JPS6018445B2 - 圧力濾過用使い捨てフィルタ− - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、供給管を備えたろ室上部、排出管を備えたろ
室下部及びろ室内を供給側の圧力室と排出側のる液室と
に分ける円板状のフィルターとより成り、該ろ室の両部
がそれぞれ外向フランジをもち、プラスチックでつくら
れ、該フランジによりろ室が封止され圧力を保持できる
ようになっている圧力ろ過用便し、捨てフィルターに関
するものである。

“フィルター”と“圧力ろ過”なる述語およびそれから
導かれる概念は、本明細書では圧力ろ過に似た方法をも
含むものとする。

従って、一方では限外ろ過と逆浸透、他方では単純な重
力ろ過が含まれる。圧力ろ過用の前記種類の使い捨てフ
ィルターは大量生産されている。

通常はプラスチックでつくられ、典型的には直径約１な
し、し３肌程度の平たい円筒形につくられている。通常
このような使い捨てフィルターのる材は膜である。フィ
ルター膜は単層でつくることも多層でつくることもでき
る。通常、フィルター膜の支持体はろ室の下部の一部と
してつくられているが、分離したフィルター膜支持円板
とすることもできる。一般に、この種の使い捨てフィル
ターは、比較的小容量の流体を高い信頼度で迅速にろ過
するのに、特に滅菌ろ過に用いられる。

更に、環境保護の分野で少量の試験液を研究したり、半
導体技術分野で高純度の反応溶液をつくるのに、また一
般に実験室技術の分野で特に用いられる。上記の種類の
普通の使い捨てフィルターの欠点は、構成技術および構
造の観点から云うと、ろ室上部とる室下部の連接にある
。

この連接箇所は絶対に気密で液体をもらさぬもの（封止
性）でなければならない。少なくとも１０バールの操作
圧力に耐えることが望ましい。原理的にはろ室上部とる
室下部を１０バールまで、あるいはそれを超える圧力に
も絶対的に封止性を保つように連接させることは当業者
にとって何等の困難もないが、言及されている使い捨て
フィルターを低い経費で量産するときは高圧封止性の接
合部をつくることは困難であった。ろ室の両部分のその
ような連接をつくるために、ろ室の両部分のフランジを
フィルター膜を継目として互いに溶接することが知られ
ている。

この場合、特に超音波溶接技術が用いられる（ドイツ特
許第１９０１９５１号明細）。この種の連接では、耐圧
性が小さいこと（最高５バールより低い）と製造の際の
不良品の割合が高いことが欠点である。更に、従来技術
では、熱可鰻性プラスチックよりなる二つのる室部分の
うちの一つが、軸方向に突出した周緑のカラーを持つよ
うに形成することも知られている。このようなもので使
い捨てフィルターを組み立てるには、ろ室の第一部分に
最初にフィルター膜を入れ、次にろ室の第二の部分を挿
入し、終りに上に突出したカラーを熱変形により半径方
向に内方ヘビード付けする。この方法の欠点は、耐圧性
が非常に低いこと（ほとんど２バールを超えない）、製
造の際につくられる連接個所に封止性がない不良品の割
合が大きいこと、標準の寸法に予め精確につくられたろ
室部分がもう一度軟化され変形されなければならない事
実に基づく不充分な仕上げ寸法精度にある。このような
当業界技術の現況よりして、本発明の議題は、不良品の
割合を最小に、且つ廉価に量産でき、１０バールを超え
る操作圧力に対しても絶対に封止性を有する本明細書の
最初に述べられた種類の使い捨てフィルターを創作する
にある。

この課題を解決するために、本発明者らは封止耐圧性に
優れ、高い製品歩留まりで廉価に製造できる使い捨てフ
ィルターを関発すべ〈研究を重ねた結果、効果的に上記
目的を達成でき、しかも内蔵フィルターの特性が効果的
に表示された極めて実用性の優れたプラスチック製使い
捨てフィルターを見出した。即ち、本発明は、ろ至上部
とる室下部及び円板状フィルター部材から構成され、該
ろ室上部が供給管を含み、該ろ室下部が排出管を含み、
該フィルター部村がろ室内を供給側の圧力室と排出側の
る液室とに分け、上託る室上下部のそれぞれはろ室内を
圧力負荷に対して気密にシールする互いに重なり合うフ
ラットな外向フランジを持ち、その重ね合わされた外向
フランジはプラスチックの溶融成形により形成された締
付リングによって、その上側、下側及び外周縁側が外部
から密封状態に取り囲まれ、強固に一体化された平たい
円筒形の加圧ろ過用便し、捨てフィルターであって、ａ
）前記円板状フィルター部村の外縁がろ室上部に形成さ
れ下方に延長されてろ室下部内に入れ子式に係合してい
るカラーにより圧締めされ、ｂ）前記締付リング９は、
本質的に不透明な着色したプラスチックでつくられ、ｃ
）前記締付リング９の色が前記フィルター部村３の特性
値をコード表示するのに用いられていることを特徴とす
る圧力ろ過用便い捨てフィルターを提供する。

