JPS602289B2 - ビニルフエノ−ルの改良分離精製法 - Google Patents
ビニルフエノ−ルの改良分離精製法Info
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- JPS602289B2 JPS602289B2 JP8059676A JP8059676A JPS602289B2 JP S602289 B2 JPS602289 B2 JP S602289B2 JP 8059676 A JP8059676 A JP 8059676A JP 8059676 A JP8059676 A JP 8059676A JP S602289 B2 JPS602289 B2 JP S602289B2
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Description
【発明の詳細な説明】
本発明は、ピニルフェノールの改良された分離精製法に
関する。
関する。
更に詳しくは本発明は工業的規模にて実施可能な効率の
よいビニルフェノールの分離精製法にある。従来ビニル
フェノールは天然物から回収したり、ヒドロキシ桂皮酸
やビス(ヒドロキシフェニル)ェタンを分解したり、エ
チルフェノールの脱水秦等により製造されているが、い
ずれの場合にも目的とするビニルフェノール以外に池種
のフェノール類、炭化水素等の不純物を含んだ粗ビニル
フェノールが得られる。
よいビニルフェノールの分離精製法にある。従来ビニル
フェノールは天然物から回収したり、ヒドロキシ桂皮酸
やビス(ヒドロキシフェニル)ェタンを分解したり、エ
チルフェノールの脱水秦等により製造されているが、い
ずれの場合にも目的とするビニルフェノール以外に池種
のフェノール類、炭化水素等の不純物を含んだ粗ビニル
フェノールが得られる。
よってこの粗生成物から不純物を除き純粋なビニルフェ
/−ルを得るため精製する必要がある。しかしながら、
ピニルフェノールは非常に重合しやすい物質であって、
高温にさらすと直ちに重合が起るため、蒸留のごとき加
熱を必要とする分離方法は採用できない。現在、工業的
規模にて効率よく実施し得るビニルフェノールの分離精
製技術は禾だ報告されておらず、わずかに実験室的合成
例において、再結晶によって分離精製したことが報告さ
れても、るが、これも収率および分離効果が悪く工業的
に実施し得る方法ではない。このため本発明者等は、先
に特願昭45一119132号において、粗ビニルフェ
/−ルを特定の溶媒に溶解した状態下でアルカリ水溶液
を抽出剤とし、還流部をもつ抽出装置を用いて柚質の還
流を行ないつつ、0〜30℃の温度にて向流液−液抽出
を行なうことにより、高純度のビニルフェノールを収率
よく分離精製し得る方法を提案している。
/−ルを得るため精製する必要がある。しかしながら、
ピニルフェノールは非常に重合しやすい物質であって、
高温にさらすと直ちに重合が起るため、蒸留のごとき加
熱を必要とする分離方法は採用できない。現在、工業的
規模にて効率よく実施し得るビニルフェノールの分離精
製技術は禾だ報告されておらず、わずかに実験室的合成
例において、再結晶によって分離精製したことが報告さ
れても、るが、これも収率および分離効果が悪く工業的
に実施し得る方法ではない。このため本発明者等は、先
に特願昭45一119132号において、粗ビニルフェ
/−ルを特定の溶媒に溶解した状態下でアルカリ水溶液
を抽出剤とし、還流部をもつ抽出装置を用いて柚質の還
流を行ないつつ、0〜30℃の温度にて向流液−液抽出
を行なうことにより、高純度のビニルフェノールを収率
よく分離精製し得る方法を提案している。
この得磯昭45一119132号の方法は、ビニルフェ
