JPS602069Y2 - 自動二輪車用フロントフオ−ク - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は自動二輪車、特にオフロード用のそれに用いる
に好適するフロントフォークに関するものである。

更に詳細には、ボトムケースの外周の少くとも略半周に
径方向に突出するリブを設け、該リブはボトムケースの
軸方向に複数設けるものとし、飛び石等によるボトムケ
ースの変形防止と円滑な作動の保障と、フロントフォー
クの放熱性の向上とを併せて図るようにした自動二輪車
用フロントフォークに関する。

オフロード用の自動二輪車は山間や荒地を走行し、ため
に飛び石等が車体前部の下部をなすボトムケースに当り
、これが変形したりする虞れがあり、変形によりフロン
トフォークの円滑な作動を阻害する虞れがある。

この対策としてフロントフォークのボトムケース前面に
合成樹脂のプロテクタを取り付けたものが知られている
が、プロテクタの取付用締付バンドを複数必要とし、取
り付けが面倒、煩雑であす、一方、オフロードではフロ
ントフォークの作動、即ち軸方向の摺動緩衝作動が頻繁
になされ、且つストロークも大きく、上記プロテクタを
取り付けた場合にはフロントフォークの放熱性を維持す
る上で最良とはいえない。

一方、飛び石等による変形を防止せんと上記以外の方法
を講じるとすると、ボトムケースの肉厚を不必要に増大
せざるを得す、これによると重量の増大を招き、又放熱
性の点でも最良とはいえない。

他方、放熱性の向上を図るべくボトムケースの前後にこ
れの軸方向へのリブを縦設したものも提案されるが飛び
石等による変形に関して無策である。

本考案者等は主にオフロード用自動二輪車のフロントフ
ォークにおける上記を改善すべく本考案をなしたもので
、その目的は、ボトムケースの外周の少くとも略々半周
に径方向に突出するリブを設け、該リブはボトムケース
の軸方向に複数設けるものとし、飛び石等によるボトム
ケースの変形を防止し、フロントフォークの円滑な作動
を保障するとともに、リブによってボトムケースの放熱
面積を増大して放熱性を向上せしめる等の利点を有する
自動二輪車用フロントフォークを提供するにある。

次に本考案の好適一実施例を添付図面に従って詳述する
。

第１図は自動二輪車の側面図で、フロントフォーク１は
前車輪４を支持するボトムケース２と、車体フレーム５
のへラドチューブ６に上下のブリッジ７．８を介して支
持されるフォークパイプ３とからなり、車体フレーム５
はエンジンユニット９を搭載支持し、この上に燃料タン
ク１０を、又この後部にシート１１を支持し、更にはり
ャフォーク１２を後方に枢着延出して後車輪１３を支持
し、リヤフォーク１２と車体間にはりャクッションユニ
ット１４が介設され、図中１５はハンドル、１６．１７
はヘッドライトユニット及びメータユニットである。

以上においてボトムケース２を次の如く構成する。

ボトムケース２は第２図及び第３−で示される如くで、
第２図は側面図を、第３図は正面図を各拡大して示し、
ボトムケース２の外周の前面をなす略々半周に半径方向
前方にフランジ状に突出するリブ２０を設け、該リブ２
０はボトムケース２と一体成形する。

リブ２０は第４図の模式的平面図で示される如く前面半
周の大部分に突出２０ａし、両側部２０ｂ、２０ｂでボ
トムケース２の外周と合流する。

リブ２０はボトムケース２の軸方向、即ち長さ方向に等
ピッチで複数段けられ、ボトムケース２下部の車軸取付
部２１、上端のダストカバー２２の部分を除く軸方向の
大部分に設けられる。

そしてボトムケース２の前面中央部には縦に、即ち軸方
向に各リブ２０・・・の前面中央部を繋ぐように縦リブ
２３が設けられ、該リブ２３はボトムケース２、リブ２
０・・・と一体に成形される。

次にその作用、効果を述べると、山間、荒地等の走行に
おいて、石、岩等が前面から飛来してもこれはボトムケ
ース２のリブ２０・・・に当り、リブが変形してこれの
衝突エネルギーを吸収し、これにより石、岩等はボトム
ケース本体迄到達することがなく、ボトムケース本体を
変形から守り、変形を防止することができる。

ところでリブ２０・・・の突出量は石、岩等の衝突時、
これのエネルギーを吸収して変形し、ボトムケース本体
を保護する上で、本体からＩＴＩｒＩｆｔ〜８Ｗｒｌｎ
突出させるのが好ましく、又リブ２０間のピッチは石、
岩等の大きさ、形状等を考慮して１７＋！ＩＦＩ〜１−
間隔で設けるのが好ましい。

そして縦リブ２３を設けたため、リブ２０・・・自体の
強度も向上し、リブ２０・・・の変形もこれにより抑制
される。

ところでリブ２０の形状は上記では先端を円形としたが
、第５図の如くリブ１２０を逆截頭円錐形の積層連続体
の如き形状としても良く、この場合下から石、岩等が衝
突したさいのリブ部の変形を抑制することができる。

そしてリブ２０・・・は第６図の模式的平面図の如く、
ボトムケースの半周以上に亙りリブ２２０を設けても、
又第７図の如くリブ３２０を前後に突出する如く設けて
も、更には図示しないが全周に亙り設けても良い。

以上の各側においても既述と同様の縦リブを設けるもの
とする。

そして上記リブ２０・・・の形成によりボトムケース２
の表面積は増大し、この結果放熱性は向上し、フロント
フォークのダンパオイルの温度上昇をこれにより抑制し
、安定した減衰機能を維持することができ、特にオフロ
ード走行においてはフロントフォークの摺動緩衝作動が
頻繁になされるため上記は効果的である。

又ボトムケース２の表面にリブ２０・・・・・・２３を
設けることにより剛性は向上し、この結果ボトムケース
２の肉厚を減少することができ、減少してもリブ２０・
・・で変形を防止することができ、ボトムケース２の軽
量化を図ることができる。

以上で明らかな如く本考案によれば、オフロード用の自
動二輪車等において、石、岩等の衝突からボトムケース
を保護し、これの変形を防止して作動の円滑を保障する
とともに放熱効果も高く、フロントフォークの安定した
減衰機能を確保し、更にはボトムケースの強度、剛性を
向上せしめて肉厚の軽減、軽量化を図ることができる等
多大の利点を有する。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すもので、第１図は自動二
輪車の側面図、第２図はボトムケースの拡大側面図、第
３図は同正面図、第４図は模式的平面図、第５図はリブ
形状の変更実施例図、第６図、第７図は変更実施例の模
式的平面図である。 尚図面中１はフロントフォーク、 ２はボトムケ ース、３はフォークパイプ、２ｏはリブである。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 車輪を支持するボトムケースと、車体側に支持されるフ
   ォークパイプとからなる自動二輪車用フロントフォーク
   において、ボトムケースの略全長にわたって略等ピッチ
   で、且つそのピッチを小さくした多数の横方向リブを当
   該ボトムケース外周の自動二輪車進行方向側の略半周以
   上に径方向へ突出させて形成するとともに、前記横力向
   リブを繋ぐ縦方向リブを形成したことを特徴とする自動
   二輪車用フロントフォーク。