JPS6020499B2 - セルロ−ス成形品の部分硫酸エステル塩化法 - Google Patents

セルロ−ス成形品の部分硫酸エステル塩化法

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JPS6020499B2
JPS6020499B2 JP16736980A JP16736980A JPS6020499B2 JP S6020499 B2 JPS6020499 B2 JP S6020499B2 JP 16736980 A JP16736980 A JP 16736980A JP 16736980 A JP16736980 A JP 16736980A JP S6020499 B2 JPS6020499 B2 JP S6020499B2
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、結晶型が1以外のセルロース系物質からなる
中空糸および膜のような成形品の被処理表面を部分硫酸
ェステル塩化方法に関する。
この部分硫酸ェステル塩化方法は、特に、人工腎臓に適
した血液透析材料に抗凝血性を付与するのに有0用であ
る。なお、ここで「被処理表面」とは、膜の場合はその
表・裏面、また、中空糸の場合はその内周表面および/
または外周表面のように、部分的に硫酸ェステル塩化せ
しめる成形品の部分を指す。夕 近年、種々の高分子材
料からなる中空糸及び膜を人工腎臓や人工血管へ適用す
ることが盛んに試みられている。
なかでも、生体との親和性の点から、セルロース系の中
空糸や膜が最適材料として注目を浴び、現在、種々の人
工臓器の開発に関連0して種々の付加価値を付与するた
めの製造法が提案されている。しかしながら、これらの
セルロース系の中空糸や膜を血液透析用途に向ける場合
、性能面からは、中空糸や膜の被処理表面に血液凝固を
きたし、透析機能の持続性が低下するため、使い捨ての
頻度が多くならざるを得ないという問題点に遭遇し、ま
た、生理的面からは、溶血等により血液の損傷をきたし
易く、生体とのコンパティビリティを欠くという問題が
ある。血液凝固を阻止する目的のために、従来、抗凝血
剤であるへパリンが広く用いられてきたし、また、現在
でも常用されている。
へパリンは、血液透析時または輸血時に血液中に生理食
塩水溶液の形で徴量注入することに依って効果を発揮す
る。近年、人工臓器それに伴なう医療材料の開発に伴い
、この抗凝血性を持つへパリンを利用してポリマーに抗
血栓性、抗凝血性を付与せしめようとすJる試みがなさ
れている。その一例として、グラファイトを含むポリマ
ーを塩化ペンザルコュウムで処理したのち、ヘパリンを
イオン的に結合せしめたジー・ビー・エイチ(GBH)
法が挙げられる。また、この方法の応用として、ヘパリ
ンとイZオン結合させるための謎剤としてトリドデシル
メチルアンモニウム塩(TDMAC)、トリカプリルメ
チルアンモニウム塩(TCMAC)などの4級あるいは
ガンマ(ッ)ーアミノプロピルトリヱトキシシラン(山
汀ES)を用し、るへパリン化シリコ2ンェラストマー
の調製も行なわれている。しかしながら、上述の試みに
おいては、いずれもへパリンをイオン的に結合させてい
るため、へパリンの結合は安定ではなく、ヘパリンが溶
出し易いと言う欠点を持つ。
また、ヘパリン自体、動2物の肺臓、肝臓、腎臓等の臓
器中に分布しているため、これらから抽出、精製するこ
とが煩雑であるばかりか、出発原料種が異なると同一性
能のへパリンを得ることは不可能に近いという問題もあ
る。 3一方、セル
ロース系の成形品に抗凝血性を付与する方法としては、
本発明者等の知る限りでは、へパリン水溶液に依る表面
処理が存するのみである。しかして、この方法では化学
反応を伴なわないため物理的にへパリンがセルロース被
処理表面3に付着しているにすぎず、容易にへパリンの
脱藤が生起する。このため、透析時間の経過に伴い急激
に抗凝血性を失なう、すなわち、持続性がないという欠
点を持つ。また、最近では人工腎臓も透析方法の簡略化
