JPS6014172Y2 - 電磁流速計 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は電磁流速計において、特にその測定流速が遅
い場合における電極に付着物が生じないようにぜんとす
るものである。

従来の電磁流速計は第１図に示すように例えばパイプ状
の被測定流路１１の管壁とほぼ直角に円筒状の取付部１
２が突出され、その突出部にフランジ１３が例えばボル
ト及びナツトにより取付けられ、このフランジ１３に測
定枠１４が挿通される。

測定枠１４の一端部は被測定流路１１内に挿入されその
挿入端部は受感部１５とされる。

受感部１５の内部には流路１１内の流体の流れとほぼ直
角な磁界を発生する手段が設けられている。

更に測定枠１４の内端面１６には一対の電極１７及び１
８が設けられる。

電極１８は図において紙面と直角方向に位置し、電極１
７の影となって見えていない。

電極１７．１８間には流路１１内の流体の流速に応じた
電圧が誘起され、この電圧は測定枠１４内を通るリード
線を通じて測定枠の外端部に設けられた端子箱１９に導
かれている。

この従来の電磁流速計においてはその電極１７．１８の
取付面１６ａは被測定流体の流れの方向２１と平行な面
とされていた。

このような電磁流速計においては被測定流体の流速が遅
くなり、例えば０．５７７Ｌ ７秒以下の低速度になる
と電極取付面１６に微生物の膜、いわゆるスライムが附
着しこれが一度附着すると流速が速くなってもはがれず
附着したままとなって測定不能になる。

又測定枠１４が流路１１内に深く挿入されると測定枠１
４にゴミなどがからみ測定不能になる事もあった。

この考案は測定枠の電極取付面を被測定流体の流れの向
きに対して傾斜させ、電極の取付面は被測定流体の動圧
を受けるようにされる。

このようにしてその電極位置における被測定流体の流れ
が電極取付面が流体の流れの方向と平行してい従来の場
合よりも速くなり、これにより洗浄効果が生じて微生物
等が附着しがたくなりスライムの発生がなく、測定不能
になるおそれもない。

更に測定枠の管軸に対して被測定流体の流れ方向におけ
る電極取付付近の形状が非対称とされその下流側におい
ては流れの渦が発生するように電極取付面と測定枠の側
面とがなす角がかと張るようにする。

例えば第２図及び第３図に第１図と対応する部分に同一
符号を付けて示すが、この考案においては測定枠１４の
電極取付面１６は被測定流体の流れ方向２１に対して傾
斜した面とし、つまり電極取付面１６は被測定流体の動
圧を受けるようにする。

従ってその取付面１６はその上流側は取付部１２に近す
き、下流側が取付部１２より離れるような傾斜面とされ
る。

このように取付面１６が傾斜面とされているため測定枠
１４の管軸と平行な電極１７を含む軸２２に対して被測
定流体の流れ方向２１の上流側と下流側とは非対称な構
造となる。

又この第２図、第３図の例では測定枠１４を被測定流路
１１の内部に深く挿入する事なく、被測定流路１１の内
周面より僅か突出させ、ゴミ等が測定枠１４にからみ付
かないようにされる。

更に電極取付面１６は傾斜面とされると共にその電極の
上流側において流路１１に近ずくに従って徐々に曲がる
流線型とされている。

このようにして電極１７．１８付近の流れが乱されるこ
となく渦が発生しないようにされる。

一方電極１７の下流側においては被測定流体にある程度
渦を発生させ、この渦により測定が影響させない程度の
渦とされるが、その渦により電極取付面１６が洗浄され
るようにされる。

そのため電極取付面１６の下流端の角２５は成る程度角
ばらせる。

更にこの例においては測定枠１４はフランジ１３の内周
面と対向する被測定流路と外部とのシール部分２６にお
ける測定枠の外部導出部１４ａの太さが、受感部１５の
太さより細くされている。

このため仮に被測定流路１１内の流体圧力が比較的高く
ても取付部１２内にも流体が流入されていて等圧となり
、測定枠の導出部１４ａと受感部１５との間の段部２７
は電極取付面１６と同一圧力を受ける。

従って測定枠１４が流体圧によって外部に押出されよう
とする力は測定枠導出部１４ａの太さに対応する。

このため測定枠１４の外部導出部が受感部１５の太さの
まま導出される場合と比べてその外に押出されようとす
る力が第２図の場合は小さくなる。

つまり電極取付面１６を傾斜面としてそこに流体動圧を
受けさせ電極１７，１８において流体の流れを十分速く
するには電極取付面１６の面積を成る程度大きく、つま
り受感部１５を太くする必要があるが、測定枠の外部導
出部１４ａの太さを細くすることにより測定枠は著しく
大きな力を抜出る方向に受けない。

以上述べたこの考案による電磁流速計においては電極取
付面１６は傾斜面とされており被測定流体の動圧を受け
て電極１７．１８における流体の流速が、第１図に示し
たように流れ方向と電極取付面１６とが平行している場
合と比較して速くなり、よって洗浄効果が生じ附着物微
生物がつき難くスライムが発生しない。

実験によれば電極取付面を第３図に示した傾斜面とする
ことにより０．５１ｒＬ／秒以下の遅い流速においても
スライムの発生がないことが確認された。

このように電極１７における流速を速くするために動圧
を十分受けるようにする点からすれば電極取付面１６の
面積を比較的大きくする事が望ましいが、その場合測定
枠が流体の圧力によって押し出される力が大きくなって
くるが、第２図に示したように測定枠の外部導出部の太
さを細くする事によってそのこれが抜は出ようとする力
を小さくする事が可能である。

第２図に示したように測定枠を流路１１に対して僅かし
か突出させない場合は、測定枠にごみがからみ付くよう
なおそれもない。

又従来においては測定場所によっては流速が遅いと数時
間でスライムが発生して測定不能となる事があったが、
この考案においては先に述べたようにそのようなおそれ
はない。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の電磁流速計を示す断面図、第２図はこの
考案による電磁流速計の一例を示す断面図、第３図は電
極取付面付近の拡大図である。 １１・・・・・・被測定流路、１４・・・・・・被測定
枠、１５・・・・・・受感部、１６・・・・・・電極取
付面、１７．１８・・・・・・電極。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 被測定流体に対して円筒状取付部が設けられ、この円筒
   状取付部に測定枠が通され、この測定枠の外部導出部端
   部に受感部が設けられ、この受感部が前記円筒状取付部
   を介して被測定流体内に位置され、被測定流体の流れ方
   向に対して直角方向に磁界を発生する手段を内蔵し、前
   記受感部の表面に前記流れ方向及び前記磁界方向の両方
   に直角な方向に少くとも一対の電極が設けられ、これら
   電極に発生する起電力により前記被測定流体の流速を測
   定する電磁流速計において、前記受感部の電極取付面が
   、被測定流体の流れ方向に対して傾斜面とされ、且つ前
   記測定枠の管軸に対して被測定流体の上流側と下流側と
   で前記受感部の電極取付面の形状が非対称に形成され、
   前記測定枠の前記被測定流体の下流側端面と前記電極取
   付面とがなす角がかと張るように形成され、前記下流側
   端面ば前記測定枠に平行とされ、前記電極取付面の下流
   側表面は前記端面とほぼ直角とされ、前記かと張りが前
   記被測定流体の流れに渦が発生するように選定され、前
   記外部導出部の外径が前記円筒状取付部の内径よりも小
   さく選定されてなることを特徴とする電磁流速計。