JPS60180990A - 結晶成長方法 - Google Patents

結晶成長方法

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Publication number
JPS60180990A
JPS60180990A JP3457984A JP3457984A JPS60180990A JP S60180990 A JPS60180990 A JP S60180990A JP 3457984 A JP3457984 A JP 3457984A JP 3457984 A JP3457984 A JP 3457984A JP S60180990 A JPS60180990 A JP S60180990A
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JP
Japan
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crystal
magnetic field
melt
segregation coefficient
effective segregation
Prior art date
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Pending
Application number
JP3457984A
Other languages
English (en)
Inventor
Sumio Kobayashi
純夫 小林
Kiichiro Kitaura
北浦 喜一郎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Osaka Titanium Co Ltd
Original Assignee
Osaka Titanium Co Ltd
Sumitomo Metal Industries Ltd
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Filing date
Publication date
Application filed by Osaka Titanium Co Ltd , Sumitomo Metal Industries Ltd filed Critical Osaka Titanium Co Ltd
Priority to JP3457984A priority Critical patent/JPS60180990A/ja
Publication of JPS60180990A publication Critical patent/JPS60180990A/ja
Pending legal-status Critical Current

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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C30CRYSTAL GROWTH
    • C30BSINGLE-CRYSTAL GROWTH; UNIDIRECTIONAL SOLIDIFICATION OF EUTECTIC MATERIAL OR UNIDIRECTIONAL DEMIXING OF EUTECTOID MATERIAL; REFINING BY ZONE-MELTING OF MATERIAL; PRODUCTION OF A HOMOGENEOUS POLYCRYSTALLINE MATERIAL WITH DEFINED STRUCTURE; SINGLE CRYSTALS OR HOMOGENEOUS POLYCRYSTALLINE MATERIAL WITH DEFINED STRUCTURE; AFTER-TREATMENT OF SINGLE CRYSTALS OR A HOMOGENEOUS POLYCRYSTALLINE MATERIAL WITH DEFINED STRUCTURE; APPARATUS THEREFOR
    • C30B15/00Single-crystal growth by pulling from a melt, e.g. Czochralski method
    • C30B15/30Mechanisms for rotating or moving either the melt or the crystal
    • C30B15/305Stirring of the melt

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  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Crystallography & Structural Chemistry (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Metallurgy (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Crystals, And After-Treatments Of Crystals (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はたとえば半導体材料として使用されるシリコン
単結晶等の結晶成長方法に関し、更に詳述すれば、不純
物を添加したシリコン等の溶融体から結晶を回転させつ
つ引き上げる所謂チョクラルスキー法による結晶成長方
法に関するものであり、前記溶融体に添加されている不
純物の実効偏析係数を制御することにより結晶中に含ま
れる不純物の濃度を所定範囲内とすることを、あるいは
一定とすることを可能とした結晶成長方法を提案するも
のである。
(従来技術) 本発明は、たとえばリン(P)、ボロン(B)等の不純
物を添加したたとえばシリコン(Si )の溶融体から
単結晶を引き上げて半導体材料としてのシリコン単結晶
を得る所謂チョクラルスキー法に関するが、このチョク
ラルスキー法(以下CZ法という)には2つの大きな問
題点がある。
その第1は、シリコン溶融体を収容する石英(SiO2
)製るつぼが熔解して酸素(02)が溶出し、これがシ
リコン単結晶中に含まれることである。従って、CZ法
により得られたシリコン単結晶をスライスしたシリコン
ウェハを半導体材料として熱処理した場合には、シリコ
ンウェハ中に酸素の存在に起因する結晶欠陥が発生し、
あるいはシリコンウェハの反り、歪み等が発生する。
第2の問題点は、シリコン溶融体には不純物と。
してリン(P)、ボロン(B)等が添加されるが、この
不純物の単結晶中における軸長(成長)方向の濃度分布
が均一とはならないことである。シリコン中に添加され
るP、B等はシリコンウェハの電気伝導率をそれぞれN
型、P型の別に応じて所定値とするために添加されるの
であるが、従来のC2法により得られたシリコン単結晶
ではその引き上げ方向の位置により不純物濃度が異なり
、また同一の引き上げ方向位置、即ち断面方向において
も不純物濃度の変化があり、これをスライスして得られ
るシリコンウェハを半導体材料として使用した場合、そ
の成品の特性が一定しない等の問題点がある。
さて、前記第1の問題点に関してはその原因及びその対
策はすでに明らかとなっている。
その原因は、シリコン溶融体を収容した石英るつぼを周
囲から加熱する場合に第1図(a)に模式的断面図を示
す如く溶融体4内で熱対流が発生し、そのるつは3側壁
に近い位置(ヒータに近い位置)では上昇流、その中心
部では下降流が発生し、溶融体4が全体として攪拌され
て均一な状態となり、石英るつぼ3からの02の溶出が
進行するためであり、この02がシリコン単結晶中に取
り込まれる。
この対策としては、シリコン溶融体内の熱対流を生ぜし
めないようにすればよく、このことは宇宙空間における
結晶成長実験によっても確かめられているが、地球重力
の支配下にある地球上での熱対流抑制方法としては溶融
体に水平方向(溶融体表面と平行な方向)に磁場を印加
する方法が公知である。
たとえば特開昭58−50951号では、るつぼを加熱
するためのヒータが磁場印加により振動することを防止
する目的でヒータにほぼ完全に直流に近い電流を供給す
ることが提案されており、これにより溶融体表面の振動
が抑制されるので、溶融体に磁場(具体的には水平方向
、即ち溶融体表面と平行な方向の磁場)を印加すること
の本来の効果が発揮される、としている。しかし、水平
方向の磁場を印加することの効果自体については、導電
性を有する液に、磁場を与えると、磁気流体効果によっ
てその見掛けの粘性が高められることにより表面張力が
高められると共に融液の対流が減少することによると考
えられる、とし、また、対流及び振動の抑制をはかった