4(透析時間の短縮、透析器の取扱い易さなど)に伴な
い、使い捨て型から、長時間使用可能な耐久性のあるも
のへの変遷が叫ばれており、持続性の高い抗凝血性材料
が今後の血液透析材料として期特されている。
一方、合成物により天然へパリンの代替を計ろうとする
試みがいくつか知られている。
ポリビニアルコール硫酸ヱステル、ポリサッカラィド硫
酸ェステルがその代表例として挙げられる。後者に関し
ては、1935年に、ェス・ベルグストローム(S.B
ergsび6m)〔ネイチユアニツセンドアフテン(N
atmniSSendaften)2i706・193
5〕が弱し、へパリン様の抗凝血性を有するとして報告
したのが最初である。利用された出発物質は、コンドロ
ィチン硫酸ヱステル、キチン、ペクチン酸、澱粉等であ
って、セルロースも含まれている。硫酸ェステル化剤と
してはクロル硫酸/ピリジン系が用いられている。硫酸
セルロースェステルについては、その後、ティー・アス
ッラップ(T・ふtrup)等〔ァクタ・フィジオル・
スカンド(ActaPhysioIScand)、8、
215(1944)および9、351(1945)〕に
依って、そ抗凝血性について論じられている。
また、人工抗凝血剤として硫酸エステル化したカルボキ
シメチルセルロースのNa塩〔ピー・ケラー(P.Ka
ner)等へルブ・ケミ・アクタ(Helv.Chem
Acta).、 26、1296(1943)〕や濃厚
NACI可溶性硫酸セルロース〔ジエイ・パイパー(J
.Piper)アクタ・フイジオル.スカンド(Act
aPh$ioIScand)9、351(1945)〕
を利用した研究がある。以上従来の提案から、セルロー
スおよびセルロース誘導体に抗凝血性を付与するために
は硫酸ェステル塩化、即ち、セルロースのグリコース残
基にスルホン基を導入することが必要条件であることが
窺える。本発明者等は、上述の点に注目し、中空糸およ
び膜のようなセルロース成形品に優れた抗凝血性ととも
に接続性の高い抗凝血性を付与せしめるべく鋭意検討し
た結果、驚くべきことに、三酸化ィオウ/アミンおよび
/またはアミド類系を硫酸ェェステル化剤として用いる
ことによって、結晶型が1以外のセルロース成形品を溶
解することなく、非常に効率よく部分硫酸ヱステル塩化
することに成功し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明に係るセルロース成形品の部分硫酸ェ
ステル塩化法は、結晶型が1以外のセルロース成形品の
被処理表面を三酸化ィオゥを溶解しているアミン類およ
び/またはアミド類で処理し、しかる後、アルカリで中
和することを特徴とする。
本発明の構成に於ける第1の特徴は、被硫酸ェステル塩
化材料として結晶型が1以外のセルロース成形品を用い
、且つ、硫酸ェステル化剤として三酸化ィオウを溶解し
ているアミン類および/またはアミド類を用いる点にあ
る。
従来、セルロースを硫酸ェステル化する試薬としては、
硫酸と有機化合物および/または無機化合物との混合物
、例えば硫酸/脂肪族アルコール、硫酸/ピリジン/有
機無水物、硫酸/シアンアミド/硫酸アンモン、硫酸/
飽和または不飽和脂肪酸/トルェン等で代表される系が
良く知られている。
また、硫酸の替りに、クロルスルホン酸、ピロ硫酸スル
フアミン酸を用いる方法も提案されている。これらの硫
酸ェステル化剤は、セルロースの結晶型を問わず、天然
セルロース(結晶型1)ならびに再生セルロ−ス(結晶
型0、m、Wなど)いずれとも反応する。通常、これら
の硫酸ェステル化反応においては、その進行と共にセル
ロースが反応系に溶解するため、部分硫酸ェステル塩化
すなわち、元のセルロース成形品の形態を保持したまま
で硫酸ェステル塩化させることは非常に難しい。事実、
これらの硫酸ェステル化剤を利用して部分硫酸ェステル
塩化を試みた例は、本発明者等の知る限り、皆無に等し
い。本発明者等は、種々の硫酸ェステル化剤を用いて、
セルロース成形品の部分硫酸ェステル塩化を試みた結果
、三酸化ィオウを溶解しているアミン類および/または
アミド類を使用した場合、天然セルロール(結晶型1)
