JPS6024175B2

JPS6024175B2 - 眼鏡部品用鉄基合金

Info

Publication number: JPS6024175B2
Application number: JP7607577A
Authority: JP
Inventors: 俊治松木; 孝久世
Original assignee: Tokyo Shibaura Electric Co Ltd
Current assignee: Toshiba Corp
Priority date: 1977-06-28
Filing date: 1977-06-28
Publication date: 1985-06-11
Also published as: JPS5411015A

Description

【発明の詳細な説明】本発明は眼鏡部品用として好適なオーステナィト組織の
鉄（Ｆｅ）基合金に関する。

耐食性を有する鉄基合金のうちオーステナィト組織を有
するものは各種構造材料として広く使用されている。

しかしある種の分野においてはさらに快削性を付与する
ことが望まれている。たとえば眼鏡部品などの装飾的用
途においては微細な切削加工をほどこすためにこの快削
性は不可欠の性質である。またこの装飾的用途において
は、非磁性の性質を用いることも大きな選択要素の１つ
である。さらに人体に接して用いられることが多いこと
から、耐食性も他の大きな選択要素の１つである。

さらにたとえば眼鏡部品においては高弾性を有する物質
を用いることも他の選択要素の１つである。本発明はこ
れらの要求にこたえるべく検討された結果完成したもの
である。

本発明においては耐食性を低下させずに快削性を付与す
るために銀（Ａｇ）０．１〜５重量％及び錫（Ｓｎ）０
．１〜１重量％（但し１重量％は含まず）を単独又は複
合で含有させ、高弾性を付与するために窒素（Ｎ）を０
．０７〜０．１重量％含有させ、非磁性を保証するため
高ニッケルのオーステナィト組織の合金とする。

特にＡｇは装飾的価値を高めるのに適している。オース
テナィト組織とするため及び耐食性を付与するためにク
ロム（Ｃｒ）９〜２６重量％、ニッケル（Ｎｊ）８〜２
５重量％とすることが推奨される。

このうち、たとえば１約ｒ−洲ｉ−Ｆｅ系合金などは強
加工により磁性を生ずるので好ましくはＣｒｌｏ〜１頚
重量％、Ｎｉｌ４〜２の重量％とすることが望ましい。
ＡｇやＳｎはあまり多く含有すると合金の加工性を害す
るので上記値に制限する。高弾性を付与するにはさらに
炭素（Ｃ）、窒素（Ｎ）の制限及びタングステン（Ｗ）
、モリブデン（Ｍｏ）、バナジウム（Ｖ）の添加が推奨
される。

たとえばＣは０．０４〜０．５重量％とし、あるいはＮ
を０．０７〜０．１重量％とすることで時硬性の付与が
なされる。これらはあまり多量にすると加工性を害する
。さらにたとえばＷＯ．１〜５重量％、ＭＯＯ．１〜５
重量％、ＶＯ．０５〜３重量％のそれぞれの範囲内でこ
れらを１種又は２種以上含むことにより高硬度と高弾性
が付与される。

以下本発明の実施例のいくつかについて説明する。

次の表一１に示すとおりの組成の合金を鋳造する。この
表−１に示す合金について、試料番号２，３，４，１０
は本発明合金にして、試料番号１１のものは従来合金で
ある。

これらの合金の鋳造材を６００×２００そ側の寸法材に
製作する。これらの試料に対して人工汗浸債試験を行な
って腐食を促進させた。人工汗浸債試験は水１〆中にＮ
ａＣＩＩＯｇ、乳酸１の‘、尿素１．５ｇを熔解し、こ
の溶液にアンモニア水０．２地を加えた液に試料を５凪
時間浸潰して行なつた。この浸債試験の結果は、試料番
号、２，３，４，１０，１１のすべての試料について肉
眼による変色等は認められなかったが、ミクロ的な観察
では試料番号１０のものが最も良好で、試料番号１１の
ものについては一部孔食が生じていた。

またこれと平行して試験した塩水腐食試験においても同
様な結果が得られた。

また切削性の試験として、前記試料から４０◇×５の‘
の円板を切り出して行く試験を行ない、その結果を表−
２に示す。

表−２従来合金の切削性を１００として、切削性はこれに対す
る割合で示した。

また本発明合金の硬度ならびに高弾性について調べた結
果、従釆合金はその硬度がＨｖ１５４、弾性係数は１７
０００ｋ９／肌３であるが、それに比べ本発明合金の
試料番号２〜４のものについては３０〜４０％の向上が
みられ、又試料番号１０のものについては８０〜１２０
％の向上がみられた。

さらにＡｇを含有したものは特に装飾性について格別の
すぐれた効果を示した。なお各試料とも良好な非磁性で
あることは言うまでもない。このように本発明合金は切
削性がきわめて良好であるので精密加工するときには従
来のものに比べてきわめて容易に加工することができ、
製品を所望の形状にするときの能率の向上は著しく、高
弾性なので眼鏡部品用としてきわめて好適で、また耐食
性や強度も格段に向上して美しい色調と模様を長く保持
することができるなど、眼鏡部品用として用いられるば
かりでなく、美術工芸品や装身具等に使用するのにきわ
めて好適なものである。

Claims

【特許請求の範囲】１銀０．１〜５重量％及び錫０．１〜１重量％（但し
１重量％は含まず）を単独又は複合で含有し、かつ窒素
を０．０７〜０．１重量％、クロムを９〜２６重量％、
ニツケルを１４〜２０重量％、残部実質的に鉄でなるこ
とを特徴とするオーステナイト組織の眼鏡部品用鉄基合
金。２銀０．１〜５重量％及び錫０．１〜１重量％（但し
１重量％は含まず）を単独又は複合で含有し、かつ窒素
を０．０７〜０．１重量％、炭素を０．０４〜０．５重
量％、クロムを９〜２６重量％、ニツケルを１４〜２０
重量％、残部実質的に鉄でなることを特徴とするオース
テナイト組織の眼鏡部品用鉄基合金。３タングステン０．１〜５重量％、モリブデン０．１
〜１重量％、バナジウム０．０５〜３重量％のそれぞれ
の範囲内でこれらを１種又は２種以上、銀０．１〜５重
量％及び錫０．１〜１重量％（但し１重量％は含まず）
を単独又は複合で含有し、かつ窒素を０．０７〜０．１
重量％、クロムを９〜２６重量％、ニツケルを１４〜２
０重量％、残部実質的に鉄でなることを特徴とするオー
ステナイト組織の眼鏡部品用鉄基合金。