JPS59627Y2 - 試験用負荷装置

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【考案の詳細な説明】本考案は交流電源の特性試験等を行なうために用いる試
験用負荷装置に関する。

交流電源の特性試験を行なう場合には、電圧、電流に関
する特性は勿論のこと、位相に関する特性も重要である
。

このために試験用の負荷に抵抗、コイル、コンデンサ等
を用いて位相を変化させ、すなわち力率の変化に対する
特性を得るようにしている。

ところでこのような試験用の負荷では上記力率を広範囲
に連続的に変化させることができることが望まれている
。

第１図では従来のこの種の負荷装置の一例を示す図で試
験を行なうべき交流電源１に接続する抵抗２、この抵抗
２にスイッチ３を介して選択的に並列接続する可変キャ
パシタンス４、可変インダクタンス５を設けている。

しかしながらこのようなものでは可変キャパシタンス４
および可変インダクタンス５に可変比が大きいものを用
いる必要があり形状が大型でコストも高価になる。

また第２図に示すものでは交流電源１に第１のスライダ
ック６を接続し、この第１のスライダック６の摺動子に
抵抗７および第２のスライダック８を接続し、この第２
のスライダック８の摺動子にスイッチ９を介してコンデ
ンサ１０またはコイル１１を接続するようにしている。

しかしながらこのようなものでも２個のスライダックを
必要とするために形状も大型でコストも高価になる問題
があった。

本考案は上記の事情に鑑みてなされたもので力率を連続
的かつ広範囲に可変でき形状も小型で軽量化できしかも
所望の力率を正確に設定することができる試験用負荷装
置を提供することを目的とするものである。

以下本考案は一実施例を第３図に示すブロック図を参照
して詳細に説明する。

図中１０１は試験を行なうべき交流電源、１０２はダイ
オードブリッジ１０３を介して交流電源の出力を与えら
れて消費する負荷すなわちトランジスタで゛ある。

なおこのトランジスタ１０２には直列に電流検出用の抵
抗１０４および電源１０５を介挿している。

そして１０６は交流電源１０１の出力電圧の位相を外部
からの操作に応じてすらす移相器である、さらに１０７
は抵抗１０４の端子間電圧すなわちトランジスタ１０２
に流れる負荷電流を検出する電流検出器である。

そして移相器１０６および電流検出器１０７の出力を差
動増幅器１０８へ与えこの差動出力をトランジスタ１０
２のベースへ与えて制御するようにしている。

以下第４図に示すタイムチャートを参照して上記実施例
の動作を説明する。

先ず交流電源１０１の出力電圧ｖｔ（第４図ａ）をダ
イオードブリッジ１０３を介してトランジスタ１０２に
印加する。

一方交流電源１０１の出力電圧ｖ１を移相器１０６で所
定量だけ位相をずらし、たとえば位相を３０°遅らせて
この出力電圧Ｖ（第４図ｂ）を差動増幅器１０８の一
方の２人力へ与える。

またトランジスター０２に流れる電流１１に対応して電
流検出器１０７から出力する検出電圧Ｖ３（第４図Ｃ
）を差動増幅器１０８の他方の入力へ与える。

したがって差動増幅器１０Ｂは位相器１０６の出力電圧
■２に等しい電圧を電流検出器１０７から得るようにト
ランジスター０２を制御する。

しかしてトランジスター０２に流れる電流１１（第４図
ｄ）を上記位相器１０６の出力電圧Ｖ２に同期して制御
することができる。

したがって交流電源１０１に対しては所望の力率の負荷
を接続したことに等しく、かつ上記トランジスター０２
には位相器１０６の出力電圧■２に同相の電流１１が定
抵負荷として流れる。

また上記力率は位相器１０６に設定する位相量に応じて
適宜に可変することができる。

なおこの位相器１０６は安価なものではＣＲネットワー
ク高積度なものではデジタルフィルタ等適宜に用いるこ
とかできる。

特に位相器１０６としてデジタルフィルタを用いた場合
は位相制御をデジタル的に正確に行なえしかも遠隔制御
を比較的容易に行なえる利点がある。

さらに力率の制御を電子的に行なえるのでスライダック
等を用いる場合に比して全体の形状も小型でかつ軽量に
なる。

以上詳述したように本考案によれば形状が小型かつ軽量
でコストも安価であり、しかも力率を広範囲かつ正確に
可変することができる交流電源の試験用負荷装置を提供
できる。

【図面の簡単な説明】

第１図、第２図は従来例を示す回路図、第３図は本考案
の一実施例を示すブロック図、第４図は上記実施例の動
作を説明する波形図である。１０１・・・交流電源、１０２・・・トランジスタ、１
０６・・・移相器、１０７・・・電流検出器、１０Ｂ・
・・差動増幅器。

【実用新案登録請求の範囲】