JPS6016827Y2 - 液体燃料燃焼装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は液体燃料を回転霧化して燃焼するようにした液
体燃料燃焼装置に関し、特に、燃料の霧化性能の向上を
図った燃焼装置に関する。

この種、回転霧化方式の液体燃料燃焼装置においては、
燃焼用空気供給用の送風機のモータ軸１先端に回転霧化
用の微粒化器２と攪拌用の羽根３とを固定して備え、羽
根３と共に高速で回転する微粒化器２に燃料供給管４か
らの液体燃料を滴下供給することにより、液体燃料を気
化室５内周面に飛散させる即ち、霧化して気化室５に供
給するようにしている。

そして、燃料は電磁ポンプ（図示せず）の間欠的な駆動
により脈動しながら滴下供給されるため、従来、微粒化
器２を発泡状部材を用いて形成して燃料をある程度微粒
化器２に含浸させることにより、その脈動を吸収して平
滑に飛散させるようにし、均一な微粒化を行なうように
していた。

しかしながら、このような構造であると、燃料供給を停
止した時、微粒化器２に滴下した燃料が残留し、この残
留した燃料を該微粒化器２を回転して遠心力で全部振り
切る迄には相当に時間がかかる。

この場合、徐々に空気過剰となって消火するが、その後
も多くの生ガスが燃焼室６に入り機外に排出されてしま
う欠点があった。

微粒化器２の他の従来例として第２図に示す構造のもの
もある。

この微粒化器２はテーパ管２Ａとこれらの大径部側の微
粒化板２Ｂとからなるもので、燃料供給管４からテーパ
管２Ａに滴下供給された燃料は、該テーパ管２Ａ表面を
伝わって微粒化板２Ｂに至り、該微粒化板２Ｂ外周部よ
り飛散するようになっている。

かかる構造では、テーパ管２Ａ及び微粒化板２Ｂに残留
する燃料は非常に少ないが、その反面、微粒化板２Ｂか
ら第１図に示す気化室５内周に飛散する燃料の巾が非常
に狭いため、気化遅れを呈し、バーナ７へ気化し切れな
い燃料が供給されてしまい燃焼状態が不安定になり易く
、燃焼範囲も狭くなる欠点があった。

そこで、本考案は以上のような従来の実情に鑑み、微粒
化器の構造の改良を行なって、燃料供給停止時微粒化器
における残留燃料を少なくすると共に、気化室内部に充
分大きな巾（面積）をもって燃料が飛散されるようにし
、燃料の霧化性能を向上して安定した燃焼状態を得るよ
うにした液体燃料燃焼装置を提供するものである。

以下、本考案の実施例を第３図及び第４図に基づ′いて
説明する。

第３図において、１０は燃焼用空気供給用送風機のケー
シング、１１は燃焼箱、１２は燃焼箱１１内に形成され
た気化室、１３はその本体で、１４及び１５の支持板に
より燃焼箱１１に固定支持されている。

１６は気化室本体１３に埋設された電気ヒータ、１７は
上記送風機の駆動モータ軸１８の先端外周に嵌合固定さ
れ、気化室１２内において回転駆動される本考案の対象
とする微粒化器で、その構造の詳細は後述する。

１９は駆動モータ軸１８先端の微粒化器１７より前方に
ねじ１９Ａ止めされた霧化燃料攪拌用の羽根、２０は微
粒化器１７に向けて液体燃料を滴下するための燃料供給
管、２１は気化室本体１３の先端開口部に配設されたバ
ーナ、２２は燃焼室である。

そして、図示しない燃料タンクから電磁ポンプを介して
供給される液体燃料は燃料供給管２０先端から送風機の
駆動モータ軸１８により高速で回転駆動されている微粒
化器１７に向けて滴下供給されて該微粒化器１７から飛
散され、かつ攪拌用羽根１９により攪拌されて気化室１
２内周面に至り加熱気化される。

