JPS601980Y2 - ダイヤモンド砥石車 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はダイヤモンド砥石車、特に、円形台金の周囲に
、レジノイドダイヤモンド砥粒層を成形結合して構成さ
れ、フェライト磁心、コンデンサ用セラミックなどの電
子機器用素材の精密切断、精密研削加工に適したダイヤ
モンド砥石車に関する。

この種のダイヤモンド砥石車は、ダイヤモンド砥粒を例
えばフェノールホルムアルデヒド樹脂、ポリイミド樹脂
などの結合材で固めて鋼製円板などの合金の外周に成形
によって結合し、合金と一体化させて構成される。

第１図の縦断面図で示すようにこのような合成樹脂結合
材とダイヤモンド砥粒との混合物を台金１の外周に加圧
成形したレジノイドボンドダイヤモンド砥粒層３が実際
の研削にあずかる砥石部分となる。

このダイヤモンド砥石車１０は台金１の中心孔４の部分
で研削機の砥石軸（図示省略）に装着され、高速回転に
よって例えば磁気ヘッドのフェライト磁心先端の１〜２
０μのギャップ加工などに用いられる。

この種のダイヤモンド砥石車は一般に高速回転でしかも
切込み量の大きい研削加工に使用される。

したがって第１図のようにレジノイドボンドダイヤモン
ド砥粒層３を台金１の平滑な周面に結合したのでは、研
削中に該砥粒層が合金から剥れ易く非常に危険である。

この対策として、従来、第２図の端面図で示すように台
金１の外周に軸線方向（円周方向に対して直角方向）の
複数個の切込み溝２を形威し、これらの溝を埋めるよう
にして前記レジノイドボンドダイヤモンド砥粒層３を加
圧成形したものがある。

しかし、この構造では切込みｒｊＩｔ２が各々台金１の
半径線に沿って放射状でストレートにのび、しかも溝が
台金１の周方向に断続的に隔置されているので、研削加
工時に砥石車の高速回転による遠心力によってレジノイ
ドボンドダイヤモンド砥粒層３が切込み溝２から抜は出
やすく、これに研削低抗が加わると、前記ダイヤモンド
砥粒層３が台金１・に対して接着界面破壊をおこし、そ
の破片が周囲に高速で飛散するという危険があった。

本考案は、このような欠点をなくシ、合金とレジノイド
ボンドダイヤモンド砥粒層との接着力を増大させ、高速
回転、重研削によってもレジノイドボンドダイヤモンド
砥粒層の破壊が生じないようにしたダイヤモンド砥石車
を提供することを目的とする。

本考案は、合金の周面に円周方向に沿った切込み溝を形
成し、前記切込み溝を含む前記台金の局面のレジノイド
ボンドダイヤモンド砥粒層を結合したダイヤモンド砥石
車において、前記切込み溝を合金周面に螺旋状に形成し
、これによって前記台金周面に見かけ上軸線方向に複数
本の切込み溝が存するようにし、この雄ねじ状台金の外
周部にレジメイドボンドダイヤモンド砥粒層を結合した
ものである。

以下、本考案を、図面を参照しながら、実施例について
説明する。

第３図は砥粒層と合金との結合部に円周方向にのびる係
止部を設けたダイヤモンド砥石車１０の端面図、第４図
は第３図のＩＶ−ＩＶ線に沿った縦断面図である。

この砥石車１０は、台金１の外周面のほぼ中央に、周方
向に沿った環状の切込み溝１１が適当な深さで形成され
、この環状切込み溝１１を埋めるようにして該合金の周
面にレジノイドボンドダイヤモンド砥粒層３が加圧成形
されている。

この切込み溝１１のために第１図の場合と比較して砥粒
層３と台金１との接触面積が増加し、それだけ接着強度
が増加するとともに、溝１１内に埋込まれた砥粒層３は
第２図のように断続的とならずに全周に沿って連続して
いるので、砥石車１０が高速で重研削回転をしてもこの
ダイヤモンド砥粒層３の接着界面での破壊、剥離などが
生じなく、全体として砥石車の強度が増大する。

このような周方向の切込み溝は、確かに、放射方向にの
びる切込み溝に比較して砥石回転中の砥粒層の接着界面
での破壊妨止に有効に働くが、第３図、第４図のように
周方向切込み溝が１本の場合は高速、重研削回転に対し
て末だ強度上充分とはいえない。

本考案はこのような点に鑑みてなされたものである。

第５図は本考案の１実施例に係る台金１を部分的に示し
たものであって、この場合は台金１の周囲にねじ状につ
ながった切込み溝１１を形成したものであって、砥石回
転による遠心力および研削抵抗に対しレジノイドボンド
ダイヤモンド砥粒層３と台金１との機械的な結合強度が
一層大きくなり、強固な接着力がもたらされる。

複数本の各々独立した環状切込み溝を台金周面に形成す
ることは加工上きわめてやっかいであるが、本考案では
台金周面に螺旋状に溝加工すればよいので非常に簡単で
あり、砥石車の外形寸法に応じて溝深さ、溝ピッチも任
意に選定できる。

本考案では螺旋溝としては１本であっても、実質上台金
の周面に複数本の切込み溝が形成されることになる。

本考案によるダイヤモンド砥石車は構造が簡単であるに
も拘らず、砥石の破壊防止にすぐれ、高速回転、重研削
加工を可能にする効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のダイヤモンド砥石車の１例を示す縦断面
図、第２図は従来のダイヤモンド砥石車の他の例を示し
た端面図、第３図は円周方向に１本の切込み溝を有する
ダイヤモンド砥石車の端面図、第４図は第３図のＩＶ−
ＩＶ線に沿った縦断面図、第５図は本考案の１実施例に
係る砥石台金を部分的に示した図である。 １・・・・・・台金、２，１１・・・・・・切込み溝、
３・・・・・・レジノイドボンドダイヤモンド砥粒層。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 合金の周面に円周方向に沿った切込み溝を形威し、前記
   切込み溝を含む前記台金の周面にレジノイドボンドダイ
   ヤモンド砥粒層を結合したダイヤモンド砥石車において
   、前記切込み溝を合金局面に螺旋状に形威し、これによ
   って前記台金周面に見かけ上軸線方向に複数本の切込み
   溝が存するようにし、この雄ねじ状台金の外周部にレジ
   メイドボンドダイヤモンド砥粒層を結合したことを特徴
   とするダイヤモンド砥石車。