JPS60217860A - カカオバタ−代用脂及びそれを含有するチヨコレ−ト - Google Patents

カカオバタ−代用脂及びそれを含有するチヨコレ−ト

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JPS60217860A
JPS60217860A JP59074254A JP7425484A JPS60217860A JP S60217860 A JPS60217860 A JP S60217860A JP 59074254 A JP59074254 A JP 59074254A JP 7425484 A JP7425484 A JP 7425484A JP S60217860 A JPS60217860 A JP S60217860A
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丸銭 詔司
Toshimichi Yanagihara
柳原 利道
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はカカオバター代用脂に関する。さらに詳しくは
、非常にシャープな融解特性を有するカカオバター代用
脂及びそれを含有するチョコレートに関する。
チョコレート用油脂として、従来より賞月されてきたカ
カオ脂の特異性は、他の一般的な天然或いは加工油脂と
異なり、常温近傍以下の温度で固体であるにもかかわら
ず、人間の体温近傍で非常に速やかに融解する点にある
。このようなカカオ脂の融解特性は、カカオ脂を構成す
るトリグリセリドが実質的に1.3−ジ飽和−2−不飽
和トリグリセリド(SUS)から成っており、更に、こ
れらの中で特に1−(3−)パルミト−2−オレオ−3
−(1−)ステアリン(PO3)を主要成分とする非常
に単純なトリグリセリド構造であることに依っている。
カカオバター代用脂として必須の事項は、最低限その物
性、特にその融解特性がカカオ脂のそれに類イ以してい
ることである。カカオ脂に類似した物性をカカオバター
代用脂に具備させる為の基本的概念は、組成上の観点か
ら二つに大別される。
一つは、カカオバター代用脂のトリグリセリド構造をカ
カオ脂のそれに類似させることである。トリグリセリド
構造が類似していれば当然その物性も類似したものにな
る。もう一つはそのトリグリセリド構造がカカオ脂のそ
れと全く異なる系で、単にその物性、特に、それ単独の
融解特性を・カカオ脂のそれと類似させることである。
このようなトリグリセリド構造上の分類において、前者
を構造類似型代用脂、後者を非構造類似型代用脂と呼ぶ
ことにする。非構造類似型代用脂は、さらにラウリン型
代用脂とトランス型代用脂に大別され、前者は、ヤシ油
、パーム核油等のラウリン型油脂の加工により、後者は
ごく一般的な植物油、例えば大豆油、コメ油、綿実油、
ナタネ油、コーン油等の加工、特に水素添加工程(ここ
でトランス酸基が不可避的に生成する)を必須とする工
程で製造される。
マタ、カカオバター代用脂は、チョコレート製造工程上
の相異により分類される。一つは、それを用いたときチ
ョコレート製造工程でテンパリング工程を必須とするテ
ンパー型代用脂、もう一つは、テンパリング工程を必須
としないノーテンパー型代用脂である。構造類似型はテ
ンパー型に、非構造類似型はノーテンパー型に対応する
従来の構造類似型代用脂は、構造及び物性、特にその融
解特性を可及的にカカオ脂に類似させるという一つの方
向で研究開発されてきている。また、これらの用途の主
体は比較的高級な板ものチョコレートである。
一方、非構造類似型代用脂は、その用途(複合菓子の構
成物)の多様性のゆえに種々雑多な製品が開発されてき
ているが、これらの中で特に注目すべきものはラウリン
型代用脂であろう。
ラウリン型代用脂は、ヤシ油、パーム核油、ババス核油
等のようなラウリン酸基を主要成分とする油脂類を主要
原料として、水素添加、エステル基交換、溶剤分別工程
等の組合せで製造されるものであるが、このラウリン型
代用脂の融解特性は、種々のカカオバター代用脂の中で
も、特にシャープな融解特性、速乾性、適度な耐熱性、
非常に良好なスナツプ性を有するという点で非常に望ま
しいものである。しかしながら、非構造M(U型代用脂
であるため、カカオバターとの配合性が非常に悪い。品
質良好な構造類似型代用脂の場合、カカオ脂とどのよう
な割合で配合しても、その融解特性及び結晶特性は殆ど
変化しないが、非構造類似型代用脂の場合、カカオ脂と
の配合に限界がある。
限界を超えてカカオ脂を配合すると融解特性及び結晶特
性が急変しチョコレートを造ることが出来ない。チョコ
レートの風味はカカオのそれであり、限定された範囲で
しかそれが配合できアXければ、風味の良好な高級チョ
コレートを製造することは不可能である。またラウリン
型代用脂の決定的な欠陥はその加水分解性である。ラウ
リン型油脂は、加工工程上の種々の工夫にもかかわらず
、その加水分解性を低減させることが出来ない。加水分
解の起こったラウリン型代用脂からなるチョコレートは
、中鎖脂肪酸から由来する悪臭を呈し、嘔吐を催させる
。従って、ラウリン型代用脂の用途はシェルフライフの
短い洋生菓子用のチョコレートに限定され、シェルフラ
イフの長いチョコレート製品には使用し得ないという大
きな欠陥がある。
本発明者等は、上記の如くのラウリン型代用脂の非常に
優れた物性を具備し、且つラウリン型代用脂の欠陥の除
去されたカカオバター代用脂を開発するという目的で、
種々の原料油脂、及び種々の加工工程の組合せにより、
各種の油脂組成物を調製し、それらの組成分析、物性分
析等の膨大な゛研究を鋭意努力して行った結果、本発明
のカカオバター代用脂を発明するに至った。
本発明の目的は、ラウリン型代用脂に類似の物性を具備
