JPS598875Y2 - 汚泥脱水設備 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、下水並びに排水から抽出した汚泥の含水を
分離する汚泥の脱水設備に関する。

従来、処理槽等から抽出した濃縮汚泥を脱水処理するに
は、第１図に示すように先づ矢方向に循環する下部メッ
シュベルト１と上部メッシュベルト２との間に抽出した
含水汚泥Ａを挾んで送り、加圧ローラ３によりメッシュ
ベルト１，２の間において含水汚泥を挾圧して含水を加
圧脱水する。

次にこの含水汚泥を挾んだままの上下メッシュベルト１
，２を屈曲ローラ４により屈曲して、汚泥を剪断する如
く絞り、剪断脱水する。

前記屈曲ローラ４の下流側には、上下に間隔をおいて対
峙する下部テールプーり５と上部テールプーり６とを設
け、それぞれに下部メッシュベルト１、上部メッシュベ
ルト２を巻掛けてベルト間隔を上下に拡大し、下部メッ
シュベルト１にスクレーパ７を摺接する。

スクレーパ７はメッシュベルト１，２に挾まれてできた
汚泥ケーキを剥ぎ取る。

さらにテールフ゜−り５，６を迂回したメッシュベルト
１，２に面して洗浄ノズル８，９を設け、この洗浄ノズ
ル８，９から上水を噴射して、メッシュベルト１，２に
目詰りした残留汚泥を洗い落し、メッシュベルト１，２
を循環させて使用することができるようになっている。

しかし、上下のメッシュベルト１，２の網目に詰った残
留汚泥を噴射圧力により洗浄除去するには、メッシュベ
ルト１，２の面に当る噴射水の圧力を２〜５ ｋｇ／Ｃ
ｍ２に保持しなければならない。

また噴射水に異物が介入すると洗浄ノズル８，９が孔詰
りするので、その防止のため上水Ｆが使用され、メッシ
ュベルト１，２の洗浄のために、貴重な上水を多量に消
費する欠点があった。

すなわち、含水汚泥からの分離水を上記洗浄に使用する
と洗浄ノズルが目詰りを起しやすく、目詰りを起こすと
上記圧力を保持することができず、従って含水汚泥の分
離水はメッシュベルトの洗浄に使用することができなか
ったものである。

この考案は、前記従来の欠点に鑑み、含水汚泥からの分
離水の使用を可能にし上水の消費を抑制した、汚泥の脱
水設備を提供することを目的とする。

この考案の一実施例を図に基いて説明する。

第２図は、この考案の説明図であり、第１図と共通する
部材は同じ符号を用い、説明を省略する。

？において途中に枝管１０を有する汚泥供給管１１をこ
れと同心に回転自在な混合ドラム１２の奥深く差し込ん
で開口する。

前記混合ドラム１２はその内面に攪拌羽根１３を突設し
て、汚泥供給管１１の差し入れ側端に流出窓１４を開口
し、外面にはスクリュウ羽根１５を突設する。

さらに混合ドラム１２のスクリュウ羽根１５の外側には
メッシュドラム１６を同心に回転自在に設け、メッシュ
ドラム１６の下流端（図の左端）を開口する。

メッシュドラム１６の本体下方に重力分離水の回収タン
ク１７を設け、メッシュドラム１６の開口端の下方に凝
集汚泥ホツパ１８を設ける。

前記重力分離水の回収タンク１７には、内装したフロー
ト弁［１９に接続する上水補給管２０と、汲出しポンプ
２１と、溢流排水管２２とを設ける。

汲出しポンプ２１の吐出側とメッシュドラム１６の上方
に設けたシャワー２３および後述する噴射装置８，９と
は管を介して連通ずる。

凝集汚泥ホッパ１８の下には、上下に対向して矢方向に
循環するメッシュベルト１，２の上流端近傍が臨むよう
に、ヘッドプーり２４． ２５を設ける。

ヘッドプーり２４． ２５の下流側に加圧ローラ３を設
け、加圧ローラ３の下流に屈曲ローラ４を配設し、この
ローラ３，４にはメッシュベルト１，２を重ねて巻掛け
る。

前記屈曲ローラ４の下流側上下にテールプーり５，６を
設けてメッシュベルト１，２がそれぞれ上流側に反転し
て循環するようにする。

下部メッシュベルト１は、リターン側をテールプーり５
と、ヘッドプーり２４との間に張架し、その中間にリタ
ーンローラ２６を設ける。

上部メッシュベルト２は、リターン側をテールプーり６
とへッドプーり２５との間に張架し、その中間にリター
ンローラ２７を設ける。

リターンローラ２６， ２７の間を通過するメッシュベ
ルト１、２の上方には、前記噴射装置８、９をそれぞれ
設ける。

ヘッドプーリ２５と加圧ローラ３との間の下部メッシュ
ベルト１の下方には加圧分離水回収ホツパ２８を設け、
屈曲ローラ４の下方には剪断分離水回収ホツパ２９を設
け、上方に噴射装置８が臨む下部メッシュベルト１の下
方には洗浄廃水回収ホツパ３０を設け、同様に上方に噴
射装置９が臨む上部メッシュベルト２の下方には洗浄廃
水回収ホツパ３１を設ける。

