JPS6014197B2 - 原子炉冷却材用循環ポンプ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、原子炉冷却材用循環ポンプに関し、この循環
ポンプの外部ケーシングを利用して選択的に子熱用ガス
の給緋をなし得るようにすることにある。

従来技術 原子炉、例えばＮａ冷却の高速増殖炉においては、Ｎａ
系の機器、配管にＮａをチャージする際にその機器、配
管を了めある温度にまで予熱しておく必要がある。

この予熱が不充分であると、Ｎａが部分的に固化して不
具合を生じるし、又、予熱が不均一に行なわれると、予
熱時の熱坊６力によつて機器、配管が損傷する可能性が
ある。このような不具合を生じさせないように種々の予
熱方法が現在考えられており、その中の１つに機器、配
管の内部に予熱用の高温ガスを流し、これによって予熱
しようとする考えがある。

発明が解決しようとする問題点 この方法は、電気ヒー外こより外部から加熱する方法に
比べて機器、配管が均一に加熱されるという利点をもっ
ているが、しかしながら、ループタイプの原子炉１次系
において、どこから予熱ガスを入れ、どこから取り出す
か、更には配管等を切断することないこできる方法が確
立されていないため、その実現が困難であった。

そこで、本発明は、原子炉殊にループ型の高速増殖炉に
おいて、その一つの機器を構成する循環ポンプの外部ケ
ーシングを利用して予熱用のガスを系統内に循環させる
ようにし、これにより配管を切断したり、あるいは特別
な予熱ラインを主系統に取付ける必要がないようにした
ものである。

問題点を解決するための手段本発明は、以上述べた原子
炉冷却材用循環ポンプの外部ケーシングの内部にその上
部関口から垂下保持される冷却材吸込吐出用内部構造物
に代って、前記外部ケーシング内に取付けられる子熱用
ガス循環アダプ夕を用意し、このアダプタを前記外部ケ
ーシングの底部に穿設されている冷却材吸込孔に対崎し
て閉口する予熱用ガス導出管と、この導出管を保持する
とともに前記外部ケーシングの開□を塞ぐ蓋体と、この
蓋体を貫通し、前記外部ケーシングの側部に穿設されて
いる冷却材吐出孔に連絡する予熱用ガス導入管とから一
体的に構成している。

作用 冷却材を原子炉冷却材循環系に循環ポンプにより循環さ
せるに先立って、まず、循環ポンプの外部ケーシングの
中からその上部閉口を適して冷却材吸込吐出用内部構造
物を取出し、これに代えて子熱用ガス循環アダプタを外
部ケーシングの中に入れ、このアダプタによって子熱用
ガスを原子炉冷却材循環系に循環させて、その機器及び
配管を均一に予熱する。

その後、この予熱用ガス循環アダプタを循環ポンプの外
部ケーシングの中から取出し、これに代えて冷却材吸込
吐出用内部構造物を外部ケーシングの中に入れ、この内
部構造物によって冷却材を原子炉冷却材循環系に循環さ
せる。

実施例 以下図面を参照して、本発明をループ型の高速増殖炉に
適用した場合の実施例について詳述する。

第１図は、ループ型の高遂増殖炉の系統を示す。

ループ型の高速増殖炉の各機器は、第１図に示すように
、配管で接続されて閉ループを構成している。即ち、原
子炉容器ａ→中間熱交換器ｄ→冷却材用循環ポンプｃ→
逆止弁ｂ→原子炉容器ａとなるように配管で接続されて
いる。第２図は、ループ型の高速増殖炉に一般的に用い
られる冷却材用循環ポンプ（第１図のポンプｃ）の構造
の概略を示す。第２図において、１は上部が閉口してい
る循環ポンプの外部ケーシングで、据付床面２にボルト
で固定されている。

この外部ケ−シング１は底部に冷却材吸込孔３および側
部に冷却材吐出孔４を有し、吸込孔３は配管５におよび
吐出孔４は他の配管６にそれぞれ溶接により接続されて
いる。７は外部ケーシング１内に収納されている冷却材
吸込吐出用内部構造物で、具体的にはシャフト８、イン
ベラ９およびフランジ１０から構成されている。

この冷却材吸込吐出用内部構造物７は、そのフランジ１
０を吊り上げることにより外部ケーシング１内から抜き
出せる構造となっている。即ち、ポンプ入口側のシール
部１１および外部ケーシング１とのシール部１２は外部
ケーシング１には固定されていない。このような構造の
冷却材用循環ポンプはすでに公知であるので、これ以上
の詳細な説明は省略する．しかして、本発明は、このよ
うな冷却材用循環ポンプの冷却材吸込吐出用内部構造物
７を外部ケーシング１内から引き抜いた後子熱用ガス循
環アダプタを一時的に挿入して殊にループ型の高速増殖
炉の各機器、配管を予熱するようにしたものである。

