JPS60138042A

JPS60138042A - 高靭性サ−メツト

Info

Publication number: JPS60138042A
Application number: JP24582583A
Authority: JP
Inventors: Yasunori Uemura; 安則植村
Original assignee: Kyocera Corp
Current assignee: Kyocera Corp
Priority date: 1983-12-27
Filing date: 1983-12-27
Publication date: 1985-07-22
Also published as: JPH0525937B2

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】本発明は例えばスローアウェイインサート等の切削工具
用サーメットに関するものである。

従来、この種サーメットは一般に超硬合金と比べ靭性が
劣ることが知られ、この靭性を向上させるために、、　
Ｔｉｅ基サーメットに窒化チタン（’ｆｉＮ　）若しく
は炭窒化チタン（Ｔｉ、（Ｃ，Ｎ））を添加することに
より靭性を向上させることが試みられた。

しかしながら、斯様な方法によりではある程度の靭性の
向上は見られるものの超硬合金に匹敵する程度まで靭性
を向上させることが出来ず、未だこの種サーメットの高
靭性化は充分に果し得ていないのが現状である。因みに
、従来のＴｉＣ基サーメットに窒化チタン（ＴｉＮ　）
若しくは炭窒化チタン（Ｔｉ（Ｃ，Ｎ））を添加したも
のを断続切削試験により、欠損までの平均衝撃回数によ
ってその靭性を測定すると、大兄８００〜８８０回程度
であるのに対し、超硬合金の一例を示すとその回数は２
４００回と遥かに優れている。

そこで、本発明はサーメット基体の構造自体に改良を加
えることにより、該サーメット基体の靭性を上記の超硬
合金に匹敵する程度又はそれ以上にまで顕著に向上させ
得ることを知見した。

本発明はサーメット基体の表層が表面より厚み０、Ｏ１
〜２．００　ｍｌＮに亘って緻密質で、内部が焼結体表
面積の１０〜５０％のボアの占有面積を有するボア質と
なるように焼成することにより、緻密な表層に衝撃によ
りクラックが生じた場合、そのクツッりの内方への進展
をボア質で阻止してクラックが内方又は全体に及ばない
ように抑制し、全体への破損を防止する様にしたもので
ある。

前記ボアの占有面積が１０％以下の場合、即ちボアの数
が少ないとクラックの発生位置に対向するボアの数が少
ないので、前記クラックの進展を阻止する効果が少なく
また逆に５０％を越えると極端に焼結体全体としての靭
性が劣化する。緻密な表層の厚みが２．００ｆｌを越え
ると緻密質の占有面積が増加し全体が緻密質である従来
のものに近づき前記クラックの進展を阻止する効果が少
なく、０．０１１ｊ未満の場合ボア質の占有面積が大き
くなり過ぎ焼結体全体としての靭性が劣化する。

以下、本発明を三角形のスローアウェイインサートに応
用したサーメット焼結体構造及びクラック発生状態を図
面に基づき説明する。

第１図は該インサート基体の焼結状態の基本構造を示す
横断面図、第２図は同様のインサート基体の縦断面図で
ある。インサート基体ｌはＴｉ（、（若しくはＴｉＮ、
　Ｔｉ　（Ｃ，１ｊ））基焼結体からなり、表層を一定
厚みＴに亘って緻密質２で形成し、内部を一定占有面積
を有するボア質３で図示の如く形成する。

インサートの焼結体を斯様な構造とすることにより、第
３図に示す如く、インサート基体１表層の緻密質２にク
ラック（ひび割れ）　０１が生じた場合、このクラック
Ｃ１の進展はその先端がポア質３内の１個のボアに至り
、このボアによりクラックＣ１の先端がそれ以上進展を
しない様に抑制することができる。これに比較して、第
４図に示す全体が緻密質４である従来のサーメットの場
合は、その靭性は焼結体の製法又は組成そのものに依存
し、ある程度の靭性を有するものでも、もしその表層に
クラックＣ２が発生すると、その先端は何んらクラック
進展を抑制する構造上の障壁がないから、容易に焼結体
５の内部及び全体へ進展して焼結体全体の破損を来たす
。