さらに前記溢流排水管”２２と各回収ホツパ２８， ２
９， ３０， ３１の吐出側に臨む総合ホツパ３２を設
ける。

またテールプーり５の外側には、下部メツ？ュベルト１
に接するスクレーパ７を設ける。

噴射装置８，９はほぼメッシュベルト１，２の巾の長さ
を有し、適数個の噴射孔３３を設けた管３４内に第３図
の如く掃除軸３５を回転自在に設け、この掃除軸３５に
管３４の内周面と接する刷毛３６を植毛したものである
。

前記構造においてその作用を次に説明する。

汚泥供給管１１により供給される含水汚泥に枝管１０を
介して凝集剤を添加し、混合ドラム１２内にて凝集剤と
汚泥とを攪拌羽根１３により攪拌混合して、汚泥を粗大
に結合した後、流出口１４からメッシュドラム１６に送
り出す。

メッシュドラム１６は汚泥中の含水を重力脱水してこの
重力分離水を回収タンク１７に回収し、結合汚泥をスク
リュウ羽根１５により凝集汚泥ホッパ１８に送り込む。

回収タンク１７に回収した重力分離水は殆んど介在異物
が認められないから、ポンプ２１によりシャワー２３と
噴射装置８，９とに送り、メッシュドラム１６とメッシ
ュベルト１，２の洗浄に使用する。

上水補給管２０は、ポンプ２１の汲出量が重力分離水の
回収量よりも多量になるとフロート弁１９が開いて上水
を補充するためのものであり、溢流排水管２２は、ポン
プ２０の汲出量が重力分離水回収量よりも少量のとき重
力分離水を溢流させて排出するためのものである。

凝集汚泥ホッパ１８に送った汚泥は、ヘッドプーリ２４
， ２５と加圧ローラ３との間において上下メッシュベ
ルト１，２により挾圧して加圧脱水し、この加圧分離水
を回収ホツパ２８に流す。

加圧された汚泥は上下メッシュベルト１，２と共に屈曲
ローラ４の方へ進む。

屈曲ローラ４に進んだ汚泥は、上下メッシュベルト１，
２が屈曲して相互に異相を生ずることにより、絞る如く
剪断脱水され、その剪断分離水は回収ホツパ２９に流入
する。

剪断脱水後下部メッシュベルト１上に残った汚泥ケーキ
は、従来同様にスクレーパ７により下部メッシュベルト
１から剥離して処理する。

リターンロ＝ラ２６， ２７が案内するメッシュベルト
１，２のリターン側はそれぞれ噴射装置８，９により付
着残留汚泥を洗浄除去し、その洗浄廃水はそれぞれ回収
ホッパ３０． ３１に流入する。

排水管２２並びに回収ホツパ２８， ２９， ３０，
３１から流出する水は総合ホツパ３２に集中した後処理
される。

噴射装置８，９は噴射孔３３に介在異物が詰っても掃除
軸３５が刷毛３６を回転させることにより詰った介在異
物を除去することができるものである。

以上説明したようにこの考案は、メッシュベルトを用い
た汚泥脱水装置に重力脱水装置を付設し、この脱水装置
により脱水した分離水を、リターン側のメッシュベルト
上に設けた洗浄装置から噴射させるようにしたものであ
り、しかもこの洗浄装置は噴射孔に異物が詰っても容易
に除去することができるようになっているので、含水汚
泥の分離水を使用することができるものである。

従ってメッシュベルトの洗浄水の殆んどが分離水である
ため、上水の使用を大きく抑制して貴重な水資源の節約
に多大の貢献をすることができるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来設備の説明図、第２図はこの考案の一実施
例の説明図、第３図は洗浄装置の断面図である。 １：下部メッシュベルト、２：上部メッシュベルト、８
，９：噴射装置、１６：メッシュドラム、１７：回収タ
ンク、２１：ポンプ、３３：噴射孔、３４：管、３５：
掃除軸、３６：刷毛。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 互に対向して同方向に循環するメッシュベルトの間に含
   水汚泥を挾んで脱水を行なう脱水装置と、該脱水装置に
   前記含水汚泥を供給する以前に予め脱水を行なう装置と
   を有する汚泥脱水設備において、適数個の噴射孔を有し
   刷毛を回転自在に内装する噴射装置を、前記メッシュベ
   ルトのリターン側に臨んでそれぞれ設け、かつ前記予め
   脱水を行なう装置の分離水回収タンクと前記噴射装置と
   を、ポンプを介して連通したことを特徴とする汚泥脱水
   設備。