ノールを高純度かつ高収率で分離できるすぐれた方法で
あるが、操業を続けていくと抽出装置やパイプの内壁な
らびに縄梓機等にスケールが次第に析出枕着しパイプの
閉塞、回転部分の固着等の障害により長時間の連続運転
が難しい欠陥がある。本発明者等は、当該スケールの生
成原因ならびにスケール防止法につき鋭意究明した結果
、ビニルフェノール自体が非常に重合しやすいため粗ビ
ニルフェノール源料中に既に少量のピニルフェノール重
合物が含まれており、この重合物中のフェノール性水酸
基が抽出過程でアルカリ水溶液により部分的にアルカリ
塩となって抽出装置内でスケールとして析出すること、
ならびに当該スケールは抽出系内に水溶性アルコ−ルを
共存させることによって完全にその生成を防止できるこ
とを見し、出して本発明を完成した。
ノールを高純度かつ高収率で分離できるすぐれた方法で
あるが、操業を続けていくと抽出装置やパイプの内壁な
らびに縄梓機等にスケールが次第に析出枕着しパイプの
閉塞、回転部分の固着等の障害により長時間の連続運転
が難しい欠陥がある。本発明者等は、当該スケールの生
成原因ならびにスケール防止法につき鋭意究明した結果
、ビニルフェノール自体が非常に重合しやすいため粗ビ
ニルフェノール源料中に既に少量のピニルフェノール重
合物が含まれており、この重合物中のフェノール性水酸
基が抽出過程でアルカリ水溶液により部分的にアルカリ
塩となって抽出装置内でスケールとして析出すること、
ならびに当該スケールは抽出系内に水溶性アルコ−ルを
共存させることによって完全にその生成を防止できるこ
とを見し、出して本発明を完成した。
すなわち、本発明の要旨は粗ビニルフェノールを、水に
対して不溶性ないし難溶性であり、炭化水素類、エーテ
ル類、ハロゲン化炭化水素類およびアルコール類から選
ばれた少なくとも1種を含む溶媒に溶解した状態で、ア
ルカリ水溶液と向流接触させてビニルフェノールと、ビ
ニルフェノ−ルより酸性度の強い不純物および/または
ビニルフェノールより酸性度の弱い不純物にそれぞれ分
別抽出するに際し、系内に水溶性アルコールを存在させ
ることを特徴とするビニルフェノールの改良分離精製法
に存する。
対して不溶性ないし難溶性であり、炭化水素類、エーテ
ル類、ハロゲン化炭化水素類およびアルコール類から選
ばれた少なくとも1種を含む溶媒に溶解した状態で、ア
ルカリ水溶液と向流接触させてビニルフェノールと、ビ
ニルフェノ−ルより酸性度の強い不純物および/または
ビニルフェノールより酸性度の弱い不純物にそれぞれ分
別抽出するに際し、系内に水溶性アルコールを存在させ
ることを特徴とするビニルフェノールの改良分離精製法
に存する。
一般に、前述のような各種の製造方法によって得られる
粗ビニルフェ/−ルは、フェノールのごときビニルフェ
/−ルより酸性度の強いフェノール類とビニルフェノー
ルより酸性度の弱いフェノール類、たとえばエチルフェ
ノール、プロピルフエノール、ブチルフヱノールのごと
きアルキルフェノールならびにビニルフェノール重合物
等および炭化水素のごとき非酸性物質を含む。
粗ビニルフェ/−ルは、フェノールのごときビニルフェ
/−ルより酸性度の強いフェノール類とビニルフェノー
ルより酸性度の弱いフェノール類、たとえばエチルフェ
ノール、プロピルフエノール、ブチルフヱノールのごと
きアルキルフェノールならびにビニルフェノール重合物
等および炭化水素のごとき非酸性物質を含む。
本発明方法を実施するに際して、この粗ピニルフヱノー
ルは、一般に粗ビニルフェノールを溶解するが、水には
不溶性ないし簸綾性である溶媒に溶解して用いる。また
必要に応じ粗ビニルフェノ−ルと上記溶媒とを別途抽出
系に供給して系内で溶媒に溶解した状態を形成させるこ
とも可能である。この溶媒としては、炭化水素類、エー