ことによって石英るつぼから融液への酸素成分の融解と
移動とが減少することによると思われる、と推測されて
いるのみである。
しかし、特公昭5B−50953号では、石英るつぼ内
のシリコン溶融体に所定方向(具体的には水平方向、即
、ち溶融体表面と平行な方向)に磁場を印加することに
より、石英るつぼからシリコン溶融体への酸素の溶解を
抑制する方法が提案されている。
これによれば、石英るつぼ内のシリコン溶融体に(水平
方向の)磁場を印加することによりシリコン溶融体の見
掛上の粘性を高めて対流(具体的には加熱による熱対流
)の抑制を行うので、石英るつぼ成分のシリコン溶融体
中への溶解と移動とを制御することができ、良質、高純
度の結晶を得ることができる、としている。
水平方向に磁場を印加することにより溶融体内の熱対流
が抑制される原理は以下の如くである。
即ち、第1図(blにおいて、下方向きの流れに水平方
向右向きの磁場Bが印加されると、4フレミングの右手
の法則により、その相互作用により両もに直交する水平
方向に電場E =VIX Bが発生す纂。
そして、溶融体中を電流が流れ得る状態にあると、第1
図(C1に示す如く、電場Eによりこれと同方向に電流
Jが生じ、フレミングの左手の法則にて水平方向右向き
の磁場Bとの相互作用により電磁力F=JX13が両者
と直交する垂直方向上向き、即ち流れVと逆方向に発生
し、流れが抑制されるのである。
次に第2の問題点、即ちC2法により得られた単結晶中
における不純物濃度の不均一性に関しては、その原因、
対策共に未だ詳らかでないのが実情であワた・ しかし、特公昭57−149894号では、導電性を有
する溶融体の回転中心線に対して対称(具体的には溶融
体表面と直交する方向)であって、かつ中心部の強さが
1000エルステッド以上である直流磁界を上記溶融体
の全体又は一部に印加する方法が提案されている。これ
によれば、溶融体の熱対流を抑制することができるとと
もに、溶融体の横断面内での温度条件等が回転中心線(
溶融体及び単結晶の)に対して対称となるから、単結晶
の横断面の変形、横断面内での特性の不均一性が生ずる
ことはない、としているが、単結晶の軸方向(成長方向
)に関しては何ら言及されていない。
以上のように、特公昭58−50951号、同5B−5
0953号及び同57−149894号においては、い
ずれも溶融体に磁場印加を行うことにより、溶融体表面
の振動、溶融体内の熱対流が抑制され、これにより単結
晶の成長が良好となり、石英るつぼの成分の熔解が抑制
されて単結晶中の02の偏析が抑制されるとされ、更に
前記特公昭57−149894号では単結晶の横断面内
での特性の均一化が図れるとされている。
このように第1の問題点、即ち単結晶への02の取り込
みの抑制については、溶融体に磁場を印加することによ
り、原理的には溶融体内の熱対流が抑制され、また磁場
印加によりヒータ等が振動する場合にはほぼ完全な直流
磁場を用いることとすれば、溶融体表面の振動も抑制さ
れて単結晶中への02の取り込みが抑制され、また単結
晶の成長状態も良好となることが知られている。
しかし、第2の問題点、即ち不純物の単結晶中三例の内
の一例に、単結晶の横断面内における不純物濃度分布の
不均一性の解決策に関して述べられているのみであり、
それも従来の如く水平方向に磁場印加を行った場合の単
結晶の横断面に対する不均一な磁場作用の改善策として
提案されているに過ぎないのが実情である。従って、単
結晶中における不純物濃度分布の不均一性、就中軸長方
向(成長方向)の不均一性に関しては未だその有効な対
策は見出されていないのが実情である。
〔発明の目的〕
本発明は以上の如き実情に鑑みてなされたものであり、
不純物を含む導電性物質の溶融体にその表面と直交する
方向の主成分を有する磁場を印加し、又は導電性物質の
溶融体の表面から垂直方向に電流が流れ得る状態となし
て溶融体にその表面と平行な方向の主成分を有する磁場
を印加して不純物の実効偏析係数を向上させ、更に印加
される磁場の強度を経時的に変更することにより不純物
の実効偏析係数を制御し、これにより結晶中に含まれる
不純物濃度の結晶の軸長(成長)方向の分布を一定とし
、あるいは所定範囲内に制御してより一層の均一化を図
り、得られた単結晶の歩留りを向上させ、更には特性の
均一な半導体成品の製造を可能とした結晶成長方法を提
案するものである。
〔発明の原理〕
−cz法の問題点− CZ法により、たとえばリン(P)、ボロン(B)等を
不純物として添加したシリコン(Si)溶融体からシリ
コン単結晶を得た場合、この単結晶中の不純物濃度は単
結晶の成長方向の位置によって不均一(具体的には成長
に伴って濃度は大となる)とならざるを得す、このため
これを材料とした半導体成品の特性が一定とはならず、
従って一定の特性の半導体成品を得ようとすれば、CZ
法により得られた一つのシリコン単結晶の内の一部分し
か半導体材料としては使用できない。即ち歩留りが低い
ことの原因となっている。
CZ法における上述の如き問題点の原因は以下の如く考
えられている。
溶融体が完全に静止した定常状態では、結晶中の不純物
濃度Csは溶融体中の不純物濃度COと等しくなる。換
言すれば実効偏析係数(溶融体中に含まれる不純物が結
晶化に際して結晶中に取り込まれる割合)KeはKe=
1となる。しかし、溶融体が静止していない場合、たと
えば熱対流等が生じている場合には、実効偏析係数Ke
は1からその不純物元素の溶融体元素に対する固有の平
衡偏析係数K。に近付く方向に変化することが知られて
いる。
CZ法では、Stを溶融状態に維持するためにるつぼ周
囲から加熱し、また単結晶の横断方向の均一性を得るた
め単結晶と溶融体とを相対的に回転させるが、これらに
よりSi溶融体内には熱対流及び強制対流が発生し、溶
融体の攪拌が充分に行われることとなり、不純物元素の
実効偏析係数Keは平衡偏析係数KGとほぼ等しくなる
。ちなみに、Siに対する平衡偏析係数1coはBは約
0.8、Pは約0.35であり、それぞれが属するmb
、vb族の他の元素は更に低い値となっており、これら
のP。
B以外のmb、vb族元素を使用する場合にはより一層
濃度分布が不均一となる。従って、単結晶の成長、即ち
その引き上げに伴って溶融体中の不純物元素は、その平
衡偏析係数に、とほぼ等しい実効偏析係数Keにて単結
晶中に取り込まれるため、換言すれば、Pの場合は溶融
体中に含まれる内の約35%しか結晶化の際には取り込
まれないため、残りの溶融体中の不純物濃度は高くなり
、この濃度の高くなった不純物が更に平衡偏析係数に、
とほぼ等しい値で単結晶中に取り込まれるため、溶融体
中の不純物濃度は益々高くなり、単結晶中の不純物濃度
も次第に高くなるという悪循環が繰り返される。以上の
関係を数式として表すと下式となる。
ただし、Cs(g):引き上げ率gにおける単結晶中の
不純物濃度 Ke :実効偏析係数 濃度 g :引き上げ率(結晶と溶融体の 合計に対する結晶の割合) そして、シリコン単結晶の電気抵抗率ρnは、それに含
まれる不純物元素濃度Csにほぼ反比例するため、上述
の如くして得られたシリコン単結晶の成長方向の各位置
、即ち引き上げ率gに対する電気抵抗率ρnは、その最
大値ρn 1naxとの比で示すと第2図の如くになる
。従って従来のC2法により得られたシリコン単結晶を
半導体材料として使用する場合には、電気抵抗率ρnが
許容範囲外の部分は使用することはできないため、前述
した如く歩留りが低くなる。
(以 下 余 白) 一原理の概要− そこで本願発明者らは、種々の考察、実験を重ねた結果
、上述したような単結晶中の不純物濃度の不均一性を解
決するためには、不純物の実効偏析係数を1とすればよ
く、ニれを実現するために溶融体にその表面と直交する
方向の主成分を有する磁場(垂直方向の磁場)を印加す
るか、又は溶融体表面から垂直方向に電流が流れ得るよ
うにした上で溶融体にその表面と平行な方向の主成分を
有する磁場(水平方向の磁場)を印加すれば、溶融体の
熱対流及び強制対流が共に抑制されて溶融体が静止状態
に近くなって不純物の実効偏析係数が1に近付くとの結
論を得るに到った。しかし、このような方法を採った場
合でも不純物の実効偏析係数は従来に比して格段に向上
はするものの完全に1とするには設備(主として磁場印
加装置)が大規模とならざるを得ず、また磁場を発生す
るための電力消費の面からも得策とは言い難いので、本
願発明者らは更に検討を重ねた結果溶融体に印加される
垂直方向又は水平方向の磁場の強度を経時的に変更する
ことにより不純物の実効偏析係数を制御し、これにより
単結晶中に含まれる不純物の濃度を一定、あるいは所定
範囲内とすることが可能であるとの知見を得るに到った
−理論的検討の説明− (1) CZ法における実効偏析係数の検討以下、その
理論的検討の過程について説明する。
第3図は垂直上方向き(2方向)に一様な磁場B=BV
