JPS6014971B2 - 窒素酸化物の除去方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は窒素酸化物の除去方法に関し、詳しくは、ダス
トを含む排ガスをＮＨ３接触還元方式の脱硝装置を通し
て行なう窒素酸化物の除去方法に関するものである。

例えば火力発電プラントにおいては、第１図に示すよう
に、排ガス特に石炭焚ボィラａの排ガス（燃焼排ガス）
が多量のダストを含むため脱硝装置（ＮＨ３接触還元方
式つまり乾式脱硝装置．ｃにおいてダストによる脱硝触
媒の目詰り、ダストによる磨耗等の支障が生ずるので、
この防止対策として図示のように脱硝装置ｃの上流に前
処理集塵装置ｂを設置する方式がある。

尚図中ｄは脱硝装置ｃの下流に設置される気体予熱器（
通常“ＡＨ’’と呼ばれている）、ｅは後処理集塵装置
、ｆは脱硫装置、ｇは煙突である。

しかし上述のような方式では、ＡＨ（ｄ）の運用につい
てみると、脱硝装置ｃからのりークＮＨ３（脱硝に使用
されたＮＨ３のリーク分）が、ＡＨ（ｄ）において、排
ガス中の硫黄酸化物と反応して酸性硫安を生じせしめ、
該酸性硫安によりＡＨェレメントへの付着、閉塞問題を
起す。

これによりＡＨ（ｄ）のスートブロワ頻度が大となり使
用蒸気量、又は空気量の増大による運転費の増大、又は
水洗にともなう運転面での不都合がある。一方ＡＨ（ｄ
）の運用をスムーズにするため脱硝装置の上流側に前処
理集塵装置ｂを設置しないことも考えられるが、この場
合には脱硝装置ｅがダスト対策のため非常に大型化し使
用触媒量が膨大となり、また高コストとなるため触媒磨
耗量が増大して触媒寿命を縮める結果となり、ランニン
グコストが高くなる、等の問題がある。上述のように、
火力発電プラント等に乾式脱硝装置を設置する場合、石
炭焚燃焼排ガスのように高コスト排ガスの処理について
は、｛ィーダストによる脱硝用触媒の目詰り、ダストに
よる磨耗の防止対策が必要である。

また仰ＡＨの運用面においては、酸性硫安によるＡＨェ
レメントへの付着、閉塞問題がある。そこで上記｛ィ｝
項のみについて対策を考えると、前述のように脱硝装置
の上流に前処理集塵装置を設置する対策手段があるが、
これでは前述のようにＡＨの閉塞という問題が生じてし
まう。

また上記（ｏ〕項のみについて対策を考えると、９Ｅガ
ス中のダストが多量であればサンドブラスト的効果があ
りこれにより対策可能なことを本発明者は見し、出した
。

しかしこの場合いったん付着した酸性硫安を高ダストに
よる洗浄効果つまりサンドブラスト的効果で吹き飛ばす
ためにはＡＨの上流側に前処理集塵装置を設置せず高ダ
スト排ガスでの運用が望ましいのであるが前述の如き高
ダストによる触媒磨耗量の増大という問題が生じてしま
つｏ本発明は、以上のように脱硝装置の上流側に前処理
集塵装置を設置する、設置しないという相反する技術手
段により生ずる問題を解決するため、ＡＨの保護対策と
脱硝触媒の磨耗対策の両方を同時に達成することを目的
としてなしたもので、ダストを含む排ガスを前処理集塵
装置、乾式脱硝装置、気体子熱装置、後処理集塵装置の
組合せによる脱硝プロセスにおいて、前処理集塵装置で
浦集したダストを乾式脱硝装置をバイパスさせて気体子
熱装置にその上流から注入することを特徴とする窒素酸
化物の除去方法に係るものである。

以下図面を参照しつつ本発明の実施例を説明する。第２
図は本発明の一実施例として、特にダスト量の多い石炭
焚ボィラを設置した火力発電プラントにおける脱硝プロ
セスに適用した場合の例を示すフローシートである。