とは完全に反応して最終的に溶液状となるが、結晶型が
1以外の再生セルロースでは、長時間処理しても、成形
品は元の形態を保持したままであって外観上の変化は何
ら認められなかった。
この従釆の硫酸ェステル化剤とは異なる現象に着目し鋭
意検討した結果、驚くべきことに、膜および中空糸のよ
うな成形品の被処理表面のみに硫酸基を導入することに
成功し、本発明を完成するに至ったのである。本発明に
有用なセルロース成形品としては、水系金属銭体(例え
ば、銅安溶液、ザンテート溶液、カドキセン等)あるい
は、有機溶剤(ジメチルスルホキシド/クロラール/ピ
リジン、N2Q/ジメチルホルムアミド、N−メチルモ
ルホリンーN−オキシド等)に溶解したセルロース溶液
から再生して得られるセルロース成形品、または、セル
ロース誘導体から再生して得られるセルロース(例えば
、セルロースアセテートをケン化して得られるセルロー
ス)成形品等が挙げられる。
その形状としては、膜、中空糸あるいは繊維が用途展開
上有利である。セルロース成形品を部分硫酸ェステル塩
化処理するに際し、その形状単位は膜の場合、ロール状
でもシート状でも利用で0きる。また、中空糸および繊
維の場合、モノフィラメント、マルチフィラメント、ス
パン状のいずれでもよい。本発明において使用する硫酸
ェステル化剤、すなわち、三酸化イオウを溶解している
ァミン類お夕よび/またはアド類は、均一溶液または微
結晶固体を含む不均一溶液であり、その後者の溶液部は
褐色、微結晶固体は白色を呈している。
使用するアミン類およびアミド類としては、ピリジン、
ピコリン、トリブチルアミン、トリプロピルアミ0ン、
トリエチルアミン、N−ジメチルホルムアミド、N一ジ
メチルアセトアミド、ジエチルアセトアミド、ジメチル
クロルアセトアミド、Nーモ/メチルホルムアミド、テ
トラメチルホスホンジアミド、アセトアミド等が挙げら
れる。これらのアタミン類およびアミド類は単独で用い
ても、三成分以上を用いてもかまわない。硫酸ェステル
化剤は、蝿梓機、滴下ロート、温度計及びシリカゲル管
を具備したセパラブルフラスコに所定量のアミンまたは
アミドを入れ、氷水0冷却し、好ましくはN2ガス置換
した後、燭拝しながら滴下ロートで三酸化ィオウを除々
に添加することによって容易に調製することができる。
添加する三酸化ィオウの量は、アミンおよび/またはア
ミドの量に対して多くとも化学量論的に等量夕またはそ
れ以下に抑える必要がある。三酸化ィオゥを化学量論的
に等量以上添加すると、空気中の水分と激しく発熱反応
し、操作上危険であるばかりか、その創生物である硫酸
によって硫酸ェステル塩化時にセルロース成形品の劣化
・分解などを0招くからである。三酸化ィオウを化学量
論的に等量近く添加すると、ほぼ全体が白色の微結晶固
体(グラニュー糖様)になる。膜状成形品の表面処理に
はこのままでも使用できるが、中空糸の場合には、用い
たアミンおよび/またはアミドで希釈して使用する。な
お、セルロース成形品の反応を円滑に進めるために、硫
酸ェステル塩化処理に先立って、使用するェステル化剤
中に含まれるアミンおよび/またはアミド類で予め成形
品を湿らせておくことが好ましい。三酸化ィオウの添加
量が化学量論量に対し0.5(モル比)の場合、微結晶
固体と溶液層とからなる不均一溶液を形成する。この場
合、溶液層も硫酸ェステル化剤として充分有用であり、
また、この溶液を適当に希釈して使用することもできる
。反応性の点から、三酸化ィオウの量論比(モル比)は
少なくとも0.凶〆上であることが望ましい。0.2(
モル比)未満の場合、硫酸ヱステル化に長時間を要する
ばかりか、硫酸基の置換度も低く、抗凝血性能が著しく
劣る。
本発明の構成上の第2の特徴は、セルロース成形品を上
記硫酸ェステル化剤で処理した後、所望のアルカリ水溶
液で中和させ、硫酸ヱステル塩化させるところにある。
本発明に有用なアルカリとしては、アルカリ金属および
アルカリ士類金属の水酸化物あるいは酸化物、例えば、
水酸化リチウム(LiOH)、水酸化ナトリウム(Na
