JPS60231611A - プラズミノ−ゲンアクチベ−タ−の製造法 - Google Patents

プラズミノ−ゲンアクチベ−タ−の製造法

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JPS60231611A
JPS60231611A JP59087671A JP8767184A JPS60231611A JP S60231611 A JPS60231611 A JP S60231611A JP 59087671 A JP59087671 A JP 59087671A JP 8767184 A JP8767184 A JP 8767184A JP S60231611 A JPS60231611 A JP S60231611A
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JP
Japan
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serum
culture
human
cells
kym
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JP59087671A
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English (en)
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Masaru Imada
今田 勝
Shigeru Katayanagi
片柳 滋
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Meiji Dairies Corp
Original Assignee
Meiji Milk Products Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はヒト細胞を用いて低コストで大量に組織プラズ
ミノーゲンアクチベーターを製造する方法に関するもの
である。
更に詳細には1本発明はヒト細胞、例えばビト横紋筋腫
由来の細胞株を用いて血清を使用せず低コストで浮遊攪
拌培養又は接着培養によって、大量に組織プラズミノー
ゲンアクチベーターを製造する方法に関するものである
近年、血栓に起因する疾病が重要な問題としてクローズ
アップされ、その治療にストレプトキナーゼ、ウロキナ
ーゼ等が使用されてきた。しかし。
それらはいずれも目的とする血栓溶解ばかりでなく、循
環血中の凝固因子等をも分解し、出血傾向を呈すること
が知られている。その原因として、ストレプトキナーゼ
、ウロキナーゼ等は溶解すべき血栓との親和性に乏しく
、循環血中に於て、血液凝固因子等を分解してしまうと
考えられている。
従って、血栓に対する親和性が高く、出血傾向等の副作
用が少ない血栓溶解剤の開発がめられたのである。
そこで、血栓を溶解し、副作用の少ないとされるプラズ
ミノーゲンアクチベーター(以下PAということが多い
)についての研究が行なわれ、これに関する発表も行な
われている。ヒト由来のPAに関しては、内皮細胞及び
子宮などの正常組織、さらに腫瘍組織およびその培養細
胞などから得られた酵素について詳細な研究がなされて
いる。
(参考文献としてはウィルソンらによるキャンサーリサ
ーチ誌、赳933−938(1980)及びリッケンと
フランによるジャーナルオブバイオロジ力ルケミストリ
ー誌刀狙7035−7041(1981)を主要文献と
してあげることができる)。
従来、ヒト内皮細胞、ヒト子宮細胞などの正常組繊細胞
やヒトメラノーマ、乳癌細胞などの腫瘍細胞がPAを生
産することはよく知られている。
しかしながら、正常組繊細胞ではやがて死滅してしまう
ので工業生産に使用することはできない。
また、従来知られているヒトメラノーマ、乳癌細胞など
の腫瘍細胞の培養はビンなどへの接着培養によるだけで
あり、PAの生産性もきわめて低く、工業的に大量生産
できるというものではなかった。
そこで、本発明者らは、先に、浮遊攪拌培養できる腫瘍
細胞をめて研究した結果、ヒト横絞・筋腫から分離され
た細胞KYM−I (東京大学医科学研究所 関口守正
氏より譲受)の培養物から浮遊して増殖できる変異株を
見出し、単離することに成功したのである。この変異株
