JPS6018479Y2 - 昇華転写印刷物 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は比較的固の粗い織物を任意基材、例えは紙等に
貼着した積層物、例えば壁紙、襖紙等に絵柄等を施した
昇華転写印刷物に関するものである。

従来、襖紙等の比較的固の粗い織物を基材に貼着した積
層物に絵柄等を施すには、直接印刷で行う場合、グラビ
ア印刷法、オフセット印刷法等では、被印刷物の目が粗
いため困難であり、シルクスクリーン印刷法で行なわな
ければならなかった。

しかし、シルクスクリーン印刷法による場合、調子印刷
物を得るのが難しく、多色絵柄等を施すことは不可能で
あった。

また別にＨｏｔＳｔａｍｐ （ホットスタンプ）等の熱
溶融転写紙を用いて転写する方法もあるが、転写皮膜又
はインキが全面に転写されるため布地の独特な感じが損
なわれる欠点を有するものであり、更にまた別の捺染方
法もあるが、発色処理、洗浄処理等を必要とし、このよ
うな積層物に応用することは事実上不可能であった。

本考案は、従来のこれらの欠点を解消したものであり、
以下図面に従って本考案を詳細に説明する まず、図面に示す上うにポリエステル、ナイロン、アセ
テート等の合成繊維あるいは木綿、絹等の天然繊維ある
いはまた、合成繊維と天然繊維との混紡等より成る比較
的固の粗く織られた、例えばガーゼ地状の織物１を紙又
はアルミニウム等の金属箔等の支持体２上にポリエステ
ル系、ポリアミド系、アクリル系、塩化ビニル系、酢酸
ビニル系等の昇華性染料にて染色される合成樹脂を主体
にした合成樹脂層３を介して接着した被転写体４の該織
物１及び合成樹脂層３に、昇華性染料を含んだインキで
絵柄５等を施した転写紙を用いて加熱加圧により該絵柄
５等を施した昇華転写印刷物である。

ここで合成樹脂を主体とした合成樹脂層３を介するとい
う意味は織物１と支持体２との接着という目的以外に、
昇華性染料が転写されにくい天然繊維等の織物１より成
る被転写体４でも合成樹脂層３を織物１と支持体２との
間に介在させることにより、昇華性染料が織物１の目を
通り抜けて織物１以外の合成樹脂層３にも転写されるた
め、転写可能の合成繊維等の織物１より成る被転写体４
と同様、転写ができるという目的をも含む事を意味する
。

本考案の昇華転写印刷物は以上のような構成になってい
るため、以下に示すような種々の効果を生じる。

まず本考案の昇華転写印刷物は従来の印刷法、熱溶融転
写紙等と異なり、昇華転写法により絵柄等が施されてい
るため、表面織物の布地特有の感じを失わずに、連続階
調の絵柄等を施す事ができる。

しかも、比比較的目の粗い織物を使用しているため転写
絵柄が織物面上以外に、該織物の目を通って下の合成樹
脂層にも転写され、該絵柄等が極めて美しくかつ立体的
となる。

そして天然繊維等の転写されにくいものを織物に使用す
る事により、織物面上にはあまり転写されないで、下の
合成樹脂層等にはっきり転写された極めて見た目の異な
った絵柄等を施すことができる。

更に織物が紙、金属箔等の支持体に接着されているため
昇華転写により絵柄等を施す際、織物単体のものと比べ
て引張り強度が高いため、転写後の絵柄等の変形が極め
て少く、かつ連続転写が可能なため大量生産ができる。

以上の如く、本考案の昇華転写印刷物は種々の効果を有
する為、高級な壁紙、襖紙、ポスター、のれん、袋物等
に応用でき、本考案の実用上の効果は極めて大である。

以下本考案の実施例を示す。

実施例 １ ナイロン繊維の糸を粗く、かつ極めて薄く織った平織地
を、壁紙用原紙上に約２０ｇ／ｄの割合で塗布された酢
酸ビニル−アクリル系接着剤を介して接着した被転写体
を作成した。

次に下記の配合の昇華性染料を含むインキを用いて、グ
ラビア印刷法にて任意絵柄を施した転写紙を作成した。

昇華性染料（日本化薬製カヤロンフ ァーストルピンＢ） １５重量部水溶性
アクリル樹脂 ７重量部水
９種量部次にホットプレス機にて
、転写紙の印刷面と被転写体の平織地面とを重ね、１ｋ
ｇ／ｃｍ、１９０℃、３帳間の加熱加圧条件下にて転写
を完了した。

得られた昇華転写印刷物は布地の持つ特有の感じを生か
した高級壁紙として最適のものであった。

実施例 ２ ポリエステル繊維の糸を粗く、かつ極めて薄く織った平
織地を下記の配合の厚み１５０μの塩ビペースト履を介
して１３０℃の熱Ｏ・−ルと圧胴ロール間を通し、て壁
紙用原紙に接着した。

塩化ビニルレジン（日本ゼオン製ゼ オン１２１） １０唾量部Ｄ
ｉｏｃｔｙｌ Ｐｈｔｈａｉａｔｅ （ＤＯＰ）
３Ｑ］ｉ量部Ｄｉｏｅｔｙｌ Ａｄｉｐａｔｅ
（ＤＯＡ） ２重量部安定剤
２重量部次に実施例１で使用した昇華
性染料を含むインキで作成した転写紙を用い、かつ同一
条件下で転写を行い、実施例１と同様の高級壁紙を容易
に得る事ができた。

実施例 ３ 壁紙用原紙上に、実施例２で使用した塩ビペーストをコ
ートし、その上に、ポリエステルＭの糸を粗く織った平
織地を重ね、更にその上に、実施例１で使用したインキ
を用いて作成した転写紙を重ねた後、ホットプレス機に
て１ ｋｇ／ｃｎ！ １９０℃、３峨間の加熱加圧条件
下にて、壁紙用原紙ε弊織地との接着と、平織地面上の
転写を同時に行ったところ、実施例１と同様、高級絵柄
を有する壁紙が容易に作成できた。

実施例 ４ 壁紙用原紙に、酢酸ビニル−アクリル系接着剤を２０１
／ｃ１ｆｌの割合で塗布し、木綿から戊る５ｂｅｅｒ（
シーヤー）を接着した。

次に実施例１で使用したインキを用いて作成した転写紙
を用い、ホットプレス機にて１ ｋｏ／ｃｆｆ１．１９
０°Ｃ３（９間の加熱加圧条件下にて転写した、得られ
た壁紙は、木綿部分が薄く染色され、その下の接着剤層
には濃く絵柄が転写された。

実施例１〜３の壁紙と比べて極めて異なった壁紙が得ら
れた。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の１実施例を示すもので、本考案の合成樹
脂層を介した昇華転写印刷物の断面図を示す。 １・・・・・・織物、２・・・・・・支持体、３・・・
・・・合成樹脂層、４・・・・・・被転写体、５・・・
・・・絵柄。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 比較的固の粗く織られた織物を紙又は金属箔の支持体に
   、昇華性染料にて染色される合成樹脂層を介して接着し
   た被転写体の該織物及び合成樹脂層に、昇華性染料を含
   んだインキで絵柄等を施した転写紙を用いて、絵柄等を
   施した昇華転写印刷物。