JPS6013625Y2 - 熱可塑性樹脂パイプの曲げ治具 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、主として、水導管、高圧電カケ−プルに対す
る絶縁保護パイプ等に使用されるポリ塩化ビニール、ポ
リエチレン等の熱可塑性樹脂製パイプを熱間曲げ加工す
る際に使用する治具に関する。

この種熱可塑性樹脂製パイプを曲げ加工する方法として
従来から採用されている方法は、パイプを、ガスバーナ
ー等で加熱した状態で曲げるいゆる熱間曲げ加工が一般
的であったが、曲げ加工時にパイプの曲がり部分が偏平
な形状に変形する欠点を有していた。

そこで、その欠点を解消するために、パイプの曲げに伴
なって屈曲変形可能な蛇腹状マンドレルをパイプ内に挿
入し、さらに、パイプの曲げ箇所を万遍なく加熱するた
めに、ガスバーナ等でパイプを回転させながら加熱する
か、又は、第４図に示すように、パイプＰが大きく曲が
っていてパイプ１′を回転させることが困難な場合には
、ガスバーナーＧの方をパイプ１′を中心として回転さ
せて加熱し、ある程度軟化させた後に所望形状に曲げ加
工する方法があるが、これによると、−大作業の場合に
は、パイプ外周を万遍なく加熱させる作業とパイプを曲
げる作業とを同時併行的に行なうことが難かしく、加熱
作業が終了したのち、曲げ作業を行なうといった順序作
業となり、従って、所定の曲げ角度に調整している間に
パイプが冷却されてしまって、再び加熱しなければなら
ないといゆう煩雑な作業の繰り返えしを強いられる場合
が多々生じる欠点があった。

本考案は、かかる実情に鑑み、熱可塑性樹脂パイプの曲
げ加工時に通常使用されているマンドレルを有効利用す
ることによって、パイプを加熱し乍ら同時に曲げ加工を
行ない得る熱可塑性樹脂パイプの曲げ治具を提供する点
に目的がある。

上記目的を遠戚すべくなされた本考案に係る熱可塑性樹
脂パイプの曲げ治具の特徴構成は、熱可塑性樹脂製パイ
プ内に挿入離脱自在なマンドレルを前記パイプの曲げに
伴なって屈曲変形可能な蛇腹状のものから構成すると共
に、この蛇腹状マンドレルの内部空間に前記パイプに熱
を付与するためのヒータを屈曲自在な状態で組入れであ
る点にある。

このような特徴構成を有する本考案の作用効果は、次の
通りである。

つまり、蛇腹状マンドレルをパイプ内に挿入セットする
だけで、その蛇腹状マンドレルに付設のヒータによって
パイプを万遍なく加熱することができるために、パイプ
の曲げ部分が加熱軟化された時点で加熱状態を持続した
ままで容易にパイプを曲げることができ、曲げ角度を所
定角度に調整する間にパイプが冷却されて硬化するとい
ったことがなく、−大作業でも迅速、容易に、かつ、精
度良くパイプの熱間曲げ加工を行ない得るに至ったので
ある。

しかも、ガスバーナー等の別途加熱機器が不要であり、
さらに、パイプ内部からの加熱であるために、熱がパイ
プ内部に籠った状態で外部に逃散されることなくパイプ
肉厚部分自体に無駄なく付与されることになり、さらに
また、ヒータをマンドレルの内部空間に入れであるから
、マンドレルが保温筒の役目を果し、曲げ加工をしたパ
イプから治具を抜き取って次のパイプに挿入する時に、
熱が外部に飛散することがなく、ガスバーナー等を使っ
た外部からの加熱に比べて、熱の外方への逃散を極力少
なくし、効率の良い加熱、及び能率良い曲げ加工を行な
い得るに至った。

次に、本考案の実施例を図面に基づいて説明する。

パイプの熱間曲げ加工に際して、そのパイプ内に挿入し
て、パイプがその曲げ部分において偏平な形状に変形す
るのを防止する屈曲自在な蛇腹状マンドレルを構成する
に、第１図に示すように、蛇腹本体５に保形力を付与す
るために、蛇腹状外壁部分２ｂに螺旋状に埋設の補強体
６をニクロム線等の電気導線からなるヒータ３に構成し
、更に、前記ヒータ３に通電する導線８を、前記蛇腹本
体５に一体連設されている筒状体からなる柄７内を通し
て外部に導き出して、前記ヒータ３を発熱できるように
し、且つ、その柄７に沿ってメジャー４を付設し、前記
柄７を把握した状態で被曲げ加工物であるパイプに挿入
して、前記メジャー４で挿入深さを測定し得るよう構成
しである。

このように構成された蛇腹状マンドレル２の使用要領を
簡単に説明すると、第２図イに示すように、ポリエチレ
ン、ポリ塩化ビニール等の熱可塑性樹脂製パイプ１内に
前記蛇腹状マンドレル２を挿入し、前記メジャー４によ
り挿入深さを調整して、第２図口に示すように、前記蛇
腹本体５をパイプ１における所定曲げ箇所に位置させ、
次に、前記ヒータ３に通電して前記パイプ１を加熱軟化
させた後に、第２図へに示すように所定角度に曲げ加工
し、その曲げ加工が終了すると前記蛇腹状マンドレル２
を引き抜き作業が完了するのである。

尚、図中９は、前記ヒータ３をＯＮ・ＯＦＦするスイッ
チである。

次に、別実施例を説明する。

（イ）蛇腹本体５の補強体６をヒータ３に兼用したもの
に代えて、第３図に示すように、蛇腹本体５の内部空間
２ａに、ニクロム線を内装した屈曲自在な棒状ヒータ３
′を組入れて一体的に取付ける。

（ロ）前記（イ）において、棒状ヒータ３′を挿抜自在
にして、径の異なる蛇腹状マンドレルに組入れ可能に構
成する。

（ハ）前記蛇腹本体５を、ポリオレフィン系樹脂にカー
ボン系材料と添加物を加えて成る導電性プラスチックシ
ートで構成腰蛇腹本体５自身を通電状態で発勢するヒー
タ３に構成する。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る熱可塑性樹脂パイプの曲げ治具の実
施例を示し、第１図は一部切欠き側面図、第２図イ９口
、ハは使用方法を示す説明図、第３図は別実施例を示す
側面図、第４図は従来におけるパイプの曲げ方法を示す
説明図である。 １・・・・・・パイプ、２・・・・・・蛇腹状マンドレ
ル、３・・・・・・ヒータ、４・・・・・・メジャー
２ａ・・・・・・内部空間、２ｂ・・・・・・蛇腹状外
壁部分。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 ■ 熱可塑性樹脂製パイプ１内に挿入離脱自在なマンド
   レル２を前記パイプ１の曲げに伴なって屈曲変形可能な
   蛇腹状のものから構成すると共に、この蛇腹状マンドレ
   ル２の内部空間２ａに前記パイプ１に熱を付与するため
   のヒータ３を屈曲自在な状態で組入れであることを特徴
   とする熱可塑性樹脂パイプの曲げ治具。 ■ 前記ヒータ３が前記蛇腹状マンドレル２の蛇腹状外
   壁部分２ｂに螺旋状に埋設の補強体兼用の電気導線から
   構成されたものである実用新案登録請求の範囲第■項に
   記載の熱可塑性樹脂パイプの曲げ治具。 ■ 前記蛇腹状マンドレル２が、前記パイプ１内への挿
   入深さを測定するためのメジャー４を付設（、たもので
   ある実用新案登録請求の範囲第■項に記載の熱可塑性樹
   脂パイプの曲げ治具。