JPS599846Y2 - 木材切削装置用の送材装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、送材テーブル側にも送材ベルトを設け、この
送材ベルトを送材テーブルの上方に設けた公知の送材ベ
ルトと同調回転させて、材料の上下両面に移送力を働か
せ、材料を送材テーブルとの摩擦を殆ど生じさせること
なく移送して、強切削時においても小動力で安定した送
材が行われる様にすると共に、材料と送材テーブルとの
摩擦による材料面の損傷を防止し、又、前記送材テーブ
ルに配設する送材ベルトを幾条かに区分し、切削刃及び
刃口金の斜交角に合せて部分的に長さを変えたベルト張
設部の各部の長さに順応させることにより、斜交角を以
って配設された刃口金及び切削刃の各部へ送材ベルトの
端末を一律に近接させて、材料の全中に亘る移送力及び
刃口金と切削刃との接触条件を一定させ、材料全面の均
一切削を容易確実に行わせる木材切削装置用の送材装置
に係るもので、その一実施例を図面に付き説明すれば下
記の通りである。

図中Ａはスライサー又は仕上鉋盤等の木材切削装置（図
面はスライサーを示す）で、機体１の上面を送材テーブ
ル２とし、その中央部に図面第２図に示す様に移送材料
に対して適切な斜交角を与えた切削刃３と刃口金４とを
装備してあり、前記送材テーブル２の一側には、前記機
体１上に樹立したコラム５，５を設け、このコラム５，
５に減速機モータ６により駆動される昇降調整手段７に
より昇降される昇降体８を支持させ、この昇降体８の前
後両端に一対のローラ９，１０を片持状に支持させ、之
等ローラ９，１０に前記送材テーブル２の上方に対応す
る送材ベルト１１を張設して、後部ローラ１０へ減速機
１２を介してモータ１３の回転を伝え、送材ベルト１１
を通常は送材方向へ回転させ、返材したいとき反対方向
へ回転させる様にしてあり、この送材ベルト１１の裏側
には弾器１４に加圧させたローラ式等の抑え部材１５を
係合させ、送材ベルト１１の送り面全体が平均に材料へ
接触される様にしてある。

１６， １７は前記送材テーブル２の切削刃３と刃口金
４との取付部を除く部分に、切削刃３及び刃口金４の斜
交角に合せて部分的な長さが異る様に設けたベルト張設
部で、図面第２図に示す様に後記する区分送材ベルトが
耳を接して並ぶ様に設けるか、或は、各ベルトの間に図
面第３図に示す様にガイドｂが存在する様に設ける場合
とがある。

１８，１９は前記ベルト張設部１６，１７に張設する送
材ベルトで、前部の張設部１６においては、その前側に
軸心を一致させて設けたローラ２０と、後部に軸心を違
えて設けたローラ２１とに任意数に区分した長さの異る
ベルトを動端状に張設して、刃口金４の各部へ各送材ベ
ルト１６の後端が一律に接近する様にしてあり、後部の
張設部１７においては、その後側に軸心を一致さセ設け
たローラ２２と、前側に軸心を違えて設けたローラ２３
とに任意数に区分した長さの異る送オ４ベルト１９を無
端状に張設して、切削刃３の各部へ各送材ベルト１９の
前端が一律に接近する様にしたもので、両送材ベル｝
１８， １９は一般的には平ベルトを用いるが、巾が狭
いため蛇行を起し易いがら、後述する様なタイプのもの
を用いることがあるもので、之を代表としてベルト１８
とローラ２１に付いて説明する。

