JPS6021622Y2 - 流動層式焼却炉の運転制御装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、被焼却物の性状に応じて炉の最適運転を維持
し得るように構成した流動層式焼却炉の運転制御装置に
関する。

近年、都市ごみや産業廃棄物等の固形廃棄物（被焼却炉
）を焼却するための流動層式焼却炉が普及しつつある。

この流動層式焼却炉には、炉内に流動化気体を噴出する
散気管と、この散気管に流動化気体を供給するための流
動化気体供給手段と、上記散気管の上方に流動化気体に
より被焼却物および流動媒体を流動化させて燃焼させる
流動層形成部と、上記散気管の下方に降下して形成され
る不燃物を含む充填層形成部と、この充填層形成部に設
けられた排出手段と、上記流動層形成部に流動媒体を供
給するための流動媒体供給手段とを備えて主に構成され
る型式のものがあり、実用機として既に採用されている
。

この炉は被焼却物の性状に応じて流動化気体の供給量や
流動層のレベル（流動層形成部の厚さ）を一定にして継
続的に維持しつつ運転が行なわれている。

ところで、被焼却物（都市ごみ、産業廃棄物等固形廃棄
物）の性状（発熱量等）は一定なものでない。

従って、炉を安定した燃焼状態で運転するためには被焼
却物の投入量および発熱量に応じて流動化気体の供給量
並びに流動層のレベルを相対的に選択して可変的に調整
するのが望ましい。

ところで、従来流動層式焼却炉の燃焼制御は専ら経験的
目安によって人為的に行なわれており、この為被焼却物
の投入量および発熱量に対する流動化気体の供給量並び
に流動層のレベルの相互のバランスが難しく、このバラ
ンスが崩れると例えば発熱量が多過ぎた場合は炉を破損
したり、また投入量および発熱量が共に少な過ぎた場合
は、火を絶やしたりするなど炉を良好な燃焼状態で運転
することは頗る難しかった。

本考案は上記実情に着目して創案されたものである。

本考案の目的は、被焼却物の性状に相応させて流動化気
体の供給量を制御すると共に、流動層のレベルを可変す
べく充填層からの排出量を制御するように成上、経験的
な運転操作に頼るこなく最適な燃焼状態で運転を維持し
得、もって助燃バーナの稼動時間の短縮・燃焼や乾燥等
のための流動化気体の加熱量を減少せしめ燃料消費の節
約を図ることのできる流動層式焼却炉の運転制御装置を
提供することにある。

以下に本考案の好適一実施例を添付図面に基づいて説明
する。

１は都市ごみや産業廃棄物等の被焼却物を燃焼させる流
動層式焼却炉（以下単に炉と渉す）で、その内部には散
気管２が適当なピッチで配設されている。

この散気管２はマニホールド３に連通され流動化気体供
給手段４から供給される流動化気体を炉内に噴出するよ
うに構成されている。

そして、炉１内には散気管２を境にして上方に流動層形
成部５が、かつ下方に充填層形成部６が夫々形成されて
いる。

すなわち、流動層形成部５は被焼却物および流動媒体７
を散気管２から噴出する流動化気体により流動層５ａを
形成して、被焼却物を流動化させて燃焼させるものであ
る。

一方、充填層形成部６は流動層５ａで燃焼し終った被焼
却物すなわち燃滓８および流動媒体７が降下して散気管
２下に充填層６ａを形成させるものであり、燃滓８の中
には土砂、金属片等の不燃物音まれいる。

炉１本体の下部には強制排出手段９が設けられている。

この強制排出手段９はスクリューコンベヤ９ａおよびそ
の駆動モータＭ１からなるもので、充填層６の充填物（
燃滓８および流動媒体７）を切出して排出口９ｂから炉
１外の篩装置１０の投入口１０ａに排出するように構成
されている。

篩装置１０は内部に設けられた篩１１によって充填物を
粒径によって篩分けし、比較的粒径の大なる燃滓８を燃
滓排出口１０ｂから外部へ、所定粒径以下の主として流
動媒体（砂）７を流動媒体排出口１０ｃから流動媒体返
還用コンベヤ１２の投入口１２ａへ夫々排出するように
構成されている。

流動媒体返還用コンベヤ１２はパケットコンベヤ等から
なるもので、投入口１２ａより投入された流動媒体７を
搬送して排出口１２ｂから流動媒体供給手段１３の投入
口１３ａに搬出するように構成されている。

流動媒体供給手段１３はダンパ駆動装置１５により切換
え操作されるダンパ１４を備え、かつ、炉１内へ臨む炉
側排出口１３ｂと、流動媒体貯留槽側排出口１３ｃとを
夫々有しており、ダンパ１４の切換え操作によって流動
媒体７を炉１内若しくは流動媒体貯留槽１６内へ選択的
に投入するように構成されている。

