JPS6016045Y2 - 絶縁母線における接続部の絶縁カバ− - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、特に高電圧用に適した絶縁母線における接続
部の絶縁カバーに関する。

従来の技術 一般に、配電盤等における母線は、通電される電流の高
電圧化および配電盤等の縮小化に対処するために絶縁被
覆された絶縁母線が用いられている。

従来、絶縁母線の接続部を配電盤等の接地構造物に対し
て充分な絶縁特性を保持させるために、第１図に示すよ
うに二つ割りの絶縁カバー１が用いられている。

すなわち、水平に延伸した絶縁主母線２，３の接続部２
ａ、３ａは、第２図、第３図に示すように、接続片４を
介して適宜に接続されるとともに、両接続部２ ａｔ
３ ａには、下方に延伸した絶縁分岐母線５がその接
続部５ａを介して適宜に接続されている。

そして互いに接続された各絶縁主母線２，３の接続部２
ａｗ３ａおよび絶縁分岐母線５の接続部５ａは、周辺に
各絶縁母線２，３および５を挿入するための切欠部を有
する二つ割りにした箱形状のカバー片１ａ、１ｂからな
る前記絶縁カバー１によって被覆されている。

絶縁カバー１は、合成樹脂等の絶縁材からなるもので、
各カバー片１ａ、ｌｂは、プラスチック製のボルト、ナ
ツトのごどき絶縁性の締結具６により締め付けられると
ともに、その中空部には、上辺に設けた充填剤注入孔７
から絶縁性充填剤８を注入し、各接続部２ａ、３ａおよ
び５ａ等を一体的に固化させている。

なお、第１図において、９で示すのは、各絶縁母線２，
３および５を接地構造物（図示省略）に対して支持する
ための支持金具で、適宜絶縁母線２をボルト等の締結具
１０を介して挾持する対をなす支持片９ａｖ９ｈからな
り、この支持金具９は、絶縁碍子１１を介して接地構造
物に取り付けられているものである。

考案が解決しようとする問題点 しかるに、上述した従来の絶縁カバー１においては、絶
縁性充填剤８として、−液性のものと二液性のらのとが
あり、−液性のものの場合には、完全に固化するまでに
２〜３日を要し、二液性のものの場合には、固化に要す
る時間を短縮できるものの、調合、脱泡処理等に対処す
るために注入作業に熟練を要する問題がある。

また、上述した絶縁カバー１は、注入した絶縁性充填剤
が一且固化してしまうと、試験および点検の結果により
各絶縁母線２，３および５の接続部２ａ＊３ａおよび５
ａの接続不良や、絶縁カバー１の接合不良等を発見し、
手直しをする場合、あるいは工場で組み立てて試験した
後に分解して輸送する場合には、各絶縁母線の接続部お
よび絶縁カバーが充填剤により完全に一体固化している
ために分解することができず、これらをすべて別のもの
と交換しなければならない等の問題がある。

問題点を解決するための手段 かかる問題点を解決すべく本考案は、絶縁母線の接続部
を絶縁収納すべく内部に母線収納凹部を設けてなる絶縁
母線における接続部の絶縁カバーにおいて、前記絶縁カ
バーを絶縁材からなる二つ割りのカバー片により形成し
、これら各カバー片の接合面に、前記母線収納凹部と絶
縁カバー外部とを連通ずるとともに絶縁母線を挿通可能
にして絶縁母線と係合自在の母線係合凹部をそれぞれ設
け、各カバー片におけるこれら母線係合凹部の外周縁に
絶縁シール剤を塗布するための段部を設け、各カバー片
における母線収納凹部以外の接合面に少なくとも二重に
重なり合って相互に係合自在の突起および切欠部の双方
あるいはいずれか一方を設けたものである。

作用 かかる構成の絶縁カバーによれば、絶縁母線の充電部と
なる接続部を接地構造物に対して充分な絶縁特性を有し
て遮弊することができる。

しかも、この遮弊にあたり、絶縁被覆が施された絶縁母
線を挿通ずる部分は極めて簡単な構造としており、他の
部分は二重以上に重なり合って係合する突起と切欠部と
により充分に密閉されて絶縁遮弊され、効率よい構成と
なって特に高電圧に適している。