し、且つラウリン型代用脂の欠陥の除去されたカカオバ
ター代用脂を提供することにある。
本発明のもう一つの目的は非常にシャープに融解するチ
ョコレートを提供することにある。
本発明のカカオバター代用脂は物性的にはラウリン型代
用脂に類似したものであるが、組成的には構造類似型代
用脂に属し、カカオバターとの配合性が非常に良好で、
且つ加水分解の全く起こらないものである。
本発明のカカオバク−代用脂は、固体脂含有率が20℃
で70%以上、30℃で10%以上。
33℃で1%以下、35℃で0であって、冷却曲線にお
ける初期曲線が、液状油の初期曲線と19℃以上までは
同一であるパーム中部油と、イリソペ脂、マンゴ−脂、
サル脂、コクム脂、マウア脂、シア脂及びこれらの分別
脂からなる群から選ばれた一種又は二種以上の配合油脂
とからなることを特徴とする。
本発明のさらに好ましいカカオハク−代用脂は、上記パ
ーム中部油の固体脂含有率が20℃で80%以上、30
℃で20%以上、33℃でOであることを特徴としてい
る。
また更に、本発明の好ましいカカオバター代用脂は、上
記パーム中部油の冷却曲線における初期曲線が、液状油
の初期曲線と17℃以−Lまでは同一であることを特徴
としている。
以下本発明の詳細な説明する。
まず本発明のカカオバター代用脂の構成成分であるパー
ム中部油はパーム油の中融点部からなり、従って脂肪酸
組成は、飽和脂肪酸基が実質的にパルミチン酸基及びス
テアリン酸基よりなり、不飽和脂肪酸基が実質的にオレ
イン酸基及びリノール酸基よりなり、構造類似型代用脂
に属する。
さらに、本発明のカカオバター代用脂の構成成分である
パーム中部油(以下本発明のパーム中部油と云う)は、
固体脂含有率が20℃で70%以上、30℃で10%以
上、33℃で1%以下。
35℃で0であることを特徴としている。該固体脂含有
率の範囲は、従来公知の構造類似型代用脂の固体脂含有
率に比較し、高温つまり33℃。
35℃でのそれが非常に小さいことを特徴としている。
さらにまた、本発明のパーム中部油は冷却曲線における
初期曲線が19℃以上までは液状油のそれと同一である
ことを特徴としている。比較として用いる液状油として
は、後述する冷却曲線測定条件下で結晶の析出のないも
のであればどのようなものでもかまわないが、標準的な
液状油として中融点部が除去され高融点部が完全に除去
されたパーム軟質油(ヨウ素価65以上)が望ましい。
冷却曲線における初期曲線が19℃以上までは、液状油
のそれと同一であるという特徴は、従来公知の構造類似
型代用脂に比較して、冷却曲線測定条件下で容易に結晶
化する成分が非常に少ないことを意味している。つまり
非常に過冷却状態になり易い油脂であることを意味して
いる。
さらにまた、固体脂含有率のより望ましい範囲は、20
℃で80%以上、30℃で20%以上。
33℃でOであることを特徴としており、また、より望
ましい冷却曲線は、初期曲線が17℃以上までは液状油
のそれと同一であることを特徴としている。
従来公知の構造類似型カカオハク−代用脂で固体脂含有
率が33℃で0であるようなものは存在しなかったと言
って良いであろう。また、本発明のカカオバター代用脂
を用いると非常にシャープメルトな物性のチョコレート
となる。特にチョコレー1−中のカカオバターとカカオ
バク−代用j指の総量に対して60重量%以上用いると
この特性が顕著となる。
尚、本発明における固体脂含有率(sFc)の測定は、
油脂の調質条件以外は審決(A、O,C,S。
Recommended Practice Cd 1
6−815olid Pat Content )に従
って、PRAXIS MODEL 5FC−900を用
いて行った。調質は、油脂を完全に液状にした後、0℃
に30分放置して固化し、20℃で2時間放置した後、
30℃及び20℃でそれぞれ1時間及び2時間放置する
ことを7回繰り返すことにより行った。SFCの測定温
度は10℃、20℃、25℃、30℃、33℃、35℃
、37℃で行った。
また、冷却曲線の測定方法は、第1図に示した装置を用
いて行うもので、下記の通りである。
即ち、ガラス製内管A(外径17mm、肉厚1mm、高
さ165mm)に、完全に融解した油脂B12gを入れ
、これを、50℃下に30分間放置した後室温下のガラ
ス製外管D(外径32mm、肉厚1mm、高さ155m
m)内に嵌挿しゴム栓Cを介して該外管りの口部に固定
し、更に外径1.5n+mのサーミスターEを該サーミ
スターEが上記油脂B中に約60開程度浸漬するように
挿入しゴム栓C゛を介して上記内管Aの口部に固定して
成る、ガラス製二重管を、その外管の口部から底部(1
45mm)まで12℃の恒温水槽F中に浸漬し、上記油
脂Bの温度が40℃のとき冷却時間をOとして冷却曲線
を自動温度記録計Gを用いて測定する。
尚、第1図中内管Aの底部と外管りの底部との間の距離
は約40mm、サーミスターEの下端と内管Aの底部と
の間の距離は約35mmである。
第2図に、本発明の方法で測定した冷却曲線を示した。
第2図に示したように、油脂の温度θが40℃のとき、
冷却時間tを0m1nとして、冷却曲線を規格化した。
第2図において点線(−一一一−−・)が液状油の冷却
曲線であり、実線(−)が本発明のパーム中部油の典型
的な冷却曲線である。
液状油の冷却曲線は、第2図に見るように、単調(なめ
らか)に減少する曲線となり、冷却時間が約80m1n
でほぼ恒温水槽の温度12℃と一致する。第2図に示し
た本発明のパーム中部油の典型的な冷却曲線では、油脂
の温度が40 ’cの点0(0,0,40,0) (座
標(1,θ)で表示〕がら点P(22,3,16,0)
までは、液状油と同一の単調に減少する曲線となり、そ
の後、点Q (20,2,15,5)で温度変化(dθ
/dt)が0となり、少し昇温し、点R(2B、5. 
