JPS6014542Y2 - トンネル型焼付炉 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は被塗装物を加熱して塗膜の乾燥を行なうトン
ネル型焼付炉の改良に関する。

この種焼付炉は、被塗装物をベルトコンベア、ハンガー
等によって移送させて焼付炉内を通過させて塗膜の乾燥
を行なうものであるが、特に有機溶剤形塗料の乾燥を行
なうには炉内で溶剤蒸気が発生し、炉出入口近傍のよう
に炉内温度が低下する位置では前記溶剤蒸気と高沸点の
揮発生水性物とが凝縮してヤニとなって炉壁等に付着し
、これが被塗装物上に滴下して不良品となったり、火炎
の原因となったりするので定期的に清掃を行なう必要が
ある。

又前記溶剤蒸気が炉外に漏洩すると、炉近傍の構築物、
機材等に付着して前記と同様の問題を生じると共に環境
を汚染し、更に大量に漏洩した場合には炉内温度の低下
を招くこととなる。

従ってこの問題を解決するには出入口から炉外に排出さ
れる漏洩気体の量をできるだけ少なくすることが要求さ
れている。

このため従来、焼付炉の出入口にエアーカーテンを設け
て炉外に排出される漏洩気体を制限するようにしている
が、これだけでは十分とはいえず、その対策に苦慮して
いたのが実状である。

本考案は成上に鑑み焼付炉の出入口における漏洩気体量
を複数に分割された制限板によって制限すると共に、付
着したヤニ等の清掃、修理点検を容易にするため分割さ
れた制限板の一部を開閉自在に構成することによって上
記従来の課題を改善し得る新規な焼付炉を提供せんとす
るものである。

以下図面について本考案の実施例を説明する。

第１図は本考案によるトンネル型焼付炉の出口近傍の断
面平面図、第２図及び第３図はその正面図及び側面図で
あって、１は四方を側壁２ａ、２ｂ、２ｃ、２ｄで囲繞
されたトンネル型焼付炉であり、例えば上部壁２ｂに懸
吊式コンベア３が配設され、そのハンガー４上に被塗装
物５が載置されて移送され、加熱室６で塗膜が乾燥され
る。

７はハンガーガイド、８は付着したヤニ等を収容するオ
イルパン、９は加熱室６の出口に配設されたエアカーテ
ンを形成するエアシール装置である。

１１は加熱室６の出口に連通形成されたセパレータ室で
あって、この室１１には、ハンガー４の通路１２を除く
領域を覆う複数に分割された気流制限板１３がハンガー
移動経路に沿って複数枚（図示の例では８枚）配設され
ている。

この気流制限板１３は、第２図に示す如く、コンベア３
の両側部領域を覆う板部１４ａ、１４ｂと、ハンガー４
の両側部領域を覆う板部１４Ｃ９１４ｄとから４分割さ
れて構成され、そのうち板部１４ｄを除く他の板部が壁
面に固着され、板部１４ｄが蝶番等の枢着具１５によっ
て開閉自在即ち壁面と直交する閉位置及び壁面と平行な
開位置間を移動し得るように取付けられている。

１６はセパレータ室１１の出口近傍の気体制限板１３間
に配設された漏洩気体吸入口であって、ダクト１７を通
じて有害気体処理装置（図示せず）に接続されている。

この吸入口１６から炉内で発生する溶剤蒸気、その他の
揮発物等を含んだ有害気体を炉外に排出し有害気体処理
装置で処理することによって、炉内の有害気体の濃度を
低下させ、火炎、爆発の危険、被塗装物の仕上り不良等
を防止すると共に外部の環境汚染を防止している。

１８はダクト１７内に配設された流量調節用手動ダンパ
ーである。

なお、セパレータ室１１は加熱室６の出口側に設ける場
合に限らず、加熱室６の入口側にも設けるようにしても
良い。

以上の本案構成によると、少なくとも焼付炉の入口又は
出口の何れか一方に被塗装物を移送するハンガーの移動
通路を除く領域を覆うように複数に分割された気流制限
板１３が配設されているので、この気流制限板１３によ
って焼付炉１から被塗装物の移動に伴って外部に漏出さ
れる漏洩気体が制限され、しかも出入口近傍に配設され
た漏出気体吸入口１６によって吸引排気されるから出入
口から外部への漏出気体を大幅に減少させることができ
る。

従って本考案によると、焼付炉からの漏出気体を減少さ
せることができるので、内部温度が低下する出口付近で
のヤニの付着量を減少させることができると共に火災の
防止及び焼付炉出入口の環境衛生の保全を行ない得、そ
の上漏出気体が減少することによって焼付炉内温度の低
下を防ぐことができ焼付炉自体の熱効率を改善すること
ができ、更には気流制限板の一部が開閉自在に構成され
ているので、これを開くことによって内部の点検清掃等
が極めて容易に行なうことができる。

又気流制限板によって漏洩気体が大幅に制限されるから
、セパレータ室の長さを従来装置に比較して著しく短か
くすることができる等の実用上優れた効果を有する。

又上側のように気流制限板間に吸入口を設けるようにす
ると、制限板によって漏洩気体のみならず不可避的に外
部から吸引される空気も制限されるので、炉内の有害気
体濃度を一定値以下に保つため必要とする排気容量を大
幅に減少させることができる。

尚上側においては、被塗装物を移送させる移送体として
懸吊式コンベアを使用した場合について説明したが、被
塗装物を載置して移送するタイプのコンベア等任意の移
送体を適用し得、その態様に応じて気流制限板を被塗装
物及び移送体にその移動に差し支えがないようにできる
限り接近させて配設するようにすれば良い。

【図面の簡単な説明】

第１図は本案装置の一例を天板を除去して示す平面図、
第２図及び第３図はその正面図及び側面図である。 １・・・・・・焼付炉、３・・・・・・懸吊式ベルトコ
ンベア、４・・・・・・ハンガー、５・・・・・・被塗
装物、１３・・・・・・気流制限板、１６・・・・・・
漏洩気体吸入口。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 被塗装物を加熱して塗膜の乾燥を行なうトンネル型焼付
   炉において、上記被塗装物の出入口の何れか一方に当該
   被塗装物及びその移送体の移動空間を除く領域を覆う複
   数に分割された気流制限板を移動経路に沿って複数枚配
   設し、該分割された気流制限板中の１部が開閉自在に構
   成されていることを特徴とするトンネル型焼付炉。