また、この絶縁カバーは、各カバー片を接合することに
より容易に組立てでき、かつ絶縁母線等を損なうことな
く容易に分解することができる。

実施例 以下、本考案を第４図以降の図に示す一実施例に基づき
詳細に説明する。

第４図、第５図は、支持碍子１２等を介して配電盤のご
とき接地構造物（図示省略）に支持された絶縁主母線１
３．１４および絶縁分岐母線１５の接続部分を被覆した
本考案に係る絶縁カバー１６の正断面図および側断面図
である。

各絶縁主母線１３．１４および絶縁分岐母線１５は、絶
縁被覆を剥離されたそれぞれの接続部１３ａ、１４ａお
よび１５ａを重ね合せるとともに、それらを挿通し、か
つほぼＬ字状に屈曲した取付支持金具１７の取付部１７
ａに螺入したボルトのごとき複数の締結具１８を介して
緊密に接続されている。

そして取付支持金具１７の支持部１７ｂは、前記支持碍
子１２の接続端部１９との間に円板状のカバー支持部材
２０を介在せしめて皿ビスのごとき締結具２１を介して
取り付けられている。

前記絶縁カバー１６は、合成樹脂等の絶縁材からなるも
ので、第６図に示すように組み合せられるほぼ半円柱状
の二つ割のカバー片１６ａ、１６ｂから構成されている
。

一方のカバー片１６ａは、第７図、第８図、第９図、第
１０図および第１７図に示すように、一端に大径部２２
を有するほぼ半円柱状に形成されており、接合面２３に
は、前記各絶縁主母線１３．１４および絶縁分岐母線１
５の各接続部１３ａｔ１４ａおよび１５ａ等を収納する
ための半円形状の母線収納凹部２４が、第７図、第８図
および第１７図において上下方向に形成されており、そ
の一端部付近の内周面には、前記カバー支持部材２０の
外周縁と係合する半周溝２５が形成されているとともに
、母線収納凹部２４の一端は、大径部２２と対応した接
合面２３に形成した大径の碍子収納凹部２６と連通され
ている。

碍子収納凹部２６は、前記支持碍子１２の一端を囲繞し
て収納するためのもので、接合面２３側の開口端部には
切欠部２７が形成されている。

前記母線収納凹部２４の両側における接合面２３には、
この凹部２４および外側方に連通した半長円形状の主母
線係合凹部２Ｂ、２９が設けられている。

各主母線係合凹部２Ｂ、２９は、前記各絶縁主母線１３
，１４が挿通係合するためのもので、このカバー片１６
ａの外面における各主母線係合凹部２８，２９の周縁に
は、段部３０．３１が形成されている。

各段部３０．３１は、両力バー片１６ａ、１６ｂの接着
を兼ねるとともに接合部における絶縁耐力を高めるため
の絶縁シール剤３２（第４図、第５図参照）が充填塗布
されるものである。

また、前記母線収納凹部２４の他端には、接合面２３よ
り適宜に突出した矩形状の突起３３が形成されており、
その端部には、前記絶縁分岐母線１５を係合せしめるた
めのほぼ半長円形状の分岐母線係合凹部３４が形成され
ている。

分岐母線係合凹部３４に沿った突起３３の外面（第７図
、第８図において下面）には、他方のカバー片１６ｂと
相俟って合せ溝を形成する段部３５が形成されている。

また、カバー片１６の端部（第７図、第８図および第１
７図において下端部）における突起３３の両側には、矩
形状の切欠部３６がそれぞれ形成されている。

前記他方のカバー片１６ｂは、第１１図、第１２図、第
１３図、第１４図および第１８図に示すように、一方の
カバー片１６ａとほぼ同様に形成されている。

すなわち、カバー片１６ｂは、一端に大径部３７を有す
るほぼ半円柱状に形成されており、前述した一方のカバ
ー片１６ａの接合面２３と当接される接合面３８には、
前記各絶縁主母線１３．１４および絶縁分岐母線１５の
接続部１３ａ９１４ａおよび１５ａ等を収納するための
半円形状の母線収納凹部３９が、第１１図、第１２図お
よび第１８図において上下方向に形成されており、その
一端部付近の内周面には、前記カバー支持部材２０の外
周縁と係合する半周溝４０が形成されているとともに、
母線収納四部３９の一端は、大径部３７において一端側
に開口せしめて形成した半円形状の大径の碍子収納凹部
４１と連通されている。