は変異株KYM−Aと名づけられた。また、この変異株
KYM−Aは、主として浮遊状態で増殖するが、条件に
よっては接着培養も可能である。
更に、上記細胞KYM−I培養物からシャーレなどに接
着性の高い細胞を選択し継代培養することによって変異
株KYM−Bを単離することに成功した。変異株KYM
−Bは、主として、接着状態で増殖するので、シャーレ
−、ローラーボトル、マイクロキャリヤー等を用いた接
着状態に適している。
更に研究を進めた結果、この変異株KYM−AやKYM
−Bを培養すれば、培養液中に著量のPAを生産蓄積す
ることがわかったのである。このPAはPA−KYMと
名づけられた。
一般に、ヒトには主として2種類のPAが存在するもの
と考えられている。すなわち、1種類はフィブリンに対
する親和性の乏しいウロキナーゼ型であり、残る1種類
はフィブリンに対して高い親和性を示す、いわゆる組織
プラズミノーゲンアクチベーター(TPA)型である。
そして、腫瘍細胞でTPA型のPAを産生する細胞株と
しては従来メツラーマ細胞が良く知られている。メツラ
ーマ細胞は、主としてTPA型のPAのみを産生ずるこ
とから注目をあびている。
一方、他の種類の腫瘍細胞でTPA型のPAのみを産生
するものとしては例外的に乳癌細胞が報告されているだ
けである。また、これまでの検索では横絞筋腫細胞はウ
ロキナーゼ型のPAのみを産生ずると考えられてきた。
変異株KYM−AやKYM−Bの培養液中にはウロキナ
ーゼ型のPAは検出できない。
従って、先に得られたPA−KYMはヒト横絞筋腫細胞
から生産されるところから、由来において新規であり、
また、その理化学的性質からTPA型の新規PAと認め
られるものである。
本発明で使用する例示株として変異株KYM−Aがある
が、変異株KYM−Aは、ヒト横絞筋腫から分離された
KYM−Iの培養細胞集団から分離選択培養を重ねて見
出された変異株で、浮遊攪拌培養によってPA−KYM
を著量生産することによってきわめて特徴的である。
変異株KYM−Aの性質は次の通りである。
1、個々の細胞は屈折性に富む球形を呈している。
2.細胞は単離して浮遊細胞として存在する場合もある
が、連鎖状または、球形の集合体を形成する場合もある
。集合体に含まれる細胞数は約2〜100個である。
3、 プラスチックシャーレ−の中で培養した場合、ま
たはタンクによる攪拌培養をした場合本変異株は大部分
浮遊細胞として増殖することができる。
4、本変異株は浮遊攪拌培養によって継代培養すること
ができる。
5、本変異株は馴化培地(Ccinditioned 
medium)等によって接着性細胞に変化する。
変化した細胞は上皮細胞様の形態を示す。
馴化培地としては、本変異株以外の細胞の培養上澄液で
、適当な基礎培地を用いて適当な細胞を1〜100時間
培養し、その培養液より細胞やその断片を除去した溶液
である。本変異株以外の細胞としては例えば、ヒトの肝
癲細胞(HuH−6c Q −5株、HuH−7株)(
中材ほか、キャンサーリサーチ、vol 423858
−38631982)などを用いることができる。
本変異株を接着性に変えるためには、上記の馴化培地を
使用する以外にフィブロネクチンを含んだ培地を使用し
たり、シャーレ−などの接着面を。
コラーゲン、ゼラチン、ポリーL−リジンまたは卵白リ
ゾチームなどの塩基性タンパク質などで処理することに
よって本変異株の接着培養が可能となる。
6、 10’ケの本変異株細胞をヌードマウスの皮下ま
たはALS投与ハムスターの類のう内に移植すると腫瘤
を形成する。
7、染色体 染色体数を細胞遺伝学の常法に従って決定したところ最
頻染色体数は46と47で、その付近に多少の巾を持つ
分布を示す。
8、 本変異株はPA−KYMを著量生産する。
次に、本発明で使用する別の例示様として変異株KYM
−Bがあるが、その性質は基本的には変異株KYM−A
と同じであり、特徴的性質は次に示される。
1、細胞はプラスチックシャーレ−などの表面に接着し
て増殖する。
2、 細胞は上皮細胞様の形態を示す。
3、本変異株はPA−KYMを著量生産する。
次に、本発明で得られるPAの例示として、変異株KY
M−A、変異株KYM−Bの生産するPA−KYMの理
化学性的性質を示す。
a、 ヒト横絞筋腫細胞変異株KYM−A又はKYM−
Bの生産物である。