ts、8)テ温度変化が0となり、再び降温を続け、点
s (41,5,14,4>で温度変化が0となり、次
に昇温し、点T (63,3,22,5)で温度変化が
0となり、それ以降は油脂の温度が12℃になるまで単
調に降温を続ける。ここで、冷却曲線における初期曲線
とは、点0 (0,0,40,0)から単調に減少する
部分、つまり点0 (0,0゜40.0)から最初に温
度変化(dθ/dt)が急変する点或いは、温度変化が
0或いは0に近い値となる点(第2図の本発明のパーム
中部油の場合は点Q)までと定義する。また、第2図に
示した本発明のパーム中部油の冷却曲線の初期曲線にお
いて、液状油のそれと同一である部分は、点0 (0,
0゜40.0 )から点Pまでである。第2図に示した
本発明のパーム中部油の場合、点Pの温度θpは16゜
0℃であり、冷却曲線における初期曲線は16.0℃以
上までは液状油のそれと同一であると見做すことができ
る。このように初期曲線において液状油と同一である最
低の温度を示す点を以下点Pで表す。油脂によっては、
第2図に示した型と若干異なる冷却曲線を示す場合があ
る。そのなかの一つとして点Rのような小さなピークを
示さず、一つの大きなピークのみを示すものがあり、こ
のような場合、点Q及び点Rは特定できない。
しかしながら、点Qと点Sが、さらに点Rと点Tがそれ
ぞれ一致すると考えてもよい。しかし点Pは明確に特定
しうる。もう一つの例として、初期曲線の部分で温度変
化(dθ/dt)が急変する場合で、しかも、その変化
がピークにまでは至らなく、通常ショルダーと称される
型となる場合である。ショルダー近傍の温度変化(dθ
/dt)は0或いは0に近い値となる。この場合、ショ
ルダー近傍で温度変化(dθ/dt)が最もOに近い値
を示ず点と点Q及び点Rが一致すると考えてよいだろう
。このような場合、ショルダーに達する直前までは、液
状油の冷却曲線と同一になり、点Pを明確に特定できる
。冷却曲線の特定は以上のように、点P、点Q、点R1
点S及び点Tの座標で明確にできる。さらに通常よく用
いられている冷却曲線のパラメーターとしては、θS(
点Sの温度)とθt (点Tの温度)の差の絶対値Δθ
stであるが、これも、上記の各点Xの座IR(tx、
θX)から容易に誘導されるものである。
本発明のパーム中部油の脂肪酸組成上の特徴は、飽和脂
肪酸基が実質的にパルミチン酸基及びステアリン酸基よ
りなり、不飽和脂肪酸基が実質的にオレイン酸基及びリ
ノール酸基よりなる。また、パーム中融点部であるため
、飽和脂肪酸基に占めるパルミチン酸基の割合が非常に
大であることを特徴としている。これにより、従来の構
造類似型代用脂に比較してよりシャープメルトな物性を
具備させることができるのである。
また本発明のパーム中部油の固体脂含有率は20℃で7
0%以上、30℃で10%以上、33℃で1%以下、3
5°Cで0であることを特徴としている。固体脂含有率
が20℃で70%未満の場合、當温におけるチョコレー
トの保型性が保持されず、所謂スナツプ性の低減したチ
ョコレートになってしまう。より望ましい20℃での固
体脂含有率は80%以上である。また、30℃の固体脂
含有率が10%未満の場合も、チョコレートの保型性が
保持されず、スナツプ性の低減したチョコレートとなる
。より望ましい30℃での固体脂含有率は20%以上で
ある。また、33℃の固体脂含有率が1%を超える場合
、チョコレートのテンパリング操作が困難になる。特に
35℃での固体脂含有率がOでない場合、この傾向が顕
著となる。
特にチョコレートへの代用脂の配合割合の多い系で、3
3℃の固体脂含有率が1%を超えるパーム中融点部或い
は35℃の固体脂含有率が0でないパーム中融点部を用
いると、チョコレートのテンパリング操作に支障をきた
す。33℃の固体脂含有率はより望ましくは0である。
33℃の固体脂含有率を0にすることによりテンバリン
グ操作の非常に容易なチョコレートにすることができる
また、本発明のパーム中部油の特徴は、冷却曲線におけ
る初期曲線が19℃以上までは、液状油のそれと同一で
ある点である。つまり、第2図に示した点Pにおける温
度θpが19℃以下という特徴である。固体脂含有率の
特定からもわかるように、本発明のパーム中部油は、パ
ーム油の中融点部より可及的に高融点部含量を低減させ
たものであるが、微量の高融点部の存在は、テンバリン
グ操作に悪影響を与え、その操作を困難にする。
微量の高融点部含量は、必ずしも固体脂含有率で検出さ
れない場合があり、種々の油脂組成物について各種の検
討をした結果、微量の高融点部の存在は、前述のような
条件下で測定された冷却曲線における初期曲線の型で把
握することができることを発見した。つまり、θpが1
9℃以下であれば、支障なくテンバリング操作ができる
ことを見い出した。さらに、より望ましい冷却曲線の特
徴は、初期曲線が17℃以上までは、液状油のそれと同
一であることである。つまり第2図に示した点Pにおけ
る温度θplJ<17℃以下という特徴である。チョコ
レート製造プロセスのなかでテンパリング工程は、製品
の品質を決定する最も重要な工程で、テンバリング工程
に支障をきたすと、ファツトブルームが容易に出現し、
チョコレートの商品価値を完全に喪失してしまうのであ
る。
本発明のパーム中部油は、パーム油を原料とし、特殊な
分別工程により製造することができ、飽和脂肪酸基(S
)e占めるパルミチン酸基(P)の割合P/Sは概略8
0〜92%の範囲である。
本発明のパーム中部油のトリグリセリド構造の側面から
若干の説明を補足する。
本発明のパーム中部油は、パーム油の中融点部からなり
、飽和脂肪酸基に占めるパルミチン酸基の割合が、従来