ベルト１８の内面に図面第７図に示す様な縦方向に突条
２４を設け、この突条２４をローラ２１に設けた凹溝２
５に係合させるが、又はベルト１８を図面第６図に示す
様に内面に歯部２６を設けタイミングベルトとし、その
歯部２６をローラ２１の歯車部２７に噛み合させるが、
或はベルトの代りにチェン１８を用い、このチェン１８
を鎖車２１に掛け、チェン１８に材料との接触面をゴム
２８張りとしたリンクプレート２９を取付けた無限軌道
式のものを用い、之等送材部材１８， １９を図面第１
図に示す様に前記送材ベルト１９を張設した後部ローラ
２２の軸３０から送材ベルト１１の後部ローラ１０の軸
３１ヘチェン３２により伝動させ、送材ベルト１９の前
部ローラ２３の軸３３がら送材ベルト１８の後部ローラ
２１の軸３４ヘチェン３５により伝動させて送材ベル｝
１１． １８． １９を同調回転させるか、又は、図
面第４図に示す様に送材ベルト１９にも送材ベルト１１
と同様駆動モータ３６を連係させると共に、送材ベル｝
１１， １９を張設したローラ１０， ２２に速度検
知器３７． ３８を関係させ、之等検知器３７． ３８
の検知信号を速度制御装置３９に入れ、モータ１３，
３５の回転速度を制御して送材ベル｝ １１． １８．
１９の同調運転を行うもので、この場合、尚、送材ベ
ルト１８の後部ローラ２１にも駆動モータ（図面には示
してない）を連係させ、後部ローラ２１に速度検知器（
図面には示してない）を関係させて、その信号を前述の
速度制御器３９に入れ、３個のモータの回転速度を制御
して送材ベルＨｌ，１８，１９の同調回転を計ることも
あるので、必要に応じて三つの送材ベル｝ １１． １
８． １９に僅かの速度差を与え、円滑な送材と材料取
出しが行われる様にすることもある。

４０， ４１は送材ベルト１８，１９の受け部材で、図
面第１図に示す様に送材ベルＨ８，１９の裏面全体に当
る板状体を用いる場合と、前配送材ベルト１１の抑え部
材１５と同様多数のローラを用いる場合とがある。

４２は送材ベルト１８， １９の張り手段で、通常は図
面第１図に示す様に送材ベル｝１８，１９の戻り側に係
合させた張り車を用い、之を送材ベル｝ １８， １９
の伸びに伴い下降させてベルト張り送り面にたるみを生
じさせない様にするもので、この張り手段は送材ベルト
１８，１９を張設したローラ２０， ２２を送りねじ等
により前後に移動調整出来る様にすれば、ローラ２０，
２２の移動により行っても良い。

尚、この装置における送材ベルト１８を張設した後部ロ
ーラ２１と送材ベルト１９を張設した前部ローラ２３と
は図面第２図に示す場合は片持ちとし、図面第３図に示
す場合は両持ち式と各ローラ２１，２３はその一端のも
のへ伝動し、之から順次にチェン等を用いて隣りのもの
へ伝動し、全体の送材ベル｝ １８． １９を同一方向
へ同速回転させるものである。

本考案に係る装置の一実施例は上記の様に構或されてい
るから、今図面第１図に示す構造においてモータ１３を
運転し、その回転を減速機１２を介してローラ１０に伝
えれば、送材ベルト１１が回転すると共に、ローラ２２
がローラ１０がらのチェン３２による伝動で送材ベルト
１９を回転させ、送材ベルト１９の回転はローラ２３が
らチェン３５を介してローラ２１に伝達され、送材ベル
ト１８を回転させるから、三つの送材ベルｌ− １１．
１８． １９は揃って同じ方向へ同じ速さで゛回転す
ることとなる。

従って同調回転する送材ベルト１１と１８． １９との
間隔を昇降体８に装備した公知のクッション手段（図面
は省略）が適当なクッション作動を行う様に調整して、
送材ベルト１１と１８との間へ材料を供給すれば、材料
は送材ベル｝ １１． １８がその上下面に接して進行
するため、ベル｝ １１． １８に同伴移動し、刃口金
４の部分に達するとベルト１８がら外れて刃口金４に係
合し、この刃口金４により切削刃３との関係位置を確実
に定められて切削刃３にかかり、その全中を部分むらな
く削られると切削刃３の後方の送材ベルト１９上に進ん
で下面を送材ベルト１９に接し、このベルト１９と共に
移動するから、送材中材料は刃口金４と切削刃３の取付
部と僅かに摩擦するだけで、他部分においては摩擦しな
いため、厚い突板を削り出すスライサーや、巾の広い板
の表面削りを行う大形仕上鉋盤等の様に切削抵抗の大き
い場合においても、小動力で安定した送材を行わせ、製
品面や材料を損傷することのない切削を能率的に行い得
るものである。