b0分子量 5DS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動法で測定した
非還元型の本物質は分子量約56,000から62.0
00の間に近接した2本のバンドを有している。
また、同様の方法で測定した還元型の本物質は、分子量
約32,000及び36,000に2本のバンドを有し
ている。
C0作用及び基質特異性 本物質はプラズミノーゲンの存在下でフィブリンの溶解
反応を引き起す酵素蛋白質であり、この反応にはプラズ
ミノーゲンの存在が必要であることから典型的なプラズ
ミノーゲンアクチベーターと呼ばれる物質群に属し、ウ
ロキナーゼと比較した場合ウロキナーゼよりはるかに強
力なフィブリンに対する結合能力を示す。
また合成基質S−2444を基質として用いた場合のK
mは1.32X10−3Mであり、Vmaxは0.04
6 IU/min・mAである。
d、 至適pH 至適pHは約8〜10で、作用曲線は第1図に示される
e、 安定p)! 安定pHは約5〜11で、残存活性%は第2図゛に示さ
れる。
f3作用適温の範囲 30〜45℃で作用温度曲線は、第3図に示される。
g、 温度耐性 90分間の加熱処理で50℃まではほとんど失活しない
が、60℃以上で残存活性は60%以下になる。残存活
性%は第4図に示される。
h、 阻害 各阻害剤0.1mM、1mM、及び1抛Nで残存活性を
調べ表1の結果を得る。
表 1 薬剤無添加の試量の活性を100%として、阻害および
活性化の検討を行なった。
i、 アミノ酸組成 酵素蛋白質である本物質を6N塩酸で加水分解をし、ア
ミノ酸分析に付すと、表2の結果を、得た。アミノ酸組
成は、全アミノ酸残基数に対する%で示した。
表 2 ◎ システィン及びトリプトファンの定量は行なわなか
った。
J、紫外線吸収スペクトル 本物質の水溶液の紫外線吸収スペクトルは第5図に示す
通りである。
k、溶剤に対する溶解度 水、リン酸緩衝液などの塩類溶液に対する溶解度は約5
0μg/m Qで、それ以上の濃度の溶液を調製すると
きは溶解促進剤、例えば1.6Mのカリウムチオシアネ
ートの存在を必要とする。
エタノールやエーテルなどの有機溶媒には不溶である。
1、物質の性状 凍結乾燥標品は白色粉末である。
m、呈色反応 5O8−ポリアクリルアミドゲル電気泳動を行特有なピ
ンク色の呈色を示し、糖蛋白質であることが示された。
また本物質はコンカナバリンA−アガロース樹脂に親和
性を示すことからも糖蛋白質であることが示唆された。
n0等電点 本物質を8M尿素の存在下でクロマトフオーカシング法
で分析したところ主成分の等電点はpH7,5乃至8.
0であり、副成分の等電点けPH7,0乃至7.5であ
り、弱塩基性蛋白質の混合物であることが示された。
本発明における培養は接着培養又は浮遊攪拌培養のいず
れでもよい。
変異株KYM−A、変異株KYM−Bはプラ゛スチック
シャーレーやガラスシャーレ−に接着し。
増殖するためPA−KYMの生産の目的で、ローラーボ
トルや、マイクロキャリヤーを利用した接着培養を行な
うことは可能である。
しかし、工業的な生産に適しているのは浮遊攪拌培養で
ある。浮遊培養法の方が生産効率上、利点が大きい。本
発明に使用する変異株KYM−Aは浮遊培養株であり、
この点で利点がある。
一般に、動物細胞の培養において、最も重要な原料は血
清であり、血清の培地中への添加がほとんどすべての動
物細胞の培養増殖に必要であるとされており一般的に1
0%程度の牛脂児血清が広く用いられている。本発明に
使用する変異株KYM−A、変異株KYM−Bも例外で
はなく、従来、少なくとも増殖培養には牛脂児血清を必
要としていた。
しかし、この血清を用いる方法は、原料が高価であるこ
と、品質が一定したものが得にくいこと、精製が困難に
なるなどが問題となっており、研究だけでなく工業生産
面で大きな障害となってきている。
本発明者らは、無血清培養を目的に研究した結果、本発
明において無血清培地でPAを製造することに成功した
ものである。
従来、無血清培地としては、基本培地としてRPMl、
MEM等の基本培地にインシュリン、トランスフェリン
、エタノールアミン、脂肪酸、セレン、バナジウムなど
のグロスファクターや栄養素を添加する方法がとられて
いるが、血清添加と同程度の細胞の増殖を得ることは困
難なことであった・ 発明者らは培養肝癌細胞が種々の増殖因子を産生ずるこ
と−に着目し、肝癌由来の細胞株を用いて調製した無血