OH)、水酸化カリウム(KOH)、水酸化バリウム(
Ba(OH)2)、水酸化マグネシウム(Mg(OH)
2)、酸化カルシウム(CaO)、酸化マグネシウム(
M奴)等が挙げられる。これらのアルカリは、適当な濃
度の水溶液またはメタノール性水溶液の形態で中和に供
することができる。但し、濃厚なアルカリ水溶液を用い
ると脱ェステル化およびセルロースの主鎖切断が生起す
るので、0.5〜5重量%の濃度が望ましい。また、生
体との親和性、抗凝血能、毒性等の点から、カリウム、
ナトリウム、カルシウム、マグネシウム等の塩基が特に
好ましい。中和処理温度に関しては、中和時に発熱を伴
なうため、好ましくは少なくとも室温以下に制御し、セ
ルロース成形品の被処理表面温度を50℃以上に上昇さ
せないよう留意すべきである。さらに、本発明は、第2
の発明として一たん上述のようにして得られた部分硫酸
ェステル塩化成形品を、その塩を構成する元素とは異な
る元素の塩の水溶液に浸債処理することを特徴とする、
塩を構成する金属が異なる硫酸ェステル複塩とする方法
を提供する。従来、高分子電解質の異種塩化技法として
は、中和時に用いる塩基の種類により変化させる方法が
採られてきた。
電解質の場合、特に、精製操作が煩雑であるため、一度
所定の金属種で塩化した電解質を再び別の金属種で異種
塩化するようなことは極力避けられてきたものと考えら
れる。これらの理由にもかかわらず、本発明者等は、精
製操作が比較的容易な硫酸ェステル化剤を用いている利
点を生かして、異種硫酸塩化を試みた結果、既に硫酸塩
化されたセルロース成形品を、その塩を構成する元素と
は異なる元素の塩の水溶液に浸簿処理することにより、
完全かつ簡単に異種塩化し得ることを見し、出した。な
お、異種塩化処理に先立って、硫酸塩化されたセルロー
ス成形品を希薄塩酸水溶液で処理することが望ましい。
この塩酸水溶液による処理は異種塩化速度を促進させる
作用をもつ。塩酸水溶液の塩酸濃度は1〜3重量%が好
ましい。また「処理時間は、酸濃度に依存して変るが概
して5〜20分間程度で十分である。異種塩水溶液の濃
度は1〜15重量%であることが望ましい。
濃度がこの範囲より低いと異種塩化に非常に長時間を要
し、他方、濃度がこの範囲より高いと異種塩化速度が既
に飽和値に達しているため何ら利点はなく、経済的には
むしろ不利である。異種塩化処理時間を適宜調整すれば
複合塩化硫酸セルロースを得ることもできる。異種塩化
処理に使用する塩としては、得られる異種硫酸塩化セル
ロースの抗凝血性能からみて、アルカリ金属およびアル
カリ士類金属のハロゲン化物が好ましい。本発明方法に
より得られた部分硫酸ェステル塩化セルロース成形品は
洗浄精製して不純分を取除く。
医療用材料として用いるに際し、特に、アミドのような
発熱性物質を含まないようにすることが肝要である。通
常は、塩化処理後、精製水の流水下で一昼夜洗浄すれば
充分である。このような洗浄により、物理的に付着した
金属やゴミおよび溶媒(アミンおよびアミド)の残存は
全く認められなかった。洗液後はそのまま風乾あるいは
熱風乾燥すればよい。なお、本発明に係る方法は既に組
立てられた人工臓器、例えば中空糸系人工腎臓、人工血
管などにも直接施すことができる利点を持っており、抗
凝血性、抗血栓性が要求される種々の分野への応用が可
能である。
本発明に係る部分硫酸ェステル塩化方法の利点は次のよ
うに要約できる。
(1}硫酸ェステル化がセルロース成形品の被処理表面
にのみ限られるため、成形品の元の形態を崩すことなく
効率良く処理することができる。‘2}得られた成形品
は、優れた抗凝血性、抗血栓性を示し、付加価値の高い
医療材料として使用することができる。(3}従釆のへ
パリン化ポリマーにみられるような物理的あるいはイオ
ン的な結合ではなく、化学反応を伴なつた結合のため、
機能(抗凝血性、抗血栓性)の持続性が長く、安定な成
形品を得ることができる。以下、本発明に係る方法を実
施例について具体的に説明する。実施例 1 本実施例は、優れた抗凝血性を示す再生セルロースフィ
ルムの製造法を例示する。
