JPS598892Y2 - トラクタの燃料タンク支持装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はトラクタの燃料タンク支持装置に関するもので
、プラスチック製燃料タンクの合せ面の保護を目的とし
ている。

エンジンの熱風が燃料タンクや操縦者の足元へこないよ
うにすることも本考案の目的の一部である。

例えば農用トラクタにおいて燃料タンクをボンネット内
に配置する場合、燃料タンクをエンジン、クラッチハウ
ジング、ミッションケース等の結合体ケースの上方に専
用のブラケットを介して装着すると、ブラケットの数が
増し、構造が複雑高価になる。

一方、合せ構造のプラスチック製燃料タンクを採用した
場合、タンク底板下面の合せ面接合部が露出すると、走
行中又は作業中に下方から飛来した石や土塊により合せ
面接合部が破損し易く、燃料洩れを起す可能性がある。

本考案はダッシュボードステーに庇状の燃料タンク支持
板を設け、ダッシュボードステーを燃料タンクブラケッ
トに兼用すると共に、上記燃料タンク支持板によりプラ
スチック製燃料タンクの合せ面接合部の下側を覆い、合
せ面接合部を保護するようにしたもので、次に図面によ
り説明する。

燃料タンク部分の縦断左側面を示す第１図（矢印Ｆは前
方）において燃料タンク１は樹脂製の前ピース１ａと後
ピース１ｂを合せ面２において突き合せ接合した構造を
備え、底根上の接合部３だけは、第１図中に併記した部
分拡大図から明らかなように、接合幅Ｌ１を前後ピース
ｌａ，ｌｂに板厚ｔより大きくして接合強度を増してい
る。

４はキャップ、５はフィルターである。

燃料タンク１はタンクブラケットを兼ねるダッシュボー
ドステー６と熱風防止板７に支持されており、ダッシュ
ボードステー６は燃料タンク支持板８と、間隔をへだて
た垂直な２枚の縦板９を一体に備え、両縦板９の下端は
部分１０においてクラッチハウジング１１の左右側壁に
ボルトで締着されている。

燃料タンク支持板８は燃料タンク１の水平な底板に沿う
水平部８ａと、その後端がらタンク後壁に沿うように斜
め上方に延びる傾斜部８ｂと、傾斜部８ｂの上端から水
平後方に延びる水平部８Ｃを一体に備え、水平部８ａと
傾斜部８ｂ下半部に接着した緩衝ゴム板１２上に燃料タ
ンク１が後述するタンクバンド１３により圧接している
。

水平部８ａは下方へ張り出した細長い補強リブ１４を備
え、縦板９より前方（第１図左方）へ接合部３を越えて
延長し、緩衝ゴム板１２と共にタンク接合部３を下側か
ら覆っている。

熱風防止板７は垂直な本体１６と、本体１６の後面に溶
着した上開きＵ形断面の燃料タンク支持板１７から戒り
、熱風防止板本体１６はその前方にあるエンジン（図示
せず）に対し燃料タンク１を遮蔽し得る程度に燃料タン
ク１の前面形状より充分大きく（第２図）、左右両端部
は第２図のように下方へ延長し、この延長部１６ ａは
エンジン冷却済の熱風が第１図の矢印Ａのように熱風防
止板７へ当った時、左右両側へ逃げる熱風の流れを矢印
Ｂのように下方へ曲げ、熱風が操縦者の足元へ届かない
ようにする役割を果している。

支持板１７は前述の如く概ねＵ形であるが、中央付近が
段部１７ ａ（第２図）をへだてて下方へ凹大しており
、下端の水平部１７ｂは２個のボルト１８によりクラッ
チハウジング１１に締着されている。

段部１７ Ｈの上側の水平部１７ Ｃ上には緩衝ゴム板
１９を介して燃料タンク１が圧接している。

右側の延長部１６ ａの中央の孔２０にはグロメット２
１が嵌めてあり、このグロメット２１内にタンク１から
の燃料油管２２が支持されている。

燃料管２２の一端はストレーナー２３に接続し、他端は
燃料タンク１の下端の吐出口２４（第４図）に接続して
いる。

燃料タンク支持板１７の左右両水平部１７ Ｃにはタン
クバンド１３の一端を通すための矩形の孔２５とアンカ
ーピン２６を通すための円形の孔２７が設（Ｊてあり、
Ｌ形アンカーピン２６の一辺を孔２７に通し他辺を孔２
５の下側に配置した状態で、タンクバンド１３の一端を
孔２５の下側においてアンカーピン２６に接続している
。