zが印加された導電性液体(シリコン溶融体)4の、無
限大円板(シリコン単結晶)5の回転に伴う流動状態を
示す模式図であり、円板5の回転中心を原点0、その回
転角速度をΩとし、円板5から充分離隔した位置では液
体4は静止し □ているものとする。
第3図に基づいて本発明の原理についてまず概 ・時的
な説明を行う。磁場Bが印加されていない場合には、円
板5の2軸を中心とする回転比よる摩擦に引き摺られて
液体4が移動し、円周(接線)方向に速度Vφ、遠心力
により法線、r方向に速度Vrの流れがそれぞれ生じる
。この結果、これらの原点0から遠去かる流れを補給す
るため原点Oへ向かう流れ、即ち速度Vzの上昇流が発
生し、強制対流が生じる。
この際、不純物元素の液体元素に対する平衡偏析係数に
、がlより小である場合には、液体4が結晶化する際に
結晶中に取り込まれなかった不純物が結晶5と液体4と
の境界面に濃化し、これが実効偏析係数Keを大とする
方向に作用するが、この濃化した不純物は原点Oから遠
去かる流れにより運び去られ、また速度Vzの不純物濃
度の低い上昇流が結晶5と液体4との境界面に流れ込む
ため、結果的には実効偏析係数Keは大とはならない。
詳細は後述するが、本願発明者らによる理論的検討の結
果、実効偏析係数Keに関して下記(36’ )式が得
られた。
上式中、fは液体4に印加される垂直又は水平方向の磁
場強度に関する係数であり、磁場印加がない場合には下
記(36’ )式となる。
R:結晶(円板5)の引上げ速度 D=不純物元素の拡散係数 シ:溶融体(液体)の動粘性係数 Ω:結晶(円板5)の回転角速度 なお、円板5の回転角速度Ωが大の場合(Ω−ω)には
δ−0、叩ちf、→lとなるので、Ke夕KG となる
〔2〕垂直方向磁場の影響 第4図(a)、 (b)は液体4の流れVに対する垂直
方向の磁場Bの作用を示すための、液体4の表面上方か
ら見た模式図であり、フレミングの右手、左手の法則に
従っている。
まず、第4図(Jl)に示す如く、原点0から遠去かろ
水平方向の流れVにこれと直交する垂直方向の磁場Bが
作用すると、フレミングの右手の法則により電場E=V
XBが図示する如く流れVと磁場Bとに直交する水平方
向に発生する。この際、液体中を水平方向に電流が流れ
得る状態の場合には、第4図(blに示す如く、電場E
によってこれと同方向の水平方向に電流Jが生じ、フレ
ミングの左手の法則に従って垂直方向の磁場Bとの相互
作用により電磁力F=IXBが図示する如く磁場Bと電
流Jとに直交し、流れVと逆の水平方向に発生し、これ
が流れVを抑制する働きをする。
なお、磁場Bが垂直方向下向きに印加されている場合に
も流れVと逆方向に電磁力Fが発生することは明らかで
ある。
従って、液体、即ちシリコン溶融体4の表面では水平方
向に電流が流れ得るから、垂直上方向きの磁場Bが印加
されると、円板、即ち単結晶5の回転に起因する強制対
流が、その単結晶5から遠去かる水平方向の流れVの部
分で抑制される。
また、熱対流も、るつぼ側壁に沿って上昇し、表面を中
心部に向かって移動し、中心部で下降し、更にるつぼ底
部に沿って側壁方向に向けて移動する循環流であるから
、上述の強制対流同様、表面又は底部付近の水平方向の
流れが垂直方向磁場によって抑制されることとなり、強
制対流及び熱対流の双方が抑制される。
〔3〕水平方向磁場の影響 一方、水平方向の磁場Bを印加した場合には、第5図(
alに示す如く、電場E=VXI3は、垂直上方向き(
z軸方向)となるが、C2法ではるつぼには通常絶縁物
である石英を用いるため、第5図Tb)に示す電流Jの
回路が形成されず、このため電磁力Fも発生しないため
、強制対流を抑制する作用は ″ 。
生じない。もちろん、この場合にも熱対流はその垂直方
向の流れの部分が前述した如く抑制されるため、熱対流
に対する抑制効果が生じることは明らかである。従って
、何らかの手段、方法、たとえば後述する第13.14
図に示す結晶成長装置の如くシリコン溶融体40表面と
シリコン単結晶5との間に電流回路を形成することによ
り第5図(b)に示す電流Jの回路を形成すれば、この
垂直上方向きの電流Jと磁場Bとの相互作用によりフレ
ミングの左手の法則に従って第5図(b)に示す如く電
磁力Fが流れVとは逆の水平方向に発生し、この電磁力
Fにより流れVが抑制されることとなる。
そして、後述する如く、印加される垂直又は水平方向磁
場それぞれの強度により強制対流に対する抑制効果が異
なり、従って不純物の実効偏析係数も異なるため、磁場
強度を経時的に適宜変更すれば不純物の実効偏析係数を
制御することが可能となるので、このような制御を行う
ことにより単結晶中に含まれる不純物濃度を一定に、あ
るいは所定範囲内とすることが可能となる。
−磁場印加の理論的解析− 次に本願発明者らが行った理論的検討について説明する
。なお、これは熱対流が充分に抑制されたとの前提で強
制対流に対する垂直及び水平方向の磁場の抑制効果を解
析したものであるが、この検討の方法の概略は以下の如
くである。即ち、まず溶融体に垂直方向の磁場を印加し
た場合に強制対流が抑制されて不純物の実効偏析係数が
向上する点についての解析を行う。本願発明者らはこの
垂直方向磁場を溶融体に印加することにより強制対流を
抑制する方法に関しては別途特願昭59−号にて特許出
願している。
このような垂直方向磁場を印加する場合については厳密
な解をめることは可能であるが、水平方向磁場を印加す
る場合は厳密な解をめることは非常に煩雑である。この
ためまず垂直方向磁場を印加した場合についての解をめ
、この結果を基に水平方向磁場を印加した場合にも、溶
融体表面から垂直方向に電流が流れ得る状態であれば強
制対流が抑制されて不純物の実効偏析係数が向上する点
についての略解をめる。この方法に関しても、本願発明
者らは別途特願昭59− 号にて特許出願している。
以上の2つの方法により、溶融体中の不純物の実効偏析
係数が向上されることが明らかとなったので、次に単に
実効偏析係数を向上させるのみならず、得られた単結晶
の不純物含有率をより均一化するために実効偏析係数を
制御する方法について説明する。
〔1〕垂直方向磁場の解析 以下、まず溶融体に垂直方向磁場を印加する場合につい
て説明する。
第3図に示す、r、θ、z系の円柱座標において、無限
大の回転円板(シリコン単結晶)5が2軸を中心に回転
しており、また円板5と導電性液体(シリコン溶融液)
4とは原点0を含みz軸と直交する液体40表面で接し
ているものとする。
そして、r、z、φ方向それぞれの流れの速度成分Vr
、Vz、Vφ、液体4の密度ρ、同動粘性係数をν、同
圧力をp、垂直上方向きの磁場Bによる電磁気力のr、
φ成分をFr、Fφとし、下記流体の方程式+11. 
+2)を設定する。
(以 下 余 白) B Vr Vr a Vz −−+−+−=0 ・・・(2) aV r 5ま ただし、Vr、Vφ、Vzの境界条件は下記C3)。
(4)式である。
2 = 0 ; Vr = 0. Vφ=rΩ Vz=
0 ・・・(3)2;−■HVr=0.Vφ日0 ・・
・(4)また、電磁気力のr、φ成分Fr、Fφは、液
体4中の誘導電流による磁場を無視すると下記(5)式
により与えられる。
以上の前提の基に代表長りを、 とし、各方向の速度成分Vr、Vφ、Vz及び圧力pを
それぞれ下記(7)式に示す如く置く。
(以 下 余 白) この場合、(11,(21式は下記(81〜(11)式
に変数変換される。
F2−トF’H−G2−F’+NF=0・・・(8)2
FG+HG’−G’+NG =O・・・(9)P’+H
H’−H” =0 ・・・(10)2F+H’ =0 
・・・(11) ただし、Nは相互作用変数であり、下記(12)式にて
、また境界条件は下記(13)式にて表される。
ここで、Nが非常に大きい場合、即ち磁場強度が大であ
る場合の近似解を(8)、 +91. (11) mよ
りめると下記(14) 、(15) 、(16)式を得
る。
G”−NO−2・・・ (14) F ”−NF−−02・= (15) H’=−2F ・・・ (16) それぞれ(13)式の境界条件を考慮すると、G。
F、Hは下記(17) 、(1B) 、(19)式の如
くまる。
G” exp (y’N Z” ) −(17)N −exp (2−v/N z” ) ) ・= (1B
)第6図(al 〜(h)は、(8)、 19)、(1
1)式を積分した数値解を示しており、N=0.0.3
 、1.0 、 3゜10 、30 、100 、30
0の8条件についてそれぞれ実線にて、またN22.0
の場合の第5図(C1〜(h)に関しては(17) 、
(1B) 、(19)式の近似解をも破線にて併せて示
しである。
これらの図からは、Nが大となる、即ち磁場強度が大と
なるに従って、F、 H,即ちVr (水平方向速度成
分)、Vz(垂直方向速度成分)が小となること、換言
すれば、円板5の回転に伴う強制対流が抑制されて、液