テル類、ハロゲン化炭化水素類水に不溶性ないし鍵溶性
のアルコールがよい。抽剤として用いるアルカリ水溶液
としては、苛性ソーダ、苛性カリ等のごとき水溶性アル
カリ化合物の水溶液が用いられる。また、抽出操作はビ
ニルフェノールが重合しやすい物質であるため、比較的
低温で行なうのが望ましい。通常−10〜十4ぴ0、好
ましくは0〜30℃である。本発明方法においてスケー
ル析出防止のため使用される水溶性アルコールは、通常
低級アルコールである。−が則こは炭素数1〜4の脂肪
族アルコール類、たとえばメタノール、エタノール、プ
ロパ/ール類、プタノール類、エチレングリコ−ル、ジ
ェチレングリコール、グリセリン等である。なかでもメ
タ/ールおよび/またはエタノールが好ましい。これら
水溶性アルコールのスケール防止作用は詳細に究明され
ていないが、これらアルコールがビニルフェノール重合
物の部分的アルカリ塩を溶解して抽出液(水相)中に移
行させるためと推定される。水落性アルコールの使用量
は粗ビニルフェノール中の重合物含有量により最終的に
決められるが、通常使用されるアルカリ水溶液に対して
0.5〜50重量%、好ましくは1〜20重量%である
。アルコールの使用量が多過ぎると、抽出液(水相)と
袖残液(油相)との相互溶解度が大きくなり所望とする
ピニルフェ/−ルの純度ならびに収率が低下するので好
ましくない。また使用量が少な過ぎる場合には、十分な
スケール防止効果は望めない。これらアルコールは、抽
出系内に共存させうるならば、抽出装置のいかなる場所
から供恩会してもよいし、又使用するアルコールの全量
を−ケ所から供V給してもよいし、2ケ所以上から分割
供給することも可能である。更にこれらアルコールの供
給は連続的に行なっても、また間けつ的に行なってもい
ずれでもよい。通常、これらアルコールを2分して一方
を粗ビニルフェノールと共に、他方をアルカリ水溶液と
共に混用するのが取扱上便利である。必要に応じ、抽出
装置の抽出段に数段に分け当該アルコールを分割供V給
すること等もまた可能である。本発明方法を実施するに
あたって、抽出装置としては、各液の同流接触が行なえ
るものならばいずれでもよい。
ルは、一般に粗ビニルフェノールを溶解するが、水には
不溶性ないし簸綾性である溶媒に溶解して用いる。また
必要に応じ粗ビニルフェノ−ルと上記溶媒とを別途抽出
系に供給して系内で溶媒に溶解した状態を形成させるこ
とも可能である。この溶媒としては、炭化水素類、エー
テル類、ハロゲン化炭化水素類水に不溶性ないし鍵溶性
のアルコールがよい。抽剤として用いるアルカリ水溶液
としては、苛性ソーダ、苛性カリ等のごとき水溶性アル
カリ化合物の水溶液が用いられる。また、抽出操作はビ
ニルフェノールが重合しやすい物質であるため、比較的
低温で行なうのが望ましい。通常−10〜十4ぴ0、好
ましくは0〜30℃である。本発明方法においてスケー
ル析出防止のため使用される水溶性アルコールは、通常
低級アルコールである。−が則こは炭素数1〜4の脂肪
族アルコール類、たとえばメタノール、エタノール、プ
ロパ/ール類、プタノール類、エチレングリコ−ル、ジ
ェチレングリコール、グリセリン等である。なかでもメ
タ/ールおよび/またはエタノールが好ましい。これら
水溶性アルコールのスケール防止作用は詳細に究明され
ていないが、これらアルコールがビニルフェノール重合
物の部分的アルカリ塩を溶解して抽出液(水相)中に移
行させるためと推定される。水落性アルコールの使用量
は粗ビニルフェノール中の重合物含有量により最終的に
決められるが、通常使用されるアルカリ水溶液に対して
0.5〜50重量%、好ましくは1〜20重量%である
。アルコールの使用量が多過ぎると、抽出液(水相)と
