JPS597999Y2 - 引違い窓の排水装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、一対の窓内枠を有した引違い窓において窓外
枠の下枠に貯溜される雨水を室内部に溢流させることな
く、該滞溜雨水を室外側に良好に排水するための排水装
置に関する。

上記引違い窓では室内枠の閉止姿勢において、第５図に
示すように窓外粋のうち窓下枠Ｂの室内側水返し用垂壁
部Ｃと各窓内枠ＡＩ，Ａ２との間に雨水が滲入且つ滞溜
される。

この場合、室内外窓内枠ＡＩ，Ａ２と室内外レール条材
ＤＩ，Ｄ２との間の気密を司る気密パッキン（気密ヒレ
部材）Ｅ１，Ｅ２の室内外レール条材ＤＩ，Ｄ２に対す
る接当圧が比較的弱ければ、該部より排水が促がされ、
上記水返し用垂壁部Ｃと窓内枠ＡＩ，Ａ２との間の滞溜
雨水Ｇの水位が或る点よりも上昇しない。

しかし、上記気密パッキンＥｌ，Ｅ２の接当圧か弱けれ
ば、滞溜雨水が排水されるのとは逆方向に室外側から外
風がこの気密パッキンＥｌ，Ｅ２を通過して吹きこみ、
この吹きこみ力により滞溜雨水がしぶきとなって吹き上
げられ、特に図に見られるような室外側レール条材Ｄ１
と室内側レール条材Ｄ２とに高低差を付した所謂階段状
窓下枠Ｂでは水返し用垂壁部Ｃの頂部とこれに隣接する
上位側横壁部Ｆとの落差が浅いため雨水の吹き上げが顕
著になることから、一般には気密パッキンＥｌ，Ｅ２の
接当圧を強く保持し高い気密が得られるようにしている
。

従って水返し用垂壁部Ｃと室内外窓内枠ＡＩ，Ａ２間に
は雨水Ｇが滞溜される一方となり、ついには水返し用垂
壁部Ｃの頂部から室内部に溢流することになる。

本考案はかかる点に鑑みて威されたもので、以下その一
実施例を図面に基づき説明すると、第１図は引違い窓の
室外側正面図を示し、室内外一対の窓内枠２ａ，２ｂが
上枠３ａと下枠３ｂと両側枠３ ｃ ，３ ｃから戒る
窓外枠１内にそれぞれ開閉自在に嵌装されている。

窓外枠１のうち下枠３ｂの縦断側面形状は第２図で示す
通りで、窓外枠横壁部の室内外中間部に段差を付して水
切り用堰壁部５が室外部に対向して設けられ、これによ
って横壁部が堰壁部５を挾み室外側上段横壁部４ａと室
内側下段横壁部４ｂとに２分割構威されると共に、それ
ぞれの横壁部４ ａ ，４ ｂの上面にそれぞれレール
条材６ ａ ，６ ｂが立設され、最室内側部に水返し
用垂壁部７が突設されている。

又、室内外の窓内枠２ａ，２ｂにはそれぞれの下框８
ａ ，８ ｂの最下縁部室内側面に気密パッキン用嵌着
部９ａ，９ｂが形威され、此等に気密パッキン１０ ａ
，１０ ｂが横向き突出方向に嵌合取着され、レール
条材５ａ，６ｂに対する窓内枠２ａ，２ｂの嵌装姿勢で
各気密パッキン１０ ａ ，１０ ｂの先端が此等に対
応するレール条材６ ａ ，６ ｂに横方向から衝接さ
れ、しかして該部に水（気）密部が構或されるようにし
ている。

更に、室外側窓内枠２ａには下框８ａと竪框１１との直
角接合部において第３図に示す如く竪框１１の略幅分に
相当する範囲にわたり気密パッキンＩＯａが切欠されて
、該部に排水口部１２が開口され、この排水口部１２に
逆止弁１３が取着される。

この逆止弁１３は具体的には下框８ａに係合された合或
樹脂製ケース１４に上下回動自在に装備されており、自
重的に略垂直方向に垂下する姿勢では上記排水口部１２
を開放し、後記するように外風によって略水平方向に上
昇回動するに伴い上記排水口部１２を閉止するように構
威されている。

１５は逆止弁１３の背面に設けた突部で、この逆止弁１
３か七重的に垂下する時に該突部１５がケース１４の一
部に接当して逆止弁１３を垂直姿勢よりもやや室内側に
斜傾するように位置ずける作用を威す。

これは窓内枠２ａを窓外粋に取付ける以前に接地した際
、逆止弁１３が閉止方向とは逆方向に回動して切損する
のを防止するためである。

尚、前記排水口部１２部分においては前記気密パッキン
１０ａ、および竪框１１に設けた気密ヒレ部材１８の各
端部は気密的に逆止弁ケース１４に接当するまで設けて
、逆止弁１３を設けた排水口部１２以外に室内外に連通
ずる開口部がこの逆止弁ケース１４の近隣に形或されな
いように配慮する。