体4が静止状態に近くなること、また同時に液体4の流
れが壁(円板5と液体4との境界)付近に集中している
ことが理解される。更に、第crWJ(C>〜(hJに
破線にて示した近似解も実用上充分な近似値を示してい
る。
以上のようにして、垂直上方向きに磁場が印加された液
体の垂直軸回りに回転する円板による強制対流が抑制さ
れることが理論的に裏付けられた体的には単結晶5の引
き上げ速度)をR1不純物元素の拡散定数をDとして下
記(20)式を設定する。
・・・(20) この場合の境界条件は不純物元素の液体4に対する平衡
偏析係数をに、とすると、下記(21) 。
(22)式である。
2−一■; c=c〜 ・・・(22)上記境界条件(
21)、(22)式は、前述の速度分布の解析結果から
これを満足するCは2のみの関数となるので、前述の(
6)式のz ’ 、(7)式のVZを用いて(2o)式
を正規化すると(23)式が得られる。
・・・(24) ただし、6=シ/D:シュミット数 R″= R/ 、/ v丁:正規化凝固速度(23)式
からは下記(25)式が得られる。
+ I (316゜)ds+cTo)・・・(25)「
q tso (U + R” ) ・・・(27) とすると、(27)式から下記(28) 、(29)式
が得られる。
実効偏析係数Keは下記(30)式により定義されるの
で、(30)、(29)式から下記(31)式として表
せる。
Ke C−=Ko C1o) −(30)ll このようにしてめられた(31)式の実効偏析係数Ke
の概略の傾向を知るために、以下の如く近似を行う。
まず、H,、、=H(−00)とお(と、1(S) 〜
H,,6(S+δ” ) 、−B−qo。
となる定数68が存在することから、前記(26)式の
I (S)の近似関数を1(s)として、とおくと、(
31)式中の1/ (U+R’ )は下記(33)式と
なる。
R”+H− 、:、D場合、 −(33) δ″−#0:U−H〜; δ″−4oo : 0−Q −(34)の関係があるの
で、(31)、(33)式から実効偏析係数Keは下記
(35)及び(36)式となる。
Ke =Ko / (Kn + (1−Ko ) (e
xp (−6rsR″δ″)R″ −・exa (−6tlH−60)))R″ +H− ・・・ (35) Rδ =に6 / (Kn 十(1−Ko) (exp (−
)・・・(36) (36)式において、磁場が小である場合、即ちNが小
である場合には、(36)式の分母の内、()内の右項
は非常に小さいので、 υ とおけば、前述した磁場印加がない場合の実効偏析係数
Keを表す(36’ )式が得られる。
一方、垂直方向磁場が強い場合には、(19)式%式%
(37) であるから、下記(38)式から(39)式が得られる
以上から、 をそれぞれ代表長とするHartmann数を定義する
と、Nが大の場合、即ち磁場が強い場合の実効偏析係数
Keは下記(42)式にて表せる。
上記(42)式において、右辺分母の()内を・・・ 
(42“) とおけば、前記(36”)式において係数fを垂直方向
に磁場印加した場合の係数faとした場合の下式 ただし、上記(42)式は近位計算の結果であり、一般
的には実効偏析係数Keは下記(43)式に示す如く、
Ko+ )(at++ Hao+ Hahnの関数とで
表されるものと考えられる。
=e =f (K(1、HaR+ Hao+ Ha+s
o) −(43)47図は上記(42)式によりめたシ
リコン溶−に対するリン(P)の磁場の強度別の実効偏
析係数Keを実線で、また磁場印加がない場合の前記(
36’)、(36“)式でめられる実効偏析lKeを破
線にて示したグラフである。なお、二のための数値とし
ては、シリコン溶融体の電云導度σ=1.29X106
s/m 、同動粘性係数νXl0−7rrr/s 、同
密度p =2520kg/ rd、リンのシリコンに対
する平衡偏析係数Ko=0.35、リンの拡散係数D=
 5.1X10(Inr/s 、単結晶引上げ速度R−
1am/min 、磁場強度(実際には磁束密度) B
 =0.1.0.3 、0.6 、1.OT (テスラ
)であり、後述する実測値(口: 0.IT、△: 0
.3T。
0.6T)を併せて示しである。
第7図からは、磁場印加した場合、しない場合共に全体
的に円板(シリコン単結晶)5の回転速度が高くなると
実効偏析係数Keが低下するf頃向が読み取れるが、こ
れはすでに説明した如く、垂直方向に磁場を印加しても
円板5が高速回転となるに従って強制対流が強くなり、
平衡偏析係数に6に近くなるためである。
また、磁場強度(磁束密度)Bが大となるに従って実効
偏析係数Keが向上する(1.0に近付く)傾向が読み
取れる。これは、垂直方向(この場合は上向き)の磁場
により熱対流のみならず強制対流も抑制されて、この結
果シリコン溶融体が静止状態に近付いて実効偏析係数K
eが向上するからであり、併せて示した実測値(詳細は
後述)によっても裏付けられている。
更に、破線で示した(36’)、(36″)式に基づく
磁場を印加しない場合の高速回転域(おおよそ10r、
p、m、以上)では、弱い磁場を印加した場合よりも実
効偏析係数Keが高くなっており、このことは逆の表現
をすれば、垂直方向の磁場を印加する場合には、ある程
度以上の強度の磁場でなけ磁場強度は前述した実効偏析
係数Keを表す(36’ )式中の係数fを、垂直方向
の磁場を印加しない場合をf。、゛印加した場合をra
とすると、下式を満足する範囲の磁場強度Bであればよ
いこととなる。
fa<f。
3HanΩ3 ・・・(42” ) 従って、以上の理論的な解析によれば、所定強度の垂直
方向の磁場をシリコン溶融体に印加することにより熱対
流のみならず、単結晶の回転に起因する強制対流をも抑
制することが可能となり、この結果、シリコン溶融体が
静止状態に近くなり、実効偏析係数Keが向上すること
が明らかとなった。なお、この場合の磁場強度としては
、前記(36’ )式中の係数fを、垂直方向に磁場印
加した場合をfa+磁場印加しない場合をf、とすると
、 fa<f(1 を満足する範囲であることも明らかとなった。
(以 下 余 白) 〔2〕水平磁場の解析 以上で垂直方向の磁場が印加された場合についての解析
を了るが、以下これを基に水平方向の磁場が印加された
場合について検討する。
印加される水平方向の磁場をB−B”li7*とすると
、そのr、φ成分は下記(44)式で与えられる。
z、r方向に電流が流れ得る場合には、r、φ。
2方向の電磁力は下記(45)式で与えられる。
この場合、(a / aφ)≠0となるので、下記(4
6)式に示す電磁力のφ方向の平均値を採用する。
1 「2π 1′“、、J、Frdゞ °°°3′°6この場合、下
r + F * + F zはそれぞれ下記(47)式
となる。
以上から(8)〜(11)式同様の変数変換を用いると
下記(48)〜(51)が得られる。
F2+F ’ H−G2−F“十”I N F = 0
・・・(48)2FG+HG’−c’+%NG =O・
・・(49)p’+I(H’−H“十NH=0・・・(
50)2F+H” =0・・・(51) 上記(48)〜(50)式によりF、G、Hが規定され
るためFzは重要な意義を持たず、また前記(12)式
の相互作用変数 とから、液体4が同一流動状態となるためには、水平方
向磁場を印加する場合は垂直方向磁場を印加する場合に
比じてv’2倍の磁場強度が必要であると考えられる。
従って水平方向磁場を印加した場合には、前記(41)
式に示したIlartmann数をそれぞれ下記−(4
1’ )式とおけばよいこととなる。
第8図は上記(41’ )式によりめたシリコン゛ 溶
融体に対するリン(P)の水平方向磁場の強度0.6T
の場合の実効偏析係数Keを実線で、また磁場印加がな
い場合の前記(36’)、(36’)式でめられる実効
偏析係数Keを破線にて示したグラフである。なお、計
算のための数値としては、シリコン溶融体の電気伝導度
σ=1.29×10f′s/ya、同動粘性係数ν= 
3 x IQ−’ td / s 、同密度ρ−252
0kg1rd、リンのシリコンに対する平衡偏析係数K
=0.35、リンノ拡散係数D−5,lXl04nr/
s、単結晶引上げ速度R=1−/5ins磁場強度(実
際には磁束密度) B−0,6T (テスラ)であり、
後述する実測値を・印にて併せて示しである。
第8図からは、磁場印加した場合、しない場合共に全体
的に円板(シリコン単結晶)5の回転速度が高くなると
実効偏析係数Keが低下する傾向が読み取れるが、これ
はすでに説明した如く、水平方向に磁場を印加しても円
板5が高速回転となるに従って強制対流が強くなり、平
衡偏析係数K。
に近くなるためである。
従って、以上の理論的な解析によれば、シリコン溶融体
表面から垂直方向に電流が流れ得る状態とした場合には
、水平方向の磁場をシリコン溶融体に印加することによ
り熱対流のみならず、単結晶の回転に起因する強制対流
