JPS6021527B2 - プラスチック容器の製造装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はプラスチックシートからカップ状の容器を製造
する装置に関する。

更に詳しくは、プラスチックシートからプラグを補助に
用いて圧空成形により薄肉中空容器を製造する装置であ
って、雌型に対する補助プラグの形状を改良することに
よって、深絞り性、外観、肉厚分布等を向上させた容器
の製造装置に関する。本発明の目的とするところは、一
般のプラスチックシートから肉厚分布が均一で、成形深
さが深く、耐熱性も良好な食品容器用などに適した薄肉
中空容器を製造する有利な装置を提供することにある。

０ プラスチックシートから成形深さの深い薄肉カップ
状容器を製造する熱成形法として、プラグを補助に用し
・る圧空成形法が古くから知られているが、最近このプ
ラグアシスト圧空成形法を応用したポリプロピレン等の
ポリオレフィンシートの岡タ相氏空成形法が提案されて
いる（例えば特開昭４７一１１４８ｙ号公報など）。

プラスチックシートからスクラップを全く生じないで薄
肉カップを成形する方法として、プラスチックシートか
らカットサイズのタブレットを作り、タブレットの表面
に潤滑油を塗布し、このタブレットを子熱して後、上下
一対の鍛造型間へ供給して、このタブレットを熟成形可
能な薄いシート状に成形し、次いでこの鍛造シ−トを圧
空成形時に薄肉中空容器に成形する方法が提案されてい
る（例えば特開昭４７−４氏紙号公報など）。

この方法にプラグアシスト圧空成形法を組合わせること
により、深絞りのカップ状容器を成形することが出来る
。然し乍ら、公知のプラグアシスト圧空成形法によって
シートから深絞りの容器を成形すると、予備成形の際、
プラグに接触したシート中央部分は厚くなるのに対し、
プラグに接触しないシート周辺部分は高度に延伸されて
薄くなる煩向が強い。

結晶性ポリプロピレンの岡相圧空成形の場合には、プラ
グ接触部分とプラグ非接触部分との肉厚の差が最終製品
の成形品においても残っており、この肉厚の差の為に、
その境界線に目立った線が２出来て外観不良の原因とな
ったり、容器の側壁上部の腰が弱くなったりする。特に
深絞りのカップ状容器の成形では、このような煩向が強
く現われ、従来肉厚分布の均一な深絞りの容器をシート
熟成形によって製造することは困難であった。 ２本発
明者らは、従来提案された方法では到達し得なかった肉
厚分布が均一で、成形深さの深い、耐熱性の良好な薄肉
中空容器をプラスチックシートから製造する装置を得ん
として研究した結果、プラスチックシ−ト上にプラグを
挿入しシートを３雌型内へ絞り込む際、プラグの最終挿
入深さにおいて、雌型内へ絞り込まれたシ−トの全面が
プラグに一様に密着するような形状のプラグが好ましい
ことを見出し、更にこの知見に基づき種々研究を進めて
本発明を完成させるに至ったものであ３る。本発明のプ
ラスチック容器の製造装置は、子熱したプラスチツクシ
−トをその内部へ成形する為の閉口した空洞を有する雌
型と該雌型に向き合って配せられ、圧力流体の供Ｖ給口
を有する成形ポッＺＯクスと該成形ボックス内に設置さ
れ、該シートを雌型の関口方向へ絞り込む為のプラグと
を具備する装置であって、該プラグは前部と後部から成
り、該プラグの移動方向に沿った中心軸を該ブラグ中心
軸に平行な総てのプラグ断面において、プラグ前部は曲
線状の輪郭部分を含み、プラグ前部の輪郭線とプラグ後
部の輪郭線とが滑らかに接続しており、プラグ後部はプ
ラグ後織部方向へ向うタ実質的に直線状の輪郭部分から
成り、該プラグの該雌型内への最終挿入位置において、
、雌型開口の内部へ絞り込まれた予熱シートがプラグ側
の全表面にわたってプラグの表面に接触するように、雌
型関口端部と同一の高さにおける該プラグの中り心軸に
垂直な断面の輪郭の形状が雌型関口端部の輪郭の形状に
一致しており、その大きさが雌型閉口端部の輪郭の大き
さよりも全間にわたって実質的にシートの厚みに相当す
る寸法だけ小さいことを特徴としている。

以下図面に従って、本発明のタ装置の一例を説明する。
第１図は本発明を実施した容器の製造装置の一例であり
、図中１は予熱したプラスチックシート、２は雌型、３
は成形ボックス、４は圧空供給口、５はプラグ、５−１
の矢印はプラグの前部０（斜線部分）の長さ、５一２の
矢印はプラグの後部の長さ、６はプラグの中心軸、７は
プラグ断面の輪郭線、８はプラグの後端部、９はシート
を固定するチャックである。