一方、送風機の駆動によって外部空気が燃焼用空気とし
てケーシング１０内に導かれ気化室１２内に供給される
。

すると、この燃焼用空気と前記気化した燃料とが混合し
て混合ガスを形成し、バーナから噴出後着火されて燃焼
室２２内において燃焼される。

次に、微粒化器１７の構造を第４図Ａ、 Ｂに基づいて
説明する。

即ち、図において微粒化器１７は円錐台形状の１７Ａの
燃料供給部と該燃料供給部１７Ａの大径側端部に一体に
張り出し形成された１７Ｂの燃料飛散部とから構成され
る。

燃料供給部１７Ａの外周面は比較的テーパ角の小さなテ
ーパ面１７ａに形成する。

。燃料飛散部１７Ｂは円柱体状に形成すると共に、この
円柱体外周面を円周方向に等分し、夫々の部位に上記燃
料供給部１７Ａのテーパ面１７ａと同方向のテーパ面１
７ｂを形成する。

かかる構成の微粒化器１７によれば、燃料の供給時、燃
料は燃料供給管２０から高速回転している燃料供給部１
７Ａのテーパ面１７ａに間欠的に滴下される。

該燃供給部１７Ａの外周面は比較的小さなテーパ角のテ
ーパ面１７ａに形成しであるから、滴下される燃料はわ
ずかに残留し、この結果、燃料の脈動が吸収され平滑流
となり、テーパ面１７ａに沿って燃料飛散部１７Ｂに至
る。

燃料はこの燃料飛散部１７Ｂの外周にテーパ面１７ｂを
形成することにより回転時形成される２次曲面上に導か
れて液膜を形成し、気化室１２内に向けて巾広く飛散さ
れ微粒化される。

特に、このように燃料飛散部１７Ｂを、円柱体外周面を
円周方向に等分し、この等分した夫々の部にテーパ面１
７ｂを設けた構成にしたから、燃料飛散部位が連続的に
広がりを持つことになり、飛散される燃料の粒子径をよ
り小さくすることができるという利点がある。

以上のように、燃料供給部１７Ａにおいて、燃料の脈動
を吸収して平滑流とすると共に燃料飛散部１７Ｂにおい
て、液膜を形成し気化室１２内に向けて巾広く飛散させ
ることにより、燃料を該気化室１２内において均一に微
粒化して均一な気化を安定して行うことができ、従来の
ように気化遅れを生じることなくバーナ２１へ気化し切
れない燃料が飛散することがなくなり、この結果安定し
た燃焼状態を得、燃焼範囲の拡大を図れる。

又、燃料停止時微粒化器１７において、燃料は非常にわ
ずかに残留するだけであるから、燃焼室２２に入り込ん
で機外に排出される生ガスの量を従来に比べ大巾に抑え
ることができる。

本考案は以上説明したように微粒化器の流れを平滑化す
る燃料供給部を燃料の液膜を形成して気化室に巾広く飛
散させる燃料飛散部とで構成したことにより、燃料を気
化室内において均一にかつ充分に気化させて安定した燃
焼状態を得、安定燃焼範囲の拡大を図ることができる。

又、燃料供給停止時、燃料供給停止時において燃料が極
めて少量しか残留しないから、従来のように生ガスが燃
焼室に流入して機外に排出されるのを抑制することがで
きる。

更に、本考案の微粒化器は、燃料飛散部を円柱体状に形
成すると共に、該円柱体外周面を円周方向に等分し、等
分された各部位に燃料供給部のテーパ面と同方向のテー
パ面を形成したから、飛散される燃料の粒子径をより小
さいものとでき、気化性をより向上できるという利点が
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の液体燃料燃焼装置の一例構造を示す断面
図、第２図は同上微粒化器の他の実施例を説明する図、
第３図は本考案に係る液体燃料燃焼装置の一例構造を説
明する断面図、第４図同上装置における微粒化器の実施
例を示す図で、夫々Ａは正面図、Ｂは側面図である。 １２・・・・・・気化室、１７・・・・・・微粒化器、
１７Ａ・・・・・・燃料供給部、１７ａ・・・・・・テ
ーパ面、１７Ｂ・・・・・・燃料飛散部、１７ｂ・・・
・・・テーパ面。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 液体燃料を回転する微粒化器に滴下供給することにより
   微粒化するようにした液体燃料燃焼装置において、前記
   微粒化器を燃料が滴下供給される燃料供給部と燃料を飛
   散させる燃料飛散部とで構威し、燃料供給部を燃料飛散
   部に向けて大径となるテーパ面を外周に有した形状に構
   成すると共に、燃料飛散部を円柱体状に形成すると共に
   、該円柱体外周面を円周方向に等分し、等分された夫々
   の部位に前記燃料供給部のテーパ面と同方向のテーパ面
   を形成したことを特徴とする液体燃料燃焼装置。