袖残液(油相)との相互溶解度が大きくなり所望とする
ピニルフェ/−ルの純度ならびに収率が低下するので好
ましくない。また使用量が少な過ぎる場合には、十分な
スケール防止効果は望めない。これらアルコールは、抽
出系内に共存させうるならば、抽出装置のいかなる場所
から供恩会してもよいし、又使用するアルコールの全量
を−ケ所から供V給してもよいし、2ケ所以上から分割
供給することも可能である。更にこれらアルコールの供
給は連続的に行なっても、また間けつ的に行なってもい
ずれでもよい。通常、これらアルコールを2分して一方
を粗ビニルフェノールと共に、他方をアルカリ水溶液と
共に混用するのが取扱上便利である。必要に応じ、抽出
装置の抽出段に数段に分け当該アルコールを分割供V給
すること等もまた可能である。本発明方法を実施するに
あたって、抽出装置としては、各液の同流接触が行なえ
るものならばいずれでもよい。
なかでも還流部のある抽出装置が好ましい。塔式抽出装
置を用いる場合を例にとって説明するならば、抽出操作
は粗ビニルフェノールを溶媒(必要に応じ更に水溶性ア
ルコールと共に)に溶解し、または粗ビニルフェノール
(必要に応じ水溶性アルコールと共に)と溶媒を別途に
抽出塔の粗ビニルフェノールの組成によって定まる中段
に供給し、アルカリ水溶液を塔の上部から・流下させ、
※底より抽出液(フェノール類のアルカリ塩水溶液)、
塔項より抽残液(油相)を取り出す。繁底から得られた
抽出液は、酸および溶媒が加えられ、酸によってフェノ
ール類が遊離され、遊離されたフェノール類は溶媒に溶
解抽出される。この酸としては、炭酸(炭酸ガスを含む
)、亜硫酸(亜硫酸ガスを含む)、塩酸(塩化水素ガス
を含む)硝酸、リン酸、硫酸等の酸およびこれらの酸性
塩が好ましい。酸の使用量は上記フェノール類のアルカ
リ塩を中和する量以上である。また溶媒としては前記し
たと同じ溶媒が用いられる。酸処理により得られたフェ
ノール類は溶媒と共にその1部を濃縮分離効率をあげる
ために塔底に還流する。還流比は必要に応じ適宜決定す
ればよい。抽出装置(器)は、粗ビニルフェノール中に
含まれる不純物の種類、抽出操作コスト等により1基ま
たは2基以上が適宜採用される。
置を用いる場合を例にとって説明するならば、抽出操作
は粗ビニルフェノールを溶媒(必要に応じ更に水溶性ア
ルコールと共に)に溶解し、または粗ビニルフェノール
(必要に応じ水溶性アルコールと共に)と溶媒を別途に
抽出塔の粗ビニルフェノールの組成によって定まる中段
に供給し、アルカリ水溶液を塔の上部から・流下させ、
※底より抽出液(フェノール類のアルカリ塩水溶液)、
塔項より抽残液(油相)を取り出す。繁底から得られた
抽出液は、酸および溶媒が加えられ、酸によってフェノ
ール類が遊離され、遊離されたフェノール類は溶媒に溶
解抽出される。この酸としては、炭酸(炭酸ガスを含む
)、亜硫酸(亜硫酸ガスを含む)、塩酸(塩化水素ガス
を含む)硝酸、リン酸、硫酸等の酸およびこれらの酸性
塩が好ましい。酸の使用量は上記フェノール類のアルカ
リ塩を中和する量以上である。また溶媒としては前記し
たと同じ溶媒が用いられる。酸処理により得られたフェ
ノール類は溶媒と共にその1部を濃縮分離効率をあげる
ために塔底に還流する。還流比は必要に応じ適宜決定す
ればよい。抽出装置(器)は、粗ビニルフェノール中に
含まれる不純物の種類、抽出操作コスト等により1基ま
たは2基以上が適宜採用される。
たとえば、ビニルフェノールより酸性度の強い不純物お
よび弱い不純物の両方を含む粗ピニルフェノールを用い
る場合には、通常2基の抽出装置が用いられる。まず第
1抽出装置にてビニルフェノールより酸性度の強いフェ
ノール類のみが実質的に抽出するだけのアルカリ水溶液