の構造類似型代用脂に比較して非常に大であり、そうす
ることにより、従来公知の構造類似型代用脂では得られ
なかった、品質良好なラウリン型代用脂のような融解特
性を付与することが出来るのである。しかしながら、パ
ルミチン酸基の割合が、本発明のパーム中部油のような
範囲になると当然、1.3−ジパルミトーー2−オレイ
ン(POP)或いは1.3−ジパルミトーー2=リルイ
ン(P L P)が従来公知の構造類イ以型代用脂に比
較して非常に多くなる(POPとI)LPの総量が約6
0%程度或いはそれ以上であり、このなかでPOPが約
90%を占める)。本発明者等は、構造類似型代用脂に
ついて長年研究を継続してきており、この研究の過程で
、各種の1゜3−ジ飽和−2−不飽和トリグリセリド(
SUS)、例えば、P OP、 P O5t (1−(
3−−>パルミト−2−オレオ−3(1−)ステアリン
)、st。
5t(1,3−ジステアロー2Lオレイン)、p。
A (1−(3−>パルミト−2−オレオ−3−(1−
)アラキン) 、5tOA (1−(3−)ステアロ−
2−オレオ−3−(1−)−アラキン〕とカカオ脂との
配合性等について検討したところ、POPは、他のSU
Sに比較して、カカオ脂との配合性が比較的劣るイ頃向
があることを見い出している〔特公昭56−37768
号公報(旭電化工業)〕。
従って、POPの多い構造類似型代用脂は、テンバリン
グの非常に困難な代用脂と¥、IJ断じていたわけであ
る。POPにP O3t、 ’5tO3t、 P OA
、SOA等を適度に配合し、POPを20%以下にする
とテンパリング性の良好な構造類似型代用脂となること
は前掲の特許公告公報により公知である。P OI)は
他のSUS成分に比較してラウリ・ン型代用脂に類似の
シャープに融解する特性をもっており、この特性をカカ
オバク−代用脂として発揮させるためには、そのテンバ
リング性を改善することが必須と判断し、鋭意研究努力
したところ、代用脂中の高融点成分を極力低減させるこ
とにより、POPの多い系でもテンバリング性の良好な
構造類似型代用脂となることを見い出したのである。
従来公知のパーム油の中融点部(PMF)をカカオバタ
ー代用脂として単独に使用する場合、チヲコレ−1・中
のカカオバター及びカカオハク−代用脂の総量に占める
カカオハク−代用脂としてのPMFの割合は、30%程
度が限度であった。従来公知のPMFの割合を30%以
上、さらには50%以上にするとテンパリングが非常に
困難になる。つまりテンパリフグ時にテンバリングマシ
ンの機械特性に合致する適切な粘度範囲では充分にテン
パリングされず、より完全なテンパリング条件を設定し
ようとすると急激に増粘現象を起こし、型流し出来ない
状態になる。さらに型流しを実施してチョコレートを製
造しても、テンバリングが適切でないため、容易にファ
ントブルームが発生し、チョコレートの商品価値を完全
に喪失してしまう。また、従来公知の該PMF高配合に
よるチョコレートはスナツプ性が悪く、所謂膜の弱いチ
ョコレートとなり耐熱性も劣るのである。これらの結果
は従来公知のPMFとカカオバターとの配合性が悪いこ
とに起因している。
本発明のカカオバター代用脂を用いて製造したチョコレ
ートはスナツプ性が良好で且つ非常にシャープに融解す
る特性を有する。また、テンパリング性も非常に良好で
ある。また、本発明のカカオバター代用脂の特性をより
効果的に発揮させるためには、チョコレート中のカカオ
バター及びカカオバター代用脂の総量に占めるカカオバ
ター代用脂の割合を多くする必要がある。該カカオバタ
ー代用脂の割合を60重量%以上にすると、その特性効
果が発揮され、さらに、70%以上にするとより効果的
にその特性が発揮され、従来のチョコレーl−には見ら
れない、シャープな融解特性を有するチョコレートを製
造することができる。
本発明のパーム中部油を製造する際には溶剤分別工程が
必須である。パーム油或いはパーム軟質油より溶剤分別
工程により、構造類似型代用脂の原料となるパーム中融
点部(PMF)を製造する方法は、特公昭54−390
05号公報(旭電化工業)及び特開昭53−84009
号公報(不二製油)等に示されているが、これらの分別
方法は、従来公知の構造類似型代用脂の原料の一部とし
て使用するためのPMF製造方法であって、本発明のパ
ーム中部油を製造する方法としては不適当である。上記
特公昭54−39005号公報に示されている方法は、
生産効率が非常に高(、且つ、省工、ネルギープロセス
であることが特徴であるが、これらの溶剤分別プロセス
では、得られたPMF中に高融点部が残存し、カカオバ
ター代用脂として該PMFを単独使用することは勿論の
こと該PMF高配合のチョコレートを適切にテンバリン
グすることが非常に困難となる。また、上記特開昭53
−84009号公報に示されているパーム油の分別法は
、予め高融点部を除去し又は除去しないパーム油から先
ず原料油脂に対し、少なくとも30重量%の低融点部を
除いた後、残部を2段分別〔一段目においては、高融点
部を結晶として分取し、二段目においては中融点部(P
MF)を結晶として分取する〕してヨウ素価が36以下
で上昇融点が29.5〜32.5℃であり、透明点が3
5.5℃以下であるPMFを分取することを特徴として
いる。該分別方法によればPMFに含まれてくる高融点
部を低減させることができると謳われているが、該方法
によっても本発明のパーム中部油を得ることができない
。事実、特開昭53−84009号公報中の実施例で得
られているPMFの固体脂含有率は35℃でOとはなっ
ていない。
該実施例中に33℃における固体脂含有率は明示されて