上記のことから本発明の場合、焼結体ｌの緻密な表層の
厚みＴが薄過ぎるとボア質の占める容積が大きくなり過
ぎ全体の靭性が劣化する。一方、緻密な表層の厚みＴが
厚過ぎると緻密質の占める容積が大きくなり過ぎクラッ
クの進展範囲が長くなり従来例の靭性の少ない特性に近
ずく。また、ボア質のボア占有面積が小さ過ぎるとクラ
ックの発生位置に対応し−でボアが占める数が減少し、
クラックの進展範囲が大きくなるかまたは内部への進展
を許すことになる。一方、ボア質のボア占有面積が大き
過ぎると全体の靭性が劣化する。さらに、ボアの平均径
は０５μｍ〜５μｍの範囲が適当であり、それより大き
過ぎると全体の靭性が劣化し、小さ過ぎるとクラック進
展に対する抑制効果が小さくなる。

次に上記の焼結体を得る適当な製法の例を説明する。

実施例１出発原料としてＴｉｅ、　’ｆｉＮ、　ＷＣ，ＭＯ２Ｃ
及びＮ１を第１表に示す組成範囲となるように秤量し、
これにアセトン等の適当な溶剤を加え、振動ミルにより
湿式混合を行ない混合スラリーを作成する。

この混合スラリーにポリエチレン等のボア剤を適量加え
て再度混合を行う。混合終了後乾燥し溶剤を蒸発除去す
ると共にパラフィンワックスを添加して４０メツシユパ
スして製粒する。かくして得られた粉末を１０００〜２
０００　Ｋｇ　／ｌ：ｍの圧力で成形し、その後３００
℃前後の温度で仮焼してワックスを除去した後、更に非
酸化性雰囲気中で１５００℃の焼成温度にて焼成する。

前記ボア剤は５００〜１００面溶け、成型体のボア剤の
占めていた部分がボアとして残る。この際、焼結体は若
干収縮するため、前記スラリ中には得ようとするボア径
（後述する）より少し大きめ（約１．２倍）の粒径を有
するボア剤を用いる。

さらに、前記ボア剤を添加しない上記と同様の混合スラ
リーを前記焼成体の全面に塗布する。塗布するスラリー
の厚みは焼成時の収縮率に応じて適当な厚みとする。そ
の後、塗布したスラリーが充分乾燥した後１５００℃の
焼成温度で焼成して内部にボア質を、表層に緻密質を有
する焼結体とする。

斯様にして前記Ｔｈｅ　、　ＴｉＮの組成範囲を４０　
：　２０重量％又は２０　：　４０重量％を含む２組の
サーメット組成について、前記ボア質の焼成体に塗布す
るスラリーの量を調整して緻密な表層の厚みを決定し、
また前記ボア剤の添加量を調整して焼結体内のボアの占
有面積を決定して、内接円直径９．５ｆｌ、厚み４．８
Ｈの各三角形状インサートとして第１表に示す１〜８の
試料とし、これら各試料について断続切削試験による焼
結体の欠損までの平均衝撃第　１　表（争印の試料番号のものは本発明の範囲外である。）第
１表の試料番号ｌ及び５はボア剤無添加でボア占有面積
が０％であり、従来のサーメットに相当するものである
。該試料番号１及び５は欠損までの平均−衝撃回数が８
００及び８８０程度であるのに対し、試料番号２．３，
４，６．７及び８は焼結体内部のボア質のボアの占有面
積が１０〜５０％で。

その欠損までの平均衝撃回数は１３８０以上とボアの占
有面積が０％の従来サーメットより遥かに靭性が向上し
ていることが分り、特に試料番号３、及び７のものは前
記衝撃回数が２３４０及び２４００と前述した超硬合金
の靭性に匹敵する程度まで向上していることが理解でき
る。

また、上記試料番号３及び４と同じボア占有面積が３０
％である試料番号３ａ、　３ｂ、　７ａ、及び７ｂの場
合でも表層の緻密質の厚みが０．０１　ｔｍ未満又は２
．００　ｆｆを超えるとその衝撃回数が９００以下とな
り靭性が劣化することが理解される。

実施例２出発原料としてＮｂＣ、ＴｉＣ，ＷＣ、Ｔ、ｉＮ　、　
Ｍｏ５Ｃ及びＮ１を第２表に示す組成範囲となるように
秤量し、これにアセトン等の適当な溶剤を加え、振動ミ
ル１こより湿式混合を行い混合スラリーを作成する。こ
の混合スラリーに前記と同様ボア剤を適量加えて成型・
焼成し、ボア質を有する成型された焼成体を得る。この
焼成体に前記と同様ボア剤を添加しない同様の混合スラ
リーを全面に塗布し。