を用いて抽出操作を行ない、ビニルフェノールより酸性
度の強いフェノ−ル類を抽出する。第1抽出装置の柚残
液は第2抽出装置の原料とし、第2抽出装置では実質的
にビニルフェノールのみが抽出される量のアルカリ水溶
液を用いて抽出操作を行ない、高純度のビニルフェノー
ルを取得する。また第1抽出装置において、ビニルフェ
ノールおよびそれより酸性度の強いフェノール類を抽出
しておき、第2抽出装置において第1抽出装置の抽出液
中からビニルフェノールより酸性度の強いフェノール類
を抽出し、ピニルフェ/−ルを柚銭液として分離精製し
てもよい。粗ビニルフェノールが、ビニルフェノールよ
り酸性度の強いフェノール類等の不純物を実質的に含有
していないかあるいはビニルフェノールより酸性度の弱
いフェノール類等の不純物を実質的に含有していない場
合は、抽出装置は上記のごとく2基用いる必要はなく、
1基でよい。
よび弱い不純物の両方を含む粗ピニルフェノールを用い
る場合には、通常2基の抽出装置が用いられる。まず第
1抽出装置にてビニルフェノールより酸性度の強いフェ
ノール類のみが実質的に抽出するだけのアルカリ水溶液
を用いて抽出操作を行ない、ビニルフェノールより酸性
度の強いフェノ−ル類を抽出する。第1抽出装置の柚残
液は第2抽出装置の原料とし、第2抽出装置では実質的
にビニルフェノールのみが抽出される量のアルカリ水溶
液を用いて抽出操作を行ない、高純度のビニルフェノー
ルを取得する。また第1抽出装置において、ビニルフェ
ノールおよびそれより酸性度の強いフェノール類を抽出
しておき、第2抽出装置において第1抽出装置の抽出液
中からビニルフェノールより酸性度の強いフェノール類
を抽出し、ピニルフェ/−ルを柚銭液として分離精製し
てもよい。粗ビニルフェノールが、ビニルフェノールよ
り酸性度の強いフェノール類等の不純物を実質的に含有
していないかあるいはビニルフェノールより酸性度の弱
いフェノール類等の不純物を実質的に含有していない場
合は、抽出装置は上記のごとく2基用いる必要はなく、
1基でよい。
また2基以上の抽出装置を直列に連結して粗ビニルフェ
ノールとアルカリ水溶液とを多段にわたり向流接触させ
てビニルフェノールを分離精製する向流多段抽出操作等
の採用も可能である。
ノールとアルカリ水溶液とを多段にわたり向流接触させ
てビニルフェノールを分離精製する向流多段抽出操作等
の採用も可能である。
第1図は本発明の実施態様の1例を示すフローである。
粗ビニルフェノール(フェノールを含まない)をメタ/
ールと共に管1を通して抽出塔2の中段に供v給し、ま
た同時に溶媒を管3を通して抽出塔2の中段に供翼溝す
る。ビニルフェノールのみを抽出するに必要な量のアル
カリ水溶液をメタノールと共に管4を通して抽出塔2の
上部に供給する。またアルカリ水溶液を管5を通して抽
出塔2の下部に供V給し、ビニルフェノールを含む溶媒
は還流として管6を経て抽出塔2の下部に循環される。
なお管5のアルカリ水溶液は、管8等でビニルフェノー
ル重合物の析出を防止するため使用される。これは、抽
出塔2内で形成されたビニルフェノール重合物の部分的
アルカリ塩が管6の還流中に含まれる多量のビニルフェ
ノール(酸性物質)との接触により中和されて析出し易
くなるため、再び部分的アルカリ塩として戻すためであ
る。なお、管5のアルカリ水溶液に水溶性アルコールを
混合して使用することは更に望ましい。抽出塔2の内部
で粗ビニルフェノールとアルカリ水溶液の両者は向流接
触し、管7よりビニルフェノールより酸性度の弱いフェ
ノール類および炭化水素ならびに溶媒を含む柚残液が抽
出塔2の頂部から排出される。一方ビニルフェノールの
アルカリ塩を含む水溶液(抽出液)が抽出塔2の底部か
ら管8を通って分解槽9に導入される。分解槽9には、
