JPS6010595Y2 - 消火栓装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、トンネルの壁面等に設置され使用時にはホー
スの引き伸しを迅速且つ円滑に行えると共に、使用後に
はホースの巻き取りを簡単且つ良好に行なえる消火栓装
置に関する。

従来、この種消火栓装置としては、第４図に示す構造の
ものが知られている。

即ち、この消火栓装置１００は、トンネル壁面の凹所に
設置された箱本体１０１と、箱本体１０１内に前後方向
軸線を中心に回転自在に設けられたホースリール１０２
と、ホースリール１０２に巻き回されてその基端部が送
水源に接続されたホース１０３と、箱本体１０１の下方
及び側方位置に設けられた下方案内ローラ１０４及び側
方案内ローラ１０５等から構成されて居り、緊急時にホ
ース１０３を引っ張ると、該ホース１０３は下方案内ロ
ーラ１０４若しくは側方案内ローラ１０５に案内されつ
つ伸長するようになっている。

尚、第４図に於いて、１０６はノズル、１０７は消火栓
弁、１０８はポンプ起動用スイッチ、１０９は圧力調整
弁である。

而して、前記消火栓装置１００は、ホースリール１０２
が箱本体１０１内に枢設されている為、ホースリールが
揺動機構を介して箱本体に取付けられ使用時には箱本体
の外側へ突出できるようにした消火栓装置（図示省略）
に比較してその構造を簡略化できる上、箱本体の厚さを
薄くできると云う利点がある。

然し乍ら、前記消火栓装置にあっても、なお解決すべき
問題点が残されている。

即ち、ホース１０３を引き伸す際、該ホース１０３を引
っ張る方向によってはこれが各案内ローラ１０４，１０
５に良好に案内されず、箱本体１０１の下方縁部や側方
縁部を擦りつつ引き伸されたり或は下方案内ローラ１０
４と側方案内ローラ１０５との間に挾まったりして、ホ
ース１０３の引き伸しを迅速且つ円滑に行えないことが
ある。

特に、偏平なホースを使用した場合には、該ホースが各
案内ローラ１０４．１０５間に挾まれ易いことになる。

又、ホース１０３を引き伸すときに、ホースリール１０
２が惰性により必要以上の速度で回転し、ホース１０３
が極端に弛むことがある。

この場合には、ホース１０３の引き伸しに支障を来たす
ことになる。

一方、ホース１０３を巻き取るときには、ホース１０３
を手で保持しつつホースリール１０２を回さなければホ
ース１０３が弛んだ状態でホースリール１０２に巻き回
されたり或は整然と巻き回されなかったりすることがあ
り、ホース１０３の巻き取りを簡単且つ良好に行えなか
った。

本考案は、上記の問題点を解消する為に創案されたもの
であり、その目的はホースの引き伸しを迅速且つ円滑に
行えると共に、ホースの巻き取りを簡単且つ良好に行え
る消火栓装置を提供するにある。

本考案の基本的な構成は、箱本体と、該箱本体内に前後
方向軸線を中心に回転自在に設けられたホースリールと
、該ホースリールに巻き回されてその基端部が送水源に
接続されたホースとを有する消火栓装置に於いて、前記
ホースを挾持しうる凹皿周面を備えた一対の案内ローラ
を、ホースリール下方位置の箱本体に回転自在に設け、
前記一対の案内ローラは前後方向軸線に対して所定の旋
回角度で配列されると共に、その軸芯を鉛直軸に対して
前傾させたものである。

本考案は、上記構成とすることにより、ホースの引き伸
し及び巻き取りの際、該ホースが案内ローラにより良好
に案内される為、ホースの引き伸しを迅速且つ円滑に行
えると共に、ホースの巻き取りを簡単且つ良好に行うこ
とができる。

以下、本考案の実施例を図面に基づいて詳細に説明する
。

消火栓装置１は、第１図及び第２図に示す如く、箱本体
２と、箱本体内部に設けられたホースリール３と、ホー
スリール３に巻き回されたホース４と、ホースリール下
方位置の箱本体２に設けられた一対の案内ローラ５，５
等からその主要部が構成されている。

前記箱本体２は、回動式の扉６を有して居り、トンネル
の壁面下方位置に形成した凹所に設置されている。

ホースリール３は、箱本体２内に前後方向軸線Ｘを中心
に回転自在に設けられている。

例えば、固定管７の一端部を前後方向軸線Ｘに沿わせて
延出し、これに回転自在に取付けられている。

ホース４は、ホースリール３に左巻きで適数回巻き回さ
れて居り、その基端部はロータリーバルブ（図示省略）
及び固定管７等を介して送水源に接続されている。

又、ホース４の先端にはノズル８が取付けられている。

尚、第１図に於いて、９は消火栓弁、１０は圧力調整弁
である。

一方、一対の案内ローラ５，５は、ホース３を挾持しう
る凹皿周面を備えて居り、ホースリール３下方位置の箱
本体２内に回転自在に設けられている。

即ち、一対の案内ローラ５，５は、傾斜した土壁１１′
を有する支持板１１を箱本体２の底壁２′に固着し、該
支持板１１の土壁１１′に一対の支軸１２．１２を垂設
し、該支軸１２．１２に軸着することにより回転自在と
なっている。