清培地培養物を血清培地の代替物として、開発すること
を試みた。
即ち、ヒト肝癌細胞株Hut(−6c Q−5およびH
uH−7(岡山大学医学部付属癌源研究施設、佐藤二部
氏より譲与を受く)が、数年間にわたって、無血清培地
中で継代培養が可能であり、このことは上記二種の肝癌
細胞株は培地に高価な増殖因子を加える必要がないこと
を意味している。
本発明に用いる異種のヒト細胞株の無血清培地培養物と
しては、上記肝癌細胞の無血清培地培養物が好適である
即ち、上記肝癌細胞無血清培地培養物上澄液を培地とし
て変位株KYM−Aを培養すると、最良のもので10%
牛脂児血清添加培地と程度の細胞増殖を示し、継代培養
しても、同じ結果であることを確認したのである。
肝癌細胞の培養にはRPMIlMEMなどを基本培地と
し、重炭酸ナトリウム、N−2−ヒドロキシエチルピペ
ラジン−N′−2−エタンスルホン酸、亜セレン酸、リ
ノール酸やオレイン酸などの脂肪酸を添加したものを用
いるが、更に、その上にモリブデン酸アンモニウム、硫
酸鉄、塩化マンガンやヴアナジン酸アンモニウムを加え
たものを用いてもよい。
無血清培地培養物の調製には常法のトリプシン及びED
TA処理により剥離したヒト肝癌細胞を0.5 X 1
0’〜5xto’細胞/cm2の密度でシャーレに播く
が、低密度で播種する場合は上記無血清培地と無血清培
地培養物の1対1の混合溶液を用い細胞のシャーレへの
接着を促すと良好な増殖が得られる。その後隔日に培地
交換を行うと細胞は対数増殖を行い、細胞密度が4X1
05乃至106細胞/cI112程度にまで増殖して飽
和密度に到達し、数培地培養物としては細胞密度が10
5細胞/am2以上の培養物の上澄液を回収してこれを
用いる。培養物は4℃で保存しても良いが凍結保存する
ことも可能である。
サイトデックス(ファルマシア社)、スーパービーズ(
フローラボラトリー社)等のマイクロキャリアを使用し
、1〜9mgマイクロキャリア/mQの培養濃度でHu
H−6c Q−5かHuH−7の培養を行ない無血清培
地培養物を得ることも可能である。
この様にして得られた無血清培地培養物をPA生産の培
養に用いる場合には、特に前処理を必要としない。しか
し、培養条件をより良く設定する為には、アミノ酸や糖
などの栄養成分を毎回一定にするのが好ましい。更に無
血清培地培養物は細胞増殖因子を含む肝癌細胞が産生じ
た種々の蛋白質成分を含むので、培養に用いる前に蛋白
質濃度を決定し、毎回同じ条件下で培地として利用する
ことが望ましい。アミノ酸や糖などの栄養成分を調整す
るには、不足する成分を適宜追加しても良いが、透析な
どの方法で均一化するのが簡便である。すなわち、RP
 MJやMEMなどの基本培地に対して重炭酸ナトリウ
ム(L3g/培地ρ程度)、N −’ 2−ヒドロキシ
エチルピペラジン−N’−2−エタンスルホン酸(1,
2g/培地Q程度)を添加した溶液に対して、上記のよ
うにして得られた無血清培地培養物を透析するとアミノ
酸や糖などの低分子量の栄養成分に関しては新鮮培地と
同一となり、しかも肝癌細胞が産生した高分子量(分子
量1万以上)の増殖因子を得ることができる。
また、透析に際して、亜セレン酸、リノール酸、オレイ
ン酸、モリブデン酸アンモニウム、硫酸鉄、塩化マンガ
ンやヴアナジン酸アンモニウムを加えた溶液に対して透
析しても良い。無血清培地培養物の蛋白質含有量はほぼ
20〜50μg/mQである。
PA生産ヒト細胞株の細胞の増殖を14〜400μg/
mΩの蛋白質を含む無血清培地培養物を用いて検討した
ところ、増殖速度は蛋白質濃度に依存し、最適の増殖は
蛋白質濃度が25μg/++1以上で得られる。従って
稀薄な溶液に関しては透析に先立って、限外ろ過などの
方法で濃縮することが望ましい。
また、本発明においては、ヒト肝癌細胞株とKYM−A
またはKYM−Bを混合培養して無血清培地培養物の代
替とすることができる。
本発明において、PAの生産のための培養は接着状態で
培養するローラーボトル培養、マイクロキャリヤー培養
などや工業的な生産に適している浮遊攪拌培養などがあ
る。次に、浮遊攪拌培養について述べる。
変異株KYM−A細胞のPA−KYMの生産を目的とし
て、細胞株を、プラスチックシャーレ−で浮遊培養し、
適当な細胞数に達した時点で、スピナーフラスコによる
浮遊攪拌培養を開始する°。
スピナーフラスコは、100m Q乃至8000m Q