更に管10を通って酸が、また管11を通して溶媒が供
給される。分解槽9においてビニルフェノールおよび重
合物は酸により酸析され、ピニルフェノールは溶媒に再
び溶解するが重合物のみは溶媒に溶解せず析出してくる
ため管12を通って系外に排出される。重合物を分離し
たビニルフェノール、溶媒および水等の混合物は管13
を通して分離槽14に導入され静層、遠心分離等の手段
によりビニルフヱノールの煤溶液相と水溶液相に分離さ
れる。前者は管15を通して分解槽14より抜き出され
、その一部は管6を経て抽出塔2へ還流されるし、その
磯分は製品ビニルフェノール溶液として管16から取り
出される。一方、後者の水相は管17を通して回収塔1
8の中央上部に導入し、管19から導入された溶媒と接
触して水相中に含まれる少量のビニルフェノールを回収
する。少量のビニルフェノールを含む溶媒相は回収塔1
8の頂部から管1 1を経て分解槽9に循環される。一
方、廃水溶液は回収塔18の底部から管20を経て系外
に抜き出される。本発明方法によれば、各種の不純物を
含む粗ビニルフェノールから高純度ビニルフェノールを
収率よく分離精製でき、しかもスケールが抽出装置内に
全く析出しないため長期間安定した操業が可能となり、
その工業的意義は極めて大きい。
粗ビニルフェノール(フェノールを含まない)をメタ/
ールと共に管1を通して抽出塔2の中段に供v給し、ま
た同時に溶媒を管3を通して抽出塔2の中段に供翼溝す
る。ビニルフェノールのみを抽出するに必要な量のアル
カリ水溶液をメタノールと共に管4を通して抽出塔2の
上部に供給する。またアルカリ水溶液を管5を通して抽
出塔2の下部に供V給し、ビニルフェノールを含む溶媒
は還流として管6を経て抽出塔2の下部に循環される。
なお管5のアルカリ水溶液は、管8等でビニルフェノー
ル重合物の析出を防止するため使用される。これは、抽
出塔2内で形成されたビニルフェノール重合物の部分的
アルカリ塩が管6の還流中に含まれる多量のビニルフェ
ノール(酸性物質)との接触により中和されて析出し易
くなるため、再び部分的アルカリ塩として戻すためであ
る。なお、管5のアルカリ水溶液に水溶性アルコールを
混合して使用することは更に望ましい。抽出塔2の内部
で粗ビニルフェノールとアルカリ水溶液の両者は向流接
触し、管7よりビニルフェノールより酸性度の弱いフェ
ノール類および炭化水素ならびに溶媒を含む柚残液が抽
出塔2の頂部から排出される。一方ビニルフェノールの
アルカリ塩を含む水溶液(抽出液)が抽出塔2の底部か
ら管8を通って分解槽9に導入される。分解槽9には、
更に管10を通って酸が、また管11を通して溶媒が供
給される。分解槽9においてビニルフェノールおよび重
合物は酸により酸析され、ピニルフェノールは溶媒に再
び溶解するが重合物のみは溶媒に溶解せず析出してくる
ため管12を通って系外に排出される。重合物を分離し
たビニルフェノール、溶媒および水等の混合物は管13
を通して分離槽14に導入され静層、遠心分離等の手段
によりビニルフヱノールの煤溶液相と水溶液相に分離さ
れる。前者は管15を通して分解槽14より抜き出され
、その一部は管6を経て抽出塔2へ還流されるし、その
磯分は製品ビニルフェノール溶液として管16から取り
出される。一方、後者の水相は管17を通して回収塔1
8の中央上部に導入し、管19から導入された溶媒と接
触して水相中に含まれる少量のビニルフェノールを回収
する。少量のビニルフェノールを含む溶媒相は回収塔1
8の頂部から管1 1を経て分解槽9に循環される。一
方、廃水溶液は回収塔18の底部から管20を経て系外
に抜き出される。本発明方法によれば、各種の不純物を
含む粗ビニルフェノールから高純度ビニルフェノールを