いないが、明示されている25℃における固体脂含有率
等から判断して、33℃の固体脂含有率は少なくとも4
以上であると推察され、本発明のカカオバター代用脂と
は異なる。
パーム油或いはパーム油軟質油(パーム油から高融点部
を除去したもの)より本発明のパーム中部油を製造する
一つの方法としては、従来公知のPMFをつくり、さら
に溶剤分別を繰り返すことによって製造することができ
る。従来公知のPMFM造方法は、前掲の特公昭s 4
−−3900−5号公報及び特開昭53−84009号
公報等に示されているように、溶剤分別を必須とする方
法により製造される。溶剤分別に用いられる一般的な溶
剤は、n−ヘキサン、メチルエチルケl−ン、アセトン
等であり、日本における工業的溶剤分別では特にn−ヘ
キサンが一般的である。パーム油を出発原料にした場合
のPMFq造方法では、特公昭54−−39005号公
報に示されているように、先ず高融点部を結晶として除
去し、次に中融点部(PMF)を結晶として分取する方
法がある。また、特開昭53−84’009号公報に示
されているように、高融点部及び中融点部をいっしょに
結晶として分取することにより、低融点部を除去し、さ
らに、次の分別工程で、高融点部を結晶として除去し、
中融点部と残余の低融点部をa・!液部として分取し、
さらに、該濾液部を溶剤分別して結晶として中融点部(
PMF)を分取する方法等がある。
以上のいずれかの方法或いは類似の他の方法によって、
パーム油中の中融点部を一定程度濃縮し、PMFを得、
該PMFに残余する高融点部を結晶として除去すること
により濾液部に本発明のパーム中部油を得ることができ
る。また、必要に応じてさらに、該濾液部を溶剤分別す
ることにより、結晶として本発明のパーム中部油を得る
ことができる。
別の方法としては従来公知のPMFを溶剤分別すること
により、残余の低融点部を濾液部として除去し、次に、
ここで得られた結晶を再度溶剤分別して、高融点部を結
晶として除去し、濾液部に本発明のパーム中部油を得る
いずれの方法においても従来公知のPMFに残余する高
融点部を除去する溶剤分別工程を必須とする方法により
、固体脂含有率が20℃で70%以上、30°Cで10
%以上、33℃で1%以下。
35℃で0であって、さらに、冷却曲線にける初期曲線
が19℃以上までは液状油のそれと同一である両分を得
ることにより、本発明のパーム中部油を製造することが
できる。従来公知のPMFから高融点部を除去する上記
の溶剤分別の際、対PMF約8〜20%を結晶として除
去することが望ましく、さらに必要に応じて低融点部を
除去する際には、対PMFIO〜20%を濾液部として
除去することが望ましい。
いずれの分別工程の組合せの場合も、分別の最終工程で
、高融点部を除去する分別工程の組合せにより、より完
全に高融点部を除去することができ、本発明のより望ま
しいパーム中部油を得ることができる。少量の高融点部
を除去する分別の際に用いられる溶剤としては、より選
択的に高融点部を結晶化させるという点でn−ヘキサン
が望ましい。
パーム軟質油を出発原料とした場合もパーム油を出発原
料とした場合の方法と同様の方法で本発明のパーム中部
油を得ることができる。
パーム油或いはパーム軟質油から上記の如くして得られ
る本発明のパーム中部油は、飽和脂肪酸基が実質的にバ
ルミチン酸基及びステアリン酸基よりなり、飽和脂肪酸
基に占めるパルミチン酸基の割合がほぼ80〜92%と
なり、不飽和脂肪酸基が実質的にオレイン酸基及びリノ
ール酸基よりなり、不飽和脂肪酸基に占めるオレイン酸
基の割合は、84〜95%となる。また、固体脂含有率
の概要は10℃で80〜92%、20℃で70〜87%
、25℃で60〜72%、30℃で10〜30%、33
℃で0〜1%、35℃で0である。
また、冷却曲線におけるθpは15〜19℃である。
本発明のパーム中部油はそれ自体カカオハク−代用脂と
して使用しろるのであるが、これにイリノペ脂、マンゴ
−脂、サル脂、コクム脂、マウア脂、シア脂及びこれら
の分別脂からなる群から選ばれた一種又は二種以上の油
脂を配合することにより、テンパリング性のさらに改善
された、シャープに融解するカカオバク−代用脂となる
のである。これらの配合油脂の中で、マンゴ−脂、サル
脂、マウア脂、シア脂は、それらの分別ステアリン画分
或いは分別中融点画分が望ましく、また、分別、非分別
油に拘わらず、トリ飽和グリセリド(SS’S)のよう
な高融点成分の少ないものがより望ましい。
上記配合油脂は本発明のカカオバク−代用脂中40重量
%を越えないことが望ましく、さらに望ましくは35重
量%を越えないことである。さらにまた、該配合油脂は
5%以上、好ましくは10%以上カカオバター代用脂中
に存在しないとその効果が有効に発揮されない。
本発明の配合油脂を含むカカオバター代用脂の固体脂含
有率の概要は10℃で77〜92.20°Cで70〜8
7.25℃で55〜72.30℃で10〜35.33℃
で0〜5.35℃で1以下である。
以下に本発明の実施例を示し、本発明を更に詳細に説明
する。
製造例1 (パーム中部油の製造) アルカリ脱酸及び漂泊したパーム油(ヨウ素価53.4
)1部(M量基準、以下同様)にn−へキサン0.1部
を混合し、42℃に保持して均一ミセラ熔解物を得た。
該均−ミセラ熔解物を20℃まで冷却した。次に予め1
5℃に冷却したn−ヘキサン0.3部を加え、15分間
攪拌保持した後、結晶と濾液を濾別した。分離された結
晶は、15℃のn−ヘキサンO,3Sで洗浄した。該洗
浄液と濾液を混合し、溶剤を留去した。結晶中の溶剤も
同様に留去した。該結晶部(C)の収率は12.5%(
重量基準、以下同様)、該濾液部(F)の収率は87.