第２図は、第１図の容器製造装置において、プラグを雌
型内の最終挿入位置まで移動させてシートを絞り込んだ
状態を示すものであり、図中１０は雌型開口端部、１１
の破線は雌型開口端部と同一の高さを示す。

第１図において、まずチャック９で周辺を固定した子熱
シート１を雌型２と成形ボックス３との間に導入し、プ
ラグ５と成形ボックス３とを下降させて、子熱シート１
を雌型２の空洞内へ絞り込み、第２図のようにプラグが
最終挿入深さに到達すると同時に、成形ボックスと雌型
との間でシートの周辺が圧縦される。

そこで圧空供給口から庄空を供給して子熱シートを雌型
表面へ成形する。以上は一般に行われているプラグアシ
スト圧空成形法であるが、本発明の装置では、第２図に
示すようにプラグの雌型内への最終挿入深丸こおいて、
雌型の空洞内へ絞り込まれた子熱シートは実質的に全面
にわたって内面がプラグの表面に接触している。比較の
為、第３図に公知の圧空成形装置を示す。

第３図の公知の圧空成形装置が本発明の装置と異なる点
は雌型に対するプラグ１２の形状であり、第３図に示す
プラグの雌型内への最終挿入位置において、プラグの前
部（斜線部）の輪郭１３が全面にわたってシートに接触
しているのに対して、プラグの後部１４の輪郭線は殆ん
どシート１ 夕５と接触していない。第３図の公知の装
置で容器を製造すると、プラグの挿入によるシートの絞
り込み工程において、プラグ前部に接触したシート部分
はプラグ表面に粘着して延伸されにくいのに対して、プ
ラグに鞍Ｚ触しないシート部分では、シートが局部的に
大きく延伸され薄くなる。

その為プラグの前部に接触したシート部分とプラグに接
触しないシート部分との間で厚みに大きな差が生じ、接
触部と非接触部との境界では成形された容器に肉厚の不
連続なＪ変化に由来する線が強く現われる。本発明の装
置でプラグアシスト圧空成形法により容器を製造する場
合、プラグの雌型空洞内への挿入によるシートの絞り込
み工程において、シートは初め、第１図に示すように、
プラグの先端に２接触する。

プラグの下降につれてシートは次第にプラグの前部から
プラグの後部まで後触してゆき、第２図に示すようにプ
ラグの最終挿入位置において、プラグの全面がシートに
接触するに至る。
２本発明の装置で容器を製造する場合、プラグの雌型内
への移動に伴ってシートはプラグによって延伸されるが
、延伸とともにプラグに接触するシート面積は連続的に
増大し、プラグに接触するシート部分とプラグに未だ接
触していないシート部３分との境界線は連続的に移動し
てゆき、最終挿入位置において、その境界線はプラグの
後端部附近まで移動してゆく。プラグの移動に伴って延
伸されるシートは、第１図に示すようにシートの中央部
がまずプラグに接触して延伸されにくくなり、３プラグ
の下降に伴って順次シートの中央部かれシートの周辺部
へ向って、延伸されやすい部分と延伸されにくい部分と
の境界線が移動してゆく為、雌型関口部へ絞り込まれた
シートはプラグの前部に接触する部分からプラグの後端
部に接触する部４分へ向って、順次連続的に厚みが減少
してゆく。公知の装置で製造したカップ状容器では、容
器の側壁上部と側壁下部で肉厚分布に顕著な差が生じ、
側壁上部に肉厚の薄い部分があり、容器の腰が弱い上に
、側壁部に線が目立つ等の欠点があるのに対し、本発明
の装億で製造したカップ状容器では、容器の側壁下部か
ら側壁上部まで肉厚分布の変化がゆるやかで、極端に薄
くなる部分がなく、容器の腰が強くて、側壁部の線が生
じない。本発明の装置によって、公知の装置では製造が
困難であったような深さ／口径の比の大きい深絞りのカ
ップ状容器を製造することが可能である。本発明の装置
は深さ／口径の比で０．５乃至３．０の絞り深さのカッ
プ状容器の成形に適している。本発明の装置で製造した
カップ状容器は、肉厚分布が均一であるのみでなく、耐
熱性が向上する。例えば本発明の装置でプラグアシスト
固相圧空成形法によりポリプロピレンシートからカップ
状容器を製造すると、同方法により公知の装置で製造し
たカップ状容器に比べて耐熱性がＩＯＣ０乃至３０００
向上する。本発明において、プラグを雌型の最終挿入深
さに入れた位置で、雌型開口端部の高さからプラグの中
心軸に沿ってプラグの先端までの長さと雌型閉口端部か
ら雌型底部までの深さの比が０．６乃至０．９８であり
、プラグ前部とプラグ後部の境界の高さにおいて、プラ
グの外径と雌型の内型との比が０．６乃至０．９５であ
り、プラグ中心軸上におけるプラグ前部の長さとプラグ
後部の長さとの比が０．０５乃至１．０であることが好
ましい。