の容量が好ましい。また、接種細胞密度は104乃至1
05細胞/m’Qが好ましく、5xio”乃至2X10
G細胞/mflの密度で定常期に達する。培養温度は特
に規定されるものではないが、約30〜40℃が適し、
特に37℃前後が好ましい。また、気相としては100
%空気または、5〜10%の炭酸ガスを含有する空気、
または、5〜95%酸素を含む空気などが好ましい。
培養は回分式でも良いが、細胞が十分生育すれば、1〜
4日間の間隔で培地を連続的に交換して培養を開始後1
ケ月前後にわたってPA−KYMを含有する培養液を取
得することができる。
ここに得られるPA−KYMは、プラスミノーゲンをプ
ラスミンに活性化する酵素で、蛋白質に属することから
、蛋白質の精製に応用される一般な方法はいずれも適用
され得る。一般には塩析、吸着、アフィニティークロマ
トグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、分子ふ
るいなどによって精製することができる。
本発明によって得られるプラズミノーゲンアクチベータ
ーはTPA型であり、血栓溶解活性が高く、医薬品とし
て供すること可能である。
以下、実施例によって本発明を更に詳絹に説明する。
実施例1 肛煉ゑ■薗小価面遺槙抽÷立芙蚤険箇箋制HuH−6c
 Q−5及びHuH−7細胞株の培養の培地を次の様に
調製した。
RPM I −1640(米国フローラホトリーズ社)
IQあたり下記の成分を添加し、無血清培地を製造する
重炭酸ナトリウム 1.3g N−2−ヒドロキシエチルピペラジン 1.19g亜セ
レン酸(H25e03 ) 3.87μgリノール酸 
0,84μg オレイン酸 0・85μg モリブデン酸アンモニウム((NH4)6 No□02
4) 3.71μg硫酸鉄(FeSO4・7f(20)
 27.8 μg塩化マンガン(MnCQ2 ・4h 
O) 0.0597zg’ヴアナジン酸アンモニウム(
NH4VO3) 1.17μgHuH−6c Q−5ま
たはHuH−7細胞の培養を開始する為に、常法のトリ
プシン処理によってはく離した細胞を0.5 X 10
4乃至5X10’細胞/cm2の密度でシャーレ−に播
き、隔日に培地交換をした。細胞密度が1OS細胞/C
m2以上の培養物の上澄液を回収し、培養物(Cond
itioned cell free medium)
とする。培養物の蛋白質含有量は20〜50μg/mQ
であった。
実施例2 KYM−A株細胞の調製 KYM−A株細胞としては常法に従って、10%牛脂児
血清を含んだRPMI−1640培地で継代培養したも
のを用いた。約5XLO’ケの細胞を含む培養成約5m
ρを採取し、低速遠心分離法によって細胞を回収した。
この細胞を10mρのリン酸緩衝食塩水(phosph
ate buffered sal、1ne)に懸濁し
、これを同様の遠心分離法に供する。この操作を合計3
回繰返すことによって、牛胎児血清成分を完全に除去し
たKYM−A株細胞を得た。
実施例3 KYM−A株の培養 実施例2で得られた牛胎児血清成分を含まない細胞を、
次の培地に5XIO4細胞/mQの濃度に懸濁し、表面
積8cm2のシャーレに播き6日間37℃で培養した。
その結果を第6図に示す。
第6図において培養に供した培地は次の通りである。
■ 濃厚な無血清培地培養物(実施例“1で得られた無
血清培地培養物を限外ろ過により蛋白質濃度を350μ
g/mQにした液) :第6図のCMに該当 ■ 稀薄な無血清培地培養物(実施例1で得られた無血
清培地培養物を限外ろ過により蛋白質濃度を70μg/
m Qにした液) :第6図の115CMに該当 010%の牛脂児血清を含むRP M I −1640
培地 :第6図のFC3に該当 ■ RP M I −1640培地のみ:第6図のRP
MIに該当 更に、動物細胞の無血清培地に増殖因子として一般に添
加されているヒトのトランスフェリン(5μm/mQ)
、エタノールアミン(5μM)及び亜セレン酸(10−
8M)(第6図のTESに該当)を上記■■■の3種類
の培地にそれぞれ添加した。
以上の実験から次のことが明らかになった。
1)培地に血清成分や無血清培地培養物が含まれない場
合はKYM−A株細胞の増殖は見られない。
2)無血清培地培養物を用いた場合の細胞増殖は牛脂児
血清を用いた場合の増殖とほぼ同程度である。
3)無血清培地培養物の濃度差は細胞増殖に大きな影響