5%であった。
上記濾液部(F)1部にn−ヘキサン2.5部を混合し
、40℃に保持して均一ミセラ熔解物を得た。、該均−
ミセラ熔解物を一10℃まで冷却した。
次に予め〜15℃に冷却したn−ヘキサン0.7部を加
え攪拌した後、結晶と濾液を濾別した。結晶は−15℃
のn−ヘキサン2部で洗浄した。結晶及び濾液より溶剤
を留去した。該結晶部(CF)の収率は28.7%、該
濾液部(F F)の収率は71.3%であった。該結晶
部(CF)のヨウ素価は35.0.であった。ここに結
晶部(CF)は従来公知のPMFに相当する分画物であ
る。
上記結晶部(CF)1部にn−へキサン1.2部を混合
し、40℃に保持して均一ミセラ熔解物を得た。該均−
ミセラ熔解物を7.5℃まで冷却し、結晶と濾液を濾別
しJこ。結晶は3℃のn−へキサン1部で洗浄した。結
晶、濾液、及び洗浄液より溶剤を留去し、それぞれ結晶
部(CCF)8.5%、濾液部(FCF)84.0%及
び洗浄部(WCF)7.5%を得た。これらの結晶部(
CCF)、濾液部(FCF) 、及び洗浄部(WC’F
)のヨウ素価はそれぞれ17.2.36.4、及び35
.8であった。
上記濾液部(F CF)が本発明のパーム中部油である
。これをパーム中部油(11とする。
パーム中部油+11及び上記CFの固体脂含有率及び冷
却曲線のデータは第1表及び第3図に示した。
製造例2 (パーム中部油の製造) アルカリ脱酸及び漂泊したパーム油(ヨウ素価53.4
)1部にn−ヘキサン4部を混合し、40℃に保持して
均一ミセラ熔解物を得た。該均−ミセラ溶解物を−17
℃に冷却し、攪拌しながら60分間この温度に保持した
後、濾別及び溶剤の留去を行い、結晶部(C)63.6
%、濾液部(F)36.4%を得た。
上記結晶部(C)1部にn−へキサ74部を混合し、4
0°Cに保持して均一ミセラ熔解物を得た。
該均−ミセラ熔解物を1℃まで冷却し、攪拌しながら3
0分間この温度にした後、結晶と濾液を濾別した。結晶
は一5℃のn−ヘキサン0.3部で洗浄した。洗浄液は
濾液といっしょにして濾液とした。該結晶及び濾液より
溶剤を留去し、結晶部(CG)21.3%及び庇液部(
FC)78.7%を得た。
上記濾液部(FC)1部にn−へ十す75部を混合し、
40℃に保持して均一ミセラ熔解物を得た。該均−ミセ
ラ溶解物を一15℃まで冷却し、攪拌しながら、−15
℃で30分間保持した後、結晶と濾液を濾別した。結晶
は一20℃のn−へキサン21部で洗浄した。洗浄液と
濾液をいっしょにして濾液とした。該結晶及び濾液より
溶剤を留去し、結晶部(CFC)51.1%及び濾液部
(FFC)48.9%を得た。該結晶部(CF C)”
のヨウ素価は33.5であった。
上記結晶部(CFC)1部にn−ヘキ号71.2部を混
合し、40℃に保持して均一ミセラ溶解物を得た。該均
−ミセラ溶解物を7.5℃まで冷却し、結晶と濾液を濾
別した。結晶は3℃のn−ヘキサン1部で洗浄した。結
晶、濾液、及び洗浄液より溶剤を留去し、それぞれ結晶
部(CCF C)7.8%、濾液部(FCFC)85.
6%、及び洗浄部(WCFC)6.6%を得た。これら
の結晶部(CCFC)、濾液部(FCFC) 、及び洗
浄部(WCFC)のヨウ素価はそれぞれ!1.3.35
゜5、及び35.0であった。上記濾液部(F CF 
C)が本発明のパーム中部油であり、これをパーム中部
油(2)とする。
パーム中部油(2)及び上記CFCの固体脂含有率及び
冷却曲線のデータは第1表及び第4図に示した。
製造例3(パーム中部油の製造) マレ−シアより輸入したパームオレイン(ヨウ素価57
.4(ウィンターリング方法によって製造されたパーム
軟質油)〕 1部にn−ヘキサ71部を混合し、40℃
に保持して均一ミセラ熔解物を得た。該均−ミセラ溶解
物を一9℃まで冷却した。
次に予め一13℃に冷却したn−ヘキサン0.7部を加
え攪拌した後、結晶と濾液を濾別した。結晶は一13℃
のn−へキサン2部で洗浄した。結晶及び濾液より溶剤
を留去した。該結晶部(CF)の収率は41.5%、該
濾液部(F F)の収率は58.5%であった。該結晶
部(CF)のヨウ素価は42.8であった。
上記結晶部(CF)1部に対してn−ヘキサン2部を混
合し、均一ミセラ熔解物とした後−1部℃まで冷却し、
結晶と濾液を濾別した。結晶は一13℃に冷却したn−
へキサン2部で洗浄した。
結晶及び濾液より溶剤を留去した。該結晶部(CCF)
の収率は45.2%でヨウ素価は33.6であった。該
結晶部(CCF)は 従来公知のPMFに相当する分画
物である。
上記結晶部(CCF)1部にn−ヘキサ71部2部を混
合し、均−熔解物とした後、7℃まで冷却し、結晶と濾
液を濾別した。結晶は3℃のn−へキサン1部で洗浄し
た。結晶、濾液、及び洗浄液より溶剤を留去し、それぞ
れ結晶部(CCCF)10.2%、濾液部(FCCF)
82.1%、及び洗浄部(WCCF)7.7%を得た。
これらの結晶部(CGCF) 、濾液部(FCCF) 
、及び洗浄部(WCCF)のヨウ素価はそれぞれ13,
5.36゜2、及び33.2であった。上記濾液部(F
CCF)が本発明のパーム中部油であり、これをパーム
中部油(3)とする。
パーム中部油(3)及び上記C,CFの固体脂含有率及
び冷却曲線のデータは第1表及び第5図に示した。
実ibばνすl パーム中部油(1170部と精製コクム脂30部を配合
し、カカオバター代用脂を調製した。該カカオバター代
用脂の固体脂含有率を第2表に掲げた。
実施例2 パーム中部油+2170部と精製イリソペ脂30部を配
合し、カカオバター代用脂をm製した。該カカオバター
代用脂の固体脂含有率を第2表に掲げた。
実施例3 パーム中部油(3)70部と精製サル脂30部を配合し
、カカオバター代用脂を調製した。該カカオバター代用
脂の固体脂含有率を第2表に掲げた。
実施例4 パーム中部油(3190部と精製マンゴ−脂lO部を配
