JPS601804Y2 - 竪型ミル - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は竪型ミルに係り、特にミルケーシングの底部粉
砕部から排出された排石（塊状ないし粒状の未粉砕物）
をミル上部ρ分級部に移送させて分級し、排石中の細粉
を回収すると共に排石を粉砕部へ再入させるようになし
た竪型ミルに関する。

一般に竪型ミルはセメント原料、石炭等の被粉砕物を粉
砕する装置として用いられており、ミルケーシングの底
部に設けられたガス噴出口からガスを噴出させると共に
、ミル上部の細粉の取出口に連通された排風機を駆動し
てミル内を負圧に吸引して、ミル内に上昇気流を形成さ
せて粉砕部で粉砕された粉砕物をこの上昇気流により移
送し、移送される粉砕物を分級部ぜ分級しして粗粉を粉
砕部に戻しつつ細粉を取出口よりミル外に取出すように
している。

ところで、竪型ミルにおいては、粉砕処理量を増大させ
生産性の向上を図るために、ミル内の粉体濃度は非常に
高い状態で使用されており、粉体によるミル内の圧力損
失が大きく、排風機に大動力を必要とし、これが竪型ミ
ルのランニングコストを高める大きな要因となっている
。

これを解決するために、ガス噴出から噴出される気体の
風速を下げて圧力損失を低減させようとすると、粉砕部
からガス噴出口へと落下し排出される排石量が増加し、
排石に付着している相当量の細粉を無駄に排出すること
になってしまう。

本考案は以上のような従来の問題点を有効的に解決すべ
く創案されたものであり、その目的は、排石に含まれる
細粉を回収できると共に、ランニングコストを大幅に低
減し得る竪型ミルを提供することにある。

本考案によれば、竪型ミルの性能を維持できる範囲でガ
ス噴出口から噴出される気体の風速を出来るだけ下げて
下げて圧力損失を小さくし、排出された排石を分級部に
移送して分級させて、排石中の細粉を回収し、竪型ミル
の粉砕処理能力の増大とランニングコストの低減を図っ
ている。

以下に本考案の好適一実施例を添付図面に基づいて詳述
する。

図示する如く、１は筒状のミルケーシングであり、その
底部にはセメント原料、石炭等の粉砕物を粉砕する粉砕
部２が形成されている。

粉砕部２は水平に回転駆動自在に設けられた回転テーブ
ル３と、この回転テーブル３上面に施された環状の溝上
に、これに沿って適宜間隔に圧接かれつつ回転自在に設
けられた複数個の粉砕ローラ４とから主に構成されてい
る。

回転テーブル３上に被粉砕物たる原料を供給すべく、テ
ーブル３上にその投入口を臨ませて原料供給シュート５
がケーシング１を貫通させて配設されている。

シュート５より供給されテーブル３とローラ４との間で
粉砕された粉砕物Ｐをケーシング１上方に熱気流ととも
に移送するために、熱ガス供給用の環状ダクト６が回転
テーブル３の下側全周に配設されると共に、テーブル３
外側のケーシング１の内周壁７そテーブル３外周部との
間には環状の熱ガスの噴出口９が形成されている。

ミルケーシング１上部には、粉砕部２で粉砕され上昇気
流とともに移送される粉砕物Ｐを分級すると共に、後述
するように噴出口９から排出され移送されてきた排石を
分級する分級部１０が設けられている。

分級部１０はミルケーシング１上部に設けられた、はぼ
逆円錐状の内筒１１と、ケーシング１の上壁１２から懸
垂され内筒１１内に挿入された管体１３と、この管体１
３を挿通し上壁１２から垂下された回転軸１４と、この
回転軸１４の下端部に取り付けられその半径外方に延出
して形成された分散板１５と、分散板１５上に、これに
支持アーム１６を介して支持され、管体１３を囲繞する
ように、内筒１１内と内筒１１外とに上下に位置させて
それぞれ複数枚設けられた粉砕物分級羽根１７と排石分
級羽根１８とから主に構成されている。

また、回転軸１４の上端部には、これを駆動するモータ
１９が連設され、内筒１１の側壁には、内筒１１内に熱
ガスを供給するための供給管２０がケーシング１を貫通
して接続されている。

さらに、内筒１１内下部には、上記噴出口９からの上昇
熱気流が侵入しないように、円錐状のヘッド２１とこの
底部周縁部に枢支されて懸垂された複数枚のダストベー
ン２２とが設けられている。

一方、ミルケーシング１外には、回転テーブル３と粉砕
ローラ４との間で粉砕されずにテーブル３から落下し、
噴出口９、環状ダクト６を通って排出される未粉砕物た
る排石Ｓをミルケーシング１上部へと搬送するための竪
型コンベヤ２３が設けられている。

環状ダクト６と竪型コンベヤ２３の下側部との間には、
環状ダクト６の排石Ｓを竪型コンベヤ２３へと排出する
ための排石排出シュート２４が設けられ、さらに竪型コ
ンベヤ２３により上方に搬送された排石Ｓを上記管体１
３内に投入すべく、排石投入シュート２５がミルケーシ
ング１を貫通させ、コンベヤ２３と管体１３との間に介
設されている。