瀦洋機、滴下ロート、およびシリカゲル乾燥管を具備し
た四つ口セパラブルフラスコ(内容量3夕)にピリジン
791夕(10モル)を流入し、フラスコの周囲を氷水
俗で0〜300に冷却した。
内部を窒素ガスでパージした後、鷹伴下に三酸化ィオウ
720夕(9モル)を滴下ロ−トを用い、1時間かけて
除々に添加した。反応は三酸化ィオゥの添加とほぼ同時
に起こり、得られた反応物は、ほぼ全体が白色の微結晶
団体を含む不均一溶液であった。この溶液を5等分して
それぞれピリジンを希釈し、三酸化イオウのピリジンに
対する比(モル比)が0.8、0.00.40.2およ
び0.1になるように調製した。各調製溶液200夕を
バットに取り、室温下にザンテート溶液より調製された
再生セルロースフィルム(5×5仇′肌、膜厚200仏
)を所定時間(後記表1に示す)浸債処理した後、2重
量%NaOH水溶液に3粉ふ間浸潰した。
しかる後、各処理フィルムを流水下で一昼夜洗浄し、炉
紙上で風乾した。得られたフィルムの赤外吸収スペクト
ルには、数サンプルを除き810伽‐1付近にSOミイ
オンに基づく吸収が認められ、明らかに硫酸ェステル化
されていることが判明した。
第1図に、三酸化ィオウのモル比が0.4、ェステル化
時間120分の条件で得られたフィルムの赤外吸収スペ
クトル図を示す。一方、上記各フィルムの抗凝血性の評
価結果を表−1に示す。
抗凝血性は次の手法に従って評価した。各フィルムに人
間の鮮血0.3私を滴下し約35側めの大きさに拡げた
後、30分間放置した。しかる後、20舷の水で2回洗
浄し、溶解部を捨てた。残存部に5の‘の37%ホルマ
リンを加え、5分間放置後、固定された血液凝固物とフ
ィルムを共に50qoで3時間乾燥した。抗凝血性の判
定は、乾燥物の重量と元のフィルムの重量との差、すな
わち、血液凝固物の重量(の9)に基づいて行なった。
表−1,硫酸ェステル化剤組成お よび処理時間と抗凝血性 ブランク(処理無し)フィルムの凝固血液量は76の9
、生理食塩水に0.1%(重量/容量)濃度で溶解した
へパリン溶液0.1の‘で表面処理したフィルムのそれ
は17の9、このフィルムを10地、20叫および30
の‘の水で洗浄した後のそれは、29の9、38のpお
よび52の9であり、水洗で容易にへパリンが脱離し抗
凝血館を失なうことが判かる。
表一1に於いて、三酸化ィオゥのモル比が0.2以上の
場合は、ェステル化時間が10分でもプランクの2倍以
上の抗凝血性を示す。
また、モル比が0.4〜0.6の場合は、90〜120
分処理することによりへパリンと同等もしくはそれ以上
の抗凝血性を示す。このように本発明方法によって得ら
れるフィルムは極めて高い抗凝血性を持ち、血液透析膜
、医療用フィルム、シート等の分野に活用することがで
きる。
実施例 2 本実施例は、銅安溶液より調製された再性セルロース中
空糸製の人工腎臓(旭化成製)に抗凝血性を付与せしめ
る方法を例示する。
硫酸ェステル化剤としては、実施例1の方法に準拠して
調製したN−ジメチルホルムアミド(DMF)/三酸化
イオン(2モル/1モル)の不均一溶液のうち、褐色を
呈した溶液部を用いた。
硫酸ェステル塩化に先立ち、人工腎臓に定量ポンプでD
MFを5分間循環させ、前処理した。しかる後、上記硫
酸ェステル化剤も同様に300の【/hrの流量で1時
間循環させて反応せしめた。引続き、3重量%NaOH
水溶液を1000の‘/時間の流量で1時間循環させて
中和し、流水下のバケツ(10夕)中で一昼夜洗浄した
後、精製水10〆を300の【/時間の流量で流して洗
浄精製した。得られた人工腎臓の抗凝血性を評価する目
的でブランク(処理無し)と共に、血液循環回路にセッ
トし、綾流液の不存在下で動物血(冷凍牛血)5夕を使
用して血液量100泌/分の条件下で血液透析を行なっ
た。
透析による水分減量に対しては蓬時的に生理用食塩水を
補充し、3時間透析後、水1そを流し、中空糸内部表面
の血液凝固の状態を観察した。その結果、硫酸ェステル
塩化した人工腎臓(本発明)では、中空糸全体が淡い赤
色を呈したが、比較例(ブランク)の場合、明らかに血