合し、カカオバター代用脂をmf!It、、た。該カカ
オバター代用脂の固体脂台′有率を第2表に掲げた。
実施例5 パーム中部油13)80部と精製マウア中融点部20部
を配合し、カカオバク−代用脂を調製した。
該カカオバター代用脂の固体脂含有率を第2表に掲げた
ここで、上記マウア中融点部は次のように溶剤分別によ
り調製したものである。
精製マウア脂1部にアセトン3.5部を混合溶解した後
、25℃まで冷却し、その温度で1時間保持した後、結
晶部を濾別除去した。濾液部はさらに冷却して、0℃に
した。0℃で1時間保持した後、結晶部と濾液部を濾別
した。さらに該結晶部1部にアセトン3.5部を混合熔
解した後、5℃まで冷却し、その温度で1時間保持した
後、濾別により、結晶部と濾液部に分離した。この結晶
部が上記マウア中融点部で、収率は対楕製マウア脂で2
6.8%、またヨウ素価は38.5であった。
実施例6 パーム中部油+3190部とシアステ79710部を配
合し、カカオバター代用脂を調製した。該カカオバター
代用脂の固体脂含有率を第2表に掲げた。
ここで11.上記シアステアリンは次のように調製した
ものである。
精製シア脂1部にアセトン3部を混合した後、室温に放
置してガム状物質及び高融点画分からなる結晶を生成沈
降せしめ、デカンテーションにより上澄液を分取した。
該上澄液より、溶剤を留去し、脱ガムシア脂を得た。該
脱ガムシア脂1部にヘキサン4部を混合熔解後−7℃ま
で冷却し、その温度で30分間保持した後、結晶部と濾
液部を濾別した。結晶部は一12℃のヘキサン2部で洗
浄した。結晶部っまリシアステアリンの収率は対脱ガム
シア脂37%であった。また、該シアステアリンのヨウ
素価は33.5であった。
第 2 表 カカオバター代用脂の固体脂含有率 実施例7 サル脂の分別ステアリン60重量%とコクム脂40重量
%からなる配合油脂と、パーム中部油(3)とを種々の
割合で配合し、種々の組成のカカオバター代用脂を調製
した。該カカオバター代用脂の固体脂含有率を第6図に
、示した。第6図には、20℃、30℃、33℃、35
℃の固体脂含有率を示している。第6図の横軸は、パー
ム中部油(3)の割合を示す。第6図から明らかなよう
に、パーム中部油(3)の割合が60重量%前後で大き
く物性が変化していることがわかる。33℃の固体脂含
有率は、パーム中部油(3)が60重量%では1、パー
ム中部油(3)が70%以上では0となっている。
比較例1 実施例7で用いたパーム中部油(3)の代わりに前記パ
ーム油のフラクシジンCCF (パー1、中部油製造例
3)を用いた以外は実施例7と同様にして種々の組成の
油脂を調製した。該油脂の固体脂含有率を第7図に示し
た。
第1図と第6図から明らかなように、CCFを含有する
油脂(比較例1)は、パーム中部油(3)(FCCF)
を含有するカカオバター代用脂(実施例7)に比較して
33℃以上の固体脂含有率が非品に大である。
チョコレート製造試験 次に前記の実施例で得られたカカオバター代用脂及び比
較例1で得られた油脂(カカオバター代用脂として使用
)を使用してチョコレート製造試験を行った。チョコレ
ートの配合を第3表に示した。
第3表 チョコレートの配合 成 分 砂糖 50 部 脱脂粉乳 10 部 カカオマス 10 部 カカオバター代用脂 30 部 レシチン 0,4部 バニリン 適 量 上記配合中の総油分 35.5部 カカオマス中のカカオバター分 5.5部カカオバク−
代用脂分 30.0部 テンパリング及び成型方法は、次のようにして行った。
内径100mm、高さ80mmのステンレス製ケトルに
チョコレートペーストを400g秤取する。径90mm
、高さ18mm、厚みllll11の平羽根をトルクメ
ーター付き攪拌機(ヤマト科学製、LR−41B)にセ
ットする。羽根は底より5・mmあけ6Orpmの回転
速度で攪拌する。品温40〜45℃のチロコレ−1−ペ
ーストを20℃の水で24℃まで冷却する。24℃にな
ったら冷却を止めその温度を保持し粘度が上昇した時点
で28〜30℃の温水を流し粘度を下げ品温を27〜2
9℃に15分間保持する。70mmX 30mmX 1
0n+mの型にモールドして7〜8℃で冷却する。
チョコレートの評価は20℃で10日間エージングした
後、行った。
前記第3表に示す配合によるチョコレート製造試験及び
チョコレートの評価結果をそれぞれ下記第4表、第5表
及び第6表に示した。これらの表に示した6かみ出し”
の評価は、チョコレートのスナツプ性の評価であり、カ
カオバター代用脂の物性に依存するとともに、チョコレ
ートのテンバリング状態にも依存する。またこれらの表
に示した“口溶け”、“清涼感”は、チョコレートが口
の中で融解するときの食感を示している。“清涼感”は
、“かみ出し”つまりスナツプ性の評価と関係しており
、“口溶け”のみが良好であっても、スナツプ性がない
場合は清涼感を与えない場合が多い。これらの評価は1
0名のパネラ−による評価に基づいている。
本発明によるカカオバター代用脂を用いた場合、下記第
4表、第5表及び第6表から明らかなように、非常にテ
ンパリング性が良好で且つ離型性も極めて良好となる。
さらに充分なスナツプ性を有しており、さらに自溶けも
非常に良好で清涼感を与えるチョコレートが得られる。
スナツプ性を有し且つ非常にシャープに融解するこの特
性は従来のチョコレートでは得られなかったものである
従来のチョコレートは充分なスナツプ性を有してはいる
ものの本発明のチョコレートのようなシャープな融解特
性は得られないのである。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明のカカオバター代用脂の冷却曲線の測定
に用いられる装置を示す概略図、第2図は典型的な本発
明のパーム中部油及び液状油の冷却曲線を示すグラフ、
