JPS6026807Y2 - 水処理装置の消泡水供給用ノズル - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、水処理装置において、その液面に浮上した泡
層に対して、上方から消泡水を供給するための水処理装
置の消泡水供給用ノズルに関する。

従来一般に、水処理装置の消泡手段としてはシャワーが
用いられていたものであるが、液面にして直接に消泡水
をシャワー供給するものでは、消泡能率を高めるために
消泡水の噴出圧を大にすると、その消泡水そのものの衝
撃によって新たな気泡を発生する不都合があった。

そこで、消泡水を液面に対して直接にシャワー供給する
のではなく、液面近くに衝突板を設け、この衝突板に溢
れでてきた泡に対して消泡水をシャワー供給することが
考えられるが、単に上方から消泡水を滴下状態で拡散供
給するだけでは、衝突板上の面積が広いと、シャワーノ
ズルが大型化したり、多数のシャワーノズルを設ける必
要があって、装置全体の大型化、および多量の消泡水を
供給しなければならない不都合がある。

本考案が解決しようとする技術的課題は、上述の如く衝
突板に消泡水を供給するためのノズルとして、比較的小
型のもので、消泡水の使用量を少なくして効率の良い消
泡を行え、かつ、分解掃除および構造も簡単なものを提
供することである。

上記課題を解決するために講じた本考案の技術手段は、
扁平な板面を互いに対向位置させて、かつ、間隔調節自
在に構成した二枚のフランジ部材の間に、Ｕ字状に屈曲
させた軟質パイプ材を挾着すると共に、一方のフランジ
部材には、前記両フランジ部材間に消泡水を供給するパ
イプを連結接続したことである。

上記技術手段を講じたことによって得られる作用効果は
次の通りである。

■ 消泡水を二枚のフランジ部材の板面に沿う方向に向
けて、つまり、平面的な水膜状にして供給することがで
きるので、その水膜が衝突板の板面に対して斜めに交差
する状態となるようにしておけば、衝突板の上面に幅広
く、かつ、万遍なく消泡水を拡散供給することができる
。

換言すれば、従来のシャワーのように消泡水を滴下状態
で拡散供給するものでは、シャワーノズルの噴出孔数に
よって衝突板上における噴出水の分布密度がきめられて
しまうことから、拡散範囲を広げるほど分布密度は粗く
なって充分な消泡性能を得られず、結局、適正な消泡性
能を有して拡散させるには、ノズルそのものを大型化し
て噴出孔数を増大するか、ノズル個数を増加しなければ
ならないものであるが、本考案のものでは、上述のよう
に消泡水を水膜状にして衝突板上面に沿わせて幅広く、
かつ、万遍なく供給できるので、比較的小型のノズルで
広範囲に亘る消泡を行えるのである。

■ しかも、消泡水は水膜状として高速で噴出させるこ
とができるので、その水膜の厚さを充分薄くしさえすれ
ば、消泡作用の及ぶ範囲の広い割に消泡水の使用量を節
減し得る点でも有利である。

■ また、前記ノズルは、単なる二枚のフランジ部材と
軟質パイプ材とを用いてきわめて構造簡単に構成できる
ものであり、しかも、一方のフランジ部材を着脱するこ
とによって、詰り発生時などの分解掃除もきわめて容易
に行える利点がある。

以下に、本考案の実施例を図面に基いて詳述する。

まず、本考案の消泡水供給用ノズルを適用する水処理装
置について説明すると、１０メートルから１００メート
ル以上に及んで比較的深く掘削した堅孔内にそのほぼ全
長にわたる状態で有底筒状の外管１を埋設し、前記外管
１に内管２を、その下部において連通ずる状態で嵌入し
、前記内管２内に下降流路Ｒ１を、かつ、内管２と外管
１との間に上昇流路Ｒ２を夫々形成して処理槽３を構威
し、前記外管１の途中に連通させて脱泡槽４を設け、前
記脱泡槽４と下降流路Ｒ１の上部にわたり、ポンプＰを
付設したパイプ５による強制循環用流路Ｒ３を連通接続
すると共に、前記下降流路Ｒ□に、ブロアーやエジェク
ター等により、純酸素や高濃度の酸素ガスあるいは空気
等の酸素含有ガスを供給する流路ｒを接続し、もって、
都市下水や産業廃水等の処理水を前記３流路Ｒ１，Ｒ２
，Ｒ３にわたって循環流動させると共に下降流路Ｒ□に
おいて酸素ガスを加圧溶解し、活性汚泥を含有する状態
で曝気処理腰処理水中の有機分を活性汚泥に捕捉させる
等、生物学的酸素要求量を低減化するように水処理装置
を構威してあり、さらに、この水処理装置には、前記処
理槽３の液面相当箇所に位置させて、その作用面を液面
に浮上した泡層内に位置させる状態で、衝突板６を設け
である。

そして、前記処理槽３の上方で、その液面の泥層よりも
上位に位置させて本考案の消泥水供給用ノズル７を、そ
の供給方向を傾斜させて設け、消泡水を衝突板６に衝突
させ、それに伴って消泡水を作用面に沿わせ、泡層を水
平あるいはほぼ水平方向に横切る状態に方向変換して消
泡水を供給するように構威しである。

本考案の消泡水供給用ノズルの具体構造について説明す
ると、 前記ノズル７を構成するに、第３図に示すように、一端
を外管１の途中に連通接続すると共にその途中に送水ポ
ンプＰ１を付設したパイプ８の先端局部に偏平板状のフ
ランジ部材９を連設し、そのフランジ部材９の間に、Ｕ
字状に曲げ変形させた？質パイプ材の一例であるビニー
ルパイプ１０を介在させる状態で盲板状のフランジ部材
１１を着脱自在にボルト１２・・・止めしてあり、処理
水を消泡水に利用すると共に、前記ビニールパイプ１０
の曲がり状態を適宜変更することにより消泡水の拡散範
囲を調節できるように構威しである。

前記ノズル７から衝突板６に対する消泡水供給傾斜角度
としては、３０度から４５度の範囲が好ましい 尚、本考案の消泡水供給用ノズルは、上述のような深槽
タイプの曝気処理槽に限らず、鉄分除去のための酸化処
理槽とか、下水処理における汚泥消化槽、あるいは、水
処理汚泥の貯留槽等、各種水処理装置の消泡に適用でき
るものであり、消泡水としては、前述の如く処理水を利
用するものでも、別途専用のものを消泡水として使用す
るものであっても良い。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る水処理装置の消泡水供給用ノズルの
実施例を示し、第１図は本考案の消泡水供給用ノズルを
適用した水処理装置の全体概略縦断面図、第２図はノズ
ル全体の分解斜視図、第３図はノズルの使用状態での平
面図である。 ８・・・・・・パイプ、９，１１・・・・・・フランジ
部材、１０・・・・・・軟質パイプ材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 扁平な板面を互に対向位置させて、かつ、間隔調節自在
   に構成した二枚のフランジ部材９，１１の間に、Ｕ字状
   に屈曲させた軟質パイプ材１０を挾着すると共に、一方
   のフランジ部材９には、前記両フランジ部材９，１１間
   に消泡水を供給するパイプ８を連結接続しである水処理
   装置の消泡水供給用ノズル。