碍子収納凹部４１は、一方のカバー片１６ａのそれと相
俟って前記支持碍子１２の一端を収納するためのもので
、前記母線収納凹部３９と連通することにより、大径部
３７は断面り字形をしたほぼ半円環状に設けられており
、その両端部には、一方のカバー片１６ａにおける切欠
部２７と係合自在の突起４２が、接合面３８から突出し
て設けられている。

なお、各突起４２の外側における接合面３８から先端側
は、一方のカバー片１６ａの切欠部２７と係合すべく大
径部３７の外径より適宜に小さく形成されている。

前記母線収納凹部３９の両側における接合面３８には、
この凹部３９および外側方に連通した半長円形状の主母
線係合凹部４３，４４が設けられている。

各主母線係合凹部４３，４４は、一方のカバー片１６ａ
の主母線係合凹部２８，２９とともに各絶縁主母線１３
．１４の挿入口となるもので、それぞれの外周縁および
この外周縁に連なる接合面３８の外側縁には、一方のカ
バー片１６ａの各段部３０．３１と協働して、前記絶縁
シール剤３２を塗布するための合せ溝となる段部４５゜
４６がそれぞれ形成されている。

また、母線収納凹部３９の他端、すなわちカバー片１６
ｂの他端（第１１図、第１８図および第２図において下
端）両側には、一方のカバー片１６ａの切欠部３６，３
６と係合自在のほぼ矩形状の突起４７．４７が接合面３
８から突出して形成されており、両突起４７間には、一
方のカバー片１６ａにおける突起３３を係合自在のほぼ
矩形状の切欠部４８が形成されている。

そして、切欠部４８の底部には、一方のカバー片１６ａ
の分岐母線係合凹部３４と協働して絶縁分岐母線１５の
挿入口となるほぼ半長円形状の分岐母線係合凹部４９が
形成されている。

また、分岐母線係合凹部４９の外周縁および切欠部４８
、突起４７の外周縁には、一方のカバー片１６ａの段部
３５と協働して、絶縁シール剤３２を塗布するための合
せ溝となる段部５０が、前記各段部４５．４６と連続し
て形成されている。

以上の構成により本考案に係る絶縁カバー１６により取
付支持金具１７および支持碍子１２を介して接続支持さ
れた絶縁主母線１３．１４および絶縁分岐母線１５の接
続部１３ａ、１４ａおよび１５ａを絶縁被覆するには、
まず、一方のカバー片１６ａの半円周溝２５をカバー支
持部材２０に係合し、碍子収納凹部２６に支持碍子１２
の下端を収納するとともに、母線収納凹部２４、各主母
線係合凹部２８，２９および分岐母線係合凹部３４に、
各絶縁母線１３，１４，１５の接続部１３ａ？ １４
ａ、１５ａと取付支持金具１７、各絶縁主母線１３．１
４および絶縁分岐母線１５をそれぞれ係合せしめる。

なお、この状態において支持碍子１２の接続端部１９は
、第４図、第５図に示すように、母線収納凹部２４の一
端部に係合されているものである。

ついで、他方のカバー片１６ｂの接合面３８を一方のカ
バー片１６ａのそれと対向せしめるとともにその半周溝
４０をカバー支持部材２０に係合腰両接合面２３．３８
を当接するとともに、突起４２を一方のカバー片１６ａ
の切欠部２７に、切欠部４８を一方のカバー片１６ａの
突起３３に、また、突起４７を一方のカバー片１６ａの
切欠部３６にそれぞれ第６図、第１５図および第１６図
に示すように係合せしめて、各カバー片１６ａ、１６ｂ
を組合せる。

なお、碍子収納凹部４１には支持碍子１２の端部、母線
収納凹部３９には各絶縁主母線１３．１４の接続部１３
ａｔ１４ａおよび絶縁分岐母線１５の接続部１５ａと取
付支持金具１７、また、各主母線係合凹部４３，４４お
よび分岐母線係合凹部４９には各絶縁主母線１３．１４
および絶縁分岐母線１５がそれぞれ係合あるいは収納さ
れているものである。

そして、上述したごとく組み合された各カバー片１６ａ
、１６ｂからなる絶縁カバー１６における各段部３０．
３１および４５，４６および５０からなる合せ溝には、
絶縁シール剤３２が充填塗布されるものである。