雌型の深さに対してプラグの長さが短かし、と、容器の
底部を肉厚にする為のプラグの効果が弱くなる。

プラグの前部とプラグの後部との境界の高０さにおける
プラグの外径と雌型の内座との比が０．６以下では、プ
ラグの効果が弱くなり、容器の底部及び側壁下部の肉厚
が薄くなる。プラグ前部の長さとプラグ後部の長さの比
は、深いカップでは４・さく、浅いカップでは大きく設
計するのが好夕ましＬ、。プラグ中心鞠を含む断面にお
けるプラグの輪郭線はプラグ後部では実質的に直線から
成る。

この部分の輪郭線が直線であれば、プラグ挿入工程にお
けるプラグ後部に接触するシートの伸びの釣り０合いを
取りやすいという長所がある。プラグ前部の輪郭線は曲
線状であり、特に凸曲線状であることが好ましい。

プラグ先端の輪郭を雌型底部に平行な直線上にすると、
プラグ先端に接触するシートの伸びが悪くなり、容器の
底部の肉厚が大きくなりすぎる。プラグ前部の輪郭線と
プラグ後部の輪郭線とは滑らかに接続していることが必
要である。

もしこの接続が不連続であるとその部分に接触したシー
トに線が転写され、容器の側壁に外観不良を生じる。プ
ラグによる雌型関口内へのシートの絞り込み工程の最終
挿入深さの位置において、雌型内へ絞り込まれたシート
はプラグ側の実質的に全表面にわたってプラグの表面に
接触させるようにするのが本発明の要点である。

その為雌型閉口様部と同一の高さにおけるプラグの中心
軸に垂直な断面の輪郭形状が雌型閉口端部の輪郭形状と
一致しており、その大きさが雌型関口端部の輪郭の大き
さよりも全周にわたって実質的にシートの厚みに相当す
る分だけ小さいことが必要である。プラグの雌型内への
最終挿入位置において、雌型関口端部と同一高まにおけ
るプラグ中心軸に垂直なプラグ断面の輪郭の寸法が雌型
閉口端部の輪郭寸法よりもシートの厚み分以上に小さけ
れば、第３図に示した如く、プラグの後部に相当する位
置で絞り込まれたシートはプラグから離れるのに対して
、雌型閉口端部の輪郭寸法よりもシートの厚み分だけ同
一高さ‘こおけるプラグ断面の輪郭寸法が小さければ、
第２図に示した如く雌型内へ絞り込まれたシートは全面
にわたってプラグに密着する。本発明では成形に用いる
プラスチックシートの厚みに合わせて雌型の形状及びプ
ラグの形状、寸法を合わせる必要がある。尚本発明は容
器の形状を限定するものではなく、丸型及び角型のいず
れの形状の容器の製造においても同様の効果を生じる。

本発明の装置に用いる雌型及びプラグの材質は特に限定
しないが、雌型及びプラグはいずれも加工精度が高く、
温度調節の容易な金属製であるこ３とが好ましく、プラ
グの表面はクロムメッキ鏡面仕上げをするのが好ましい
。

プラグにはヒータを内蔵させ、プラグ全体の温度を調節
するのが好ましい。本発明の装置は熱可塑性樹脂シート
及び熱可塑４性樹脂を主体とする複合シートから容器を
製造するのに適しており、熱可塑性樹脂の中でもポリプ
ロピレン、ポリエチレン、ポリエステル等の結晶性樹脂
及びスチロール樹脂、塩化ビニル樹脂等の非結晶性樹脂
並びにそれらを主体とする複合シートの成形に特に好ま
しい。

ポリプロピレン樹脂シート及びポリプロピレンを主体と
する多層シートから本発明の装置でプラタ グアシスト
固相圧空成形により深絞りのカップを製造する場合、雌
型は冷却し、プラグは１２ぴ０乃至１４５℃に加熱しし
ておき、１４０℃乃至１５５℃に予熱したシートを雌型
上へ供給し、プラグをシートの上から雌型内へ移動させ
てシートを絞り込み、０プラグを最終挿入位置へ到達さ
せた後、成形ボックス側から２ｋ９／仇乃至７ｋ９／地
の圧空を供給し、雌型表面へシートを成形し、冷却する
。

本発明は、厚手の予熱シートを予備成形して、まず容器
の外形と同じ形状の薄いシートにして、タ次いでプラグ
アシスト圧空成形法によって深絞りの容器を製造する、
スクラップを生じない薄肉中空容器の製法にも適用する
ことができる。以下、実施例によって本発明を更に詳し
く説明する。

