JPS598727Y2 - バ−スクリ−ン - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、沈砂タンク、流量調整タンク、ばつ気タンク
、沈澱タンク、汚泥貯留タンク、消泡タンク、消毒タン
ク等を併せて配置した通称合併処理装置と呼ばれるよう
な汚水処理装置等において、汚水が最初に導入される沈
砂タンクの内部に設置するバースクリーンに関するもの
である。

此種処理装置の一般的な沈砂タンクは、第１図に示すよ
うに、流入口ａより流れ込む汚水中の土砂を沈澱させる
と共に、該汚水をタンク内中央部に設置のバースクリー
ンｂを通して汚水中の大きい浮遊物や異物等を取り除き
、該スクリーンｂを通過した小さな浮遊物や異物をエア
ー破砕機Ｃで破砕して送水口ｄより次の流量調整タンク
（不図示）へ送水するようになしてある。

ところで、斯る沈砂タンク内部に設置する従来のバース
クリーンｂは、上下の横枠ｂｌ，ｂ２の間に多数のバー
ｂ２・・・・・・を間隔おきに並列して上下方向に架設
しただけの簡単な構造のものであり、例えば難溶性の大
きな紙片等がこのバースクリーンｂ（こひっかかると徐
々（こスクリーンの目づまりを生じるため、第２図に示
すように小さな浮遊物や異物等も通過しなくなってスク
リーンｂの下部に堆積して腐敗し、スクリーンｂが完全
に目づまり状態となって流入側の水位が上昇し、流入口
ａから汚水が逆流しはじめ、ついにはスクリーンｂをオ
ーバーフローするようになると云う問題があった。

このため、堆積、腐敗した夾雑物を作業員が定期的に掻
揚げて取り除き、沈砂タンクが正常に機能するようにし
てやらねばならないが、従来のバースクリーンｂは、夾
雑物が堆積し易いものであるため、この夾雑物除去作業
をかなり頻繁に行なわなければならず、且つ夾雑物の堆
積量が多いので、作業員の負担は極めて大きいものであ
った。

しかも、このような夾雑物は腐敗臭が強く、且つ糞塊等
もかなり混入させているので、夾雑物の除去作業は非常
に嫌悪感を伴なうものとなり、亦除去した夾雑物からハ
エが発生するため衛生面でも問題があった。

更に、夾雑物除去後、水位が平常に戻ると、沈砂タンク
の周壁に付着している油分が空中にさらされて腐敗し、
露出した流入口ａから腐敗臭が逆流する問題があり、特
にこの問題は、レストランや飲食店からの油分を多量に
含む雑排水を処理する場合に重大なものとなる。

本考案は、上記問題の根本原因がバースクリーンにある
点に着目し、このバースクリーンを改良することによっ
て上記問題の解決を図ったもので、バースクリーンを中
空となして通気路を内部に形或し、該通気路に連通ずる
散気孔を表面適所に多数穿設し、該通気路に空気を供給
する給気管を接続し得るように構威したことを要旨とす
る散気式のバースクリーンに関するものである。

以下、図面を参照しながら本考案バースクリーンを詳細
に説明する。

第３図は、本考案の一実施例を示す断面図であって、こ
こに例示のバースクリーンＢは、上下双方の横枠３及び
４の間に多数のバー５・・・・・・を間隔おきに並列し
て上下方向に架設し、従来のバースクノーンとほぼ同様
の外観を呈するように組格したものであるが、上下双方
の横枠３，４及び各バー５・・・・・・を全て中空とな
してバースクリーン内部に連続した通気路１を形或する
と共に、上側の横枠３中夫に給気管ｅを接続できるよう
に接続管６を突設して該給気管ｅから空気が通気路１内
に供給されるようになし、且つこのバ＋スクリーンを沈
砂タンク内に設置したときに汚水中に漬かる各バー５・
・・・・・のほぼ下半部及び下方の横枠４の表面に通気
路１と連通ずる多数の散気孔２・・・・・・を穿設して
、これら散気孔２・・・・・・から空気が放出されるよ
うに構或したものである。

図例のバースクリーンＢでは、給気管ｅを一本だけ接続
するようにしてあるが、給気量不足するようであれば、
上下の横枠３，４のいずれか一方又は双方に単数又は複
数の接続管６を突設して、給気管ｅの接続本数を増して
やればよい。

尚、バースクリーンと給水管ｅとの接続を、接続管６以
外の他の接続手段によって行なってもよいことは云うま
でもない。

亦、図例のバースクリーンＢでは、下側の横枠４も中空
となして散気孔２・・・・・・を穿設しているが、該横
枠４は中実で散気孔２・・・・・・のないものであって
もよい。

