JPS6013461Y2

JPS6013461Y2 - 医療用シ−ト

Info

Publication number: JPS6013461Y2
Application number: JP9841279U
Authority: JP
Inventors: 寛二川上; 康弘森山
Original assignee: 日東電工株式会社
Priority date: 1979-07-16
Filing date: 1979-07-16
Publication date: 1985-04-30
Also published as: JPS5616432U

Description

【考案の詳細な説明】本考案は医療用シートの改良に関するものである。

プラスチック製の医療用シートとして、ポリエチレン、
ポリ塩化ビニル、或いはポリプロピレン等を用いた接着
シートが知られており、皮膚面での発汗を防止するため
に、穿孔により通気性を賦与したものも公知である。

しかし、これらの医療用シートにおいては、傷口から排
出される体液の吸収性に劣り、ガーゼとか脱脂綿等との
組合せで使用せざるを得ない。

而して、この組合せのものとでは、ガーゼ、脱脂綿等が
吸水性であり、プラスチックシート（塩化ビニル、ポリ
エチレン）の撥水性も少ないので、入洛時においては、
傷口が水で濡れて、傷口を保護できないといった不利が
ある。

特に、手術用ドレッサーとして使用する場合、ガーゼ等
を一体化すると、折りた）んだときにかさばるとか、再
使用のための洗濯時に、プラスチックシートとガーゼと
の剥離が懸念される等の不具合がある。

本考案に係る医療用シートは、上述の点に鑑みて案出さ
れたものであり、多孔質弗素樹脂シートが部分的に親水
性とされていることを特徴とする構造である。

以下、図面により本考案を説明する。

第１図において、１は多孔質弗素樹脂シートであり、未
焼成、焼成の何れであってもよく、例えば多孔質ポリテ
トラフルオロエチレン（以下、ＰＴＦＥという）シート
を用いることができる。

２．２・・・・・・は親水性とされた部分を示し、これ
ら親水性部分の総面積はシート全面積はシート全面積の
５〜５０％程度である。

親水性部分の形状は、第２図Ａ〜第２図Ｃに示すように
、円形、楕円形、多角形等任意である。

第２図りに示すように、シート中央部を親水性とするこ
とも可能である。

又、親水性部分は、必ずしもシート厚さの全体にわたる
ものである必要はなく、皮膚面に当接されるシート面に
親水性部分が存在すればよい。

上記の多孔質ＰＴＦＥシートには、例えばＰＴＦＥシー
トを延伸処理して得られる、比重０．１５〜１．０Ｘ気
孔率５０〜９０％、孔径０．０１〜１００ミクロン、厚
す２０〜２００ミクロンのシートを用いることができる
。

部分的な親水性付与は、親水性高分子、又は親水性付与
粉末を多孔質ＰＴＦＥシートの孔に、第２図Ａ〜第２図
りに示したパターンで装填することにより行われ、例え
ば、親水性高分子水溶液あるいは親水性付与粉末分散液
を、多孔質ＰＴＦＥシートに第２図Ａ〜第２図りに示し
たパターンで塗布し、この液を同シートの孔内に浸透せ
しめたのち、加熱乾燥し、水を除去する方法を用いるこ
とができる。

上記親水性付与粉末としては、無機質のものが好適であ
り、二酸化ケイ素、シリカゲル、ケイ酸カルシウム、ケ
イ酸アルミニウム、炭化ケイ素等のケイ素化合物の粉末
、珪藻土、カオリン、滑石、酸性白土、ベントナイト等
のケイ素化合物を含有する粉末、アルミニウム、クロム
、亜鉛、チタン、コバルト、鉄、ジルコニウム等の酸化
物の粉末、あるいは、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、
フッ化カルシウム等を用いることができる。

上記親水性高分子としては、ポリビニルアルコール、ポ
リアクリル酸、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルア
ミド等を用いることができる。

特に、親水性高分子を用いる場合は、親水性処理部分を
予めアセトン、アルコール等で濡らしておき、次いで、
親水性高分子の水溶液中に浸漬し、アセトン等を親水性
高分子水溶液で置換させることができる。

この場合、更に、熱処理、アセタール化処理、エステル
化処理、重クロム酸カリ等りよる化学反応、電離性放射
線による架橋反応等による親水性高分子を耐水性付与処
理することもできる。

本考案に係る医療用シートは、絆創膏のような接着タイ
プ、或いは手術用ドレッサー、ガーゼ、脱脂綿の代換品
として使用できる。

勿論、必要に応じて抗菌処理しておくことも可能であり
、例えば、抗菌剤を多孔質弗素樹脂シート、親水性部分
に含浸しておくことができる。

なお、多孔質弗素樹脂シートは、円’ＦＥ製のほかに、
テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共
重合体、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体、
ポリクロルトリフルオロエチレン、ポリフッ化ビニル、
ポリフッ化ビニリデン等の弗素樹脂から成る多孔質シー
トも使用できる。

実施例１気孔率：８０％、孔径：１μｍ、厚さ：１００μｍの焼
成された多孔質ＰＴＦＥシートの片面に、第２図Ａに示
す親水性処理パターンにて（円形の直径はほぼ４閣）、
シート全面積に対する親水性部分の総面積をほぼ５０％
にしてエチルアルコールを塗付し、該アルコールを多孔
質門下Ｅシートに含浸シ、次いで、これをポリビニルア
ルコール２％水溶液（親水性高分子水溶液）に浸漬し、
上記アルコール含浸部分にポリビニルアルコール水溶液
を浸させ、而るのち加熱乾燥（１８０’ＣＸ３０分間
）によりアルコールおよび水を飛散させると共にポリビ
ニルアルコールを定着せしめることにより、本考案医療
用シートを得た。

この医療用シートはポリビニルアルコールによる親水性
付与部分において、単位面積（ｄり当り約ｏ、ｏｏ５ｇ
の水を吸収できた。

実施例２気孔率ニア０％、孔径：Ｑ、５．ｕｍ、厚さ：１００μ
ｍの未焼成多孔質円’ＦＥシートを用いること、平均粒
子径０．０１μｍの二酸化ケイ素粉末２唾量部を水１０
唾量部に分散せしめた液を用いること、および加熱乾燥
を３６０℃×３分間の条件で行なうようにすること以外
は全て実施例１と同様に作業し、医療用シートを得た。

この医療用シートにおける親水性付与部分の水吸収量は
単位面積（ｄ）当り、約０．００３ｇであった。

本考案に係る医療用シートは、上述した通りの構成であ
り、多孔質弗素樹脂シートの撥水性のために、外部から
傷口への水の浸入をよく軽減でき、入浴の際でも、傷口
を良好に保護できる。

又、親水性部分が存在しているために、傷口からの排出
体液も充分に吸収でき、体液による傷口の汚れもよく防
止できる。

更に、弗素樹脂が抗菌性に秀れ、しかも、殺菌のための
オートクレーブ処理にも耐え、か）る面からも医療用シ
ートとして有利である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る医療用シートを示す縦断説明図、
第２図Ａ１第２図Ｂ並びに第２図Ｃは本考案シートにお
ける親水性部分の各種の形状を示す平面説明図、第２図
りは本考案シートの別実施例を示す縦断説明図である。図において、１は多孔質弗素樹脂シート、２゜２・・・
・・・は親水性部分である。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

多孔質弗素樹脂シートが部分的に親水性とされているこ
とを特徴とする医療用シート。