この使い捨てフィルターを製造する方法は、ろ室上部１
とろ室下部２を円板形のフィルター膜３と共に構成要素
群中間製品１，２，３に組み立て、該構成要素群中間製
品における上下に重なったフランジ７，８のまわりに、
熱可塑性プラスチックあるいは熱変形樹脂を射出成形し
て縦付リング９を形成させることにより行われる。

本発明の使い捨てフィルターは、絶対的に封止性である
。

ろ室部分に一体に成形されたフランジの製造条件による
寸法の不正確さは、成形機中で高圧下に流入するプラス
チックによる縦付リングの製造の際に調整されてしまう
。数個取り成形装置を用いることにより、従来の超音波
溶接装置の生産性にまさる生産性が達成できる。本発明
の使い捨てフィルターの製造における不良品の割合は、
総薮法における普遍的な不良品の割合よりはるかに低い
。市販の使い捨てフィルターについての破裂圧試験は、
約２なし、し７バールの領域のゲージ圧で、これらの使
い捨てフィルターが溶接個所で破れることを示した。

本発明の使い捨てフィルターについての同等な圧試験は
、ろ室部分の壁の強度にしたがって１５なし、し２５ゞ
−ルでる室上部あるし、はろ室下部のプラスチックが破
裂したが、フランジ連接は絶対に堅固で封止性を保って
いた。使い捨てフィルターの従来の実施製法と異なって
、本発明の使い捨てフィルターは、ろ材、特にフィルタ
ー膜が互いに連接すべきろ室の周縁フランジの間に挿入
されていない。

両方のる室フランジは直接に介在物ないこ重なり、フィ
ルター膜はその外縁がろ室上部に形成され下方に延長さ
れてろ室下部内に入れ子式に係合しているカラーにより
圧締めされている。このことにより、ろ室の封止性と耐
圧性が更に増進されている。両方のる室部分の少なくと
も一つが、好適に両部分ともに、それ自体としては知ら
れた普通の方法で澄んだ透明のプラスチックでつくられ
ている。

これにより使用者は置かれたフィルター膜を光で検査し
、ろ過の進行を監視できる。既知の透明な使い捨てフィ
ルターでは、互いに溶接されたフランジもろ室と同じ透
明なプラスチックでつくられている。このようにすると
フィルター膜面を観察し検査するときに、光が反射しギ
ラギラするが、本発明の使い捨てフィルターでは、フラ
ンジのまわりに張られたそれを覆う締付リングが不透明
、特に着色されたプラスチックでつくられるので、煩わ
しいギラギラなしにろ室のフィルター膜面を正確に観察
することが可能になる。本発明を更に改良したものとし
て、フィルター膜の特性値と縦付リングの色を一対一の
対応関係におくと、そのような色はフィルター膜特性値
の記号の役をする。

この特性値とは、例えば紬孔の大きさ、膜の材質、ある
いは膜の無菌性であってよい。量産の場合、フィルター
膜の異なった種類に応じて、異なった刻印をされたある
いは異なったラベルをつけられたろ室部分をつくること
はできないから、納付リングの色によるフィルター膜の
性質のこのような特性表示には大きな実用的意味がある
。従釆の使い捨てフィルターではフィルター膜の特性値
は専ら包装の上に表示された。一度、包装から使い捨て
フィルターを取り出すと、フィルター膜の同定はもはや
確実に行なうことができない。このことは特に医療の領
域では大きな危険の契機となることを意味する。本発明
は、添付図面と結び付けられた以下の実施例に基づいて
、更に詳細に説明される。

添付図面の唯一の図である第１図は、本発明の一例の使
い捨てフィルターを、その軸を含む断面で示した略図で
ある。第１図に示された使い捨てフィルターは本質的に
、ろ室上部１、ろ垂下部２、この両部の間に張られたフ
ィルター膜３より成り、膜３の上方のる至上部１内には
平たい円板形の圧力室４が形成されている。