亦場合によっては、各バー５・・・・・・の下端開口部
を閉塞して、下側の横枠４を取り除き、クシ状のバース
クリーンの如くすることもできる。

更に、給気管ｅを下側の横枠４に接続し、各バー５・・
・・・・の上端開口部を閉塞して上側の横枠３を取り除
き、逆クシ状のバースクリーンとしてもよい。

このような本考案バースクリーンＢが、金属製或は合或
樹脂製の丸パイプ又は角パイプ等を用いて簡単に製作で
きるものであることは、容易に理解されよう。

以上の如く構或された本考案バースクリーンＢは、第４
図に示すように、沈砂タンク内にやや傾斜して設置する
と共に、その接続管６に給気管ｅを接続して給気管ｅか
ら内部の通気路１に空気を供給し、汚水に漬ったバー５
・・・・・・下半部の散気孔２・・・・・・及び下側の
横枠４の散気孔２・・・・・・から空気を放出させて使
用するものであり、而して流入口ａから流れ込む汚水中
の浮遊物や異物は、その大部分が散気孔２・・・・・・
から放出される空気によって微破砕ないし半溶解されて
スクリーンの間隙を通過し、送水口ｄより次の流量調整
タンクへ送水されてゆき、紙類その他の難溶性の大きい
浮遊物や異物のみが残留することになる。

これら残留した浮遊物や異物のうち、重い異物ｇ等は沈
砂タンクの底に沈積するが、スクリーンの目づまりをお
こし易い紙類等の難溶性浮遊物ｆは、散気孔２・・・・
・・から空気が放出されているため、バー５・・・・・
・への付着が妨げられて汚水中を回流するようになり、
スクリーンの目づまりを殆んど生じなくなる。

しかもこれらの残留夾雑物は、散気孔２・・・・・・か
ら放出される大量の空気との接触が良好であるため、容
易に腐敗することもなくなるのである。

尚、一層の汚水処理性能を高めるため、バースクリーン
Ｂ通過後にバースクリーンＢのバー５の間隔より目の細
かいバーを有するバースクリーンＢと同様な構造のスク
リーンを設けることもできる。

このように、本考案バースクリーンＢによれば、糞塊そ
の他の溶解性異物等が微破砕ないし半溶解されてスクリ
ーンを通過し、紙類等の大きい難溶性浮遊物や異物のみ
がスクリーンの目づまりを生じることなく残留するので
、夾雑物の沈積ないし残留量が少なく、従って夾雑物の
掻揚げ除去作業を従来のバースクリーンのように頻繁に
行なう必要がなくなリ、シかも夾雑物が非圧密状態で沈
積ないし残留しているから、夾雑物の除去作業が楽で一
回の作業時間を短縮できるのである。

そして、夾雑物には糞塊等の混入が殆んどなく、且つ夾
雑物自体の腐敗も殆んどないので、嫌悪感を伴なうこと
なく除去作業を行なうことが可能となり、亦掻揚げ除去
した夾雑物からハエが発生することがないので、環境衛
生面でも好都合である。

更に、本考案バースクリーンによれば、スクリーンの目
づまりによって流入側の水位が上昇することが防止され
るので、従来のように水位上昇によって沈砂タンク側壁
上部に付着した汚水中の油分が、夾雑物除去後の水位低
下によって空気と触れて腐敗し、その腐敗臭が流入口ａ
より逆流する欠点も解消され、亦本考案バースクリーン
がエアー破砕機としての機能を有するものであるため、
第４図に示すようにエアー破砕機を取除いて沈砂タンク
内の構造を簡素化することも可能となる。

加えて、本考案バースクリーンによれば、上記の如く紙
類等の夾雑物を腐敗させずに除去し得るので、合併処理
装置の汚水処理性能が向上する。

以上述べた如く、本考案バースクリーンは簡単な構造に
して多くの著効を奏し、実用性の極めて大きいものであ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の沈砂タンクの要部切欠斜視図、第２図は
同沈砂タンクの作用を説明する部分断面図、第３図は本
考案バースクリーンの断面図、第４図は本考案バースク
リーンを設置した沈砂タンクの作用を説明する部分断面
図である。 図面の主要符号の説明 １・・・・・・通気路、２・・
・・・・散気孔、３，４・・・横枠、５・・・・・・バ
ー、６・・・・・・接続管、Ｂ・・・・・・本考案バー
スクリーン。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 汚水処理装置等の沈砂タンク内に設置するバースクリー
   ンに於て、該バースクリーンを中空となして通気路を内
   部に形或し、該通気路に連通ずる散気孔を表面適所に多
   数穿設し、該通気路に空気を供給する給気管を接続し得
   るように構或したことを特徴とするバースクリーン。