をも抑制することが可能となり、この結果、シリコン溶
融体が静止状態に近くなり、実効偏析係数Keが向上す
ることが明らかとなった。
〔3〕実効偏析係数の制御 以上の如く、不純物を含む導電性物質の溶融体にその表
面と直交する方向の主成分を有する磁場を印加した場合
、又は溶融体表面から垂直方向に電流が流れ得る状態で
溶融体にその表面と平行な方向の主成分を有する磁場を
印加した場合には、不純物の実効偏析係数が向上するこ
と、就中単結晶が比較的低速回転で強い磁場を印加した
場合には実効偏析係数Keが格段に向上してほとんど1
.0に近い値となることが明らかとなった。
しかφ、それでもなお実効偏析係数Ke = 1.0と
はならず、単結晶中の不純物濃度は従来のCZ法による
場合に比して相当程度均一化されるとはいえ、やはり不
均一であることには変わりはない。
更に単結晶が比較的高速回転する場合には、実効偏析係
数Keを1.0に近付けるためには相当程度強い磁場が
必要となる。第9図はシリコン溶融体に不純物としてリ
ン(K o =0.35)を添加し、単結晶の回転数Ω
=25r、p、m、、同引き上げ速度R−3w/win
の場合の磁場強度Bと実効偏析係数Keとの関係を示し
たグラフであり、実線は垂直方向磁場、破線は水平方向
磁場をそれぞれ印加した場合を示している。
この第9図に示した例では、実効偏析係数Ke≧0.9
とするためには、磁場強度(実際には磁束密度)B>0
.657の強い磁場を必要とする。しかし、このような
強い磁場を発生するためには、永久磁石、電磁石を問わ
ずかなり大規模な装置を必要とし、電磁石であればその
消費電力も相当なものとなり、実用性の面でやや難点が
ある。
そこで、本願発明者らは更に検討を重ねた結果、磁場強
度Bを変更することによって不純物の実効偏析係数Ke
を制御し、これにより単結晶中に含まれる不純物の濃度
を一定とし、あるいは所定範囲(たとえば半導体成品と
された場合の許容範囲)とすることが可能であるとの結
論を得た。
以下、その理論的検討過程について説明する。
まず、実効偏析係数の最大値、即ち本発明にあっては前
述した如き垂直又は水平方向の磁場印加により向上させ
得る最大値をKmaχとすると、実効偏析係数Keの制
御可能な範囲は下記(52)式%式%(52) ここにおいて、実効偏析係数Keの制御因子は、前記(
42) 、(41)及び(41’)式から明らかな如く
、磁場強度B、結晶引き上げ速度R1同回転数Ω等であ
るが、CZ法では常識的には結晶引き上げ速度Rの許容
範囲は限られており、また前述の第7,8図からも明ら
かな如く、磁場印加をしない場合の結晶回転数Ωのみに
よる実効偏析係数Keへの影響はそれ程には大きくない
上、この結晶回転数Ωは単結晶5の断面方向の均一性を
維持するための許容範囲があるため、結局は磁場強度B
による実効偏析係数Keの制御が最も効果的かつ実用的
である。
さて、単結晶の不純物の拡散を無視すると、溶質(不純
物)の質量バランスに関して下記(53)式が成立する
「g ]。Csdg+Ct (1−′) =Cto −(53
)ただし、CL:溶融体中の不純物の平均密度cLO:
溶融体中の不純物の初期濃度 Cs :単結晶中の不純物濃度 g :単結晶の引き上げ率 上記(53)式中のCs + Ctは不純物の実効偏析
係数Ke#1であるから、引き上げ率gの関数となる。
また、実効偏析係数Keは下記(54)式の如く定義さ
れるから、(53) 、(54)式から下記(55)式
が得られる。
Cs =Ke CL −(54) ・・・(55) ただし、Cso:単結晶中の不純物の初期濃度Keo:
実効偏析係数Keの初期設定値単結晶に含まれる不純物
の濃度Csの許容範囲を下記(56)式により規定する
1≦Cs/Cso≦Cvaax ・・(56)以上の前
提の下に、第1θ図にリン(P)を−例としてその計算
例を示す如く以下に述べる2種類の実効偏析係数Keの
制御方法が考えられる。
その第1の方法は、単結晶中の不純物濃度Csのその初
期濃度Csoに対する比Cs/Csoを一定とすべく実
効偏析係数Keを平衡偏析係数KGと等しくなるまで連
続的に変化させる方法である。
第2の方法は、Cs/Csoを所定許容範囲内とすべく
実効偏析係数Keを段階的に、即ちCs /C5oh<
 1.0から許容上限Cwaxとなるまでの間は実効偏
析係数Keを一定に維持し、Cs/Csoが許容上限に
達した時点でC3/ ’C:SO= 1となるように実
効偏析係数を変化させる操作を反復する方法である。
以下、この2種類の方法について、その計算例を示す第
1θ図のグラフに従って説明する。なお、この計算例は
、シリコン溶融体に不純物としてリン(P)を添加した
計算例であつて、リンの平衡偏析係数Ko=0.35、
実効偏析係数Keの初期値Keo=0.6とし、単結晶
中の不純物(リン)濃度Csの初期濃度Csoに対する
比Cs/Csoの許容上vII(、+ax =1.2と
する。
第1の方法では、まず実効偏析係数Keを第1O図に■
を付した一点鎖線で示す如く、下記(57)式に設定す
る。
ただし、K、≦Ke≦Kmax この場合、下記(58)式に示す引き上げ率gの範囲 では、 Cs = Cso −(59) であるから、この範囲では、結晶引き上げ方向の不純物
濃度は均一になる。g≧goでは、結晶中不純物濃度は
Ke=Kg(一定)の条件で濃化するから、g≧goの
範囲では下記(60)式に示すような単結晶中の不純物
濃度の分布が得られる。
従って、前記(56)式に示した単結晶中の不純物濃度
Csの許容範囲 l≦Cs/Cso≦Cw+ax を満足する引き上げ率gを 0≦g≦g l1lax とするとその最大引き上げ率g maxは下記(61)
式にて与えられる。
・・・(61) この第1の方法では、単結晶の引き上げ率g。
までは単結晶に含まれる不純物濃度は第1O図に■を付
した一点鎖線にて示す如く一定、即ちCs/C5o=1
であり、その後引き上げ率gIIlaxまではCs/C
soは1から次第に上昇し、引き上げ率g maxでC
s /Cso=Cmax (=1.2 )となる。
次に第2の方法について説明する。
この方法では、まず実効偏析係数Keを第10図に■を
付した実線で示す如くその初期値Keoに固定して(K
e −Keo) 、単結晶の引き上げを開始する。この
場合の単結晶中の不純物濃度Csの初期濃度Csoに対
する比Cs/Caoは第1θ図に@を付した実線で示す
如く下記(62)式にて与えられる。
上記(62)式は下記(63)式で与えられる引き上げ
率gIまで前記(56)式を満足し、引き上げ率g=g
rで単結晶中の不純物濃度Csの初期濃度に対する比C
s/Csoは Cs / C5o= Cmax となる。
そして、引き上げ率g”−g+となった時点で実効偏析
係数Keを下記(64)式にて与えられる値Kesに変
更すると、 CS / Cso = 1 となり、この後引き上げ率g lJ<g tより大(g
>g+)の範囲では単結晶中の不純物濃度Csの初期濃
度Csoに対する比Cs/Csoは下記(65)式にて
与えられる。
Ke s =Keo/Cmax ・= (64)上記(
65)式は、引き上げ率gが下記(66)式で与えられ
る引き上げ率g2となるまで前記(56)式を満足する
そして、引き上げ率g””g2となった時点でCs /
C5o= Ca+ax となり、この時点で実効偏析係数Keを下記(67)式
にて与えられる値Kezに変更すれば、Cs /C5o
= 1 となる。
Ke 2− Ke 、/ Cmax ・= (67)以
後、上記同様にCs / C5o= Cmaxとなる都
度実効偏析係数Keを段階的に低下させ、Ke 3 。
Ke4・・・Kei・・・Ke n’=Kgとなるまで
同様の操作を反復する。
なお、実効偏析係数Keの1回目の変更時点での値Ke
i及びこの時点の引き上げ率giは一般的には下記(6
8)、(69)式にて与えられる。
Ke i =Ke i−1/Cmax −(6B)1/
 (Ke i−s −1) gi = 1− (1−gi−t ) Cmax −(
69)この第2の方法では、Ke =KQ : (Cs
/C5o=1)、即ち引き上げ率gnとなった後、Cs
 /Cso=Cmaxとなる引き上げ率g n Lまで
前記(56)式 %式%) が満足される。
なお、■を付した2点鎖線は実効偏析係数Ke=0.8
に固定した場合を示しており、この場合には単結晶中の
不純物濃度Csの初期濃度Csoに対する比Cs/Cs
oは@を付した−2一点稙線で示す如くになる。
以上の第1θ図に1点鎖線で示した第1の方法、実線で
示した第2の方法および2点鎖線で示した引き上げ率g
の全範−ド亘って実効偏析係数Ke=0.8に固定した
場合を比較すると、第1及び第2の方法はいずれも引き
上げ率gが0.7程度以上まで前記(56)式に示した
許容範囲 −1≦Cs/Cso≦Cmax (−1,2
)を満足する。
一方、実効偏析係数Ke =0.8 (>Keo=0.