考案の効果 以上のように本考案の絶縁母線における接続部の絶縁カ
バーによれば、二つ割りのカバー片の接合面に、絶縁母
線の接続部を収納する母線収納凹部と絶縁カバー外部と
を連通ずるとともに絶縁母線を挿通可能にして絶縁母線
と係合自在の母線係合凹部をそれぞれ設け、各カバー片
におけるこれら母線係合凹部の外周縁に絶縁シール剤を
塗布するための段部を設け、各カバー片における母線収
納凹部以外の接合面に少なくとも二重に重なり合って相
互に係合自在の突起および切欠部の双方あるいはいずれ
か一方を設けているので、絶縁母線の接続部を他の絶縁
被覆部分と同等の絶縁耐力を保持せしめて被覆すること
ができる。

しかも、この絶縁遮弊を行なうにあたり、絶縁被覆が施
された絶縁母線を挿通する部分は極めて簡単な構造とな
っており、他の部分、すなわちより完全な絶縁遮弊が望
まれる部分は二重以上に重なり合って係合する突起と切
欠部どにより充分に密閉され、耐コロナ性、耐電圧特性
、耐トラツキング性等が良好に確保され、効率のよい構
成であって、高電圧用として最適である。

また、二つ割りのカバー片からなる絶縁カバーの組み立
て作業をボルト、ナツト等の締結具を用いることなく極
めて容易に行なうことができる。

さらに、母線係合凹部の外周縁に設けた段部に例えば粘
着性の絶縁シール剤を充填塗布することにより、各カバ
ー片を接着することができるとともに、絶縁カバーによ
る絶縁母線の接続部の絶縁耐力を一層向上せしめること
ができ、かつ、絶縁カバーの分解を容易に行なうことが
できる等の効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図、第２図および第３図はそれぞれ絶縁母線の接続
部を遮弊した従来の絶縁カバーの斜視図、縦断面図およ
び横断面図、第４図、第５図は支持碍子等を介して接地
構造物に支持された絶縁母線の接続部を被覆した本考案
に係る絶縁カバーの正断面図および側断面図、第６図は
本考案に係る絶縁カバーの側面図、第７図、第８図、第
９図および第１０図はそれぞれ本考案に係る一方のカバ
ー片の正面図、側面図、平面図および底面図、第１１図
、第１２図、第１３図および第１４図はそれぞれ本考案
に係る他方のカバー片の正面図、側面図、平面図および
底面図、第１５図、第１６図はそれぞれ本考案に係る絶
縁カバーの平面図および底面図、第１７図および第１８
図はそれぞれ本考案に係る各カバー片の斜視図である。 １３．１４・・・・・・絶縁主母線、１３ａ、１３ｂ・
・・・・・接続部、１５・・・・・・絶縁分岐母線、１
５ａ・・・・・・接続部、１６ａ、１６ｂ・・・・・・
カバー片、２３・・・・・・接合面、２４・・・・・・
母線収納凹部、２７・・・・・・切欠部、２８．２９・
・・・・・主母線係合凹部、３０．３１・・・・・・段
部、３２・・・・・・絶縁シール剤、３３・・・・・・
突起、３４・・・・・・分岐母線係合凹部、３５・・・
・・・段部、３６・・・・・・切欠部、３８・・・・・
・接合面、３９・・・・・・母線収納凹部、４２・・・
・・・突起、４３，４４・・・・・・主母線係合四部、
４５，４６・・・・・・段部、４７・曲・突起、４８・
・・・・・切欠部、４９・・・・・・分岐母線係合凹部
、５０・・・・・・段部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 絶縁母線の接続部を絶縁収納すべく内部に母線収納凹部
   を設けてなる絶縁母線における接続部の絶縁カバーにお
   いて、前記絶縁カバーを絶縁材からなる二つ割りのカバ
   ー片により形威し、これら各カバー片の接合面に、前記
   母線収納凹部と絶縁カバー外部とを連通ずるとともに絶
   縁母線を挿通可能にして絶縁母線と係合自在の母線係合
   凹部をそれぞれ設け、各カバー片におけるこれら母線係
   合凹部の外周縁に絶縁シール剤を塗布するための段部を
   設け、各カバー片における母線収納凹部以外の接合面に
   少なくとも二重に重なり合って相互に保合自在の突起お
   よび切欠部の双方あるいはいずれか一方を設けたことを
   特徴とする絶縁母線における接続部の絶縁カバー。