液凝固物と判かる痕跡がランダムに点在し、全体が暗い
赤色を呈していた。
実施例 3 本実施例では、実施例1で得られた部分硫酸工ステル塩
化フィルム(Na塩)の異種塩化方法を例示する。
三酸化ィオウのピリジンに対する比が0.4 ェステル
化時間150分の条件下に実施例1に基づいて調製した
部分硫酸セルロースフィルム(ナトリウム塩)5枚をそ
れぞれ2重量%の塩酸水溶液に燭拝しながら18分間浸
債処理し、水洗後、種種の金属の塩化物の2重量%水溶
液に各フィルムを30分間浸糟処理した。
しかる後、処理フィルムを流水下に一昼夜洗浄し、炉紙
上で風乾した。得られたフィルムの赤外吸収スペクトル
を取った結果、第1図と同様のスペクトルを示した。
各種塩化されたフィルムの抗凝血性を実施例1の方法に
基づき、評価した結果を表−2にまとめて記載した。表
−2,各種塩種と抗凝血性との関係 抗凝血性の塩種依存性は、多少認められるが、いずれも
ブランク(76の9)に較べ非常に小さな値を示し、高
抗凝血能を持つことが判かる。
【図面の簡単な説明】
第1図には、実施例1において得られた部分的に硫酸ェ
ステル塩(ナトリウム)化されたフィルムの赤外吸収ス
ペクトルを示している。 第1図

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 結晶型がI以外のセルロース成形品の被処理表面を
    三酸化イオウを溶解しているアミン類および/またはア
    ミド類で処理し、しかる後、アルカリで中和することを
    特徴とする実質的に表面のみを硫酸エステル塩化する方
    法。 2 セルロース成形品が膜は中空糸である特許請求の範
    囲第1項記載の実質的に表面のみを硫酸エステル塩化す
    る方法。 3 アルカリとして、カセイカリ、カセイソーダ、酸化
    カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化リチウムおよ
    び水酸化バリウムの中から選ばれたアルカリを使用する
    特許請求の範囲第1項または第2項記載の実質的に表面
    のみを硫酸エステル塩化する方法。 4 結晶型がI以外のセルロース成形品の被処理表面を
    、三酸化イオウを溶解しているアミン類および/または
    アミド類で処理し、しかる後、アルカリで中和して得ら
    れた実質的に表面のみが硫酸エステル塩化された成形品
    をその塩を構成する元素とは異なる元素の塩の水溶液に
    浸漬処理することを特徴とする塩を構成する金属が異な
    る硫酸エステル複塩とする方法。 5 塩水溶液が、リチウム、カリウム、ナトリウム、カ
    ルシウム、マグネシウムおよびバリウムの中から選ばれ
    た金属のハロゲン化物の濃度1〜15重量%の水溶液で
    ある特許請求の範囲第4項記載の塩を構成する金属が異
    なる硫酸エステル複塩とする方法。
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JP16736980A Expired JPS6020499B2 (ja) 1980-11-29 1980-11-29 セルロ−ス成形品の部分硫酸エステル塩化法

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EP0155534B1 (de) * 1984-03-20 1988-12-28 Akzo Patente GmbH Dialysemembran aus Cellulose mit verbesserter Biokompatibilität
DE3410133A1 (de) * 1984-03-20 1985-10-03 Akzo Gmbh, 5600 Wuppertal Dialysemembran aus cellulose mit verbesserter biokompatibilitaet

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