6 )で一定に維持した場合には、前記(56)式に示
した許容範囲を満足する引き上げ率gは高々引き上げ率
g=0.6程度までである。
このように、以上に説明した第1又は第2の方法を採れ
ば、実効偏析係数Keを相当程度高い一定値に維持する
場合に比して、それよりも低い値でも単結晶中の不純物
濃度番高い引き上げ率gまで許容範囲内とすることが可
能となり、特に前記第1の方法を採る場合には単結晶中
の不純物濃度Csをかなり高い引き上げ率gまで一定に
維持することが可能となる。
従って、前述した如く溶融体にその表面と直交する方向
の主成分を有する磁場を印加するか、又は溶融体表面か
ら垂直方向に電流が流れ得る状態とし、溶融体にその表
面と平行な方向の主成分を有する磁場を印加することに
より、溶融体に含有される不純物の実効偏析係数Keを
上述の第1又は第2の方法に従って制御すれば、大規模
な磁場印加装置を用いて不純物の実効偏析係数Keを相
当程度高い値にて一定に維持する場合よりも高い引き上
げ率gまで単結晶中の不純物濃度を所定範囲内に維持し
得ることが、あるいは一定とし得ることが明らかとなっ
た。
なお、現実の結晶成長に際しては上記第1及び第2の方
法の如く、実効偏析係数を厳密に制御するのではなく、
第10図に■を付した1点鎖線と同じく■を付した実線
とで囲まれたハンチングを施した範囲内に実効偏析係数
を制御することにより実用上充分に均一な不純物濃度の
単結晶を得ることが可能となる。
(発明の構成〕 本発明は、CZ法において導電性物質の溶融体にその表
面と直交する方向の主成分を有する磁場を印加するか、
又は前記溶融体表面がら垂直方向に電流が流れ得る状態
として溶融体にその表面と平行な方向の主成分を有する
磁場を印加することにより、溶融体中の不純物の実効偏
析係数を向上させ、更に前記のいずれの場合にもその磁
場強度を単結晶の引き上げに伴って経時的に変更するこ
とにより不純物の実効偏析係数を制御し、これにより単
結晶中に含まれる不純物の濃度を一定範囲内に、あるい
は一定値とするものである。また磁場強度を経時的に変
更する方法としては、磁場強度の変更により制御される
不純物の実効偏析係数が、単結晶中に含まれる不純物濃
度を一定となすべく連続的に変化されるようにし、又は
単結晶中にふくまれる不純物濃度を所定範囲内となすべ
く段階的に変化されるようにするものである。
(以 下 余 白) 〔実施例〕 以下、本発明をその実施例を示す図面に基づいて詳述す
る。
本発明に係る結晶成長方法についてはその原理をすでに
説明したが、これを実施するための装置を示す図面に従
ってより具体的に説明する。
第11図は本発明に係る結晶成長方法を実施するための
装置の模式的側断面図である。
チャンバー1は軸長方向を垂直とした略円筒状の真空容
器テあり、上面中央部には矢符方向に所定速度で回転す
る引き上げチャック7の回転軸7′がエアシールドされ
て貫通している。引き上げチャック7にはシード(結晶
成長の核となる単結晶)5′が取り付けられている。
チャンバー1の底面中央部には、前記回転チャック7と
は同一軸心で逆方向に所定速度で回転するるつぼ3の支
持軸6がエアシールドされて貫通している。支持軸6の
先端には黒鉛製るつぼ3′がその内側に石英(Si02
)製のるつぼ3を嵌合する状態で取り付けられている。
るつぼ3の回転域のやや外側の位置にはヒータ2が、そ
の更に外側のチャンバー1との間の位置には熱遮蔽体8
がそれぞれ同心円筒状に配設されている。
そして、るつぼ3内にはリン等の不純物を添加されたシ
リコン溶融体4がヒータ2により溶融状態とされて収容
されており、前述したチャック7に取り付けられたシー
ド5′をシリコン溶融体4の表面に接触させて回転させ
つつ徐々に引き上げることにより、シード5′下端にシ
リコン単結晶5が成長する。
以上の構成は、通常の結晶成長装置と基本的には同様の
構成であるが、第11図の実施例ではチャンバー1の外
周を囲繞してコイル12友びヨーク13からなる磁場印
加装置lOが備えられている。そして、磁場印加装置l
Oに所定方向の直流(交流でもよレリ電流が印加される
と、第8図に破線矢符にて磁力線11.11を示す如く
シリコン溶融体4に対して垂直上方向きの磁場が印加さ
れる。この磁場の強度を変えることにより〔発明の原理
〕の項で説明した如く、シリコン多結晶4のヒータ2に
よる加熱に起因する熱対流及び単結晶5の回転に起因す
る強制対流とが共に溶融体4に印加される垂直上方向き
の磁場強度に応じて抑制され、溶融体4に含まれている
不純物の実効偏析係数Keを制御することが可能となる
第12図は第2の装置の例を示す模式的断面図であって
、チャンバー1及びその内部の構成は上述の第11図に
示した実施例と同様である。そし・て本実施例ではチャ
ンバー1を挾んでるつぼ3の位置よりやや低い高さ位置
に永久磁石10’、10’のN極同志を対向させた磁場
印加装置10を配設しである。どのような構成とするこ
とにより、破線矢符にて磁力線11. ’11を示す如
くシリコン溶融体4に対して垂直上方向きの磁場が印加
され、この磁場の強度を変えることにより前述同様にシ
リコン溶融体4に含まれている不純物の実効偏析係数K
eを制御することが可能となる。
第13図は第3の装置の例を示す模式的断面図であって
、基本的には上記2例と同様の構成となっているが、本
例では、磁場印加装置lOは溶融体4の表面に平行な方
向(水平方向)に主成分を有する磁場を印加するように
なっている。即ち、チャンバー1を挾んで永久磁石10
’、10’の異極を対向させた磁場印加装置10が備え
られていて、破線矢符にて磁力線m1.11・・・を図
示する如く、シリコン溶融体4に対してその表面に平行
な方向(水平方向)の磁場が印加される。更に本例では
磁場印加装置10が発生する磁場により誘起される電流
をシリコン溶融体4の表面付近から垂直方向、具体的に
は単結晶5へ流すための電流回路20が備えられている
。即ちシリコン多結晶の電極棒21が、その下側部をシ
リコン溶融体4内にるつぼ3底部付近まで浸漬し、また
上側部をるつぼ3の上面よりやや上方にまで突出した状
態でその上端部を導線22にてチャンバー1の天面から
吊持されている。
そしてこの導線22はチャック7の回転軸7′、チャッ
ク7を介してシード5′と接続されている。
従って電極棒21とシリコン単結晶5は、それぞれの両
端部をシリコン溶融体4及び導線22にて接続されて電
気的な回路が形成されることとなり、単結晶5と接する
部分でシリコン溶融体4の表面から垂直方向へ電流が流
れ得る状態となる。これにまり前2例同様シリコン溶融
体4のヒータ2による加熱に起因する熱対流及び単結晶
5の回転に起因する強制対流とが印加される磁場の強度
に応じて共に抑制され、溶融体4に含まれている不純物
の実効偏析係数を制御することが可能となる。
第14図は第4の例を示す模式的断面図であって、第1
3図に示した第3の例とは電流回路20が異なる他は同
様の構成である。本例では、石英製るつぼhの底部中央
が開口されており、この開口部には導電物である黒鉛製
のるつぼ3′の底部の一部に形成した突起を嵌合突出さ
せている。そしてこの黒鉛製るつぼ3′の支持軸6とチ
ャック7の回転軸7′とが導線25により接続されてい
て、導線25、回転軸7′、チャック7、シード5′、
シリコン単結晶5、シリコン溶融体4、黒鉛製るつぼ3
′、支持軸6、導線25により電流回路2′0が形成さ
れる。
これにより上述の第13図に示した第3の例同様シリコ
ン溶融体4内の熱対流及び強制対流が印加される磁場の
強゛度°に応じて共に抑制され、溶融体4に含まれてい
る不純物の実効偏析係数を制御することが可能となる。
前述の第7図のグラフにて理論解析によりめられたシリ
コン溶融体4に垂直方向に磁場を印加した場合のリンの
実効偏析係数Keを示したが、これには第11図に示し
た垂直方向磁場を印加する装置により得られたシリコン
単結晶5の実効偏析係数Keの実測値をも併せて示しで
ある。即ち、るつぼ3の直径12#、シリコン溶融体4
の初期量18kg、シリコン単結晶5の引き上げ速度1
m/min、同回転速度2 、 5 、10.25r、
p、s+、の条件で、垂直上方向きの磁場強度(実際に
は磁束密°度) 0.1゜0.3.0.6 Tのそれぞ
れの場合の実効偏析係数の実測値をロ、△、○印にて示
しある。なお、結晶の成長にあたっては、そのトップ(
成長の開始部分)の抵抗率がC−MOSデバイスに用い
られるN型のlθΩ備となるようにし、また結晶直径は
105鶴、同方位は(100)のものを得た。
また得られたシリコン単結晶の評価方法としては、第1
5図に示す如く、引き上げ率約10.40゜70%の3
個所で単結晶5の中央部分を対象とした。