収率よく分離精製でき、しかもスケールが抽出装置内に
全く析出しないため長期間安定した操業が可能となり、
その工業的意義は極めて大きい。
実施例 1第1図に示すフローに従って以下実施した。
内容量約10その回転縄投機付抽出塔の中央部に、16
.0重量%のp−ビニルフエノール、35.5重量%の
Pーェチルフェノール、1.の重量%のmーェチルフェ
ノール、0.紅重量%のoーェチルフェノール、1.5
重量%のp−第3ブチルフヱノール、1.6重量%のビ
ニルフェノール重合物および42.9重量%のメタノー
ルよりなる混合物を915.7夕/hrの割合で管1か
らまたトルェンを4034夕/hrの割合で管3から供
給した。カセイソーダ2.笹重量%およびメタノール2
.の重量%を含むカセイソーダ水溶液を管4から552
1夕/hrの割合で抽出塔の上部に、また管5から50
夕/hrの割合で抽出塔の下部に導大してpービニルフ
ェノールの分離精製を行なった。得られた抽出液は連続
的に分解槽に導入して管11からのトルヱンおよび管1
0からの炭酸ガス(269夕/hr)と接触させ、析出
したビニルフェノール重合物を除去し分解槽に供給した
。分解槽中で分離された水溶液相は回収塔に供給され、
管19から3936夕/hrの割合で供給されるトルェ
ソと接触させた。得られたトルェン相は管11を経て分
解槽に連続的に循環した。一方、分解槽で分離された溶
媒溶液相は、抽出操作開始後4時間迄はその全量を管1
5及び6を経て抽出塔に循環した。4時間後からは循環
率を70%に下げ、残り30%を製品として取り出した
。
.0重量%のp−ビニルフエノール、35.5重量%の
Pーェチルフェノール、1.の重量%のmーェチルフェ
ノール、0.紅重量%のoーェチルフェノール、1.5
重量%のp−第3ブチルフヱノール、1.6重量%のビ
ニルフェノール重合物および42.9重量%のメタノー
ルよりなる混合物を915.7夕/hrの割合で管1か
らまたトルェンを4034夕/hrの割合で管3から供
給した。カセイソーダ2.笹重量%およびメタノール2
.の重量%を含むカセイソーダ水溶液を管4から552
1夕/hrの割合で抽出塔の上部に、また管5から50
夕/hrの割合で抽出塔の下部に導大してpービニルフ
ェノールの分離精製を行なった。得られた抽出液は連続
的に分解槽に導入して管11からのトルヱンおよび管1
0からの炭酸ガス(269夕/hr)と接触させ、析出
したビニルフェノール重合物を除去し分解槽に供給した
。分解槽中で分離された水溶液相は回収塔に供給され、
管19から3936夕/hrの割合で供給されるトルェ
ソと接触させた。得られたトルェン相は管11を経て分
解槽に連続的に循環した。一方、分解槽で分離された溶
媒溶液相は、抽出操作開始後4時間迄はその全量を管1
5及び6を経て抽出塔に循環した。4時間後からは循環
率を70%に下げ、残り30%を製品として取り出した
。
この製品は99.1重量%pービニルフェノールと0.
9重量%のエチルフェノールからなるp−ピニルフヱノ
ールを1の重量%含むトルェン溶液であった。上記の連
続抽出操作を240時間行なったが抽出塔内にはビニル
フェノール重合物の析出は認められなかった。
9重量%のエチルフェノールからなるp−ピニルフヱノ
ールを1の重量%含むトルェン溶液であった。上記の連
続抽出操作を240時間行なったが抽出塔内にはビニル
フェノール重合物の析出は認められなかった。
実施例 2管1から、15.亀重量%のpービニルフヱ
/ール、0.0重量%のo−エチルフェノール、0.虫
重量%のm−エチルフェノール、33.丸重量%のpー
ェチルフェノール、1.4重量%のp一第3ブチルフェ
ノール、1.1重量%のビニルフヱノール重合物および
47.の重量%のエタノールよりなる混合物を977.