図中、１は石炭焚ボィラ、２は前処理集塵装置（例えば
マルチサイクロン集塵器）３は該集塵装置２の下流に位
置する通常の乾式脱硝装置、４はＡＨ（或はＧＧＨ（ガ
スガスヒータ）等のような気体子熱装置）であり、石炭
焚ボィラ１からの高ダストの排ガスが前処理集塵装置２
、乾式脱硝装置３、ＡＨ４に順に流れるようになってい
る。更にこのプラントにおいては、前処理集塵装置２の
ダスト補集部と排ガスラインのＡＨ４上流側部分との間
にダストバイパス系統５が配置接続してあり、前記前処
理集塵装置２で楠集したダストをダストバイパス系統５
を通してＡＨ４にその上流から注入させるようにし、Ａ
Ｈ４保護対策とすると同時に脱硝触媒の磨耗対策とする
構成にしてある。尚６は後処理集塵装置、７は脱硫装置
、８は煙突である。第３図は上述の構成を実際に装置化
する場合の一例を示すものであり、図中、９はポィラ出
口、１川ま脱硝装置３内の脱硝触媒、１１は気体子熱器
、１２は排ガス管である。

更にダストバイパス系統については、前処理集塵装置２
のダスト補集部には、ダストバイパス管（或はダクト）
１３を備えたダスト供給装置（例えばロータリーフィー
ダ、スクリューフィーダ等のような供給装置）１４が接
続してあり、前記ダストバイパス管１３の先端部には、
排ガス管１２の気体子熱器１１上流側部分にダストを噴
出させるダスト注入ノズル装置１５が接続してある。尚
矢印Ｐは排ガス流れ方向を示す。

かかる構成の装置においては、石炭焚ボィラ１で発生し
た高ダストの排ガスを前処理集塵装置２に導入した際、
ここでいったん排ガス中のダストを浦集し、このダスト
の一部又は全部をダスト供給装置１４によりダストバイ
パス管１３を通して、脱硝装置３をバイパスさせ、ダス
ト注入ノズル装置１５から排ガス管１２の気体子熱器１
１上流側部分に噴出させて、該ダストを気体子熱器１１
内に注入させると、この多量のダストのサンドプラスト
的な効果により、気体子熱器１１内のェレメントにいっ
たん付着した酸性硫安（脱硝用に用いたＮＨ３のリーク
分と排ス中の硫黄酸化物とにより生成されたもの）やそ
の他のものは吹き飛ばされ、酸性硫安等の付着による気
体子熱器１１の閉塞問題は解消されると同時に、前記多
量のダストが脱硝装置３内に流れないため（ダストの一
部が流れる場合もあるが、少量なので問題は生じない）
、脱硝装置３内の脱硝触媒層１０の磨耗量は低減する。

尚以上述べた実施例は石炭焚ボィラを設置した火力発電
プラントにおける脱硝プロセスに適用する場合の例であ
るが、その他のプラントつまりダストを含む排ガスを乾
式（ＮＨ３接触還元方式の）脱硝装置を通すようにした
プラントにおける脱硝プロセスに適用できることは勿論
である。以上述べたように本発明は、乾式脱硝装置を設
置する脱硝プロセスにおいて、該脱硝装置の上流に設置
される前処理集塵装置で補集したダストを脱硝装置をバ
イパスさせてＡＨ等のような気体予熱装置にその上流か
ら注入するので、酸性硫安による気体子熱装置の閉塞を
防止することができると共に、脱硝触媒の磨耗を低減さ
せることができる、これらによりダストを含む排ガスの
脱硝に関する種々の問題をも解消できる、等の優れた効
果を発揮する。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来考えられている方式の一例を示すフローシ
ート、第２図は本発明の方法の−実施例を概念的に示す
フローシート、第３図は第２図のフローシートを実際に
装置化する場合の一例を示す側面図である。 ２・・…・前処理集塵装置、３・・・・・・乾式脱硝装
置、１１・・・・・・気体子熱器、１３・・・・・・ダ
ストバイパス系統。 第１図 第２図 第３図

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ ダストを含む排ガスを前処理集塵装置、乾式脱硝装
   置、気体予熱装置、後処理集塵装置の組合せによる脱硝
   プロセスにおいて、前処理集塵装置で捕集したダストを
   乾式脱硝装置をバイパスさせて気体予熱装置にその上流
   から注入することを特徴とする窒素酸化物の除去方法。