０実施例 成形面積３００×２５仇舷の圧空成形機を用いて、口径
９仇舷、成形深さ５３脚のコップ状丸型容器を本発明の
装置で製造した。

装置は第１図に示したようなものであり、成形タボック
ス、雌型及びプラグはいずれも鉄型であり、雌型内面及
びプラグ表面はクロムメッキ鏡面仕上げした。

プラグの温度は内蔵のヒーターで調節した。雌型内には
冷却水を循環した。雌型及びプラグの断面は第１図に示
したような形状であ０り、厚さ０．８肋のポリプロピレ
ンシートで容器を製造した。尚比較の為、公知のプラグ
ァシスト圧空成形装置（第３図）により、同じシートで
容器を製造した。次いで、本発明の装置で製造した容器
及び公知の装置で製造した容器について、側壁及び底部
の肉厚を測定した。

肉厚の測定点は第４図のＡ〜Ｇまでの各点であり、記号
Ａ〜Ｇで示した各点の高さで円周方向に９０ｏ毎に各々
４点の肉厚を測り、Ａ〜Ｇの各々の位置の平均肉厚を求
めた。第１表には本発明の装置及び公知の装置で製造し
たカップ状容器のＡ〜Ｇの各点における平均肉厚及び側
壁部の線の有無、腰の強さ及び耐熱性の評価結果を示す
。

側壁部の線の有無は肉眼で判定し、腰の強さは触感で判
定した。耐熱温度は、シリコンオィル中にカップを浸簿
した状態でカップの開□都上に５００＃肌の荷重を掛け
、シＩＪコンオィルを２℃／分の昇温速度で加熱してゆ
き、カップの圧縮変形量が２肋に到達する温度で定義し
た。本発明の装置で製造したカップは、肉厚分布、外観
、腰の強さ及び耐熱性のいずれの点でも公知の装置で製
造したカップよりも優れている。第１表

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明を実施した製造装置の側面図であり、図
中、１は予熱したプラスチックシート、２は雌型、３は
成形ボックス、４は圧空供給口、５はプラグ、５一１は
プラグの前部の長さ、５一２はプラグの後部の長さ、６
はプラグの中心軸、７はプラグ断面の輪郭線、８はプラ
グの後端部、９はシートを固定するチャックである。 第２図は、第１図の装置において、プラグを雌型内の最
終挿入位置まで移動させた状態を示すものであり、図中
、１０は雌型開ロ端部、１１は雌型関口端部と同一の高
さを示す破線である。第３図は公知の容器製造装置であ
り、図中、１２はプラグ、１３はプラグ前部の輪郭、１
４はプラグ後部の輪郭、１５はプラグに接触していない
シート部分を示す。第４図は製造した容器の断面図であ
り、図中Ａ〜Ｇはシート肉厚の測定点を示す。第２図 第１図 第４図 第３図

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 予熱したプラスチツクシートをその内部へ成形する
   為の開口した空洞を有する雌型と該雌型と向き合つて配
   せられ圧力流体の供給口を有する成形ボツクスと、該成
   形ボツクス内に設置され該シートを雌型の開口方向へ絞
   り込む為のプラグとを具備する装置であつて、該プラグ
   は先端部と後部から成り、該プラグの移動方向に沿つた
   中心軸を通つて該プラグ中心軸に平行な総てのプラグ断
   面において、プラグ前部は曲線状の輪郭部分を含み、プ
   ラグ前部の輪郭線とプラグ後部の輪郭線とが滑らかに接
   続しており、プラグ後部はプラグ後端部方向へ向かう実
   質的に直線状の輪郭部分から成り、該プラグの該雌型内
   への最終挿入位置において、雌型開口の内部へ絞り込ま
   れた予熱シートがプラグ側の全表面にわたつてプラグの
   表面に接触するように、雌型開口端部と同一の高さにお
   ける該プラグの中心軸に垂直な断面の輪郭の形状が雌型
   開口端部の輪郭の形状に一致しており、その大きさが雌
   型開口端部の輪郭の大きさよりも全周にわたつて実質的
   に該シートの厚みに相当する寸法だけ小さいことを特徴
   とするプラスチツク容器の製造装置。 ２ プラグの雌型内への最終挿入位置において、雌型開
   口端部の高さからプラグ中心軸上におけるプラグの先端
   までの長さと雌型開口端部から雌型底部までの深さとの
   比が０．６乃至０．９８であり、プラグ前部とプラグ後
   部との境界の高さにおいて、プラグの外径と雌型の内径
   との比が０．６乃至０．９５であり、プラグ中心軸上に
   おけるプラグ前部の長さとプラグ後部の長さの比が０．
   ０５乃至１．０であることを特徴とする特許請求の範囲
   第１項記載のプラスチツク容器の製造装置。