7夕/トての割合で、またカセィソーダ2.亀重量%お
よびエタノール4.の重量%を含むカセイソーダ水溶液
を管4から5611夕/hrおよび管5から50夕/h
rで抽出塔に供給した以外は実施例1と同様に処理した
。
/ール、0.0重量%のo−エチルフェノール、0.虫
重量%のm−エチルフェノール、33.丸重量%のpー
ェチルフェノール、1.4重量%のp一第3ブチルフェ
ノール、1.1重量%のビニルフヱノール重合物および
47.の重量%のエタノールよりなる混合物を977.
7夕/トての割合で、またカセィソーダ2.亀重量%お
よびエタノール4.の重量%を含むカセイソーダ水溶液
を管4から5611夕/hrおよび管5から50夕/h
rで抽出塔に供給した以外は実施例1と同様に処理した
。
得られた製品は、99.3重量%のpービニルフェノー
ルと0.汀重量%のエチルフェノールを10.2重量%
含むトルェン溶液であった。24凪時間後も抽出塔内に
ビニルフェノール重合物の析出は認められなかった。
ルと0.汀重量%のエチルフェノールを10.2重量%
含むトルェン溶液であった。24凪時間後も抽出塔内に
ビニルフェノール重合物の析出は認められなかった。
比較例
原料粗ビニルフェノールおよびカセイソーダ水溶液中に
メタノールを添加しなかった以外は実施例1と同様に処
理した。
メタノールを添加しなかった以外は実施例1と同様に処
理した。
精品として実施例1と同純度(99.1重量%)のp−
ビニルフェノール溶液を得たが、6畑時間後に抽出塔内
に多量のビニルフェノール重合物が析出し操業不能とな
った。
ビニルフェノール溶液を得たが、6畑時間後に抽出塔内
に多量のビニルフェノール重合物が析出し操業不能とな
った。
図面は本発明の一実施態様を示すフローシートである。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 粗ビニルフエノールを、水に対して不溶性ないし難
溶性であり、炭化水素類、エーテル類、ハロゲン化炭化
水素類およびアルコール類から選ばれた少なくとも1種
を含む溶媒に溶解した状態で、アルカリ水溶液と向流接
触させてビニルフエノールと、ビニルフエノールより酸
性度の強い不純物および/またはビニルフエノールより
酸性度の弱い不純物にそれぞれ分別抽出するに際し、系
内に水溶性アルコールを存在させることを特徴とするビ
ニルフエノールの改良分離精製法。 2 当該水溶性アルコールの炭素数が1〜4である特許
請求の範囲第1項の分離精製法。 3 当該水溶性アルコールをアルカリ水溶液に対し0.
5〜50重量%使用する特許請求の範囲第1項の分離精
製法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8059676A JPS602289B2 (ja) | 1976-07-07 | 1976-07-07 | ビニルフエノ−ルの改良分離精製法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8059676A JPS602289B2 (ja) | 1976-07-07 | 1976-07-07 | ビニルフエノ−ルの改良分離精製法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS537629A JPS537629A (en) | 1978-01-24 |
JPS602289B2 true JPS602289B2 (ja) | 1985-01-21 |
Family
ID=13722701
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8059676A Expired JPS602289B2 (ja) | 1976-07-07 | 1976-07-07 | ビニルフエノ−ルの改良分離精製法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS602289B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE3012511A1 (de) * | 1980-03-31 | 1981-10-08 | Siemens AG, 1000 Berlin und 8000 München | Verfahren und vorrichtung zum ueberschwingungsfreien ein- und abschalten eines kondensators zwischen zwei leitern eines wechselspannungsnetzes |
JPS59110335A (ja) * | 1982-12-14 | 1984-06-26 | 富士電機株式会社 | サイリスタ式コンデンサ開閉装置 |
-
1976
- 1976-07-07 JP JP8059676A patent/JPS602289B2/ja not_active Expired
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS537629A (en) | 1978-01-24 |
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