第３図は、このような予熱用ガス循環アダプタを外部ケ
ーシング内に挿入した状態を示す。

この循環アダプタ１３は、外部ケーシング１の冷却材吸
込孔３に対陣して閉口する導出管１４と、同導出管を保
持するとともに外部ケーシング１の上部関口を塞ぐ蓋体
１５と、同蓋体を貫通し、外部ケーシング１の冷却材吐
出孔４に連絡する導入管１６とより一体的に構成されて
いる。そして、導出管１４および導入管１６はガス子熱
ユニット１７にそれぞれ接続される。したがって、ガス
子熱ユニット１７からの子熱用ガスは、矢印で示すよう
に、導入管１６から外部ケーシング１内に流入して吐出
孔４から流出し、以下第１図に示すように逆止弁ｂ→原
子炉容器ａ→中間熱交換器ｄを経てポンプｃの吸込孔３
に至り、この後導出管１４を通ってガス予熱ユニット１
７へ戻る。このようにしてループ型の高速増殖炉の各機
器、配管の予熱が完了してから、子熱用ガス循環アダプ
夕１３を外部ケーシング１内から引き抜き、ポンプの冷
却材吸込吐出用内部構造物７を外部ケーシング１内に再
び挿入する操作が必要であるが、以下にその手順を示す
。

予熱が完了したら、予熱用ガス循環アダプタ１３を外部
ケーシング１内から引き抜き、この後外部ケーシング１
の上部関口には冷却系統からの熱の逃げを防ぐために第
４図に示すように仮盲板１８をかぶせる。

この操作に先だって、第５図に示すように、循環ポンプ
の冷却材吸込吐出用内部構造物７の予熱のための仮設タ
ンク１９ａ，１９ｂ，１９′ｂ，１９ｃを設置し、ポン
プの内部構造物７を外部ケーシング１と同程度に予熱し
てから外部ケーシング１内に挿入し、これにより熱応力
に関する問題を防止する。

この予熱手段としては、例えばａに示すように電気ヒー
タ２０ａによる加熱方式、もしくはｂに示すように予熱
用ガス２０ｂによる外部加熱方式、またはｃに示すよう
に子熱用ガス２０ｃによる内部加熱方式などが考えられ
る。このようにして所定温度まで子熟した冷却材吸込吐
出用内部構造物７をその後のクレーンで吊りあげ、この
後外部ケーシング１上の仮旨板１８をはずして外部ケー
シング１内に内部構造物７を第２図に示すような状態で
挿入せしめる。発明の効果 以上述べたように、本発明によれば、原子炉冷却材用循
環ポンプの外部ケーシングを利用して、予熱用ガス循環
アダプタにより子熱用ガスを原子炉冷却材循環系に循環
せしめることができるため、その各機器、配管を比較的
均一に子熱することができる。

また、この予熱用ガス循環アダブタは、既存の循環ポン
プの冷却材吸込吐出用内部構造物に代えて、その外部ケ
ーシングの中にそのまま取付けられるので、配管途中に
特別の分岐点を設けたり、また配管を切断したりする必
要がなく、冷却材充猿後の系統の運転に影響を及ぼす事
がない。

【図面の簡単な説明】

第１図はループ型の高速増殖炉の系統を示す図、第２図
はこの高速増殖炉に一般的に用いられている冷却材用循
環ポンプの構造をネ灘略的に示す断面図、第３図は第２
図の循環ポンプの冷却材吸込吐出用内部構造物を外部ケ
ーシングの中から取出して本発明に係る予熱用ガス循環
ァダプタを外部ケーシングの中に挿入した状態を示す断
面図、第４図はこの循環アダプタをポンプの外部ケーシ
ングの中から取出してその上部閉口に仮盲板が設置され
ているポンプの外部ケーシングを示す断面図、第５図ａ
，ｂおよびｃはポンプの外部ケーシングの中から取出し
た冷却材吸込吐出用内部構造物を仮設タンクで予熱する
三つの手段を示す断面図である。 １・・・・・・外部ケーシング、３・・・・・・冷却材
吸込孔、４・・・・・・冷却材吐出孔、７・・・・・・
冷却材吸込吐出用内部構造物、１３・・・・・・予熱用
ガス循環アダプタ、１４・・・・・・予熱用ガス導出管
、１５・・・・・・蓋体、１６・・・・・・子熱用ガス
導入管。 第１図 第２図 第４図 第３図 第５図

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 原子炉冷却材循環系に設けられ、上部が開口し底部
   に冷却材吸込孔び側部に冷却材吐出孔がそれぞれ穿設さ
   れている外部ケーシングの内部に挿脱自在に取付けられ
   て前記開口から垂下保持される冷却材吸込吐出用内部構
   造物を具備してなる原子炉冷却材用循環ポンプにおいて
   、前記冷却材吸込孔に対峙して開口する予熱用ガス導出
   管と同導出管を保持するとともに前記外部ケーシングの
   開口を塞ぐ蓋体と同蓋体を貫通し前記冷却材吐出孔に連
   絡する予熱用ガス導入管とから一体的に構成され、前記
   冷却材吸込吐出用内部構造物に代つて前記外部ケーシン
   グの内部に挿脱自在に取付けられる予熱用ガス循環アダ
   プタを具備してなる原子炉冷却材用循環ポンプ。