JPS6018784B2 - 木と鉄筋ラチス梁とからなる合成梁 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は木と鉄筋ラチス梁とからなる合成梁に関するも
ので、上下弦面の面内座屈は勿論のこと、面外座屈たる
横座屈を妨止し、かつ根太材や天井枠組とのとり合せを
よくして木造建築を容易に施工しうる簡易軽量な合成梁
を提供することを目的としている。

在来の木造床は木製小梁の間に根太を配して床板を張る
ため高価であるとともに、施工に多くの手数を要した。

これを改良するため木製小梁の数を減らして予め工場生
産したパネル床等を張る工法も知られているが、剛性に
劣るためキシミを生じ、補修が不能である等の欠点があ
った。本発明は鉄筋ラチス梁の上弦面、下弦面に根太あ
るいは天井材との取り合せのよい上弦木材、下弦木材を
固着した合成梁とすることにより上述のごとき欠点を除
去することを意図したものである。

鉄筋ラチス梁は鉄筋丸榛を溶接して組むことにより軽量
、安価に簡易に製作できるが、横座屈に弱い。

この鉄筋丸榛製のラチス梁の上弦材および下弦材に木材
拘束金物（ピース）を間隔を存して溶接しておき、その
外方に上弦木材または下弦木材を固着する。木材拘束金
物としては断面が浅いコ字形で長さの短い金具が用いら
れる。上記木材拘束金物は鉄筋ラチスの上弦面および下
弦面において一定幅を有し、それぞれに平角柱状の上弦
木材および下弦木材が固着されており、これがため鉄筋
ラチス梁を上弦材両端において梁間にかけたときに特に
上弦木材により横座屈を妨止する役目を果す。また鉄筋
ラチス梁に固着した上弦木材は床板や様太との取合せが
よく、また下弦木材は天井材の取付けが溶易で、木造床
組あるいは天井面の施工によって極めて有利である。勿
論木材拘束金物だけでは鉄筋ラチス梁の横座展に対して
は何等寄与するところはないが、合成梁全体の軽量化に
は大いに役立っている。

次に図面について本発明の構成を説明する。

第１図および第２図は実施例を示すもので、図中１は大
梁、２は合成梁、３は上弦木材、４は下弦木材、５は根
太、６は木造床などの床である。合成梁２は上弦材７と
下弦材８との間にジグザグ状に斜材９を設けて鉄筋ラチ
ス梁１０とし、斜材９の屈折点その他任意の位置に断面
が浅いコ字形の短い木材拘束金物１１を間隔を存して溶
接し、更に木材拘束金物１１の外方に上弦木材３および
下弦木材４を釘打ち、またはビスを用いて固定して成っ
ている。木材拘束金物１１は第２図に拡大示するように
、上弦木材または下弦木材の底面幅を支持するに充分な
幅を有しており、第１図のごとく大梁１，１間に上弦材
７の両端において鉄筋ラチス梁１０をかけ止めたとき‘
こ、上弦木材３と相俊って、鉄筋ラチス梁１０の横座屈
を防止する。更に根太材、床板を取付けたときに横座屈
を完全に防止できる。鉄筋ラチス梁１０の上弦面は木材
拘束金物１１で支持された木材があるため根太との取り
合せがよく、釘打ちあるいはビス止めで強固に一体化さ
れる。

根太５の上部に木造床６を張ることにより容易、迅速に
施工ができ、特に鉄筋ラチス梁１０を用いているので剛
性が大で、キシミを生ずるおそれはない。また鉄筋ラチ
ス梁の下弦材に下弦木材４を有しているので、合成梁２
の横座屈強度の向上に特に寄与することは少ないが、釘
打ちまたはビス止めにより天井材、間柱、間仕切壁（図
示省略）などの取付けを容易になすことができる。上述
のように本発明の合成梁は、鉄筋丸棒のみの溶接により
構成された面内座屈には強いが、横座屈には弱い最も簡
易軽量なラチス梁を用いながら、他の木材との取り合せ
のため、鉄筋ラチス梁の上弦材および下弦材に間隔を存
して溶接された軽量の木材拘束金物を介して、鉄筋ラチ
ス梁に平角柱状の上弦木材と下弦木材とを固着した構成
とされているので、軽量でありながら、鉄筋ラチス梁の
上弦材の両端において大梁にかけ止めされる場合、上弦
木材の存在により、横座屈強度が極めて大となり、かつ
根太、床、天井材等の取付けが容易で、木造建築の施工
を簡易迅速になしうる利点がある。特に上記合成梁の上
に木造床を張るときには釘打ちにより合成梁と固定する
ことができるので、作業が簡単であり、しかも従来の木
造床と異なり下地に鉄筋ラチス梁を用いているので床剛
性が大となり、キシミもなく、高価な木製小梁を用いる
必要がないので廉価に仕上げることができる。また下弦
木材を有するため天井張り、間柱、間仕切等の施工も容
易である。更に通常の木構造本体ばかりでなく壁式枠組
工法へ適用あるいは鉄骨木造建築にも適用できる等、従
釆の小梁に比しすぐれた効果を有している。

【図面の簡単な説明】

第１図は第１の実施例である合成梁の側面図、第２図は
第１図のローロ線における拡大断面図である。 １・・・・・・大梁、２・・・・・・合成梁、３・・・
・・・上弦木材、４・・・・・・下弦木材、５・・・・
・・根太、６…・・・木造床、７・・・・・・上弦材、
８・・・・・・下弦材、９・・・・・・斜材、１０・・
・・・・鉄筋ラチス梁、１１・・・・・・木材拘束金物
。 第１図第２図

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 鉄筋ラチス梁と上弦木材および下弦木材とにより構
   成され、前記鉄筋ラチス梁は鉄筋丸棒製の上弦材、下弦
   材および斜材よりなり、前記上弦材と下弦材とは互に間
   隔を存して平行とされ、前記上弦材と下弦材との間に斜
   材がジグザグ状に溶接されて形成され、前記上弦材の上
   弦面に上向きに、また前記下弦材の下弦面に下向きに、
   それぞれ短い木材拘束金物が間隔を存して溶接されてお
   り、該木材拘束金物は断面が浅いコ字形で、該金物の幅
   は該金物に固着される平角柱状の上弦木材または下弦木
   材の低面幅を支持しうる幅とされ、前記鉄筋ラチス梁の
   上弦材上面に木材拘束金物を介して上弦木材が固着され
   るとともに、下弦材下面に木材拘束金物を介して下弦木
   材が固着されており、前記鉄筋ラチス梁の上弦材の両端
   が、大梁へのかけ止め部とされていることを特徴とする
   木と鉄筋ラチス梁とからなる合成梁。