流動媒体貯留槽１６は流動媒体変換用コンベヤ１２によ
って搬出された流動媒体７を貯留しておく槽で、下部に
設けられた切出し相駆動モータ鳩の操作によって貯留さ
れた流動媒体７を可変的に切出して、排出口１６ｂから
再び流動媒体返還用コンベヤ１２の投入口１２ａに排出
するように構成されている。

このように構成された流動層式焼却炉には運転制御装置
が設けられており、その関連構成を以下に説明する。

ところで、流動層５ａ内の圧力は被焼却物の性状（投入
量、発熱量等）によって変化し、また流動層５ａ内の圧
力によって流動層５ａのレベルｈを推定することもでき
る。

そこで、流動層形成部５における炉１内壁には流動層５
ａ内の圧力を検出する圧力センサ１７が設けられており
、この圧力センサ１７はコントローラ１８に接続されて
いる。

具体的には、圧力センサ１７は検出した圧力を電気信号
として出力することになり、コントローラ１８がその出
力信号に基づいて流動層５ａのレベルｈと被焼却物の性
状とを演算により求めることになる。

そして、コントローラ１８は、加熱流動化気体供給手段
４に設けられ流動化気体の供給量を制御する例えば制御
弁等の流動化気体供給量制御手段１９、強制排出手段９
に設けられ充填層の排出量を制御する排出量制御手段２
０（本実施例では駆動モータＭｌ ）、流動媒体供給手
段１３のダンパ駆動装置１５、および流動媒体貯留槽１
６の切出し用駆動モータＭ１の夫々に接続されている。

コントローラ１８は上述した如く、圧力センサ１７から
の出力信号に基づいて流動層５ａのレベルｈと被焼却物
の性状とを演算により求め、求められた被焼却物の性状
即ち投入量等に相応した最適な流動化気体の供給量と、
その流動化気体の供給量で流動層５ａの流動化を確保し
得るレベルとにするように、流動化気体供給量制御手段
１９、排出量制御手段２０、流動媒体供給手段１３のダ
ンパ駆動装置１５および流動媒体貯留槽１６の切出し用
駆動モータＭ２の夫々を制御するように構成されている
。

具体的には、被焼却物の投入量が少ない場合には後述す
る如く流動化気体の供給量を減少させると共に、流動層
５ａのレベルｈを減少させ、逆に投入量等が多い場合に
は流動化気体の供給量を増大させると共に、流動層５ａ
のレベルｈを増大させるようになっている。

尚、被焼却物の投入量等に相応した最適な流動化気体の
供給量と流動層レベルとはコントローラ１８に予め設定
されている。

また、コントローラ１８は圧力センサ１７で実際のレベ
ルｈを算出しつつ予め設定された流動層レベルになるま
で強制排出手段９の排出量制御手段２０等を増速乃至減
速運転することになる。

尚、図中２１は助燃バーナである。

次に上記構成の流動層式焼却炉の運転制御装置の作用を
説明する。

炉１は投入される被焼却物の性状が一定である時には、
流動層５ａにおける被焼却物および流動媒体７を、流動
化気体供給手段４からマニホールド３を介して散気管２
より噴出させる流動化気体によって流動化させつつ燃焼
させており、充填層６ａにおける充填物は駆動モータＭ
□によって定常運転している強制排出手段９により炉１
外へ排出されている。

強制排出手段９により排出された充填物は篩装置１０に
よって燃滓８と流動媒体７とに篩分けされて、燃滓８は
外部へ、流動媒体７は流動媒体返還用コンベヤ１２へ夫
々排出される。

流動媒体返還用コンベヤ１２によって搬出された流動媒
体７は定常運転時にダンパ１４にて炉側排出口１３ｂを
開口している流動媒体供給手段１３により炉１内に供給
される。

すなわち、流動媒体７は炉１内の流動層形成部５、充填
層形成部６、強制排出手段９、篩装置１０、流動媒体返
還用コンベヤ１２、流動媒体供給装置１３、流動層形成
部と順次循環している。

斯様な定常運転状態で投入される被焼却物の性状が異な
った場合、圧力センサ１７によって流動層５ａの圧力を
検出してコントローラ１８に入力信号を与える。

この入力信号によりコントローラ１８は被焼却物の性状
に相応する流動化気体の供給量と流動層５ａのレベルｈ
を算出して流動化気体供給量制御手段１９、排出量制御
手段２０、流動媒体供給手段のダンパ駆動装置１５およ
び流動媒体貯留槽１６の切出し用駆動モータ鳩の夫々を
制御して、被焼却物の性状に応じた流動層５ａのレベル
ｈと流動化気体の供給量とを可変的に変化させる。

具体的には、被焼却物の投入量等の性状は圧力センサ１
７を介してコントローラ１８で検出され、投入量等が少
ない場合には制御弁１９を絞って流動化気体の供給量を
減少させると共に、流動層５ａのレベルｈを予め設定さ
れた所要流動層レベルに減少させ、投入量等が多い場合
には上記とは逆の操作を行なう。