従来のスライサーや大形仕上鉋盤等の木材切削装置は、
切削性を向上させるため切削刃を送材方向に対して斜交
状に設けてあるから、送材テーブルにも送材ベルトを設
けて材料の下面にも移送力を働かせ、テーブルと材料と
の摩擦を減らして送材動力の節減と材料の損傷を軽減し
ようとしても、送材ベルトを図面第８図に示す様にしか
配設出来ず、従って刃口金４の前側と切削刃３の後側と
に三角状のテーブル面が残り、この部分においては依然
として材料がテーブルと摩擦するから、送材抵抗軽減の
効果が不十分で、送材に大きな動力を消費するだけでな
く、テーブルにより材料がこすられてその面を損傷する
し、又、刃口金の前側と切削刃の後側とに夫々テーブル
面が三角状に残るときは、その一側から他側へと次第に
摩擦抵抗が増大して、送材抵抗に著しい部分差を発生さ
せるため、送材が不安定となって送材方向の曲りや送材
の片寄りを生じさせるばかりでなく、刃口金及び切削刃
に対する材料の当りが不均等になり、切削にむらを生じ
易い欠点があった。

然るに本考案に係る装置は、送材テーブルの切削刃と刃
口金の配設位置を除く部分に、切削刃と刃口金との斜交
角に合せて長さを部分的に変化させた前後のベルト張設
部を設け、之等ベルト張設部に幾条かに区分してベルト
配設部の長さの変化に順応させた送材ベルトを張設し、
之等送材ベルトを材料の下面に接触させて上側の送材ベ
ルトと同調回転させるものであるから、移送材料は刃口
金及び切削刃の取付部と僅かに摩擦するのみでテーブル
面とは全く摩擦せず、上下両面に送材べルトの移送力を
受けることとなるから、送材抵抗軽減の効果が充分に発
揮されて送材動力の大巾な節減を可能とすると共に、材
料がテーブルにこすられて損傷することがなくなるもの
である。

殊に、この装置は送材ベルトを区分式とし、切削刃及び
刃口金の斜交角に合せて長さを変えたベルトの張設部に
、その長さに合せて設置出来る様にしたから、斜交角を
与えられた刃口金及び切削刃の各部へ各送材ベルトの端
末を一律に接近させ、刃口金及び切削刃の部分において
材料に働く摩擦を材料の全中において一定させたから、
送材ベルトによる材料移送は変向や片寄りを生じること
なく安定的に行われて、然も、材料の刃口金や切削刃へ
の当りはその全中に亘って平均し、切削に部分むらを生
じない特徴があるから、切削抵抗の大きいスライサーや
大形仕上鉋盤等の木材切削装置において小動力で安定し
た送材を行い全面を平均に切削させて、厚さの揃った突
板を得たり、材料の平面性の高い美麗な仕上げを行った
りするのに大きな効果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る装置の一実施例を示すもので、第１
図はこの装置を装備したスライサーの一部を縦断した側
面図。 第２図は送材テーブルの送材ベルトの張設状態を示す平
面図。 第３図は第２図の一部変形例を示す一部分の平面図。 第４図は送材ベルトを同調回転させる装置の説明図。 第５図は送材ベルトの変形例を示す一部分の側面図。 第６図は他の変形例を示す縦断側面図。 第７図は更に他の変形を示す縦断正面図。 第８図は従来の送材テーブルを示す平面図である。 図中２は送材テーブル、３は切削刃、４は刃口金、１１
は送材ベルト、１６， １７はベルト張設部、１８，１
９は送材ベルトである。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 送材テーブルの中央部に移送材料に対して斜交角を与え
   た切削刃と刃口金とを設け、前記送材テーブルの上方に
   送材ベルトを対設し、この送材ベルトを被加工材に圧接
   回転させることにより送材して、前記切削刃による材料
   の切削を行わせる木材切削装置において、前記送材テー
   ブルの切削刃と刃口金の配設位置を除く部分に、切削刃
   と刃口金との斜交角に合せて長さを部分的に変化させた
   前、後のベルト張設部を設け、之等ベルト張設部に幾条
   かに区別してベルト張設部の長さの変化に順応させた送
   材ベルトを張設し、之等送材ベルトを材料の下面に接触
   させて前記送材ベルトと同調回転させることを特徴とし
   た木材切削装置用の送材装置。