又、一対の案内ローラ５，５は、第３図に示す如く前後
方向軸線Ｘに対して所定の旋回角度α（例えば約３０度
）で配列されていると共に、その軸芯Ｙを第２図に示す
如く鉛直軸線２に対して所定の傾斜角度β（例えば約１
０〜１５度）だけ前傾させている。

更に、一対の支軸１２．１２間距離は、一対のローラ５
，５がホース４を常時挾持して回転できるように選定さ
れている。

尚、第１図及び第２図に於いて、１３はホースリール３
の外周囲近傍で且つ箱本体２内に回転自在に横設された
ホース弛み止め用のローラである。

而して、火災等の緊急時にホース４を引っ張ると、該ホ
ース４はホースリール３を矢印イ方向へ回転させつつ伸
長して行く。

このとき、ホース４は、所定の旋回角度で配列されてい
ると共に軸芯を前傾させている一対の案内ローラ５，５
に挾持されている為、該ホース４は第１図の左方向から
右方向の範囲に亘って一対の案内ローラ５，５により常
時良好に案内される。

その結果、ホース４の引き伸しを迅速且つ円滑に行える
。

又、ホース４は一対の案内ローラ５，５に挾持されてい
る為、ホース４を引き伸した際にホースリール３が惰性
で回転することがなく、該ホース４が弛んで引き伸し操
作に悪影響を及ぼすことがない。

一方、消火作業後にはホースリール３を矢印イ反対方向
へ回転させてホース４を巻き取れば良い。

このとき、ホース４は一対の案内ローラ５゜５に挾持さ
れている為、ホースリール３を回転させるだけでホース
４に適当な引張力が附与される。

その結果、ホース４は弛むことなくホースリール３に巻
き取られる。

その上、ホースリール３の外周囲近傍會こはローラ１３
が横設されている為、ホース４は弛むことなく整然とホ
ースリール３に巻き取られる。

尚、上記実施例に於いては、支持板１１を箱本体２底壁
２′に固定し、該支持板１１の土壁１１′に一対の支軸
１２を垂設し、該支軸１２に案内ローラ５を軸着したが
、他の実施例に於いては、支軸１２を直に箱本体２の底
壁２′に固定し、該支軸１２に案内ローラ５を軸着する
ようにしても良い。

このとき、支軸１２．１２を所定の旋回角度で配列する
と共に、前傾させることは勿論である。

又、上記実施例に於いては、一対の案内ローラ５．５の
旋回角度は第３図に示す如く右回り方向になっているが
、他の実施例に於いては、これを左回り方向にしても良
い。

この場合には、ホース４を右巻きでホースリール３に巻
き取れば良い。

更に、一対の案内ローラ５，５の旋回角度α及び傾斜角
度βは上記実施例に限定されるものではなく、ホース４
を常時挾持でき且つホース４の引き伸し及び巻き取りの
際にホース４を良好に案内できればその角度は任意であ
る。

上述の通り、本考案の消火栓装置は、ホースを挾持しう
る一対の案内ローラを、ホースリール下方位置の箱本体
内に所定の旋回角度で配列すると共に、該案内ローラを
前傾させる構成とした為、ホースは広範囲に亘って一対
の案内ローラで常時良好に挟持されつつ案内される。

従って、ホースの引き伸しの際には、ホースリールが必
要以上の速度で回転したり或はホースが箱本体の下方縁
部や側方縁部に引っ掛ると云うことがない。

延いては、ホースの引き伸しを迅速且つ円滑に行える。

又、ホースの巻き取りの際には、ホースリールを回した
ときにホースに適当な引張力が働く上、ホースが案内ロ
ーラにより良好に案内される為、ホースは弛むことなく
整然とホースリールに巻き取られる。

即ち、ホースの巻き取りを簡単且つ良好に行える。

更に、案内ローラを箱本体の下方位置にのみ設ける構成
とした為、箱本体の下方及び側方位置に案内ローラを設
けた消火装置に比較して組立の簡略化及びコスト低減を
図れる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例を示す消火栓装置の一部破断正
面図、第２図は同じく縦断右側面図、第３図は案内ロー
ラの平面図、第４図は従来の消火栓装置の一例を示す一
部破断正面図である。 １は消火栓装置、２は箱本体、３はホースリール、４は
ホース、５は案内ローラ、Ｘは前後方向軸線、Ｙは案内
ローラの軸芯、２は鉛直軸線、αは旋回角度、βは傾斜
角度。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 箱本体２と、該箱本体２内に前後方向軸線Ｘを中心に回
   転自在に設けられたホースリール３と、該ホースリール
   ３に巻き回されてその基端部が送水源に接続されたホー
   ス４とを有する消火栓装置に於いて、前記ホース４を挾
   持しうる凹皿周面を備えた一対の案内ローラ５，５を、
   ホースリール３下方位置の箱本体２に回転自在に設け、
   前記一対の案内ローラ５，５は前後方向軸線Ｘに対して
   所定の旋回角度αで配列されると共に、その軸芯Ｙ、
   Ｙを鉛直軸線２に対して前傾させた事を特徴とする消火
   栓装置。