タンクバンド１３はアンカーピン２６の部分から上昇し
、燃料タンク１の上面を通り他端は締付けボルト２８に
固定されている。

締付けボルト２８は支持板水平部８Ｃに明けた孔を貫通
し、支持板水平部８Ｃより下方へ突出した部分にナット
２９を捩込むことによりタンクバンド１３に適当な張力
を与え、燃料タンク１を緩衝ゴム板１２． １９上に押
し付けている。

以上説明したように本考案においては、ダッシュボード
ステー６に燃料タンク支持板８を設け、その上に配置し
た緩衝ゴム板１２を介し燃料タンク１を支持すると共に
、燃料タンク支持板８を前方（第１図の左方）へ張り出
してプラスチック製燃料タンク１の合せ面接合部３を支
持板８で下側から覆うようにしたので、衝撃や応力に対
し強度が低下し易い接合部３を保護することができ、走
行中や作業中に下方から飛来した小石や土塊が接合部３
に衝突して接合部３を破損する恐れがなくなり、燃料洩
れやそれに起因する事故（火災等）を防止し得る。

燃料タンク支持板８は熱風防止板７の燃料タンク支持板
１７と協働して燃料タンク１の底板を下側から覆う保護
部材の役割を果し、合せ面接合部３のみならず、燃料タ
ンク１の底板金体の損傷防止に有効である。

図示の実施例のように合せ面接合部３の下側に緩衝ゴム
板１２を延長して配置すると、燃料タンク１をタンクバ
ンド１３で強く締め付けた場合にも、又走行中に燃料タ
ンク１が振動しても、合せ面接合部３に応力が集中する
恐れがなく、合せ面接合部３における破損を可及的に防
止し得る利点がある。

又本考案においては、ダッシュボードステー６に設けた
燃料タンク支持板８と、エンジン後方に起立した熱風防
止板７と一体の燃料タンク支持板１７とを近づけて、燃
料タンク支持板８，１７で燃料タンク底板の合せ面２を
含めタンク底板をほぼ全体にわたり覆うようにしたので
、プラスチック製燃料タンク１の合せ面接合部ばかりで
なく、タンク底板を全体にわたり保護することができ、
走行中又は作業中に下方から飛来した石や土塊により合
せ面接合部やタンク底板が破損する恐れがなくなり、燃
料洩れ等の不具合を確実に防止することができる。

又本考案においては熱風防止板７により燃料タンク前面
全体を覆うようにしたので、エンジンにより加熱された
熱風がプラスチック製燃料タンク１を軟化させる恐れが
なくなり、この面からも燃料タンクの耐久性が向上する
。

なお本考案を具体化する時緩衝ゴム板１２の代わりにフ
エルト、発泡樹脂その他の緩衝体を採用しても良い。

【図面の簡単な説明】 第１図は本考案を適用した農用トラクタの縦断左側面部
分図、第２図は第１図のＩＩ − ＩＩ矢視正面図、第
３図は第１図中のダッシュボードステー単体の平面図、
第４図は燃料タンクの正面部分図である。 １・・・・・・燃料タンク、２・・・・・・合せ面、６
・・・・・・ダッシュボードステー ８・・・・・・燃
料タンク支持板、１２・・・・・・緩衝ゴム板（緩衝体
）。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ダッシュボードステー６に設けた燃料タンク支持板８と
   、エンジン後方に起立した熱風防止板７と一体の燃料タ
   ンク支持板１７とを近づけて両支持板８，１７上に緩衝
   体を介してプラセチツク製燃料タンク１を取り付け、燃
   料タンク支持板で燃料タンク底板の合せ面接合部を含め
   タンク底板をほぼ全体にわたり覆い、又熱風防止板７に
   より燃料タンク前面全体を覆うようにしたことを特徴と
   するトラクタ燃料タンク支持装置。