すなわち、流動層５ａのレベルｈを低レベルに制御する
場合は、強制排出手段９における駆動モータＭ１の回転
を減速させて充填層６ａからの充填物の排出能力を上げ
る。

同時に流動媒体供給手段１３のダンパ駆動装置を作動さ
せダンパ１４を貯留槽側排出口１３ｃが開口するように
切換えて、循環する流動媒体７を流動媒体貯留槽１６へ
送る。

そしてレベルｈが被焼却物の性状に応じた所要レベルに
なったところで、駆動モータＭ１を元の定常運転に戻す
一方、ダンパ１４を元の炉方向循環位置に切換えて炉１
の定常運転を続ける。

尚、レベル調整に時間的余裕がある場合は、駆動モータ
Ｍ１を定常運転したままの状態でタンパ１４のみが操作
するようにしてもよい。

一方、流動層５ａのレベルｈを高いレベルに制御する場
合は、駆動モータＭ、の回転を停止させ、ついで流動媒
体貯留槽１６の切出し用駆動モータＭ２を運転させて流
動媒体７を流動媒体返還用コンベヤ１２の投入口１２ａ
に補給させる。

そしてレベルｈが所要レベルになったところで切出し用
駆動モータＭ２の運転を停止させ、かつ駆動モータＭ１
を元の定常運転に戻して炉１の定常運転を続ける。

尚、レベル調整に時間的余裕がある場合は、駆動モータ
ーＭ□を定常運転させたままの状態で切出し用駆動モー
タＭ２のみを運転させるようにしてもよい。

しかして、被焼却物の投入量、発熱量等の性状を圧力セ
ンサ１７を介してコントローラ１８で検出し、投入量等
が少ない場合には流動化気体の供給量を減少させると共
に、流動層５ａのレベルｈとその流動化気体の供給量で
流動化を確保し得るようにしたので、炉１を過冷却した
り、流動化を喪失したりする虞れはなく、最適な運転状
態を維持し得る。

逆に投入量等が多い場合には流動化気体の供給量を増大
させてその燃焼を助けると共に、流動層５ａのレベルｈ
を増大させてこの流動化気体の供給量の増大に起因する
流動化ろ激化を抑え、もって炉１を最適な運転状態に維
持し得る。

また、炉１の過冷却を防止できることから、助燃バーナ
２１の稼動時間の短縮・燃焼や乾燥等のための流動化気
体の加熱量を減少させることができ、もって燃料消費の
節約を図ることができる。

以上要するに本考案によれば、被焼却物の性状の相応さ
せて流動化気体の供給量を制御すると共に流動層のレベ
ルを可変すべく充填層からの排出量を制御するように構
成したので、流動層式焼却炉を経験的な運転操作に頼る
ことなく最適な燃焼状態での運転を維持し得、これによ
り助燃バーナの稼動時間の短縮・燃焼や乾燥等のための
流動化気体の加熱量を減少させることができ、燃料消費
の節約が図れ、もって省エネルギー型の設備を提供する
ことができる。

また本考案は付属機器を一部取換えることによって既存
設備の流動層式焼却炉に採用でき、優れた効果を発揮す
る。

【図面の簡単な説明】

図は、本考案の一実施例を示す流動層式焼却炉の運転制
御装置の構成説明図である。 図中、１は流動層式焼却炉、２は散気管、４は流動化気
体供給手段、５は流動層形成部、５ａは流動層、６は充
填層形成部、６ａは充填層、７は流動媒体、９は強制排
出手段 １３は流動媒体供給手段、１８はコントローラ
、１９は流動化気体供給量制御手段、２０は排出量制御
手段である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 炉内に流動化気体を噴出する散気管と、該散気管に流動
   化気体を供給するための流動化気体供給手段と、上記散
   気管の上方に流動化気体にぐり被焼却物および流動媒体
   を流動化させて燃焼させる流動層形成部と、上記散気管
   の下方に形成される不燃物を含む充填層形成部と、該充
   填層形成部に連設した強制排出手段と、上記流動層形成
   部に流動媒体を供給するための流動媒体供給手段とを備
   えた流動層式焼却炉において、上記流動化気体供給手段
   に散気管へ供給する流動化気体の流量を制御するための
   流動化気体供給量制御手段を設け、上記強制排出手段に
   その排出量を制御するための排出量制御手段を設け、上
   記流動層形成部に流動層内の圧力を検出する圧力センサ
   を設け、該圧力センサにその検出信号に基づいて流動層
   のレベルと被焼却物の性状とを算出して、被焼却物の性
   状に相応させて流動化気体の供給量を制御すると共に、
   流動層のレベルを可変すべく充填層からの排出量を制御
   するコントローラを接続したことを特徴とする流動層式
   焼却炉の運転制御装置。