転を分配ギヤボッ
クス２０を経て成形ロール１゜２．３にそれぞれ対応す
る変速機２１に伝達し、自在接手２２、伝導軸２３を介
して成形ロール１．２，３を回転する。

従来装置は図示のようにいずれも構造的には大がかりと
なり取付スペースも大きくて経済的ではない。

本考案は、上述のように±１０％の範囲で各ロール間の
周速度を任意に設定変更可能という駆動装置の必要条件
を満足し乍らコンパクトでかつ経済的なロール駆動装置
を提供することを目的とする。

次に第４図及び第５図に基づいて本考案の実施態様を説
明する。

同一直径の３本のロールからなる成形ロール１，２．及
び３は、水平方向に平行に軸線を有し、それぞれの軸心
を結ぶ中心線は垂直方向に一列に配置されている。

直流電動機又は整流子電動機の無段変速可能なモータ７
の回転は下部変速ギヤホックス８に伝達され、定められ
た回転数で主伝導軸１１を回転する。

下部変速ギヤボックス８と上部変速ギヤボックス９はロ
ール１、 ２．３の軸心を結ぶ垂線と平行する主伝導軸
１１によって連結されている。

ロール２の駆動側軸端近傍にはこの主伝導軸１１に平行
して機枠（図示せず）に軸支されたロール２専用の基準
回転軸１２を設け、主伝導軸１１と基準回転軸１２を一
対のギヤ１０て連結するとともに、更に基準回転軸１２
にはロール２の軸に固着されたウオームホイール１５と
噛み合うウオーム４を固着する。

下部変速ギヤボックス８に伝達されたモータ７の回転は
下部変速ギヤボックスに内蔵された例えばパイロットモ
ータを用いる遠隔操作方式又はバンドル１７の手動操作
方式による公知の無段変速機構を経て主伝導軸１１と平
行して立上がるロール３専用の駆動回転軸１３に分岐し
て伝達される。

この回転軸１３にはロール３の軸に固着されたウオーム
ホイール１５と噛合うウオーム４が固着されており、ロ
ール３をロール２の基準周速度とは±１０％の範囲で任
意に変更可能な周速度になるように回転駆動する。

主伝導軸１１によってモータ７の回転を伝達された上部
変速ギヤボックス９は下部変速ギヤボックス８と同様に
内蔵された公知の無段変速機構を経て主伝導軸１１１と
平行して垂下するロール１専用の駆動回転軸１４に、回
転軸１３と同様に主伝導軸１１とは±１０％の範囲で変
速可能な回転を伝達する。

この回転軸１４にはロール１の軸に固着されたウオーム
ホイール１５と噛合うウオーム４が固着されている。

以上述べたように本考案によれば、無段変速モータ７か
らの回転をロール１，２，３の軸心を結ぶ直線と平行し
て設けた主伝導軸１１に伝達し、この主伝導軸１１と平
行して分岐し、中ロールに基準の周速度を与える基準回
転軸１２を設け、この基準回転軸の延長上に同心に中ロ
ール２の回転数を基準として±１０％の範囲で上下の各
ロール１．３の回転数を任意に設定変更できる専用の回
転軸１４．１３をそれぞれ設けたため各ロールに必要と
する最適な周速度を任意に設定し独立して伝達する構成
が極めて簡素化されるため連続して押出されるシートＳ
の成形に際して巻込み等に基づく品質の劣化を防ぐこと
ができると同時に装置の保守管理が容易となる。

またロールの駆動装置の設置面積も少なくなるなどの優
れた効果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は各ロールに同一の回転を伝達する従来のポリッ
シングロール駆動装置の系統図。 第２図、第３図は各ロールに異なる回転を伝達する従来
のポリッシング駆動装置の系統図。 第４図、第５図は本考案による一実施例を示すポリッシ
ングロールの駆動装置の系統及び構成図である。 図中、１ｔ ２９ ３・・・・・・ポリッシングロー
ル、４・・・・・・ウオーム、５・・・・・・減速機、
６・・・・・・変速機、７・・・・・・無段変速モータ
、８・・・・・・下部変速ギヤボックス、９・・・・・
・上部変速ギヤボックス、１０・・・・・・平歯車又は
ハスバ歯車、１１・・・・・・主伝導軸、１２・・・・
・・基準回転軸、１３・・・・・・回転軸、１４・・・
・・・回転軸、１５・・・・・・ウオームホイール。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 熱可塑性樹脂シートを連続して押出成形するポリッシン
   グ冶−ル装置において、軸心を並設した複数のポリッシ
   ングロールと、これらのポリッシングロールの軸心を結
   ぶ直線と平行して配設した一本の主伝導軸と、この主伝
   導軸から分岐して並設され一本の前記ポリッシングロー
   ルに任意の基準周速度を与える基準回転軸と、前記主伝
   導軸からそれぞれの変速機構を経て前記基準回転軸の延
   長上に分岐して配設され、他の前記ポリッシングロール
   にそれぞれ別個の前記基準周速度の±１０％の範囲内で
   変速可能な周速度を与える複数の回転軸とを備えたこと
   を特徴とするポリッシングロールの駆動装置。