を与えない。但し別の実験から蛋白質濃度が14μg/
mQの無血清培地培養物中では余り、顕著な細胞増殖が
得られなかったが20μg/mQ程度の蛋白質濃度があ
れば増殖促進効果がある結果が得られている。
4)無血清培地培養物にトランスフェリン、エタノール
アミン、亜セレン酸及びインスリンを添加した場合、わ
ずかであるが増殖促進が見られた。
5) これらの無血清培地培養物添加培地で増殖させた
KYM−Aa、14B胞を同じ条件下で継代培養したと
ころ、第6図とほぼ同様の結果が得られた。
以上の結果より、ヒト肝癌細胞より調製した無血清培地
培養物はKYM−A株細胞の増殖に必要な因子を含んで
いることが明らかになった。
従って、この方法を用いてKYM−A株細胞の無血清培
養が可能となった。
また、無血清培地培養物の代りに肝癌細胞を用いてKY
M−A細胞と混合培養する場合は、肝癌細胞をマイクロ
キャリアなど適当な担体に接着させ、KYM−A、!I
I胞の浮遊攪拌培養によってPA−KYMを生産させる
ことができる。
実施例4 実施例1で得られた無血清培地培養物を限外ろ過により
蛋白質濃度を140μg/m flにした液50mfl
と実施例1の無血清培地50mQを混合して培地とする
。この培地を添加したプラスチックシャーレにKYM−
A細胞を播種して、増殖の結果約1.0OrIlρの細
胞@濁液が得られた時点で、同培地を入れたスピナーフ
ラスコを用いた浮遊攪拌培養を開始する。スピナーフラ
スコのサイズを次第に大きくすることによって、8Qの
浮遊攪拌培養が可能である。各段階の播種初密度は、1
04乃至105細胞/mQである。
細胞密度が5xio″乃至2X10’細胞/mQに達し
た時点で同培地を交換する。同培地中で浮遊攪拌培養を
1乃至4日間行ない、これを、4乃至IO回繰り返して
、濾過、取得した回収液を精製に供する。
得られた回収液をそれぞれ合一しアプロチニン、Tve
en 80および窒化ナトリウムを、それぞれ最終濃度
が20KIU/mu 、 0.01および0.02%に
なるように加える。(以下すべての緩衝液にはこの3種
類の薬品をこの濃度に添加する。)この試料を以下の方
法で精製した。
(a) Pprathらの方法(Nature、 Vo
l 258598−599、1975)で調整した亜鉛
キレートアガロースカラム(9cn+φX21cm)を
I M NaC1を含む20mMトリス−塩酸緩衝液(
pH7,05)で十分緩衝化した後、培養濾液30Ωを
負荷する。負荷終了後、同緩衝液を3000m Q流し
、カラムを洗浄する。通過した培養濾液およびカラムの
洗浄液にはPA−KYM活性は認められなかった。続い
て同緩衝液1500mQと同緩衝液に150mMイミダ
ゾールを含ませた緩衝液(pH7,3)とでグラジェン
ト溶出を行い、1フラクシヨン15IIIQの割合で分
画する。各フラクションについてPA−KYM活性を測
定すると分画番号で125番を中心としてPA−KYM
活性が顕著であった。この活性画分を透析チューブに集
め、ポリエチレングリコール20,000の粉末をふり
かけ4℃で濃縮する。濃縮後、0.01Mリン酸緩衝液
(pH6,7)に対して4℃で24時間外液を交換しつ
つ透析を行う。透析終了後、チューブ内溶液を遠心分離
(10、OOOrpm、10m1n) L/上澄液を得
る。
(b)このようにして得られたPA−KYMを含む溶液
130m Qを予め0.’OIMリン酸緩衝液(pH6
,7)で十分緩衝化したコンカナバリンAセファロース
カラム(I X 20 cm)(Pharmacia 
Fine Chemica’ls社)に負荷する。負荷
を終了後、同一の緩衝液100IIIQで洗浄する。つ
づいて、同緩衝液(150m Q )と、それに0.6
Mカリウムチオシアネートおよび3Mα−メチルマンノ
シドを含む緩衝液(150m Q )とで形成した直接
勾配で溶出を行なう。分画は、3.5m12ずつ集め、
分画番号32番を中心として、PA−KYM活性が認め
られた。
この両分を集めたのち、ポリエチレングリコール20,
000を用いて5mQに濃縮し、これを40℃で生理食
塩水に対して24時間、透析外液を交換しつつ透析する
。透析中に酵素溶液は白濁し、遠心分離(15,00O
rpm、30分)をすると、沈殿分画にPA−KYM活
性が回収される。この段階で、ゲル口過法ではPA−K
YMより高分子と認められる蛋白質を中心とした混在蛋