第15図には磁束密度0.3 T、単結晶回転数2 r
、p、m。
の場合の実測された抵抗率を併せて示しであるがミ全長
に亘って抵抗率変化の少ないシリコン単結晶が得られて
いる。
以上のようにして実測された抵抗率をリン濃度に換算し
てそれぞれから下式 ただし、Cs (g)’引き上げ率gにおけるリンの濃
度 co、:?8融体中のリンの初期濃 度 にて実効偏析係数Keをめ、これの平均値を実際の実効
偏析係数Keとしてその結果を第7図にプロットしたも
のである。
第7図のグラフからは、各垂直上方向きの磁場強度にお
いて理論値、実測値共に単結晶5の回転速度が高速であ
る場合には実効偏析係数Ke力((氏く、逆に単結晶5
の回転速度が低速であるJ易合には実効偏析係数Keが
高くなってもする。これ番よ’fAI述した如く、単結
晶5の回転速度が大であれLfある程これに起因する強
制対流が大となり、印加される磁場の強度が一定であれ
ば強制対流を抑寄1する効果が不充分となるからである
一方、シリコン単結晶5の回転数が低L)場合には垂直
上方向きの磁場強度(実際に番ま磁束密度)が0.3T
以上では理論値と実測値とがIf !!一致し。
て高い実効偏析係数Keを示してむする。これ番よ垂直
上方向き磁場により熱対流2、強制対流共に充分に抑制
されているためと考えられる。このこと器よ、磁場強度
0.1 Tの場合の理論値と実測値と力(III古晶の
低速回転域でややかけ離れてむ)ること力)らも理解さ
れる。即ち、磁場強度が小(0,I T)で、かつ単結
晶5が比較的低速回転である場合に番よ単結晶5の回転
に起因する強制対流番よiit、sためこれに対する抑
制効果はあっても、熱対流に対する川1制効果は小さい
と考えられるからである。
一方、前述の第8図のグラフには、シリコン溶融体4の
表面から垂直方向に電流が流れ得ると仮定して、これに
水平方向に磁場を印加した場合のリンの実効偏析係数K
eの理論値を示したが、これには第13図に示した装置
により得られたシリコン単結晶5からめた実効偏析係数
Keの実測値をも併せて示しである。単結晶5を得た際
の条件は、印加された磁場が水平方向であり、その強度
(実際には磁束密度)B= 0.6Tであること以外は
前述の第7図に示した実測値の場合と同一であるが、第
13図に示した装置では溶融体表面から垂直方向に電流
を流すための電流回路20が必要であり、そのための電
極棒21としては直径20龍のシリコン多結晶を用い、
また導線22としては直径30mmの銅線を用いた。
また得られた単結晶5の評価方法は、前述の第7図に実
測値を示した第11図の装置の場合と同様である。
この第8図のグラフからは、第7図のグラフに示した第
11図の装置の場合と同様、理論値、実測′値共に単結
晶5の回転速度が高速である場合には実効偏析係数Ke
が低く、逆に単結晶5の回転速度が低速である場合には
実効偏析係数Kgが高くなっていることが読み取れる。
これは前述した如く、単結晶5の回転速度が大であれば
ある程これに起因する強制対流が大となり、印加される
磁場の強度が一定であれば強制対流を抑制する効果が不
充分となるからである。
更に、単結晶5が比較的低速回転である場合には、単結
晶5の回転に起因する強制対流は弱いため、これに対す
る抑制効果及び熱対流に対する抑制効果が共に大となっ
て実効偏析係数が格段に向上している。
さて、本発明方法の実施には上述の4種類の結晶成長装
置が主として用いられることとなるが、以下第11図に
示した装置、即ち磁場印加装置10に電磁石を使用し、
これによりシリコン溶融体4にその表面と直交する方向
(垂直方向)の主成分を有する磁場を印加して、シリコ
ン溶融体4に含まれる不純物の実効偏析係数Keを制御
するように構成された装置にて本発明方法を実施した結
果について説明する。なお、石英製るつぼ3は直径12
”(インチ)のものを用い、不純物としてリン(P)を
含んだシリコン溶融体4の初期量は18kg、シリコン
単結晶5の直径は約105mm、同方位は(100)同
引き上げ速度Rは1 宵m/lTl1n 、同回転数Ω
は25j、p、Il、、るつぼ3の回転数は0.5r、
p、m、であり、得られたシリコン単結晶5のト・ノブ
(引き上げ開始位置)の抵抗率ρnを12Ωcm(N型
)となるようにした。そして、磁場強度(実際には垂直
方向の磁束密度)Bを下記第1表に示すように、第1の
実施例では〔発明の原理〕の項で説明した第1の方法、
即ち単結晶5の引き上げ率g=0−70%にかけて磁束
密度B =0.3−0.ITまで連続的に変化させ、第
2の実施例では同じく第2の方法、即ち単結晶5の引き
上げ率g=0−35%までは磁束密度B = 0.3T
、 g =35−55%まではB=0.2T、g=55
−70%まではB=0.ITにそれぞれ一定に維持して
単結晶5の引き上げを行った。
第 1 表 第 2 表 第2表はその結果を示しており評価方法は前述の第7.
8図のグラフに示した実測値と同様にシリコン単結晶5
の各引き上げ率gにおける中央部分の電気抵抗率ρnを
実測し、これをリンの濃度に換算して下式により実効偏
析係数をめた。
Ke−I Cs (g)/ (Ke −Go )= (1−g)た
だし、C8(g):引き上げ率gにおけるシリコン単結
晶中のリンの 濃度 co =溶融体中のリンの初期濃 度 第1の実施例では磁場強度(実際には磁束密度)Bを0
.3Tから0.ITへ連続的に低下させることにより単
結晶5の引き上げ率gが約70%程度においても実効偏
析係数Ke = 0.9程度の高い値を示しており、最
大0.3T程度の小さな強度の磁場印加装置を用いれば
よいこととなる。また得られた単結晶5の抵抗率ρn 
(リン濃度Cs)゛もほぼ一定の値を示しており、高い
引き上げ率gまで抵抗率特性のほぼ均一化された単結晶
が得られていることが理解される。
一方、第2の実施例では、磁場強度(磁束密度)B=0
.2Tで一定とした引き上げ率gが35%から55%の
範囲では実効偏析係数Ke =0.61乃至0.60と
なっており、第9図に示した同じ磁場強度(磁束密度)
B= 0.27で一定とした場合の実効偏析係数Ke 
= 0.5弱と比較して向上している。また、磁場強度
(磁束密度)B= 0.lTで一定とした引き上げ率g
が55%から70%の範囲でも実効偏析係数Ke =0
.60乃至0.52となっており、第9図の磁場強度(
磁束密度)B= 0.ITで一定の場合の実効偏析係数
Ke =0.43弱と比較して相当程度向上しているこ
とが理解される。
〔効果〕
以上詳述した如く本発明に係る結晶成長方法は、導電性
物質の溶融体にその表面と直交する方向の主成分を有す
る磁場、又は前記溶融体の表面から垂直方向に電流が流
れ得るようにした状態で溶融体にその表面と平行な方向
の主成分を有する磁場を印加して溶融体に含まれている
不純物の実効偏析係数を向上させ、更に前記いずれの場
合にも溶融体に印加される磁場の強度を導電性物質の結
晶の引き上げに伴って連続的又は段階的に変化させるこ
とにより溶融体中に含まれる不純物の実効偏析係数を連
続的又は段階的に変化するように制御するものであるか
ら、実効偏析係数を単結晶の全引き上げ率の範囲に亘っ
て一定とする場合に比し−でより弱い磁場強度の磁場印
加装置にてより高い実効偏析係数をより高い引き上げ率
まで得ることが可能となる。
従って本発明方法を採る場合は、従来のCZ法による結
晶成長方法に比して、より広い単結晶引き上げ率の範囲
でより均一な不純物濃度の結晶、換言すれば電気抵抗率
特性の均一な結晶を得ることが可能となり、これを半導
体材料として使用する場合には、その歩留りが向上し、
またこれを材料とした半導体成品の特性も均一化される
等、本発明は優れた効果を奏するものである。
なお、前述した発明の原理及び実施例においては、平衡
偏析係数が1よりも小であるリンを不純物として添加し
たシリコン溶融体の場合について説明したが、平衡偏析
係数が1より大の場合についても本発明は容易に適用可
能である。
また前述の発明の原理及び実施例においては、導電性溶
融体としてはシリコン(Si) 、不純物として主とし
てリン(P)に関して説明したが、導電性物質としては
他のたとえばゲルマニウム(Ge)等、不純物としては
リン、ポロン(B)は勿論のこと、他のmb 、vb族
元素等を用いる場合にも本発明は適用可能である。
【図面の簡単な説明】
第1図Ta)は熱対流を説明する模式図、同(b)、 
tc+は水平方向磁場による熱対流の抑制作用の説明図
、第2図は従来のC2法により得られたシリコン単結晶
の引き上げ率と電気抵抗率との関係を示すグラフ、第3
図は単結晶の回転に起因する強制対流の説明図、第4図
(a)、 (b)は垂直方向磁場による強制対流の抑制