第3図は本発明のパーム中部油(11及びCFの冷却曲
線を示すグラフ、第4図は本発明のパーム中部油(2)
及びCFCの冷却曲線を示すグラフ、第5図は本発明の
パーム中部油(3)及びCCFの冷却曲線を示すグラフ
、第6図はパーム中部油(3)を含有するカカオバター
代用脂(実施例7)の固体脂含有率を示すグラフ、及び
第7図はCCFを含有する油脂(比較例1)の固体脂含
有率を示すグラフである。 A・・・ガラス製内管 B・・・油脂 c、c’ ・・・ゴム栓 D・・・ガラス製外管E・・
・サーミスター F・・・水槽 G・・・記録針 特許出願人 旭電化工業株式会社 第1図 足調Q層郵3 (p) 掘削Q則郵−=:=(、(−)) 足堺Q咽郵亀 (5−1) 足調Q咽郵へ U)) 第6 図 パ・−ム中部油(3)c重量%) 第7図 010203040506070 So 90100C
OF(重量係) 手続補正書 昭和59年 6月)8+ 特許庁長官 若 杉 和 夫 殿 1、事件の表示 カカオバター代用脂及びそれを 含有するチョコレート 3、補正をする者 事件との関係 特許出願人 (03B)旭電化工業株式会社 4、代理人 東京都港区赤坂九丁目6番29号 パシフィック乃木坂601号 自発補正(出願臼から1年3月以内の補正)6、補正の
対象 明細書の発明の詳細な説明の欄 7、補正の内容

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)パーム中部油と、イリッペ脂、マンゴ−脂、サル
    脂、コクム脂、マウア脂、シア脂及びこれらの分別脂か
    らなる群から選ばれた一種又は二種以上の配合油脂とか
    らなり、上記パーム中部油は、固体脂含有率が20℃で
    70%以上、30℃で10%以上、33℃で1%以下、
    35℃でOであって、下記測定方法で測定した冷却曲線
    における初期曲線が、ヨウ素価65以上で、中融点部が
    除去され且つ高融点部が完全に除去されたパーム軟質油
    の冷却曲線の初期曲線と19℃以上までは同一である、
    カカオバター代用脂。 記 ガラス製内管A(外径17mm、肉厚llllIn、高
    さ165mm)に、完全に融解した油脂812gを入れ
    、これを、50℃下に30分間放置した後室温下のガラ
    ス製外管D(外径32mn+、肉厚11、高さ155m
    m)内に嵌挿しゴム栓Cを介して該外管りの口部に固定
    し、更に外径1.5mmのサーミスターEを該サーミス
    ターEが上記油脂B中に約60mm程度浸漬するように
    挿入しゴム栓C′を介して上記内管Aの口部に固定して
    成る、ガラス製二重管を、その外管の口部から底部(1
    45mm)まで12℃の恒温水槽F中に浸漬し、上記油
    脂Bの温度が40℃のとき冷却時間を0として冷却曲線
    を自動温度記録計Gを用いて測定する。
  2. (2)上記配合油脂が5〜40重量%、好ましくは10
    〜35重量%を占める、特許請求の範囲第+11項記載
    のカカオバター代用脂。
  3. (3)上記パーム中部油の固体脂含有率が20℃で80
    %以上、30℃で20%以上、33℃で0である、特許
    請求の範囲第(1)又は(2)項記載のカカオバター代
    用脂。
  4. (4)上記パーム中部油の冷却曲線における初期曲線が
    、ヨウ素価65以上で、中融点部が除去され且つ高融点
    部が完全に除去されたパーム軟質油の冷却曲線の初期曲
    線と17℃以上までは同一である、特許請求の範囲第T
    ll〜(3)項の何れかに記載のカカオバター代用脂。
  5. (5)パーム中部油と、イリッペ脂、マンゴ−脂、サル
    脂、コクム脂、マウア脂、シア脂及びこれらの分別脂か
    らなる群から選ばれた一種又は二種以上の配合油脂とか
    らなり、上記パーム中部油は、固体脂含有率が20℃で
    70゛%以上、30”Cで10%以上、33℃で1%以
    下、35℃で0であって、下記測定方法で測定した冷却
    曲線における初期曲線が、ヨウ素価65以上で、中融点
    部が除去され且つ高融点部が完全に除去されたパーム軟
    質油の冷却曲線の初期曲線と19℃以上までは同一であ
    る、カカオハク−代用脂を含有する、チョコレート。 記 ガラス製内管A(外径17mm、肉厚11、高さ165
    mm)に、完全に融解した油脂81.2 gを入れ、こ
    れを、50℃下に30分間放置した後室温下のガラス製
    外管D(外径32mm、肉厚1mm、高さ1554m)
    内に嵌挿しゴム栓Cを介して該外管りの口部に固定し、
    更に外径1.5 mmのサーミスターEを該サーミスタ
    ーEが上記油脂B中に約60ml11程度浸漬するよう
    に挿入しゴム栓C°を介して上記内管Aの口部に固定し
    て成る、ガラス製二重管を、その外管の口部から底部(
    145+nm)まで12℃の恒温水槽F中に浸漬し、上
    記油脂Bの温度が40℃のとき冷却時間を0として冷却
    曲線を自動温度記録計Gを用いて測定する。
  6. (6)カカオバター及びカカオバター代用脂の総量中、
    カカオバター代用脂を60重量%以上含有する、特許請
    求の範囲第(5)項記載のチョコレート。
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JPH04262744A (ja) * 1990-06-14 1992-09-18 Unilever Nv 改良されたコーティング
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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