以上の構或において窓内枠２ａ，２ｂを閉止した状態で
は、雨水の吹込みに伴い第４図に示すように室内側窓内
枠２ｂの内側には該窓内枠２ｂの下框８ｂと水返し用垂
壁部７との間に、又室外側窓内枠２ａの内側には該窓内
枠２ａの下框８ａと水返し用垂壁部７との間にそれぞれ
雨水１６が滞溜され始める。

この両窓内枠２ａ，２ｂの内側の雨水１６はレール条材
６ｂと水返し用垂壁部７との間の溝部を通してつながり
、従って同一水位に保たれる。

この時、逆止弁１３は自重により下降して排水口部１２
が開放された状態にあり、滞溜雨水１６はこの排水口部
１２を通して室外側に排水可能となるが、滞溜雨水１６
には排水口部１２を介し外圧１７が作用するから、滞溜
雨水１６はその水位が外圧１７に打勝つ水圧ｈを有する
に至るまで阻止され、該打勝つ時に始めて排水される。

即ち外圧１７が第４図のように最高値Ｐ１と最底値Ｐ２
とにわたって正弦波的に変動する際、滞溜雨水１６は少
なくとも外圧１７の最底値Ｐ２に打ち勝つ水圧（水位）
を有するまで貯溜されてゆき、脈動的に変動する外圧１
７が例えば最高値Ｐ１から最底値Ｐ２に下がる途中にお
いて外圧１７よりも水圧が打ち勝つ時に排水口部１２か
ら排水され、再び外圧１７が上昇し該外圧１７が滞溜雨
水１６の水圧（水位）をこえる時に排水を停止する。

従って、このような排水動作とその停止の繰返しにより
滞溜雨水１６の水位ｈは外圧１７の平均圧Ｐ３にほぼ等
しい水位に安定され、それ以上雨水が貯溜されない。

このため、滞溜雨水の最深部である排水口部１２位置か
ら水返し用垂壁部７の頂点に至る高さＨを外圧１７の最
高値Ｐ１に相応する滞溜雨水１６の水位とほぼ同程度に
取っておけば、水返し用垂壁部７から室内部に雨水が溢
流することがなくなる。

特に本考案は排水口部１２を室外側窓内枠２ａの下框８
ａの最下縁部に設けているから、この排水口部１２と水
返し用垂壁部７との落差を大きくなり、外圧１７に打ち
勝つに充分な水位の雨水１６が貯溜されやすく、シかし
て前記の雨水１６の排水動作がより円滑となる。

又、水返し用垂壁部７と室内外窓内枠２ ａ ，２ ｂ
との間に雨水が貯溜されている状態で外風が激しく吹き
、これが排水口部１２より滞溜雨水に作用しようとする
も、この外風自体の力によって逆止弁１３が上方回動し
、その水平姿勢によって排水口部１２を閉止するから外
風の吹きこみがなく、この吹きこみによる滞溜雨水１６
の吹き上げも良好に阻止されるに至る。

以上詳述したように本考案は窓内枠の下枠に常時摺接す
る気密パッキンを室内外窓内枠の下框に設けると共に、
この室内外窓内枠のうち室外側窓内枠の気密パッキンを
一部切欠して室内外に連通ずる排水口部を開設し、この
排水口部に室外側にのみ開放する逆止弁を取着している
から、窓内枠閉止姿勢において此等窓内枠と氷返し用垂
壁部との間に滞溜される雨水は、その滞溜水位が外圧に
打ち勝つ時に上記排水口部および逆止弁を通して室外に
円滑に排水されるに至り、従って気密パッキンと窓外枠
下枠との水（気）密効果が比較的強力であっても滞溜雨
水が水返し用垂壁部を越えて室内部に溢流する如き過度
の水位まで滞溜されることがない。

又、上記排水口部より滞溜雨水を排水する際、外風が吹
きこみ方向に作用するも、逆止弁がこの外風の力で排水
口部を閉じ外風の侵入を阻止するので、滞溜雨水がしぶ
きとなって吹き上げられることがない。

【図面の簡単な説明】

第１図は引違い窓の室外側正面図、第２図は窓下粋の拡
大側面図、第３図ａ，ｌ）は本考案の要部である排水口
部部分の斜視図および断面図、第４図は滞溜雨水の排水
動作を説明する動作説明図、第５図は従来装置の欠点を
説明する動作説明図である。 １・・・・・・窓外枠、２ａ，２ｂ・・・・・・窓内枠
、３ｂ・・・・・・下枠、８ａ，８ｂ・・・・・・下框
、１０ａ，１０ｂ・・・・・・気密パッキン、１２・・
・・・・排水口部、１３・・・・・・逆止弁。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 窓外枠の下枠に常時摺接する気密パッキンを室内外窓内
   枠の下框に設けると共に、この室内外窓内枠のうち室外
   側窓内枠の気密パッキンを一部切欠して室内外に連通ず
   る排水口部を開設し、この排水口部に室外側にのみ開放
   する逆止弁を取着したことを特徴とする引違い窓の排水
   装置。