作用の説明図、第5図(al、 (blは水平方向磁場
による強制対流に対する作用の説明図、第6図(a) 
〜(h)は相互作用変数N= 0.0.1.0.3.1
.0゜3.30.100.300の場合の強制対流の各
速度成分の理論値を示すグラフ、第7図は垂直方向の磁
場 。 を印加した場合及びしない場合の実効偏析係数の理論値
及び実測値を示すグラフ、第8図は溶融体表面から垂直
方向に電流が流れ得る状態で溶融体にその表面と平行な
方向の磁場を印加した場合及びしない場合の実効偏析係
数の理論値及び実測値を示すグラフ、第9図はシリコン
溶融体に不純物としてリンを添加し垂直方向及び水平方
向に磁場を印加した場合の実効偏析係数を示すグラフ、
第1θ図は本発明方法の理論的計算例を示すグラフ、第
11.12.13及び14図は本発明の実施に使用する
ための装置を示す模式的断面図、第15図は本発明方法
により得られた結晶の評価方法を示す図である。 2・・・ヒータ 3・・・るつぼ 4・・・シリコン溶
融体5・・・シリコン単結晶 10・・・磁場印加装置
11・・・磁力線 20・・・電流回路特許出願人 住
友金属工業株式会社 外1名代理人 弁理士 河 野 
登 夫 \ cd) (0) 第 1 図 05 10 引Lす率 ) 寡 2 図 1 !”1 第 G 図(a) lJl’1 埠 G 図 (b) lZ’1 % G 口 (C) 第 6 図(江〕  Zwl 疎 6図(e) IZ”1 第 6図tf+ 第 6図 (外) 第 6図c月 ke[円 羊紹晶の回*# rL(rPyn) 第7日 菫紹晶の@魅数立(iPTrl、) 埠 8 閉 Bj、j%強度 B (T) 弓111丁°率 ル 纂 11 図 第 12図 引り牟%O−+23968 →100 hJhlf= 几cm92 8.7 78埠 +5rg
J 手続補正書(自発) 昭和60年7月9日 特許庁長官 殿 2、発明の名称 結晶成長方法 3、補正をする者 事件との関係 特許出願人 所在地 大阪市東区北浜5丁目15番地名 称 (21
1)住友金属工業株式会社代表者熊谷典文 所在地 尼崎市東浜町1番地 1丁目14番22号 日進ビル207号河野特許事務所
(電話06−779−3088)5、補正の対象 明細書の「発明の詳細な説明」の欄 6、補正の内容 「発明の詳細な説明Jの欄 (11明細書の第6頁11行目乃至122行目「起因す
る結晶欠陥が発生し、あるいはシリコンウェハの反り、
歪み等が発生する。」とあるを、「起因する結晶欠陥が
発生する。」と訂正する。 (2) 明細書の第8頁5行目に「特開昭58−509
51号」とあるを、[特公昭58−50951号]と訂
正する。 (37明細書の第10頁11行目に[特公昭57−14
9894号」とあるを、「特開昭57−149894号
」と訂正する。 (4) 明細書の第11頁4行目に「同57−1498
94号」とあるを、1−特開昭57−149894号」
と訂正する。 (5) 明細書の第11頁9行目に[特公昭57−14
9894号」とあるを、[特開昭57−149894号
」と訂正する。 (6) 明細書の第24頁4行目乃至5行目及び155
行目「別途特願昭59− 号」とあるを、[別途特願昭
59−16256号」と訂正する。 (7) 明細書の第34頁(33)式を、・exp(−
6DR” δ” ) ) ・(33)jと訂正する。 (8) 明細書の第34頁(35) 、 (36)式を
、rKe =KO/ (Ko’+ (I Ko )・・
・(35) =Ka / (Ko + (I Ko )D R+Vz
66 (9) 明細書の第36頁(40)式中にとあるを、削
除する。 α偽 明細書の第36頁(41)式中にとあるを、削除
する。 (11)明細書の第37頁(42)式を、rKe =K
a / (Ko+(1−Ko )・・・(42) J と訂正する。 (12)明細書の第37頁(42’ )式を、・・・(
42’)J と訂正する。 (13)明細書の第40頁(42” )式を、・・・(
42’)J と訂正する。 (14)明細書の第44頁(41’ )式中にとあるを
、削除する。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1、不純物を含有する導電性物質の溶融体から前記導電
    性物質の結晶を回転させつつ引き上げる結晶成長方法に
    おいて、 前記不純物の実効偏析係数を向上させるべく前記溶融体
    に所定方向の磁場を印加し、該磁場の強度を前記結晶の
    −引き上げに伴って経時的に変更することを特徴とする
    結晶成長方法。 2、前記磁場の方向は、その主成分が前記溶融体表面と
    直交する方向である特許請求の範囲第1項記載の結晶成
    長方法。 3、不純物を含有する導電性物質の溶融体から前記導電
    性物質の結晶を回転させつつ引き上げる結晶成長7方法
    において、 前記不純物の実効偏析係数を向上させるべく前記溶融体
    にその表面と平行な方向の主成分を有する磁場を印加す
    ると共に、前記磁場の印加により誘起される電流を前記
    溶融体と前記結晶との間に通電させ、前記磁場の強度を
    前記結晶の引き上げに伴って経時的に変更することを特
    徴とする結晶成長方法。 4、不純物を含有する導電性物質の溶融体から前記導電
    性物質の結晶を回転させつつ引き上げる結晶成長方法に
    おいて、 前記不純物の実効偏析係数を向上させるべく前記溶融体
    に所定方向の磁場を印加すると共に、前記結晶中に含ま
    れる不純物濃度を一定とすべく前記不純物の実効偏析係
    数が平衡偏析係数と等しくなるまで連続的に変化するよ
    うに前記磁場の強度を前記結晶の引き上げに伴って連続
    的に変更することを特徴とする結晶成長方法。 5、前記磁場の方向は、その主成分が前記溶融体表面と
    直交する方向である特許請求の範囲第4項記載の結晶成
    長方法。 6、不純物を含有する導電性物質の溶融体から前記導電
    性物質の結晶を回転させつつ引き上げる結晶成長方法に
    おいて、 前記不純物の実効偏析係数を向上させるべく前記溶融体
    にその表面と平行な方向の主成分を有する磁場を印加す
    ると共に、前記磁場の印加により誘起される電流を前記
    溶融体と前記結晶との間に通電させ、前記結晶中に含ま
    れる不純物濃度を一定とすべく前記不純物の実効偏析係
    数が平衡偏析係数と等しくなるまで連続的に変化するよ
    うに前記磁場の強度を前記結晶の引き上げに伴って連続
    的に変更することを特徴とする結晶成長方法。 7、不純物を含有する導電性物質の溶融体から前記導電
    性物質の結晶を回転させつつ引き上げる結晶成長方法に
    おいて、 前記不純物の実効偏析係数を向上させるべく前記溶融体
    に所定方向の磁場を印加すると共に、前記結晶中の不純
    物濃度を所定範囲内とすべく前記結晶中の不純物濃度が
    前記所定範囲の上限となるまでは前記不純物の実効偏析
    係数を一定となすべく、次いで前記結晶中の不純物濃度
    が前、記結晶の引き上げ開始時の濃度となる前記不純物
    の実効偏析係数となすべく前記磁場の強度を前記結晶の
    引き上げに伴って段階的に変更する操作を反復すること
    を特徴とする結晶成長方法。 8、前記磁場の方向は、その主成分が前記溶融体表面と
    直交する方向である特許請求の範囲第7項記載の結晶成
    長方法。 9、不純物を含有する導電性物質の溶融体から前記導電
    性物質の結晶を回転させつつ引き上げる結晶成長方法に
    おいて、 前記不純物の実効偏析係数を向上させるべく前記溶融体
    にその表面と平行な方向の主成分を有する磁場を印加す
    ると共に、前記磁場の印加により誘起される電流を前記
    溶融体と前記結晶との間に通電させ、前記結晶中の不純
    物濃度を所定範囲内となすべく前記結晶中の不純物濃度
    が前記所定範囲の上限となるまでは前記不純物の実効偏
    析係数を一定とすべく、次いで前記結晶中の不純物濃度
    が前記結晶の引き上げ開始時の濃度となる前記不純物の
    実効偏析係数となすべく前記磁場の強度を前記結晶の引
    き上げに伴って段階的に変更する操作を反復することを
    特徴とする結晶成長方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6385087A (ja) * 1986-09-25 1988-04-15 Sony Corp 結晶成長方法
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