これを焼成することにより、内部にボア質を、表層に緻
密質を有する焼結体を得る。

斯様にして上記の組成を適当なサーメットの組成範囲と
し、前記ボア質の焼成体に塗布するスラリーの量を調整
して緻密な表層の厚みを決定し、また前記ボア剤の添加
量を調整して焼結体内のボアの占有面積を決定し、前記
と同様内接円直径９．５ｍ、厚み４．８　ｍの各三角形
状インサートとして第２表に示す９〜１６の試料とし、
これら各試料について同様の断続切削試験による焼結体
の欠損までの平均衝撃回数をめた。

第２表第２表の試料番号９及び１３はボア剤無添加でボア占有
面積が０％であり、従来のサーメットに相当するもので
ある。試料番号９及び１３は欠損までの平均衝撃回数が
９３０及び９００程度の靭性であるのに対し、試料番号
１０．　１１．１２．１４．１５及び１６は焼結体内部
のボア質のボアの占有面積が１０〜５０％で、その欠損
までの平均衝撃回数は１３８０以上とボアの占有面積が
０％の従来サーメットより遥かに靭性が優れていること
が分り、特に試料番号１１及び１５のものは前記衝撃回
数が２４３０及び２６２０と実施例１の試料番号３、及
び７のものより優れているのみならず前述の超硬合金の
それ以上の靭性が得られていることが理解される。

また、上記試料番号１１及び１５と同じボア占有面積が
３０％である試料番号１１ａ　、　ｌｌｂ、　１５ａ及
び１５ｂの場合でも表層の緻密質の厚みがｏ、ｏｉｍ未
満又は２．００％藺を超えると、その衝撃回数が９００
以下となり実施例１と同様に靭性が劣化することが理解
される。

実施例３上記実施例１．２の試例番号３，７．１１及び１５のも
のについて焼結体内部のボア質のボア平均径が０．５μ
ｍ未満と５μｍを超える場合とについて同様に断続切削
試験による焼結体の欠損までの平均衝撃回数をめたとこ
ろ、ボアの平均径が０．５μｍ未満の場合は８００〜９
００回、５μｍを超えると５００回程度と靭性が極度に
劣化した。即ち、ボアの平均径が小さ過ぎるとクラック
の先端はボアの存在に関係なく進展してしまいクラック
進展の抑制効果がなくなり、逆にボアの平均径が大き過
ぎると焼結体全体の靭性が劣化するためである。

上記実施例１．２及び３からＴＩＣＩＣ−メット及び他
のＮｂＣを含むサーメットにおいても、その基体の表層
が表面から厚み０．０１〜２．００　ｆｆに亘って緻密
質で、内部が焼結体表面積の１０〜５０％のボアの占有
面積を有するボア質となる様にした焼結体は、内部に上
記のボア質を形成しない従来のサーメットに比べその靭
性が遥かに優れ、かつ超硬合金の靭性と略同等若しくは
それ以上に向上することが分かった。また、ボア質のボ
ア平均径が０．５μ＃１〜５μｍの範囲外であると極度
に靭性が劣化することも理解される。そして、この様な
焼結体をスローアウイインサート等の切削工具用サーメ
ットとして使用した場合、高靭性な耐久性に優れた切削
工具を提供することができるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第３図は本発明を三角形のスローアウェイイ
ンサートに応用したサーメット焼結体構造及びクラック
発生状態を示すもので、第１図はインサートの横断面図
、第２図は同様のインサートの縦断面図、第３図はクラ
ック発生状態を示す拡大部分説明図であり、第４図は焼
結体全体が緻密質である従来のインサートのクラック発
生状態を示す拡大部分説明図である。ｌ・・・インサート基体２・・・緻　密　質３・・・ボ　ア　質Ｔ　・・・表層厚み出願人　京セラ株式会社Ｊ２図２Ｊ４Δ

Claims

【特許請求の範囲】

（１）サーメット基体の表層が表面より厚み０．Ｏ１〜
２．０００　ｒ−亘って緻密質で、内部が焼結体表面積
の１０〜５０％のボアの占有面積を有するボア質となる
ように焼成したことを特徴とする高靭性サーメット。
（２）前記ボア質のボア平均径が０．５μｍ〜５μｍ