また、ケーシング１の上端部には分級された細粉を排出
するための排出管２６が連設され、排出管２６にはケー
シング１内のガスを吸引する排風機（図示せず）が接続
されている。

排風機により吸引されて負圧となったケーシング１内に
外気を漏入させないように、原料供給シュート５、排石
排出シュート２４、排石投入シュート２５には、それぞ
れシールダンパ２７，２７．２７が設ケラれている。

２８は回転テーブルに電動機の回転を減速して伝達する
減速機である。

なお、本実施例においては、竪型コンベヤ２３と排石排
出シュート２４と排石投入シュート２５とから循環通路
２９は構成されている。

また環状ダクト６が未粉砕物回収部であり、未粉砕物排
出用のスクレーパ等が設けられている。

次に本実施例の作用について述べる。

まず、排出管２６に接続された排風機の作動により吸引
されケーシング１内は負圧とされると共に、噴出口９か
ら熱ガスが噴出されケーシング１内には上昇熱気流が形
成される。

次に、原料供給シュート５から回転テーブル３上に原料
が供給され、原料は回転テーブル３とこの回転に追従し
て回転する粉砕ローラ４との間で粉砕され、粉砕された
粉砕物Ｐは上昇熱気流によりケーシング１上方に移送さ
れる。

ケーシング１上部へと移送された粉砕物Ｐは回転軸１４
の回転とともに分散板１５、支持アーム１６を介して回
転駆動される粉砕物分級羽根１７により分級される。

粉砕物Ｐ中の粗粉は分級羽根１７に叩かれてケーシング
１の内周壁７に突き当りこれに沿って流下し粉砕部２へ
と戻される。

一方、粉砕物Ｐ中の細粉は分級羽根１７を通過し排出管
２６内に吸引されケーシング１外に取り出される。

一方、回転テーブル３と粉砕ローラ４との間で粉砕され
ずにテーブル３から噴出口９へ落下した排石Ｓは環状ダ
クト６、排石排出シュート２４を通って竪型コンベヤ２
３に排送される。

排石Ｓは竪型コンベヤ２３によりその上方へと搬送され
、排石投入シュート２５から管体１３内に投入され、管
体１３に導かれ憤散板１５上に供給される。

供給された排石Ｓはモータ１９の作動により回転軸１４
を介して回転駆動される分散板１５によりその外側へと
飛散され、供給管２０から内筒１１に供給され内筒１１
内を上昇する熱ガスによって吹き上げられる。

吹き上げられた排石Ｓ中の粗粉ないし粗粒は分散板１５
に設けられた排石分級羽根１８により内筒１１の内側壁
へと飛ばされ、内壁に沿って内筒１１内を流下し、一方
、排石Ｓ中に含まれる細粉は分級羽根１８上方へと上昇
し排出管２６によりケーシング１外に取り出される。

分級された排石は流下しダストベーン２２と内筒１１壁
との間に一時蓄えられ、一定量堆積されると、ダストベ
ーン２２が回動して開き、分級されてその中に含まれて
いた細粉が回収された排石は再び粉砕部２に戻される。

このように、本実施例においては、回転テーブル３から
落下し排出される排石Ｓを循環通路２９で分級部１０へ
と移送し、排石Ｓに含まれる細粉を回収しているので、
従来のように排石をそのまま粉砕部に戻し細粉が過粉砕
されることがなくなり粉砕動力の無駄をなくすことがで
きると共に、噴出口９から噴出される熱ガスの風速を低
下させることにより排石Ｓの排出量が増加しても何ら心
配なく、排風機動力を軽減しうる。

以上の説明で明らかなように本考案によれば次のような
優れた効果を発揮する。

（１）粉砕部から排出される未粉砕物（排石）に含まれ
る細粉を回収でき、粉砕動力を低減し得ると共に、粉砕
処理能力を増大できる。

（２）排石中の細粉を回収しているため、ミル内の上昇
気流の風速を低下させた際に排石量が増加してもなんら
問題とならず、排風動力の大幅な低減を図れる。

（３）構造簡単であり、また既存の装置をわずかに変更
するだけで実施でき実用性に富む。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る竪型ミルの一実施例を示す概略断面
図である。 図中１はミルケーシング、２は粉砕部、６は未粉砕物回
収部（環状ダクト）、１０は分級部、２９は循環通路、
Ｐは粉砕物、Ｓは未粉砕物（排石）である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ミルケーシングの底部に設けられた被粉砕物を粉砕する
   粉砕部と、該粉砕部の上方に設けられ上昇気流により移
   送され上記粉砕部で粉砕された粉砕物を細粉と粗粉とに
   分級して粗粉を再度粉砕部に移送する分級部とを有する
   竪型ミルにおいて、上記ミルケーシングの底部に設けら
   れ上記粉砕部から排出される未粉砕物を回収する未粉砕
   物回収部と、該回収部からの未粉砕部物を上記分級部へ
   移送する循環通路とを備えて、上記分級部で未粉砕物に
   含まれる細粉を分級すると共に未粉砕部物を粉砕部へ再
   入させるように構成したことを特徴とする竪型ミル。