ろ室上部１の中心には供給管５、ろ室下部２の中心には
排出管６が設けられている。ろ室上部１の下方の側面に
は環状の外向フランジ７があり、これと相補的な関係に
ある環状の外向フランジ８がろ室下部２の上方の側面に
形成されている。フランジ７と８は一体のプラスチック
製締付リング９により圧力を保持するように重ねられ封
止されている。フィルター膜３は、その外縁がろ室の両
フランジ７と８の間に圧締めされているのではなく、ろ
室上部１に形成され下方に延長されてろ室下部２内に入
れ子式に係合しているカラー１川こより圧締めされてい
る。

このような構造より圧力室４の封止性と圧力保持性が本
質的に高められている。ろ室上部１とろ室下部２、少な
くともる室上部１‘ま、澄んだ透明なプラスチック、特
に耐衝撃性のポリスチレンでつくられる。縦付リング９
は不透明で着色した、好適には濃く着色したプラスチッ
クでつくられる。ろ室上部１の下方に延長されたカラー
１０は、好適にはろ室下部２の上方カラーの内側にスナ
ップ鉄めで容易に鉄まるように形成される。

この構成により、ろ室上部１とろ室下部２とフィルター
膜３よりなる構成要素群中間製品は容易に組立てられ簡
便に取扱いうるようになる。ろ室上部１とろ室下部２と
挿入されたフィルター膜３より組立てられた構成要素群
中間製品は、使い捨てフィルターの完成のために、続い
て射出成形機の中に置かれかれる。該成形機を閉じたと
き、ろ室上部１とろ室下部２が比較的強く互いに圧する
ように、射出成形機は調節される。次いで、熱可塑性プ
ラスチックあるいは熱変形性硬化性樹脂が普通の方法で
成形機の成形用キャビティ内に射出される。これにより
、フランジ７と８を堅固に熔接し、両者を取り巻く一体
構造要素として締付リング９が形成される。製造のとき
の不正確さより完全になくすることができない、重なっ
たフランジ内面の完全に封止性でない領域は、縦付リン
グ用プラスチックがフランジのまわり‘こ射出されて締
付リング９を形成する間に充填される。このようにして
、ろ至上部１とろ室下部２の間に機械的に強固な連接が
得られるのみでなく、すべての条件下で絶対的に封止性
のある結合が保証され不良品を生ずることがない。この
ようにして形成されたろ室部分の結合の高度な封止性は
、第１図より明らかに看取される両ろ室部分の境界線が
ラビ１ｊンス様式に曲折していることと緒付リング９に
補足されて得られたものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明の一例の使い捨てフィル夕−の軸を含
む断面の略図である。 １・・・ろ室上部、２・・・ろ室下部、３・・・フィル
ター膜、４・・・圧力室、５・・・供給管、６・・・排
出管、７・・・ろ室上部外向フランジ、８・・・ろ室下
部外向フランジ、９・・・稀付リング、１０・・・カラ
ー。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ ろ室上部とろ室下部及び円板状フイルター部材から
   構成され、該ろ室上部が供給管を含み、該ろ室下部が排
   出管を含み、該フイルター部材がろ室内を供給側の圧力
   室と排出側のろ液室とに分け、上記ろ室上下部のそれぞ
   れは、ろ室内を圧力負荷に対して気密にシールする互い
   に重なり合うフラツトな外向フランジを持ち、その重ね
   合わされた外向フランジはプラスチツクの溶融成形によ
   り形成された締付リングによつてその上側、下側及び外
   周縁部が外部から密封状態に取り囲まれ、強固に一体化
   された平たい円筒形の加圧ろ過用使い捨てフイルターで
   あつて、ａ）前記円板状フイルター部材の外縁がろ室上
   部に形成され下方に延長されてろ室下部内に入れ子式に
   係合しているカラーにより圧締めされ、ｂ）前記締付リ
   ング９は、本質的に不透明な着色したプラスチツクでつ
   くられ、ｃ）前記締付リング９の色が前記フイルター部
   材３の特性値をコード表示するのに用いられていること
   を特徴とする圧力ろ過用使い捨てフイルター。 ２ 前記ろ室の両部１，２の少なくとも一つが透明プラ
   スチツクでつくられていることを特徴とする特許請求の
   範囲第１項記載の圧力ろ過用使い捨てフイルター。