白質の除去が可能であった。遠心分離で得られた沈殿物
を、2mQの1.6Nカリウムチオシアネートを含む0
.01Mリン酸緩衝液(pH6,7)に溶解する。完全
に溶解し得ない残渣を遠心分離によって除去した後、P
A−KYM活性を含有する上清液を得る。ここに得られ
た液を1.6Nカリウムチオシアネートを含む0.01
Mリン酸緩衝液(pH6,7)で充分に緩衝化したセフ
ァデックスG −200(Pharmacia Fin
e Chemicals)のカラム(1,6X 85c
m)に負荷し、同一の緩衝液で展開する。分画は2.4
mQずつ分取すると、分画番号35番を中心ρして、P
A−KYM活性が認められる。
以上のように、分別沈殿法を含めて4段階の方法でPA
−KYMの精製標品が得られた。
【図面の簡単な説明】
第1図はPA−KYMの各pHの作用曲線を示す図で、
第2図はpHの残存活性を示す図で、第3図は作用温度
曲線を示す図で、第4図は各温度における残存活性を示
す図で、第5図は紫外線吸収スペクトルを示す図である
。第6図はKYM−A株を5X10’細胞/mQを各々
の培地に懸濁し37℃で5%の炭酸ガスを含有する空気
中で6日間培養した場合の時系列的な各培地に於けるK
YM−A細胞数を示す。 CM:肝ガン細胞由来(HuH)無血清培地培養物、蛋
白濃度350μg/m Q 。 115CM:蛋白濃度がCMの115.70 p g/
m QFC8C牛胎児血清lO%濃度 TES:ヒトのトランスフェリン、エタノールアミン、
亜セレン酸 RPM I : RPM I −1640代理人 弁理
士 戸 1)親 男

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)プラズミノーゲンアクチベーターを産生ずるヒト
    細胞株を無血清培地で培養する方法において、異種の細
    胞株の無血清培地培養物もしくはその処理物を存在せし
    めることを特徴とするプラズミノーゲンアクチベーター
    の製造法。
  2. (2)無血清培地培養物の調製に用いる細胞株がヒト肝
    癌細胞株であることを特徴とする特許請求の範囲第1項
    の製造法。
  3. (3)プラズミノーゲンアクチベーターを産生ずるヒト
    細胞株が浮遊状態で増殖するヒト横絞筋腫細胞変異株K
    YM−Aであることを特徴とする特許請求の範囲第1項
    記載の製造法。
  4. (4)プラズミノーゲンアクチベーターを産生ずるヒト
    細胞株が主として接着状態で増殖するヒト横絞筋腫細胞
    変異株KYM−Bである特許請求の範囲第1項記載の製
    造法。
  5. (5)ヒト肝癌の細胞株の無血清培地培養物の存在が、
    ヒト横絞筋腫細胞変異株との混合培養であることを特徴
    とする特許請求の範囲第1.3.4項記載の製造法。
  6. (6)プラズミノーゲンアクチベーターを産生ずるヒト
    細胞株の無血清培地での培養が浮遊攪拌培養又は接着培
    養であることを特徴とする特許請求の範囲第1.2,3
    ,4.5項記載の製造法。
JP59087671A 1984-05-02 1984-05-02 プラズミノ−ゲンアクチベ−タ−の製造法 Pending JPS60231611A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5139939A (en) * 1987-07-21 1992-08-18 Meiji Milk Products Co., Ltd. Process for the production of human tissue plasminogen activator and cell strain useful therefor

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5139939A (en) * 1987-07-21 1992-08-18 Meiji Milk Products Co., Ltd. Process for the production of human tissue plasminogen activator and cell strain useful therefor

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